2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/25

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場はハイテク主導で続伸、利下げ期待と決算好調が支援材料に

  • 米国株式市場はハイテク株を中心に大きく上昇
  • FRB(米連邦準備制度理事会)が早期利下げを行うとの期待が高まる
  • 米中貿易摩擦緩和への期待感も株高を後押し
  • 一方、企業の業績見通しには不透明感も見られる

ハイテク株が相場を牽引、FRB利下げ期待が市場を支える

4月24日の米国株式市場はハイテク株が主導して大幅に続伸しました。主要な株価指数は次のようになっています。

  • S&P500種株価指数:5484.77(前日比+2.03%)

  • ダウ工業株30種平均:40093.40(前日比+1.23%)

  • ナスダック総合指数:17166.04(前日比+2.74%)

特にS&P500はトランプ大統領が新たな関税を発表した今月2日以来の高値をつけました。市場では、FRBが予想よりも早く利下げを実施するのではないかとの期待が広がっています。

利下げとは?

利下げとは中央銀行が政策金利を引き下げることを指します。景気が減速した際に金利を下げることで企業や個人がお金を借りやすくなり、経済活動を促進する効果が期待されます。


米中貿易交渉の進展には疑問符

トランプ大統領は「中国との貿易交渉は進んでいる」と述べましたが、中国側は合意に向けた交渉が進行中との見方を否定しており、両国間の認識にズレが見られます。

ベッセント米財務長官は貿易摩擦緩和に前向きな姿勢を示しましたが、中国側は関税撤回を要求しており、貿易摩擦の行方は依然として不透明です。


個別企業の明暗が分かれる決算発表

市場の注目を集めた企業決算の状況は以下の通りです。

好調な企業

  • サービスナウ(人工知能を活用したソフトウェア企業):+15.5%
  • テキサス・インスツルメンツ(半導体企業):+6.6%
  • ハスブロ(玩具メーカー):+14.6%
  • アルファベット(Google親会社):決算発表後、時間外で株価上昇

不調な企業

  • IBM:決算が予想を上回ったが株価は-6.6%下落
  • インテル:売上高見通しが予想に届かず時間外で株価下落
  • アメリカン航空グループ、ペプシコ、P&G:貿易摩擦や消費減速を懸念し業績見通しを引き下げまたは撤回

景気減速リスクへの警戒感も依然強い

耐久財受注統計(企業の設備投資意欲を示す重要指標)は微増にとどまり、企業は慎重な姿勢を強めています。JPモルガン・アセット・マネジメントは関税による影響は「インフレよりも景気減速リスクが大きい」と指摘しました。


今後の注目点

  • FRBが利下げを実施するかどうか

  • 米中貿易交渉の進展と関税問題の行方

  • 個別企業の業績見通しと景気指標の動向


まとめ

✅ 米国株式市場はFRB利下げへの期待で大きく上昇

✅ ハイテク株が好調な企業決算を背景に相場を主導

✅ 米中貿易交渉は進展が見えにくく、不透明感が継続

✅ 一部企業の業績見通し引き下げなど景気減速への警戒感も強い

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債相場の動向と今後の金融政策

米国債相場の現状

米国債相場は上昇(金利低下)しています。これは、クリーブランド連銀総裁の発言で「6月にも利下げがあり得る」との見方が広がったことが好感されたためです。

現在の主な国債利回りは以下の通りです

  • 米30年債利回り: 4.77%(前日比 -4.8bp)
  • 米10年債利回り: 4.31%(前日比 -6.8bp)
  • 米2年債利回り: 3.79%(前日比 -8.2bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します

金融政策の見通し

ハマック総裁は5月の利下げ可能性は否定しましたが、6月までに明確なデータが得られれば、FRB(米連邦準備制度理事会)が動く可能性があると述べています。

市場予測では

  • 6月17-18日会合:0.25ポイントの利下げ確率が60%
  • 9月まで:計54bp(0.54%)の利下げ
  • 年内:計85bp(0.85%)の利下げ(0.25%幅で3回に相当)

経済データと市場の反応

最近発表された経済指標は、米国経済の底堅さを示しています:

  • 新規失業保険申請件数:22万2000件(前週から6000件増)
  • 3月の耐久財受注:前月比9.2%増

しかし、専門家の間では、今後の関税政策による経済減速への懸念も見られます。

国債入札状況

財務省が実施した7年債入札(440億ドル)の結果

  • 最高落札利回り:4.123%(昨年9月以来の低水準)
  • プライマリーディーラーの落札比率:15.3%(昨年9月以来の高水準)

まとめ

✅ 米国債相場は上昇し、利回りは低下傾向にあります

✅ クリーブランド連銀総裁の発言により、6月の利下げ期待が高まっています

✅ 市場は年内に計3回(0.85%)の利下げを予想しています

✅ 経済指標は底堅いものの、今後の関税政策による影響が懸念されています

✅ 国債入札では、需要の後退が見られるものの、利回りは低水準となっています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

米中貿易協議の不透明感でドル全面安、円は反発

  • 米中貿易交渉に関する米国と中国の見解が食い違い、市場が不安定化
  • ドルが主要通貨に対して下落(ドル安)し、円は対ドルで反発(円高)
  • イングランド銀行総裁はドルが基軸通貨の地位を失う懸念は過剰と指摘

米中貿易交渉めぐり市場混乱

ニューヨーク外国為替市場では、米中の貿易交渉をめぐる不透明感から、ドルが主要通貨に対して全面安となりました。

前日に市場は米中交渉の進展を期待し、ドル買い・円売りが進んでいましたが、中国政府が「米国との貿易合意に向けた交渉はしていない」と明確に否定したことで、市場の雰囲気が一変しました。

その後、トランプ米大統領が再び「米中間で会合は開かれた」と主張したものの、詳細な説明がなく、混乱が深まりました。

ドル安・円高の背景とは?

この混乱を受けて、投資家がリスクを避け、安全資産とされる円を買う動きが加速。一時142円28銭まで円高が進みました。

一方、ドルは対ユーロ、ポンド、スイスフランなど幅広い通貨に対して下落。市場調査会社ストーンエックスのウェラー氏は、米中の認識の差が大きすぎるため、「ドルの上昇は長続きしないだろう」と指摘しています。

ドル指数とは?

ブルームバーグ・ドル指数とは、ドルが他の主要通貨に対してどれくらい強いか弱いかを示す指数です。指数が下落すると、ドルの価値が相対的に下がっていることを意味します。


英中銀総裁の見解:「ドルの地位は安定」

また、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、トランプ政権の不安定な政策によりドルと米国債が下落しているものの、「ドルが基軸通貨としての地位を失う」という懸念は過剰だと冷静な見方を示しました。


暗号資産「$トランプ」が急騰

さらに市場では、トランプ大統領関連の公式暗号資産「$トランプ」がオーバーナイトの取引で33%急騰しました。この通貨の購入者上位220人がトランプ氏との夕食会に招待されるとの発表があり、人気を集めています。


まとめ

✅ 米中貿易交渉に関する情報の混乱からドル全面安、円が買われ円高に。

✅ ドル指数は約0.4%下落、ドル/円は一時142円28銭まで円高が進んだ。

✅ 英中銀総裁はドルが基軸通貨の地位を失うことはないと市場の懸念を否定。

✅ 米中間の見解の差が広がる限り、ドルの上昇は限定的との見方が強い。

✅ トランプ大統領の暗号資産「$トランプ」が特典付きイベント発表で急騰。

コモディティ市場

原油・金相場の最新動向

原油相場:反発傾向に

  • WTI先物価格は0.8%高の62.79ドル
  • 北海ブレント6月限は43セント高の66.55ドル

上昇の主な要因

  • 現物市場での需給タイト化の兆し
  • 米中間の緊張緩和の可能性
  • トランプ大統領が中国との貿易交渉進行中と発言

市場環境の変化

  • 原油価格下落を受け、一部石油生産企業が設備投資計画を縮小
  • WTIのプロンプトスプレッド(※)が約2カ月ぶりの強い水準に接近 ※プロンプトスプレッド:直近の先物価格と翌月以降の先物価格の差

地政学的リスク

  • ロシアのウクライナ攻撃でキーウで9人死亡
  • 米国はロシアに対し、ウクライナの軍隊・防衛産業保持の権利を認めるよう要求

金相場:大幅反発

  • 金スポット価格は1.45%高の3336.09ドル
  • COMEX金先物6月限は1.65%高の3348.60ドル

上昇の要因

  • 前日の年初来最大下落からの買い戻し
  • トランプ大統領の貿易戦争が利上げ見通しに影響

FRB関係者の発言

  • ウォラー理事:高関税再導入で企業の人員削減の可能性、その場合は利下げを支持
  • ハマック総裁:6月にも政策変更の判断が下される可能性を示唆

市場の見方

  • 貿易戦争による景気後退を防ぐため、FRBが予想より早く利下げに踏み切る可能性
  • 利息を生まない金にとっては追い風となる状況

まとめ

✅ 原油相場は需給タイト化の兆しと米中関係改善期待から反発しています

✅ WTI先物は0.8%高の62.79ドル、ブレント原油は66.55ドルで取引終了しました

✅ 金相場は前日の大幅下落からの反発で、約1.5%高の3336ドル台に上昇しました

✅ FRB高官の発言から早期利下げ期待が高まり、金にとっては追い風となっています

✅ 両市場とも地政学リスクや貿易政策の影響を引き続き注視する必要があります