2025/12

経済ニュースまとめ 今朝のニュース 2025/12/12

経済ニュース速報まとめ わかりやすい市場分析とは?

 

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目次

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日銀、12月利上げは「確実」その後は半年に1回ペース

  • 調査対象のエコノミスト全員(100%)が、来週の会合での利上げを予想
  • 政策金利は0.5%から0.75%へ、今後のペースは「半年に1回」が主流
  • 政府の借金増(財政拡大)により、住宅ローン等に影響する長期金利が急上昇している点に警戒感

異例の「全員一致」で利上げ予想

ブルームバーグの調査によると、エコノミスト50人全員が「日銀は今回の会合で利上げする」と回答しました。植田総裁になってから、予想がここまで完全に一致するのは初めてのことです。 円安を食い止めるため、政府(高市政権)もこの利上げを容認していると見られています。

今後のシナリオ:ゴールはどこか?

市場の関心は「今回上げるかどうか」から「今後どのペースで、どこまで上げるか」に移っています。

  • ペース: 「半年に1回」という予想が64%で最多。
  • 最終的な金利(ターミナルレート): 今回の利上げサイクルのゴールは1.25%程度まで上がるとの見方が増えています(前回調査は1.0%)
  • 中立金利: 景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」がどこにあるのか(市場予測の中央値は1.5%)、日銀が今回新たなヒントを出すかどうかに注目が集まっています。

懸念材料:長期金利の急騰

政府が21兆円規模の大型経済対策(お金を配る政策)を打ち出したことで、「国の借金が増える」との懸念から長期金利が一時1.97%(2007年以来の高水準)まで跳ね上がっています。

日銀としては「利上げはしたいが、長期金利が上がりすぎて経済や財政が壊れるのは困る」という難しい舵取りを迫られています。もし長期金利が2%を超えて暴走すれば、追加利上げをためらう可能性もあります。

経済用語の解説

中立金利(ちゅうりつきんり)

【再掲】景気を加速も減速もさせない、理論上の「ちょうどいい」金利水準。 日銀の推計では1.0〜2.5%の範囲にあるとされています。今回0.75%に利上げすると、この範囲の下限に近づくため、「そろそろアクセルを離して巡航速度(中立)に戻す時期なのか、まだブレーキを踏むべきなのか」という議論が活発になります。

ターミナルレート

一連の利上げ局面における「金利の到達点(頂上)」のこと。 登山で例えると、今は0.5%から0.75%へ登ろうとしていますが、市場参加者は「最終的には1.25%という山頂を目指しているようだ」と予想しています。

長期金利(10年国債利回り)

「10年間お金を貸す時の金利」のこと。日銀がいじる「政策金利(短期金利)」とは別物ですが、連動します。 この長期金利は住宅ローン(固定)や企業の設備投資の金利に直結します。これが1.97%まで上がっているということは、一般市民や企業の借金負担がかなり重くなりつつあることを意味します。

 

米国株:S&P500とダウは最高値更新も、オラクル急落でAI投資に警戒感

  • S&P500とダウ平均が史上最高値を更新。利下げと景気への安心感が支え
  • オラクル株が約11%急落。AI投資への巨額支出と収益への懸念が再燃
  • ハイテク株から景気敏感株(金融・小型株)へ、資金がシフトする動きが加速

市場の動き:明暗分かれる

ハイテク中心のナスダックだけが下落し、それ以外の指数は上昇するという、くっきりとした対照的な動きになりました。

指数 動き 解説
S&P500 +0.21% 最高値更新。ハイテク安を他セクターがカバー
ダウ平均 +1.34% 最高値更新。金融株や景気循環株が強い
ナスダック -0.25% 下落。オラクル急落が重荷に
ラッセル2000 上昇 小型株も強く、資金が中小型へ流れている

なぜ「オラクルショック」が起きたのか?

オラクル(ORCL)の決算が投資家の不安を呼び起こしました。

  • 稼げていない: クラウド部門の売上が予想を下回った。
  • 使いすぎ: 設備投資を従来の計画より150億ドルも増やし、年間500億ドル使うと発表。
  • 借金頼み: 投資資金の多くを借金で賄っているため、過去の「ドットコムバブル」のような破裂リスクが懸念された。

これが引き金となり、「AI企業は巨額投資に見合うだけのリターンを出せるのか?」という疑念が再燃。エヌビディア(-1.5%)など他のAI関連株も連れ安となりました。

なぜ全体は崩れなかったのか?(ローテーションの発生)

ハイテク株が売られる一方で、市場全体が崩れなかった理由は、投資家が資金を引き揚げたわけではなく、「乗り換え」を行ったからです。

  • 金融株・小型株へ: FRBの利下げ決定と「景気は底堅い」という見通しから、銀行株や中小型株(ラッセル2000)、景気敏感株(ダウ構成銘柄)にお金が流れました。
  • タカ派的だが強気な利下げ: 「利下げは続くが、景気が良いからゆっくりやる」というFRBの姿勢は、株にとって理想的な環境(ゴルディロックス)と受け止められています。

難しい経済用語の解説

バリュエーション(Valuation)

企業の株価が、その会社の利益や資産に対して「割安か、割高か」を判断する指標のこと。 現在、AI関連株は期待先行で株価が高くなっている(バリュエーションが高い)ため、少しでも悪いニュースが出ると「割高だ!」と判断されて売られやすくなっています。

景気循環株(シクリカル銘柄)

景気が良くなると業績が上がり、悪くなると下がる株のこと。 銀行、自動車、素材、エネルギーなどが代表的です。今回は「景気が良くなりそうだ」という期待から、ハイテク株(グロース株)の代わりにこれらが買われました。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)

企業の借金が返せなくなった時(デフォルト)に備える保険のような金融商品。 「オラクルのCDSコストが上昇した」というのは、市場が「オラクルが借金を返せなくなるリスクが少し高まった」と判断し、保険料が高くなったことを意味します。

ドル売り継続、新規失業保険申請件数の急増で

  • ドル全面安:前日のFOMCに加え、失業者が予想より増えたことでドルが売られた
  • 円高進行:日米の金利差縮小を見込み、円は一時1ドル=154円95銭まで上昇
  • 野村証券の予測:2026年には1ドル=142円50銭まで円高が進むと予想

なぜドルがさらに売られたのか?

① 雇用への不安(新規失業保険申請の急増)

毎週発表される「失業保険をもらうための申請件数」が、前週より4万4000件も増えて23万6000件になりました。 これは季節的な要因(年末の調整)もあると見られていますが、市場は「米国の労働市場が弱っているかもしれない」と敏感に反応し、金利低下と共にドル売りにつながりました。

② FOMCの「ハト派」的な余韻

前日のFOMCでパウエル議長が「追加利下げの余地」を残したことや、FRBが短期国債(Tビル)を買って資金を供給すると発表したことで、米国の金利が下がりやすくなり、ドルの魅力が低下しました。

③ 他国の通貨が強い

  • スイスフラン高: スイス中銀が金利を「ゼロ」に据え置き、マイナス金利に戻さなかったことで買われました。
  • ユーロ高・ポンド高: 欧州やカナダ、オーストラリアの中銀が比較的強気(タカ派)な姿勢を見せているため、相対的にドルが弱くなっています。

円相場の見通し:140円台への回帰も?

ドル安の流れを受けて、円相場は一時154円台後半まで上昇(円高でドル円下落)しました。 野村証券(ノムラ・インターナショナル)のストラテジストは、「日本政府はこれ以上の円安を許さないだろう」として、2026年6月までに1ドル=142円50銭まで円高が進むと大胆に予想し、円を買うよう推奨しています。

難しい経済用語の解説

リスクリバーサル

オプション市場(権利を売買する市場)での投資家の心理状態を示す指標。 記事中の「プットオーバー(マイナス)」になったということは、投資家たちが「これからドルが下がる方に賭ける人の方が多くなった」ことを意味します。2ヶ月ぶりに市場の空気が「ドル弱気」に変わったシグナルです。

季節調整済み

経済データを見やすくするために、毎年決まった時期に起こる変動(クリスマス商戦や年末の雇用調整など)を取り除いて計算すること。 今回の失業保険申請の急増は「年末だから計算が難しい」という特殊要因の可能性もありますが、市場は一旦「悪いニュース」として反応しました。

Tビル(財務省短期証券)

米国政府が発行する、満期が1年以下の短い国債のこと。 FRBがこれを買うということは、市場にお金を供給することを意味し、金利を下げる圧力(=ドル安要因)になります。

 

 

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