2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/15

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

株式市場が反発!トランプ関税緩和で投資家心理に一時的な安心感

  • 米国株式市場は、トランプ政権による関税措置の一部緩和を好感し、主要3指数が揃って上昇。
  • 特にアップルや自動車株が上昇したものの、市場の先行きは依然として不透明で、ボラティリティ(価格の変動幅)は高いまま推移しています。

株価が続伸した背景

米国の金融市場では14日、株式市場が続伸しました。トランプ政権が週末にかけて、一部の電子機器や輸入自動車・部品への関税措置を一時的に緩和・除外する方針を発表したことが、市場心理を改善させました。

関税とは?

関税とは、海外から輸入される商品に対してかけられる税金のことです。これにより輸入品の価格が高くなり、国内の産業を保護する狙いがあります。

具体的には以下の動きがありました

  • スマートフォンやコンピューターが追加関税の対象から一時除外。

  • トランプ大統領が輸入自動車や部品に対しても関税軽減措置を検討中と発言。

こうした動きを受けて、投資家は一時的な安心感を取り戻し、株価は上昇しました。

個別企業の動き

  • アップル(Apple)
    スマホ「iPhone」の出荷台数が1~3月期に前年同期比で10%増加したことや、関税緩和が好材料となり、2営業日で6%以上の上昇を記録しました。

  • デル(Dell)やHPなど、PCメーカーも上昇しました。

  • ゴールドマン・サックス
    2025年第1四半期の決算で株式トレーディング収入が過去最高を記録し、株価は1.9%上昇しました。

  • 一方、半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)は0.2%下落と軟調でした。

投資家心理は慎重姿勢を崩さず

市場は一時的に落ち着きを取り戻しましたが、専門家は「不透明感はなお強く、ボラティリティは高いまま」と指摘しています。

  • ボラティリティとは?
    株価や市場の価格変動の大きさを示す指標で、高いほど価格が急激に変動するリスクがあることを示しています。

シティグループの投資チームは、貿易戦争が長期的に経済成長や企業利益を抑える可能性があると見ており、米国株の投資判断を引き下げました。

また、アージェント・キャピタル・アドバイザーズのジェド・エラーブルック氏も「企業や投資家が長期的な計画を立てるのは難しい状況が続いている」と述べており、市場参加者の不安心理はまだ解消されていないことがわかります。

過去のデータから見る今後の展開

カーソン・グループの分析によれば、S&P500が年初から4月上旬までに15%以上下落したケースは過去16回ありますが、そのうち年末までにプラスに回復したのはわずか3回のみ。その3回はいずれも、FRB(米連邦準備制度理事会)が積極的に市場支援を行った年でした。

今回もFRBの動向が市場の回復に影響を与えるかが焦点となりそうです。


まとめ

✅ 米国市場はトランプ関税緩和策を好感し、一時的に株価が反発

✅ アップルは関税緩和と出荷好調で株価が大幅上昇

✅ 市場の不透明感は依然強く、投資家の心理は慎重

✅ 過去の経験では、市場が回復するにはFRBの積極的な支援が重要

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債市場が一時的に落ち着き、利回りが低下 – トランプ関税政策による混乱後の回復の兆し

  • 米国債相場が上昇し、先週の大幅な売り込みから回復の兆し
  • トランプ政権による一部製品の関税除外で市場に一定の安心感
  • FRB理事が関税によるインフレ影響は一時的との見解を示す
  • 市場専門家は慎重な姿勢を維持、完全な安定までは様子見の状況

米国債市場の回復

米国債相場は上昇に転じ、先週2001年以来の大幅上昇を記録した10年債利回りが6営業日ぶりに低下しました。トランプ政権が一部製品を高率の関税適用対象から一時的に除外したことが、市場に一定の安心感をもたらしています。

主要国債利回りの動き

  • 米30年債利回り: 4.81%(前営業日比-6.0bp、-1.24%)
  • 米10年債利回り: 4.38%(前営業日比-10.8bp、-2.40%)
  • 米2年債利回り: 3.85%(前営業日比-11.1bp、-2.80%)

ベーシスポイント(bp)とは?
金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します。例えば10bpの上昇は0.1%の利回り上昇を示します。

市場専門家の見方

ミシュラー・フィナンシャル・グループのトム・ディガロマ氏は「相場は確かに落ち着いている」としながらも、「ホワイトハウスから新しい情報を聞くまでは」現状が続く可能性が高いと述べています。

また、ブランディワイン・グローバルのジャック・マッキンタイア氏は「恐らく過去1週間の米国債売りが買いの機会を生んだ」と分析し、「そうした売りが全て終わったかは定かでない」として、「現段階では様子見を続ける」との慎重な見方を示しています。

FRBの見解とその影響

ウォラーFRB理事の講演後、米国債相場は一段と上昇しました。同理事は、トランプ大統領の関税政策がインフレに及ぼす影響は一時的なものにとどまる公算が大きいとの見解を示しました。

さらに、「景気減速が深刻化し、リセッション(景気後退)の脅威がある場合には、政策金利を従来想定より早く、かつ大幅に引き下げる方向を支持する」と述べ、市場の安心感につながりました。

リセッションとは?
景気後退のことで、一般的に実質GDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長になった状態を指します。

市場センチメントの変化

米国債に対する市場心理が前向きになっている兆候もあります。11日に発表されたデータによると、米国債先物のオープンインタレスト(未決済建玉)は急減し、投資ファンドがレバレッジを効かせたポジションを縮小したことが示唆されています。

ただし、長期債相場の反発は他の年限と比べると勢いが弱く、市場の完全な安定までにはまだ時間がかかる可能性があります。

まとめ

✅ 米国債市場は先週の混乱から一時的に落ち着き、利回りが全般的に低下しました

✅ トランプ政権の関税除外措置とFRB理事の発言が市場の安心感を高めました

✅ 専門家は引き続き慎重な姿勢を維持し、政治情勢の変化に注目しています

✅ 市場の完全な安定には、さらなる政策明確化や経済指標の改善が必要とされています

✅ 特に長期債は回復が遅れており、市場の警戒感はまだ続いています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル指数が5日続落、貿易政策の混乱でドル安進行

  • ドル指数が5日連続で下落。米国の経済減速やトランプ大統領の貿易政策の混乱が背景
  • ドル安の影響で円やユーロ、豪ドルなどが対ドルで上昇
  • FRB(米連邦準備理事会)は景気悪化を避けるため利下げを検討する可能性があると発言

ドルが下落し続ける理由

外国為替市場(外為市場)では、ドル指数が5営業日連続で下落しました。これは、米国経済の成長鈍化懸念に加え、トランプ大統領の貿易政策が頻繁に変化し、市場に混乱をもたらしていることが主な原因です。

ブルームバーグ・ドル指数とは?

ドルの価値を主要な通貨と比較して指数化したもので、数値が下がるとドル安を意味します。


米国への信頼感低下がドル安を招く

ドル安の背景には、米国の政策当局への信頼が揺らいでいるという事情があります。投資家は関税による不確実性から米国への資金投資を控え、資金を他国に移動させていると見られています。

専門家の見解

  • ブラウン・ブラザース・ハリマンのストラテジスト
    「関税停止があっても世界経済のリスクは依然として高い。ドルはさらに弱含む可能性が高い」

  • ForexLiveのチーフ通貨アナリスト(アダム・ボタン氏)
    「貿易に関する不確実性は極めて高く、市場は米国の経済成長に対して非常に否定的だ」

  • マネックス・ヨーロッパのマクロリサーチ責任者(ニック・リース氏)
    「市場は不確実性を避けるため米国外に資金を逃している。このためドル安がさらに進むリスクが高い」


円や豪ドルはドル安を背景に上昇

ドル安の影響で、円はドルに対して上昇しています。一時的に144円台前半までドルが買われましたが、その後は142円台後半まで円高が進みました。

また、豪ドルも続伸し、ポンドも対ドルで大きく値を上げています。一方、米中貿易摩擦の影響で中国の人民元は安値圏にとどまっています。


FRBは利下げ検討か?

FRB(米連邦準備理事会)のウォラー理事は、トランプ大統領の関税政策が米経済に大きな衝撃を与えるとして、景気後退(リセッション)を避けるため利下げする可能性を示唆しました。

利下げはドル安をさらに促進する可能性があり、今後の政策動向が注目されます。

FRBとは?

米国の中央銀行で、政策金利の調整などを通じて景気の調整を行います。利下げ(政策金利を下げること)は一般的に通貨安要因となります。


まとめ

✅ ドル指数が5日続落、貿易政策の混乱でドル安進行

✅ 米国の政策に対する信頼低下で資金が海外へ流出中

✅ 円や豪ドル、ポンドがドル安を背景に値上がり

✅ FRBが景気後退回避のために利下げを検討

✅ 米中貿易摩擦が人民元の安値を招いている状況

コモディティ市場

原油・金相場の最新動向

原油市場の現状

ニューヨーク原油先物はほぼ横ばいで推移しています。市場は米国の新たな貿易政策とイラン産原油に対する制裁緩和の見通しに注目しています。

トランプ氏が一部電子機器への上乗せ関税を除外したことで株式市場は上昇しましたが、米消費者の1年先インフレ期待が大幅上昇したことが原油価格の上値を抑える要因となっています。

原油供給の見通し

米国とイランは12日に核開発を巡る公式協議を実施し、両国とも協議を「建設的」と評価しました。これによりイランからの石油供給が増加する可能性が高まっています。この協議は2022年以来のトップレベル会合であり、長年の対立解決に向けた新たな一歩となりました。

原油需要の見通し

需要面では、トレーダーは急速に変化する見通しに対応に苦慮しています。

  • OPECは2025年と26年の需要増加量を日量約10万バレル下方修正
  • 米エネルギー情報局(EIA)はさらに大幅な下方修正を実施
  • JPモルガン・チェースは北海ブレント原油の今年の価格を66ドルと予測

OPEC(石油輸出国機構)とは?
世界の主要産油国が加盟する国際組織で、石油の生産量や価格の安定を図ることを目的としています。

原油価格の下落要因

原油価格は4月から下落基調にあります。主な要因は:

  1. 米中貿易戦争によるリセッション(景気後退)懸念
  2. エネルギー需要の低下懸念
  3. OPECプラスが予想より早く生産引き上げに動いたこと

ゴールドマン・サックスは「大幅な供給過剰」を予想し、2025年は日量80万バレルの供給過剰になるとの見通しを示しています。北海ブレント原油価格の年内平均予想をバレル当たり63ドルとしました。

原油価格の動向

  • WTI先物5月限:3セント(0.1%)高い1バレル=61.53ドルで取引終了
  • 北海ブレント6月限:12セント高い64.88ドル

金相場の動向

ニューヨーク金相場は反落しました。スポット価格は一時オンス当たり3245ドルを超え最高値を更新しましたが、その後売りに押されました。

金市場の特殊要因

貿易関税に関連した裁定取引により、米国の先物取引所の倉庫に流入した金が現在、徐々に流出しています。

裁定取引とは?
異なる市場間の価格差を利用して利益を得る取引手法です。

数カ月前、貴金属が貿易関税の対象になるリスクから、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の価格が世界的な基準価格を大幅に上回り、この価格差を利用するために金が米国に大量輸送されました。

しかし、今月米政府が金塊は関税対象外と確認したため、この裁定取引の機会は終了。米国の倉庫から金が流出し始め、COMEXの在庫は先週連日で減少、11日には1年余りで最大の流出となりました。

金価格の動向

  • 金スポット価格:27.57ドル(0.9%)下げて1オンス=3210.04ドル
  • COMEX金先物6月限:18.30ドル(0.6%)安い3226.30ドルで取引終了

まとめ

✅ 原油市場は米国の貿易政策とイラン制裁緩和の見通しに影響され、横ばい推移

✅ 主要機関は原油需要見通しを下方修正し、ゴールドマンは2025年に「大幅な供給過剰」を予想

✅ 金相場は最高値更新後に反落、米政府が金塊を関税対象外と確認したことで裁定取引が終了

✅ 原油・金ともに地政学的要因と貿易政策の変化に敏感に反応する相場状況が継続