2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/15

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

14日の米国株市場:CPI発表を前に慎重な動き

14日の米国株市場は、消費者物価指数(CPI)発表を控えた慎重な姿勢が反映され、主要株価指数で明暗が分かれる結果となりました。S&P500種株価指数は小幅高で取引を終えたものの、ナスダック総合指数はハイテク株の売りに押されて下落しました。


主要株価指数の動向

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 5842.91 +6.69 +0.11%
ダウ工業株30種平均 42518.28 +221.16 +0.52%
ナスダック総合指数 19044.39 -43.71 -0.23%

市場の特徴:

  • S&P500種は上げ下げを繰り返しながらもプラス圏で引け、大半の銘柄が上昇。
  • 大型ハイテク株が売られ、「マグニフィセント・セブン」に関連する指数が1%下落。
  • ダウ平均は銀行株を中心に上昇。大手銀行の増益が期待されており、S&P500銀行株指数が上昇しました。

市場の注目点:CPI発表の影響

CPIはインフレの指標として最も注目されており、その結果は米連邦準備制度(FRB)の政策金利見通しに大きな影響を与えます。

高いインフレデータの場合:

利下げ期待が後退し、場合によっては追加利上げが市場で織り込まれる可能性。

株式市場にとってはリスクオフ(資産回避)の動きが強まるリスク。

インフレ鈍化データの場合:

利下げ観測が強まり、金融市場は安定する可能性。

ハイテク株や景気敏感株の上昇に寄与する展開が期待されます。

シティグループのスチュアート・カイザー氏は、CPI発表日として2023年3月以降で最も大きな変動が予想されると述べ、S&P500が上下1%の動きを見せる可能性を指摘しています。


その他の市場動向

個別銘柄

  • ゴールドマン・サックス:1.52%高。決算発表を控え、期待が高まっています。
  • イーライリリー:肥満治療薬「ゼプバウンド」の売上予想が嫌気され、6.59%下落。
  • ボーイング:2024年の年間納入数がコロナ禍以降で最低となったことから、2.08%下落。

経済指標

  • 昨年12月(2025/1/14公表)の生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、インフレ懸念が一時的に和らぎました。しかし、CPIの結果次第で市場のセンチメントが再び変化する可能性があります。

投資家心理とリスク評価

22Vリサーチの調査によれば、投資家の47%がCPI発表後に「リスクオフ(資産回避)」の動きが強まると予想しています。一方で、29%は「リスクオン(資産追求)」を予想しており、CPI発表後の動きには慎重な見方が広がっています。

  • 金融環境の引き締め:53%の投資家がさらなる引き締めが必要と考えており、FRBが引き締め姿勢を続けるかどうかが注目されます。
  • 金利政策の不確実性:FRBの政策金利を巡る見通しが依然として不透明な中、インフレ指標が市場の期待を左右する重要な材料です。

まとめと見通し

  • CPI発表が鍵:15日のCPI発表が市場の方向性を決定づける可能性が高いです。
  • 株式市場の変動:特にオプション市場では大きな動きが予想されており、リスク管理が重要です。
  • 注目セクター:銀行株や景気敏感株は短期的な利益を得る可能性がありますが、ハイテク株への警戒感が続いています。

市場はFRBの金融政策や企業の決算動向と合わせて、CPIデータに基づいた迅速な反応が求められる展開となるでしょう。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC) 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→97.33%(0%)
  • 1回→2.67%(0%)

年内12月まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→77.99%(-13.43%)
  • 2回→22.01%(+13.43%)

米国債市場の動向:30年債利回りが再び5%台に上昇

米国債市場では、30年債利回りが4.97%で取引を終え、一時5%を超える場面が見られました。これは、根強いインフレ懸念や米国債の供給増加の予想が背景にあります。短期債は一息ついたものの、中長期債はインフレリスクを織り込む形で利回りが上昇傾向にあります。


主要国債利回りの動き

国債 直近値 前営業日比 (bp) 変化率
米30年債利回り 4.97% +1.2 +0.24%
米10年債利回り 4.79% +1.0 +0.22%
米2年債利回り 4.36% -1.5 -0.33%

注目点:

  • 30年債利回りは2023年11月以来の高水準。
  • 10年債利回りも一時4.81%に達し、長期債の利回りが高止まりしています。
  • 短期債利回り(2年債)は、PPIの結果を受けてやや低下しました。

インフレ懸念とFRBの政策予測

  • PPIの結果

前年比3.3%上昇(前月比0.2%上昇)。

前年比で上昇率は2023年2月以来の最大となった一方、前月比では予想(+0.3%)を下回り、インフレ圧力がやや鈍化。

  • 利下げ予測の後退

昨年9月には、2025年までに100bp(1.0%)の利下げが広く予想されていましたが、堅調な経済指標とインフレ懸念を背景に、この予測は大幅に後退。

最新の金利先物市場では、2025年の利下げ幅は計30bp(0.3%)程度にとどまるとみられています。

  • 市場の視点

FOMC(28-29日開催予定)での利下げ一時停止は市場に完全に織り込まれており、CPI発表が次の政策決定における重要な指標となっています。


利回り上昇の背景と市場の見方

1. 米国債供給増加の影響

  • ソシエテ・ジェネラルのスバドラ・ラジャッパ氏は、「長期債はインフレリスクと米国債の供給増を反映している」と指摘。財政政策による国債発行増が利回りの上昇要因とみられます。

2. 利回り曲線の動き

  • 2年債と10年債の利回り格差は42.1bpと、ややフラット化が進行。
  • これは短期債利回りがやや低下する一方で、長期債利回りが高止まりしていることを示しています。

3. FRBの利下げ停止観測

  • クレジットサイツのザッカリー・グリフィス氏は、「PPIの結果が予想より幾分良かった」としつつも、FRBが少なくとも今後数回の会合で金融政策を据え置くことは明らかだと指摘しています。

まとめと展望

利回りの注目ポイント

長期債利回りの5%台回復は、投資家にとって魅力的な水準とみられる一方、インフレリスクが警戒される状況が続いています。

市場の次の焦点

15日発表のCPIがインフレ見通しやFRBの政策判断に大きな影響を与えると予想されています。

FOMC会合(28-29日)の結果次第では、長短金利差や市場全体のセンチメントが大きく変化する可能性があります。

投資家の戦略

中長期債の利回りは魅力的な水準にあるものの、FRBの政策決定やインフレ指標次第でリスクが高まる可能性があるため、慎重な姿勢が求められます。

米国債市場は、FRBの金融政策や経済指標に敏感に反応する状況が続いており、短期的な動向が注視されています。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

外国為替市場の動向:ドル指数6営業日ぶりに低下

外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル指数が0.44%低下しました。トランプ次期米大統領の関税引き上げ案の報道や12月のPPI結果を受け、ドルは弱含む展開となりましたが、引き続き約2年ぶりの高値圏にあります。


主要通貨ペアの動き

為替ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1314.06 -5.81 -0.44%
ドル/円 ¥157.97 +¥0.49 +0.31%
ユーロ/ドル $1.0307 +$0.0062 +0.61%

ドルの動向と市場の反応

1. ドル指数の低下

ドル指数は6営業日ぶりに低下しましたが、依然として高値圏にあります。PPIの結果が予想を下回ったことや、トランプ次期大統領の段階的関税引き上げ案の報道がドル売りを誘発しました。

市場の注目点

段階的関税引き上げ案は、米国の貿易政策に対する不確実性を高め、ドル安圧力を強める要因となっています。

一方、FRBの利下げ観測の縮小や米国債利回りの上昇がドルを支えています。

2. ドル/円

ドル/円は157.97円まで上昇し、4営業日ぶりの上昇を記録。一時158.20円を付けましたが、その後はやや弱含みとなりました。

背景

日本銀行の氷見野副総裁が金融政策決定会合で追加利上げを議論する考えを示したことで、円高期待が高まりました。

市場では、日銀が利上げを行う可能性を57%と織り込んでいます。

3. ユーロ/ドル

ユーロは対ドルで0.61%上昇し、1.0307ドルとなりました。これはドル安による影響に加え、欧州の景気改善期待が後押ししています。


市場関係者の見解

UBSの予測

UBSのソリタ・マルチェリ氏は、2025年上期はドル高、下期はドル安に転じると予想。現在のドルが「過大評価された領域」にあり、ポジショニングの偏りがその裏付けと述べています。

短期的なドル/円の見通し

ダンスケ銀行のストラテジストは、ドルの対円でのショートポジションを推奨。一方、このポジションを長期的に維持するかどうかは、今後のマクロ経済動向次第としています。


インフレ指標と為替の関係

12月のPPI

前年比3.3%増、前月比は0.2%増(市場予想0.3%)。

インフレがやや鈍化したとの見方が広がり、FRBの利下げ観測が後退。これが米国債利回りの上昇とドルの支え要因となっています。

CPI発表への期待

トレーダーは15日のCPI発表を待ち、FRBの金融政策に対するヒントを得ようとしています。

マネックスUSAのヘレン・ギブン氏は、「CPI発表を控え、トレーダーがヘッジポジションを構築しているため、ドルはやや弱含んでいる」と指摘しています。


まとめと展望

ドルの動向

短期的には、関税政策やインフレ指標がドルの値動きに影響を与え続ける見通しです。

FRBの金融政策が据え置きや利下げに動く場合、ドルの強さが反転する可能性があります。

ドル/円の見通し

日銀の金融政策次第で、円高圧力が高まる可能性があります。特に来週の政策決定会合が注目されます。

ユーロの見通し

欧州の景気指標が改善すれば、ユーロは対ドルでさらなる上昇余地があります。

市場の焦点は引き続きインフレ指標と中央銀行の政策に向けられており、短期的な為替市場のボラティリティが高まる可能性があります。

 

 

コモディティ市場

原油市場の動向:WTI原油価格が反落

ニューヨーク原油先物相場は反落し、WTI原油2月限は1バレル=77.50ドル(1.7%安)で終了しました。ロンドンICEの北海ブレント原油3月限も1.3%下落して79.92ドルで取引を終えました。


主な要因

  1. イスラエルとハマスの停戦交渉観測
    • 米CBSが、イスラエルとハマスが停戦と人質解放で原則合意したと報じたことで、中東情勢の緊張緩和が供給リスク低下につながり、原油価格の下押し材料となりました。
  2. ロシア・イランからの供給リスク
    • 最近の供給減少懸念が原油価格を5カ月ぶりの高値に押し上げていましたが、停戦観測がその上昇基調に一服感を与えました。
  3. テクニカル指標
    • **相対力指数(RSI)**が「買われ過ぎ」の領域に達しており、アルゴリズム取引を手掛けるCTA(商品投資顧問業者)の動きに買い疲れが見られました。

専門家の見解:

  • TDセキュリティーズのダニエル・ガリ氏は、「供給リスクプレミアムが持続的に上昇しない限り、WTI原油を支える新たなシナリオは期待しづらい」と指摘しています。

金市場の動向:金価格が反発

金相場は反発し、スポット価格は1オンス=2673.88ドル(0.4%高)、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は**2682.30ドル(0.1%高)**で引けました。


主な要因

  1. PPIの結果を受けたインフレ懸念の和らぎ
    • 12月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことで、インフレ圧力が弱まりました。
    • これにより、金がインフレ対策としての投資先として買われました。
  2. 利上げ観測の後退
    • 金は利子を生まない資産のため、利上げ局面では魅力が低下しますが、今回のPPIを受けてFRBの積極的な利上げ期待が後退し、金価格の反発を後押ししました。

まとめと展望

原油市場

  • 原油価格は中東情勢の進展やロシア・イランからの供給リスクに引き続き左右される可能性があります。
  • 今後の価格上昇には、地政学リスクや供給の減少といった材料が必要とされます。

金市場

  • 金価格はFRBの金融政策やインフレ指標に影響を受ける状況が続きます。
  • 短期的には、インフレ懸念の動向が金相場の重要な材料となるでしょう。

両市場ともに、今後発表されるCPI(消費者物価指数)や地政学的なニュースが大きな影響を及ぼす可能性があります。