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目次
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S&P500最高値更新、サンタラリーへの期待高まる
- S&P500とダウ平均が過去最高値を更新
- 雇用指標の改善で「ソフトランディング」期待が継続
- 年末特有の株高現象「サンタクロース・ラリー」が意識される
クリスマス前の米国市場は堅調に推移
24日の米国株式市場は、クリスマスイブのため短縮取引でした。 取引参加者が少ない中、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は最高値を更新し、主要3指数は5営業日続伸しています。
雇用の安定が相場を後押し
株価上昇の背景には、新規失業保険申請件数が予想外に減少し、雇用環境が底堅いと示されたことがあります。
この結果、景気が急激に悪化せず緩やかに落ち着く「ソフトランディング」への期待が改めて強まりました。 投資家の心理状態は良好で、来年にかけての利下げ予測も相場を支えています。
個別銘柄と今後の見通し
個別銘柄では、Appleのティム・クックCEOが株式を購入したとされるナイキや、好調な業績見通しを示したマイクロン・テクノロジーが買われました。
一方で、NVIDIAとの半導体製造試験の中止が報じられたインテルは下落しました。 市場では現在、年末年始にかけて株価が上がりやすい「サンタクロース・ラリー」への期待が高まっています。
用語解説
ソフトランディングとは? 景気を過熱させすぎず、かといって不況にも落とさずに、緩やかに安定成長へ移行させること。「軟着陸」とも呼ばれます。
サンタクロース・ラリーとは? 株式市場において、年末の最後の5営業日から新年の最初の2営業日にかけて、株価が上昇しやすいという経験則(アノマリー)のことです。
ビットコイン、 株・金が最高値を更新する中で低迷
- 米国株や金が最高値を更新する一方、ビットコインは年末の上昇相場に乗れず
- 現物ETFの売り越しや個人投資家の減少が響き、10月高値から約30%下落
- 金は年初来70%超の上昇を見せ、実物資産への資金シフトが鮮明に
伝統的資産との明暗分かれる
株式市場が「サンタクロース・ラリー」で盛り上がり、S&P500が最高値を更新する中、時価総額最大の暗号資産であるビットコインは8万7000ドル近辺での狭い値動きに終始し、市場の熱狂から取り残されています。
金(ゴールド)は歴史的な上昇
対照的に、安全資産とされる金(ゴールド)は1オンス=4500ドルを突破し、最高値を更新しました。
年初からの上昇率は70%を超え、過去約100年で2番目に高いパフォーマンスを記録する勢いです。投資資金が「実物資産」によるヘッジを選好し、暗号資産を避けている状況が浮き彫りになっています。
ビットコイン低迷の要因
ビットコインは10月初旬に最高値を付けたものの、その後失速し約30%下落しました。低迷の主な要因は以下の通りです。
- ETFの売り越し: これまで相場を牽引してきた米国の現物ビットコインETFが、10-12月期には売り越しに転じました。
- 投資家心理の冷え込み: 個人の投機的な取引が減少し、明確な買い手が不在となっています。
- テクニカル指標の悪化: 長期的なトレンドを示す「365日移動平均線」を下回っており、さらに価格が下がる調整リスクが意識されています。
用語解説
移動平均線(いどうへいきんせん) ある一定期間(この記事では365日)の価格の平均値をグラフにつないだ線のこと。現在の価格がこの線を下回っている場合、長期的なトレンドが「弱気(下落傾向)」であると判断されることが多く、投資家が警戒するシグナルとなります。
金が一時4500ドル突破、銀も最高値更新 1979年以来の記録的上昇
- 金(ゴールド)がアジア時間で史上初の1オンス=4500ドル台に到達
- 年間上昇率は約70%に達し、1979年以来の歴史的なパフォーマンス
- 銀(シルバー)も70ドルを超え最高値を更新、実需と供給懸念が後押し
利益確定売りで一服も、上昇基調は継続
24日の金スポット価格は、アジア時間帯に一時4525.77ドルという史上最高値を記録。
その後、ニューヨーク時間には利益確定の売りが広がり、前日比でほぼ横ばいから小幅安の推移となりました。
テクニカル指標のRSI(相対力指数)が「買われすぎ」を示す水準(70超)に達したことが、短期的な売りのきっかけとなりましたが、年間を通してみると約70%の上昇となっており、1979年以来の大相場となっています。
金価格を押し上げる「複合的な要因」
金利がつかない金がこれほど買われている背景には、複数の強力な要因
- 金融政策と地政学: FRB(米連邦準備制度)による来年の利下げ観測や、米国とベネズエラの対立激化による「安全資産」としての需要。
- 通貨不安(ディベースメント): 膨らむ米国の借金やトランプ次期政権の政策により、ドルの価値が下がることを懸念した資金逃避。
- 実需の強さ: 中央銀行による継続的な購入や、ETF(上場投資信託)への資金流入。
銀も連れ高、ゴールドマンは来年4900ドル予想
金だけでなく、銀も一時1オンス=72.70ドルまで上昇し、最高値を更新しました。銀の上昇は投機だけでなく、実需や供給の混乱に支えられており、底堅い動きを見せています。 ゴールドマン・サックスは、来年も金価格の上昇が続くと見ており、基本シナリオとして4900ドルを予想しています。
用語解説
RSI(相対力指数) 「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するテクニカル指標。一般的に70を超えると買われすぎ(売りサイン)、30を下回ると売られすぎ(買いサイン)と判断されます。
ディベースメント取引 国の借金増大やインフレなどで「通貨の価値が下がる(希薄化する)」ことを見越し、資産を守るために金などの実物資産へ資金を移す取引のこと。
ショートスクイーズ(踏み上げ) 空売り(価格下落を見込んで売り建てること)をしていた投資家が、予想に反して価格が上昇したため、損失を確定させるための買い戻しを余儀なくされ、それによってさらに価格が急騰する現象。
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