2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/18

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株、まちまちの展開 FRBとトランプ氏の対立が波乱要因に

  • 米国株は3指数がまちまちの展開、S&P500は小幅反発
  • FRBパウエル議長が市場支援に否定的で、利下げ期待が後退
  • トランプ前大統領はFRBと対立姿勢を強め、市場に波紋
  • 保険株が急落しダウを押し下げ、医薬株とAppleが支えに

S&P500は小幅反発、ナスダックとダウは下落

終値一覧(4月17日終値)

 

指数名 終値 前日比 変化率
S&P500 5,282.70 +7.00 +0.13%
ダウ平均 39,142.23 -527.16 -1.33%
ナスダック 16,286.45 -20.71 -0.13%
  • S&P500は小幅反発、トランプ氏のEUとの貿易合意に対する楽観的なコメントが支えに。

  • ダウ平均は大幅安、医療保険大手ユナイテッドヘルスの決算悪化が重荷。

  • ナスダックはほぼ横ばい、Appleが反発するも、グーグル親会社アルファベットが下落。


トランプ氏とFRBの対立が注目点

トランプ氏の発言

  • 「パウエルFRB議長は一刻も早く解任すべき

  • 「FRBはすぐにでも利下げすべきだった」

パウエル議長の立場

  • 「物価上昇に与える影響をまず見極める」

  • 貿易戦争や関税の影響によるスタグフレーション(景気停滞+インフレ)への懸念を示唆

📝 スタグフレーションとは?
景気が悪いのに物価が上がり続ける経済状態。政策対応が難しい状況になります。


市場の反応とエコノミストの見方

  • 利下げ期待は後退:5月利下げの可能性はCMEフェドウォッチで6%まで低下

  • エコノミストの見解:今後1年以内に景気後退入りの可能性が高まったとの調査結果も

  • トランプ氏がパウエル氏を本当に解任に動けば「市場の信頼を大きく損なう」との懸念も


個別株動向

下落

  • ユナイテッドヘルス(UNH):-22%(通期見通しを下方修正)

  • グーグル(アルファベット):-1.4%(広告市場での独占認定)

  • CVS、ヒューマナなど保険株も軒並み安

上昇

  • イーライ・リリー:+14%(糖尿病薬が有効性を示す)

  • Apple:+1.4%(最近の下げから反発)


市場のセクター別動向

  • 上昇セクター:エネルギー(+2.3%)、主要消費財(+2.2%)など8セクターがプラス

  • 下落セクター:医療関連が中心


まとめ

✅ S&P500は小幅反発も、週単位では1.5%下落

✅ トランプ氏とパウエル議長の対立が市場に不透明感

✅ 利下げ期待が後退し、5月の利下げ確率は6%まで低下

✅ ユナイテッドヘルスの急落がダウ平均を押し下げ

✅ 米経済指標は一部弱く、景気後退懸念も残る

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債相場の動向と影響

  • 米国債相場は下落(利回りは上昇)
  • 利回り曲線がスティープ化しました、これは様々な要因が絡み合った結果です。

取引環境と主な動き

  • 祝日前の短縮取引(米東部時間午後2時まで)
  • 通常より取引が少ない中での大規模なブロックトレード発生
  • 原油相場の上昇が国債相場に影響

主要国債利回りの変動

  • 米30年債利回り:4.80%(前営業日比+5.9bp、+1.25%)
  • 米10年債利回り:4.32%(前営業日比+4.8bp、+1.12%)
  • 米2年債利回り:3.80%(前営業日比+2.9bp、+0.76%)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動を表す単位で、0.01%を1bpと表します

利回り曲線スティープ化の要因

  • トランプ大統領によるパウエルFRB議長解任への言及
  • ECB(欧州中央銀行)が貿易緊張による成長見通し悪化を示唆
  • 欧州市場での短期債買い

聖金曜日前の市場状況

  • 指標となる10年債利回り:5.2bp上昇して4.331%
  • 2年国債利回り:一時3.758%まで下落後、反転して2.1bp上昇の3.807%
  • 2年債と10年債の利回り格差:48.9bpから52.5bpに拡大
  • 30年債利回り:5.64bp上昇して4.8030%

まとめ

✅ 米国債相場は下落し利回りが上昇、祝日前の短縮取引で薄商いの中での動き

✅ 利回り曲線はスティープ化し、長期債と短期債の利回り差が拡大

✅ トランプ発言やECBの見解、欧州での取引動向が市場に影響

✅ 聖金曜日を控え全体的には小動きながら、債券間の利回り関係に変化

✅ 原油価格上昇も債券市場に影響を与える要因に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

円安、為替協議見送りが材料視 ECBは利下げ継続

  • 円は対ドルで続落、為替協議が議題に上らなかったことが影響
  • ECB(欧州中央銀行)が7回目の利下げを決定
  • ピムコは「ドルは今後弱含む可能性」と指摘
  • ドルは一時調整局面も、堅調さを維持

円が対ドルで下落、為替協議の見送りが材料視

17日の外国為替市場では、円が対ドルで下落しました。主な背景には、日米貿易交渉において為替が議題とならなかったことがあります。

赤沢亮正・経済再生担当大臣が「為替は議論されなかった」と明言したことで、円買いの思惑が後退し、円売りが進みました。

  • 欧州時間:一時 1ドル=143.08円まで下落

  • NY時間:141.90円近辺まで円が買い戻される場面も

  • 最終的には142円台前半~後半で推移


各通貨の値動き(米東部時間16:58時点)

 

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ドル/円 ¥142.47 +¥0.59 +0.42%
ユーロ/ドル $1.1363 -$0.0036 -0.32%
ブルームバーグドル指数 1224.68 -0.96 -0.08%

ドルの強さは一時的?ピムコは「アンダーウエート」を推奨

米資産運用大手PIMCO(ピムコ)のアナリストは、「ドルは今後、弱含む可能性がある」と述べ、ドルをアンダーウエート(保有比率を引き下げる)するよう助言しました。

アンダーウエートとは?

投資ポートフォリオにおいて、対象資産の比率を市場平均よりも少なく設定する投資戦略です。

その背景には、米国の国際投資ポジションが世界最大の赤字という現実があり、今後は再均衡の動きでドル安が進むと見られています。


ECBが7回目の利下げ 成長重視に転換

欧州中央銀行(ECB)は今回の会合で、政策金利を0.25ポイント引き下げ、2.25%とすることを決定しました。これで7回連続の利下げとなります。

ラガルド総裁は、トランプ政権の関税政策などを背景に、ユーロ圏の成長や消費に下押し圧力があると述べました。

利下げとは?

中央銀行が景気を刺激するために金利を引き下げること。企業の資金調達コストが下がり、投資や消費を後押しします。


市場の見方:ユーロは軟調、ドルは調整局面

  • ユーロ/ドルは一時 1.1336ドルまで下落、終盤では 1.1351ドル

  • 英ポンド/ドルは 0.1%上昇し1.3253ドル

  • ドルは対スイスフランで 0.97%上昇

スコシアバンクのストラテジストは、「ドルは一時的に調整局面に入っただけで、弱気見通しに変わりはない」としています。


トランプ氏の発言も引き続き注目材料

  • 中国との貿易交渉について「良いディールになる」と発言

  • FRBのパウエル議長に対しては「早期辞任を期待」と圧力をかける発言

こうした発言が市場の不確実性を高める要因となっており、今後も要警戒です。


まとめ

✅ 円は為替協議見送りを受けて対ドルで下落

✅ ピムコはドルの弱含みを予想し、アンダーウエート推奨

✅ ECBは7回目の利下げ、経済成長の下押しリスクを警戒

✅ ユーロは軟調、ドルは一時的な調整局面

✅ トランプ発言が引き続き市場を左右する可能性あり

コモディティ市場

原油価格の大幅上昇とその要因

トランプ政権のイラン制裁強化

ニューヨーク原油先物は大幅に続伸しました。トランプ政権がイランのエネルギー輸出に対する圧力を強めたことが主な要因です。

米財務省は、イラン産原油を輸入したとして中国の「茶つぼ(ティーポット)」と呼ばれる小規模製油所に制裁を科しました。この製油所は約10億ドル(約1420億円)相当のイラン産原油を取り扱っていたとされています。

貿易交渉の楽観視

米国と主要貿易相手国との関税交渉が合意に向かうという楽観的な見方も価格上昇を後押ししました。トランプ大統領はEU(欧州連合)との貿易合意成立に自信を示し、日米の関税交渉も前向きな展開を見せています。

その他の要因

  • 3連休前のショートカバー(空売りポジションの買い戻し)
  • アルゴリズム取引参加者の強気姿勢への転換

具体的な価格動向

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油先物:2.21ドル(3.5%)上昇し1バレル=64.68ドルで取引終了
  • 北海ブレント原油:3.2%上昇し67.96ドル

金価格の反落と今後の見通し

価格動向

ニューヨーク金相場は反落しました。一時は2年ぶりの高値を更新したものの、日米の貿易交渉への楽観的な見方から下落に転じました。

主な価格変動

  • 金スポット価格:0.7%下落し1オンス=3319.45ドル
  • COMEX(ニューヨーク商品取引所)金先物6月限:18ドル(0.5%)下落し3328.40ドル

専門家の見解

ABCリファイナリーのニコラス・フラッペル氏は、トランプ氏の関税政策を巡る先行き不透明感と世界的な貿易戦争の可能性が金価格を引き続き支えていくとの見通しを示しています。不確実性の要素として以下が挙げられています:

  • 関税の規模と範囲に関する不透明感
  • 米政権の戦略計画の不明確さ
  • 米国の貿易相手国の対応

まとめ

✅ 原油価格は米国のイラン制裁強化と貿易交渉進展への期待から3.5%上昇

✅ 中国の小規模製油所がイラン産原油取引で制裁対象に、米国の「最大限の圧力」方針が鮮明に

✅ 金価格は一時高値更新後、日米貿易交渉の進展で投資家センチメント改善により反落

✅ 専門家は貿易政策の不透明感が続く限り、金価格の下支え要因になると予測

✅ 地政学的緊張や貿易交渉の行方が両市場の今後の動向を左右する見通し