2025/2

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/2/28

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

エヌビディア決算後にナスダック急落 関税不安と景気減速懸念が重しに

27日の米株式市場は、ナスダック総合指数が前日比2.78%安と急落し、昨年11月以来の安値水準に沈みました。

S&P500種株価指数も1.59%安となり、大型ハイテク株を中心に大きく売られる展開。米景気の先行き不透明感と、トランプ大統領の関税政策を巡る混乱が市場心理を悪化させています。

指数名 終値 前日比 変化率
S&P500種株価指数 5861.57 -94.49 -1.59%
ダウ工業株30種平均 43239.50 -193.62 -0.45%
ナスダック総合指数 18544.42 -530.84 -2.78%

エヌビディア決算、期待に届かず失望売り

市場の注目を集めたエヌビディアの決算は、売上高見通しが市場予想を上回る堅調な内容でしたが、粗利益率の見通しが市場予想を下回るなど、AIブームをけん引する企業への期待を完全には満たせませんでした。

この結果、エヌビディア株は8.5%安と急落し、時価総額は2740億ドル(約41兆円)消失。フィラデルフィア半導体指数も6.1%安と大きく下落し、ハイテク株全体に波及しました。

  • エヌビディア(NVDA):-8.5%
  • ブロードコム(AVGO):-7.2%
  • AMD(AMD):-5.0%

ミラー・タバクのマット・メイリー氏は、「決算内容自体は悪くないが、AIブームによる利益期待が過剰だった可能性がある」と指摘しました。


関税リスクが相場全体を圧迫

トランプ大統領がメキシコ・カナダへの25%関税を3月4日に発動すると改めて表明。さらに、今月4日に発動した中国への追加関税10%に、さらに10%を上乗せすると発言。これを受けて、貿易摩擦の激化と景気減速懸念が強まり、投資家心理を冷やしました。

  • ブルームバーグがまとめた決算カンファレンス記録では、S&P500構成企業の会見で「関税」が約700回言及され、過去最多となりました。
  • 企業収益やコストへの影響が警戒されており、関税問題が年後半の相場を揺るがす最大要因になる可能性があります。

景気指標は強弱混在、新規失業保険申請は悪化

この日発表された週間新規失業保険申請件数は予想を上回り、年初来の最高水準に達しました。企業や連邦政府機関での人員削減が増えていることが背景です。

  • 米商務省が発表した第4四半期GDP改定値は前期比2.0%増に下方修正。
  • 過去1週間に発表された他の経済指標も景気減速を示唆しており、投資家のリスク回避姿勢を強める要因となっています。

市場はPCEデータ待ちの様子見ムード

28日には、FRBが最も重視する物価指標であるPCEコア価格指数が発表されます。

エコノミスト予想では、前年同月比2.6%上昇と見込まれていますが、予想以上にインフレが加速すれば、利下げ観測が後退し、株式市場には逆風になる可能性もあります。

プランテ・モランのジム・ベアード氏は、「関税の影響が本格化する前に物価圧力が再燃すれば、インフレ警戒感が強まり、金融政策のハト派姿勢が揺らぐ可能性がある」と指摘しています。


個別銘柄の動き

  • アポロ・グローバル・マネジメント:メタ・プラットフォームズの350億ドル調達を主導する方向で交渉中。
  • テスラ:カリフォルニア州で配車サービスの認可申請。
  • アマゾン:初の量子コンピュータ用チップを発表。
  • セールスフォース:2026年度の売上高見通しが市場予想を下回り4%安。
  • スノーフレーク:製品売上高見通しが好感され4.5%高。
  • ワーナー・ブラザース・ディスカバリー:ストリーミング事業利益の倍増見通しで4.8%高。

まとめ

  • エヌビディア決算を受け、ハイテク・半導体株が急落。ナスダックは昨年11月以来の安値。
  • トランプ政権の関税政策が企業マインドを冷やし、貿易摩擦リスクが再燃。
  • 新規失業保険申請件数の増加やGDP下方修正など、景気減速の兆候が目立つ。
  • 28日のPCEコア価格指数が市場最大の注目材料。インフレ動向次第で、FRBの利下げ期待と株価の行方が左右される展開。

米株式市場は、AI期待の剥落・関税不安・景気減速懸念という三重苦に直面。目先の戻り局面でも、ボラティリティの高い神経質な展開が続きそうです。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債利回り、長期債中心に上昇 PCE発表前の調整と経済指標を消化

米国債市場は、長期債を中心に利回りが上昇し、イールドカーブ(利回り曲線)がベア・スティープ化する展開となりました。

イールドカーブのベア・スティープ化とは、長期金利の上昇幅が短期金利よりも大きくなる現象を指し、景気の先行き懸念やインフレ警戒が背景となることが多い状況です。

種類 直近利回り 前営業日比(bp) 変化率
米30年債 4.53% +2.5 +0.54%
米10年債 4.26% +0.4 +0.09%
米2年債 4.05% -2.1 -0.50%

(米東部時間16:53時点)


材料難の中、PCE待ちの様子見ムード

前日までに大きく買われて利回りが低下していた反動もあり、この日は特段の材料がない中で利回りが小幅反発


朝方発表されたGDP改定値新規失業保険申請件数が強弱入り混じる結果となり、市場では消化不良のままPCE発表を控えて様子見姿勢が広がりました。

  • 第4四半期GDP(改定値):前期比年率2.3%増(速報値2.1%から上方修正)
  • 個人消費:4.2%増(速報値から横ばい)

これに対し、週間新規失業保険申請件数は増加し、労働市場の減速感も見え隠れしています。


FOMC利下げ期待は維持も、経済減速とのバランスに注目

eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は、「投資家はFRBによる利下げを期待しているが、景気が大幅に悪化してからの利下げは望んでいない」とコメント。


景気減速が進むなら、インフレも同時に鈍化するというシナリオが理想的だと指摘しています。

現在、市場では2024年に2回の利下げを織り込んでいますが、28日に発表される1月PCE価格指数の結果次第では、この見通しが再調整される可能性があります。


長期債中心に利回り上昇、10年債は7営業日ぶりの反発

この日は、10年債利回りが7営業日ぶりに上昇
短期債の利回りは横ばい圏にとどまり、2年債利回りと10年債利回りの逆イールド(短期金利>長期金利)の状態が続いています。

  • 10年債利回り:4.283%(+2.8bp)
  • 2年債利回り:4.275%(±0bp)

DRWトレーディングのルー・ブライエン氏は、「10年債利回りがFF金利(政策金利)を下回る状況は、FRBが過度にタカ派的(利下げに慎重すぎ)な可能性を示唆している」と指摘しました。


まとめ:PCE発表を前に神経質な展開続く

  • GDPは堅調な個人消費に支えられたが、新規失業保険申請件数は悪化
  • 投資家はFRBの利下げ期待を維持しながらも、景気後退リスクの高まりを警戒
  • イールドカーブはベア・スティープ化し、長期債利回りの上昇幅が大きい
  • 27日のPCE価格指数が、今後の金融政策と債券市場の方向性を左右する重要な材料となる。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

「ドル急伸、関税ショックが為替市場を直撃 ー 円は150円台に迫る攻防戦」

ドルが一日で急上昇、その背景は

27日の外国為替市場で、ドルが主要通貨に対して急伸しました。

特に対円では一時150円台に乗せる場面もあり、年初から続く「円安ドル高」基調が再び強まっています。


背景にあるのは、トランプ米大統領によるカナダ・メキシコへの関税発動宣言と、それに対する市場の反応です。


日本時間では円高も、欧米時間で一転

東京時間の27日午前、日本財務省の三村淳財務官がG20後に円相場について発言。これを受けて、一時は円買い(円高)が進行しました。


しかし、欧米時間に入るとトランプ大統領の関税発言が伝わり、円買いは一気に逆流。ドル買い・円売りの流れが優勢となりました。

結果として、ドル円は150円16銭まで上昇し、昨年11月以来の150円台を再び試す展開となりました。


トランプ発言で市場が混乱

今回の主役はトランプ大統領です。

これまで「カナダ・メキシコへの関税発動は4月2日」としていた方針を、突然「3月4日に25%関税を発動する」と明言。


市場は「関税ショック」に陥り、ドル全面高へとつながりました。

  • ブルームバーグ・ドル指数:0.6%超上昇(2月3日以来の大幅高)
  • 対ユーロ:1.04ドル割れ(1月以来の安値)
  • 対円:150円台目前

関税の影響を最も受けやすいオーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、スウェーデン・クローナなど資源国通貨も対ドルで大幅下落となりました。


ドル高でも消えない景気減速懸念

トランプ大統領の発言によるドル高が進む一方で、米国の経済指標は弱含み。
特に発表された新規失業保険申請件数は、今年に入って最高水準に増加し、企業や政府機関の人員削減が本格化している兆しが見えます。


さらに、第4四半期GDP改定値は年率2.3%増と前期(3.1%増)から減速。

  • 景気減速+関税リスク」のダブルパンチに、投資家心理は一層不安定に。
  • 関税が世界経済に与える影響や、他国の対抗措置への警戒感も広がっています。

BNYメロンのボブ・サベージ氏は、「関税が誰にメリットがあり、誰にデメリットになるのか不透明な状況。これが市場にさらなるノイズと不確実性をもたらしている」と指摘しました。


為替市場まとめ:27日の最終データ

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1294.33 +7.94 +0.62%
ドル/円 ¥149.81 +¥0.71 +0.48%
ユーロ/ドル $1.0397 -$0.0088 -0.84%
  • ドル指数は昨年12月以来の上昇率
  • ドル円は150円台を目前に控え、上昇余地を探る展開
  • ユーロは対ドルで1.04ドル割れ、2024年の最安値水準に

今後の注目ポイント

3月4日の関税発動が現実になるか?
発動されれば貿易摩擦の激化は避けられず、世界経済全体に波及する可能性大。

28日発表のPCE価格指数
FRBが最重要視する物価指標。インフレが再加速するなら利下げ期待は後退し、ドル高要因に。逆に鈍化すれば利下げ期待が高まり、ドルの上値は抑えられる展開。

日銀の動きにも注意
日銀植田総裁の「不確実性が非常に大きい」との発言は、日銀の慎重姿勢を改めて確認する内容。
為替市場では日本の政策金利引き上げ期待がじわり後退しており、円安基調に影響する可能性。


まとめ

  • トランプ関税発言でドル急伸、円は150円台を目前に。
  • 景気減速感も強まる中、関税リスクが新たな不安材料。
  • 28日のPCE価格指数が為替市場の焦点、ドル高継続か転換かを占う重要イベント。

 

コモディティ市場

「原油は6週間ぶりの大幅高、金は反落―関税ショックが市場を揺さぶる」

関税発動表明で原油と金の明暗分かれる

原油と金が対照的な動きを見せました。
トランプ大統領が3月4日にカナダ・メキシコへの25%関税を発動すると明言したことで、原油は6週間ぶりの大幅高。一方で金は反落し、年初来の上昇基調に一服感が出ています。

関税を巡る混乱と経済見通しへの不透明感が、コモディティ市場全体に波紋を広げる展開となりました。


原油市場:関税発動で米国産原油にスポットライト

この日、WTI原油先物(4月限)は前日比2.5%高の70.35ドルで取引を終えました。
6週間ぶりの大幅上昇となり、前日の安値(昨年12月10日以来)から急反発。
北海ブレント原油(4月限)も2.1%高の74.04ドルまで持ち直しました。

背景にある「関税ショック」

トランプ大統領が、カナダとメキシコからの輸入品に対する25%関税を3月4日に発動すると表明。
この2カ国は米国への原油供給国トップ2で、

  • カナダ:日量約400万バレル
  • メキシコ:日量約40万バレル

これらの原油が関税の対象になれば、米国内での原油需給に大きな影響を及ぼします。
関税回避のため、カナダ・メキシコ産原油の米国外シフトが進み、
その穴埋めとして米国産原油への需要増が意識されました。

ただし米精製所には課題も

一方で、多くの米精製所はカナダ・メキシコ産の重質油を精製する設備が中心。
米国で産出する軽質油では代替が難しいという構造的な課題もあります。
この点が、原油価格の上昇を抑制する要因になる可能性もあります。

市場の声

PVMオイル・アソシエーツのタマス・バルガ氏は、
「関税や減税がインフレ圧力を高め、経済成長を損なうリスクがある。
トランプ政権の政治・経済アジェンダが成長に与える影響は、まだ読み切れない」とコメントしています。


金市場:ドル高と利益確定売りが重しに

金スポット価格は反落し、1オンス=2879.59ドル(前日比36.80ドル安)となりました。
金先物(4月限)も1.2%安の2895.90ドル。
週間ベースでも12月末以来の下落となる見通しです。

原因①:関税発動によるドル高

関税発表を受け、リスク回避からドルが全面高に。
ドル建てで取引される金は、外国人投資家にとって割高となり、売りが膨らみました。

原因②:利益確定売り

金価格は年初から約9%上昇しており、
ここにきて「高値警戒感」から利益確定の動きも強まりました。
特に、28日に発表されるPCE価格指数を控え、ポジション調整の売りが入りやすい状況です。

市場の声

スタンダードチャータードのスキ・クーパー氏は、
金ETFへの資金流入は依然として堅調で、次の上昇局面では重要な買い支え要因になる」と分析。
一方で「短期的にはドル高や利益確定が上値を抑える」との見方を示しています。



今後の注目ポイント

地政学リスクと米政権動向
ウクライナ問題や中東情勢に加え、米大統領選に向けたトランプ氏の発言が原油・金双方に影響を与える展開。


まとめ

  • 原油は6週間ぶりの大幅高。関税発動による米国産原油への需要増期待が背景。
  • 金は反落。関税発動→ドル高で割高感が強まり、利益確定売りが優勢に。
  • 28日のPCE価格指数や関税実施可否など重要イベントを控え、
    原油・金ともに不安定な相場が続く見通し。