2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/24

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が続伸、トランプ氏の姿勢軟化期待で買い安心感広がる

  • 米中貿易戦争の緊張が緩和されるとの期待感が市場を支援
  • トランプ大統領がFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長を解任しないと表明
  • 個別企業ではボーイングやテスラが大きく値上がり

米中貿易摩擦、緩和期待が株価を支えるも先行きは不透明

米国株式市場はトランプ大統領が中国とFRBへの強硬姿勢を弱めている兆候を示したことで続伸しました。投資家がリスク回避の姿勢をやや緩め、安心感が広がりました。

米国株市場の主要指数の動き

  • S&P500種株価指数:5375.86(前日比+1.67%)

  • ダウ平均株価:39606.57(前日比+1.07%)

  • ナスダック総合指数:16708.05(前日比+2.50%)

S&P500指数は貿易戦争が激化した4月初旬以来、初めて2日連続で上昇しました。


米中関税問題、進展期待とその限界

米政府は中国製品への高い関税(50~65%)を引き下げる可能性が報じられ、一時市場は大きく反応。しかし、その後の米政府関係者からの発言で、関税引き下げは一方的に行われるものではないとの認識が示され、市場の期待はやや抑制されました。

関税(かんぜい)とは?

関税とは、外国から輸入される品物にかける税金です。関税が高いと輸入品の価格が上がり、輸出入が減少して経済活動が鈍化する可能性があります。


トランプ大統領のFRB議長への姿勢にも変化

トランプ大統領がFRBのパウエル議長を解任しないと明確に表明したことも市場の安心材料となりました。

FRB(連邦準備制度理事会)とは?

FRBはアメリカの中央銀行制度で、金利を決定するなど金融政策を通じて経済を調整しています。


個別銘柄の動向

  • ボーイング(+6.1%)
    生産や納入が予想より改善し、決算が市場予想を上回ったことで買われました。

  • テスラ(+5.3%)
    イーロン・マスクCEOがトランプ政権関連業務を大幅に縮小し、テスラの経営に集中すると表明したことで好感されました。


専門家の見解:不安定な状態は続くとの見方も

専門家からは、貿易摩擦はまだ完全に解消しておらず、緊張と緩和を繰り返す可能性があるため、投資家は慎重な姿勢を保ちながら相場の回復を見守ることになるとの指摘がされています。


まとめ

✅米中貿易摩擦の緩和期待で米国株が続伸した

✅トランプ大統領はFRB議長解任の意向がないことを表明、市場に安心感

✅ボーイングとテスラが決算や経営戦略を好感され大幅に上昇

✅市場は米中関税問題の行方に注目し、今後も不安定な動きが予想される

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債市場の動向:長期債利回りは低下、短期債利回りは上昇

最近の米国債市場の概況

米国債市場では長期国債(10年債・30年債)の利回りが下がりました。一方で、短期国債(2年債)の利回りは上昇しました。
これは、アメリカの金融政策や中国への関税政策の変化に対して市場が安心感を持ったことなどが影響しています。

長期債利回り

30年債 4.83%(前日比 -5.0bp)
10年債 4.39%(前日比 -1.4bp)

短期債利回り

2年債 3.87%(前日比 +5.2bp)

※「bp(ベーシスポイント)」は金利の単位で、1bp=0.01%です。

何が影響したのか?

トランプ氏発言と米中関係

トランプ前大統領がFRB(アメリカ中央銀行)のパウエル議長をすぐに解任しない可能性を示したほか、対中国関税を引き下げる見通しについて言及したため、投資家が安心し、長期債利回りが一時大きく下がりました。

経済指標と住宅市場

米国の新築住宅販売の数字が良かったため、景気に対する期待で短期債利回りが上がりました。

5年債入札の好調

5年債の発行に対して投資家の需要が高く、特に外国からの買いが多かったです。これは、5年以下の短期国債を多くの外国投資家が保有しているためです。

イールドカーブの動き

2年債と10年債の利回りの差(イールドカーブ)が平たんになりました。

※「イールドカーブ」とは、国債の償還期間ごとの利回りを線で結んだもの。平たん化は経済停滞や利下げ観測のサインとされます。

インフレとFRBの対応

関税緩和が進めばインフレの影響も小さくなり、FRBが今後利下げに動く可能性も指摘されています。

「タームプレミアム(長期債を持つための追加的な利回り)」も高い水準ですが、少し下がりました。

まとめ

✅ 長期債利回りは一時的に大きく下落し市場へ安心感
✅ 短期債利回りは経済指標の好調さで上昇
✅ 5年債入札は外国人投資家の需要が高かった
✅ 米中関係やFRB人事など政策的な発言が市場に影響
✅ 今後も政策や経済指標次第で市場の変動が予想されます

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

円が対ドルで急落、米財務長官が「通貨目標なし」と明言

今回の記事のポイント:

  • 米財務長官の為替水準に関する発言で円安が加速

  • 米中貿易交渉への期待やFRB議長の解任懸念の緩和により、ドルが全面高

  • 米経済の回復を示す統計がドルをさらにサポート


円が大幅下落、米国が「為替水準の目標を持たない」と表明

ニューヨーク外国為替市場で円は対ドルで大きく値を下げ、一時1.4%安の1ドル=143円57銭をつけました。この急激な円安の背景には、ベッセント米財務長官の発言があります。

ベッセント財務長官の発言内容は?

ベッセント財務長官は、日米の通商交渉において「為替レートの具体的な目標を追求するつもりはない」と明言しました。

これは日本政府に為替操作や円安是正を強く求める姿勢を示さなかったため、市場は安心感を持ち円売り(円安)へ動きました。

また、同長官は「日本がG7合意(通貨政策に関する国際合意)を尊重することを期待する」とも述べました。

米中関係の緩和とFRBへの懸念が後退、ドル高要因に

この日、ドルが全面高となった理由は他にもあります。

  • 米中貿易戦争緩和への期待感
    米政府は中国との貿易交渉で関税を引き下げる可能性を示唆。ベッセント氏自身も、米中の関係改善には関税率の引き下げが必要と指摘しました。

  • FRBパウエル議長解任の懸念が後退
    トランプ大統領が「パウエル議長を解任する意向はない」と表明。これにより、市場の不安が緩和されドルが買われました。

米経済指標(PMI)もドルを支援

米国で発表された4月の総合購買担当者指数(PMI)は緩やかな企業活動の拡大を示し、景気後退の懸念を和らげました。クレディ・アグリコルのマリノフ氏は「米経済は比較的好調を維持しており、ドルを支援する要素になっている」と述べています。


為替相場の動き

  • ドル/円:1ドル=143円48銭(前日比+1.35%円安)

  • ユーロ/ドル:1ユーロ=1.1313ドル(前日比-0.95%ドル高)

  • ブルームバーグ・ドル指数:1228.60(前日比+0.57%ドル高)


まとめ

✅ 円は米財務長官の「為替目標なし」発言で急落し、一時143円57銭へ

✅ 米中貿易関係の改善期待とFRB議長解任懸念後退がドル高を加速

✅ 米国の企業活動拡大を示す指標がドルの支援材料に

✅ 米ドルは主要通貨に対し全面的に上昇、安値圏から回復

✅ ビットコインも2%高の9万3705ドルまで上昇

コモディティ市場

原油・金市場のポイント

原油市場

  • OPECプラス(石油輸出国機構と協力する産油国の枠組み)の一部が生産を増やす動きを見せ、原油価格が下落しました。
  • カザフスタンが生産削減に協力できないと発言し、さらに売り材料となりました。
  • その後、カザフスタンは協力的な姿勢に転じたものの、値下がりは続きました。
  • WTI先物は前日比2.2%安の62.27ドル、ブレント先物は約2%安の66.12ドルになりました。

金市場

  • アメリカ政府が金融政策について柔軟な姿勢を見せ、市場の安心感が広がり金価格が大幅に下落しました。
  • FRB(アメリカ中央銀行)の独立性が守られる動きや、対中関税引き下げの可能性も影響しています。
  • 世界最大の金ETF(上場投資信託)から巨額の資金が流出し、1年で最大の流出額となりました。
  • ニューヨーク金スポット価格は前日比2.9%安、金先物は3.7%安となりました。

まとめ

✅ OPECプラスの一部が生産増加を望み、原油価格が下落
✅ カザフスタンの協力度合いが市場に影響
✅ 米国の政策安定感で金への投資が減り、価格に大幅下落
✅ 金ETFから過去最大級の資金流出
✅ 市場は産油国の動きや経済政策の変化に敏感です