2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/17

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株市場:S&P500種4日ぶり反落、ハイテク株の下げが重し

16日の米国株市場は、S&P500種株価指数が0.21%下落し、前日の大幅高から反落しました。トランプ次期大統領の財務長官指名公聴会や企業決算への注目が市場を左右する中、大型ハイテク株の下げが全体の足を引っ張りました。


主要株価指数の動き

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 5937.34 -12.57 -0.21%
ダウ工業株30種平均 43153.13 -68.42 -0.16%
ナスダック総合指数 19338.29 -172.94 -0.89%

市場の注目点

1. ハイテク株の下落

  • 大型ハイテク株で構成される「マグニフィセント・セブン」に連動する指数が1.9%下落
  • アップルが4.04%下落し、調査会社カナリスのデータでiPhoneの中国出荷台数が17%減少したことが嫌気されました。

2. トランプ次期政権と財務政策

  • トランプ次期大統領が財務長官に指名したスコット・ベッセント氏が、「大型減税が延長されなければ経済危機を迎える」と警告。
  • 公聴会の内容が市場の注目を集めました。

3. 銀行セクターの好調決算

  • モルガン・スタンレー:決算を受けて4.03%上昇。
  • バンク・オブ・アメリカ(BofA):好調な決算を発表したものの、0.98%下落。
    • BofAは2025年の金利収入増を見込んでいると発表。

専門家のコメント

  • ホセ・トレス氏(インタラクティブ・ブローカーズ)
    • 「前日の大幅上昇を受け、投資家が一時的に取引を控えた」と分析。
  • ブラックロックのヘレン・ジュエル氏
    • 「企業決算が堅調でも、経済成長とインフレの懸念から相場の持続的な上昇は難しい」との見解を示しました。
  • ウォラーFRB理事
    • 「インフレが緩和し、予想より早いペースで利下げが行われる可能性が高まった」と述べ、利回りの低下につながりました。

市場の課題と見通し

1. 企業決算への期待と懸念

  • 第4四半期の決算シーズンが進む中、投資家の関心はマクロデータから個別企業の収益動向に移行。
  • ヘレン・ジュエル氏(ブラックロック)は、「決算が予想を上回った場合の市場反応が注目される」と指摘。

2. ハイテク株の弱さ

  • ハイテク株は引き続き市場全体のパフォーマンスに影響を与える要因。
  • iPhoneの中国市場シェア減少や、金利環境の変化がハイテクセクターに逆風。

3. FRBの利下げ期待

  • CPI鈍化を受けた利下げ期待が市場を支える要因となっていますが、利下げの規模や時期を巡る不透明感が残ります。

まとめ

16日の米国株市場は、前日の大幅上昇から反落。ハイテク株の下落や財務政策の不透明感が重しとなりました。一方で、銀行セクターの好調な決算が一定の支えとなり、投資家は引き続き企業業績と経済指標を注視しています。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC) 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→97.33%(0%)
  • 1回→2.67%(0%)

年内12月まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→43.52%(-34.47%)
  • 2回→56.48%(+34.47%)

米国債市場の動向:ウォラーFRB理事の発言を受け利回りが低下

16日の米国債市場は、ウォラーFRB理事の発言を受けて利回りが低下しました。同理事は「インフレデータが良好であれば、年内の利下げが予想より早く、また回数が増える可能性がある」と発言し、これが市場の期待を強めました。


主要国債利回りの動き

国債 直近値 前営業日比 (bp) 変化率
米30年債利回り 4.85% -2.6 -0.53%
米10年債利回り 4.61% -4.3 -0.92%
米2年債利回り 4.23% -3.0 -0.69%

市場を動かした主な要因

1. ウォラー理事のハト派的発言

  • インフレ鈍化が続けば、FRBは利下げペースを加速する可能性があると述べ、年内2回以上の利下げ期待が高まりました。
  • ウォラー氏の発言により、金利先物市場では年内の利下げ幅が43bpに拡大(前日は37bp)。
  • 7月までの初回利下げが完全に織り込まれる形となりました。

2. 経済データ

  • 新規失業保険申請件数:21.7万件と予想(21万件)を上回り、労働市場の微妙な鈍化を示唆。
  • 小売売上高:12月は前月比+0.4%増加、11月のデータも上方改定され、個人消費の底堅さが確認されました。

3. 利回り曲線の動き

  • 10年債利回り:午後には一時4.59%に低下。
  • 2年債と10年債の利回り格差:36bpに縮小し、カーブのフラット化が進行。

専門家の見解

アンジェロ・マノラトス氏(ウェルズ・ファーゴ)

ウォラー理事の発言は明確にハト派的で、利下げサイクルが終了したとの市場観測に冷や水を浴びせた」とコメント。

ロバート・ティップ氏(PGIMフィクスト・インカム)

FRBは景気拡大を確実にするため、利下げを進めるだろう」と述べる一方、利回り曲線の正常化が進む中で長期金利の大幅な低下は期待できないとの見方を示しました。


今後の注目点

1. 初回利下げのタイミング

  • 市場は7月までの利下げを完全に織り込んでおり、6月FOMCでの利下げ実施確率が69%と予想されています。
  • これにより、短期債利回りの動向が引き続き焦点となります。

2. 利下げ幅とペース

  • 年内の利下げ幅は43bp(0.43%)と見られ、2回の0.25%利下げが現実味を帯びています
  • 経済指標やFRB高官の発言が、市場の利下げ期待を左右するでしょう。

3. 利回り曲線の動向

  • 2年債と10年債の利回り格差が縮小を続けるかが、金融市場の正常化の指標となります。

まとめ

16日の米国債市場では、ウォラー理事の発言をきっかけに利回りが低下し、年内の早期利下げ期待が一段と強まりました。ただし、経済データが示す個人消費の底堅さや雇用市場の粘り強さは、FRBの判断を複雑化させる要因となっています。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

外国為替市場の動向:円が対ドルで続伸、日銀の利上げ期待が背景

16日のニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで続伸し、ドル円は12月19日以来の安値水準である1ドル=155.13円を付けました。一方、ブルームバーグ・ドル指数はわずかに上昇したものの、米国債利回りの低下がドルの上値を抑える展開となりました。


主要為替レートの動き

為替ペア 直近値 前営業日比 変化率
ドル/円 ¥155.13 -¥1.34 -0.86%
ユーロ/ドル $1.0301 +$0.0012 +0.12%
ブルームバーグ・ドル指数 1312.69 +1.63 +0.12%

円高の主な要因

1. 日銀の利上げ期待

  • 日銀が23日から24日に開催する金融政策決定会合で0.25%の利上げを行う可能性が84%と織り込まれています。
  • 日銀総裁や副総裁の発言から、利上げが議論される公算が高まっており、これが円買いを加速させました。

2. 米国経済指標の影響

  • 米国の新規失業保険申請件数が予想を上回り、労働市場にわずかな軟化が見られたことがドル安圧力を強めました。
  • 一方、小売売上高が堅調だったことで、ドルの下げ幅は限定的でした。

3. 米国債利回りの低下

  • 米国債利回りがFRBの早期利下げ期待を受けて低下。これによりドルが弱含みとなりました。

専門家の見解

クリスティーナ・フーパー氏(インベスコ)

米ドルは複雑な値動きを見せる。多くの通貨に対して強含む一方で、円に対しては弱含みとなる可能性が高い」と述べました。

ブルームバーグの分析

トランプ次期大統領の就任式後、大きな混乱がなければ日銀が利上げに踏み切る可能性が高いと指摘。


ユーロ/ドルの動向

  • ユーロは対ドルで0.12%上昇の1.0301ドル。
  • 米国の利下げ観測がユーロ高を支援する一方、欧州の景気改善期待が限定的であるため上値は抑えられました。

市場の注目点

1. 日銀の政策決定会合

日銀が利上げを行えば、円がさらに強含む可能性が高まります。

特に50bpの利上げ予想が約79%と織り込まれており、予想通りであれば円買いが加速する可能性があります。

2. FRBの利下げ期待

米国では、ウォラー理事のハト派的発言により年内2回の利下げが市場で織り込まれています。

今後発表される経済指標がFRBの金融政策の方向性を左右します。

3. トランプ次期大統領の政策

来週予定されるトランプ次期大統領の就任式が市場に与える影響も注視されます。


まとめ

円は続伸し、日銀の利上げ期待と米国債利回りの低下を背景に対ドルで強含みとなりました。

ドル指数は小幅に上昇したものの、米国の経済指標や利下げ期待がドルの重しとなっています。

市場は引き続き、日銀の政策決定会合とトランプ次期大統領の発言、FRBの金融政策の行方を注視しています。

 

コモディティ市場

原油・金市場の動向:原油反落、金は続伸で高値更新


原油市場:WTI原油が反落、ロシア制裁の行方を注視

16日のニューヨーク原油先物相場は反落し、1バレル=78.68ドル(前日比1.7%安)で取引を終了しました。市場はトランプ次期政権がロシア産原油に対する制裁を継続するかどうかを注視しており、買いが一服しました。

主な要因

  1. ロシア制裁の不確実性
    • トランプ次期政権は、ロシアとウクライナの和平合意を促進する制裁戦略を検討しているとの報道があります。
    • 制裁を強化する案と、制裁緩和で交渉を後押しする案の両方が議論されており、市場に不透明感を与えました。
  2. 大統領就任式への警戒
    • 市場参加者はトランプ氏の20日の大統領就任式を控え、戦略の調整が必要と考えています。
  3. 前日の急騰の反動
    • 前日には昨年7月以来の高値を記録しており、利食い売りが出やすい状況でした。

主要原油価格

取引所 価格 前日比 変化率
WTI先物(2月限) 78.68ドル -1.36ドル -1.7%
北海ブレント(3月限) 81.29ドル -0.74ドル -0.9%

金市場:続伸で1オンス=2700ドルを突破

金相場は3日連続で上昇し、スポット価格は1オンス=2700ドルを上回り、約1カ月ぶりの高値を記録しました。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は**2750.90ドル(1.2%高)**で取引を終えました。

主な要因

  1. FRBの利下げ観測
    • 前日の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、FRBの利下げ期待が再燃。金利低下は利子を生まない金の価格を押し上げます。
  2. インフレデータとドル安
    • 米国債利回りの低下とドル安が、金の買い材料となっています。

主要金価格

取引所 価格 前日比 変化率
金スポット価格 2700ドル超 約+0.7%
金先物(2月限) 2750.90ドル +33.10ドル +1.2%

市場の見通し

原油市場

  • 短期的には、ロシア制裁を巡るトランプ政権の政策動向が市場の鍵。
  • 供給面では、米国やOPEC+の動きが引き続き注目されます。

金市場

  • 利下げ期待が続く限り、金の上昇トレンドは継続する見込み。
  • 今後のFRBの政策スタンスや経済指標が、金価格の動向に影響を与えるでしょう。

まとめ

  • 原油市場は、ロシア制裁に関する不透明感や利食い売りで反落。一方、金市場はFRBの利下げ期待を背景に続伸し、1オンス=2700ドルを突破しました。
  • 今後は、トランプ次期大統領の政策発表とFRBの金融政策が両市場に大きな影響を与える可能性があります。