2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株は6日続伸、投資家は慎重ながら回復に期待

  • 米国株は慎重ながら6日連続で上昇、S&P500は約8%の大幅高。
  • トランプ政権の関税政策が不透明でも、市場には底入れ感。
  • FRBの利下げ期待や関税負担軽減策が株価を後押し。

株式市場は慎重ながらも回復基調

米国株式市場は続伸し、S&P500種株価指数は6営業日連続で上昇しました。ダウ平均株価やナスダックも堅調で、市場では回復への期待感が高まっています。

  • S&P500種株価指数: 5560.83(前日比 +0.58%)

  • ダウ工業株30種平均: 40527.62(前日比 +0.75%)

  • ナスダック総合指数: 17461.32(前日比 +0.55%)

朝方に発表された経済指標(消費者信頼感指数や求人件数)が低調だったものの、市場ではこれを織り込む形で株価が上昇しています。

関税の影響は不透明ながら底入れ期待

トランプ政権の関税政策による混乱は依然として続いていますが、市場では「最悪期は過ぎた」と見る投資家が増えてきています。

これは、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気後退(リセッション)を避けるために利下げを行うとの期待や、自動車業界への追加関税軽減策などが影響しています。

トランプ・プットとは?

「トランプ・プット」とは、株価が下がった際にトランプ政権が政策的なサポートを行い、市場を支えるという期待感のことです。

FRBプットとは?

「FRBプット」は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策などで株式市場の下落を食い止めることを指します。

個別銘柄の動向

  • アマゾン: サイト上で関税費用の表示計画を否定。

  • アップル: ティム・クックCEOがiPhoneの米国内生産を希望。

  • ゼネラル・モーターズ(GM): 決算は好調も業績予想を撤回、株価は0.6%下落。

  • ハネウェル: 利益増加を好感し5.4%上昇。

  • コカ・コーラ: 売上・利益が予想を上回り0.8%上昇。

市場関係者の見方は慎重

レイモンド・ジェームズのラリー・アダム氏は年末のS&P500目標を5800としつつ、「経済減速がより明確になるまで慎重姿勢を取る」と述べました。またHSBCのストラテジストは年末目標を6700から5600に引き下げ、景気の減速や関税の影響による企業利益の圧迫を予想しています。

ニコル・イヌイ氏らストラテジストは、今後は景気後退(リセッション)と物価上昇を伴う景気後退(スタグフレーション)との間で市場の予測が揺れ動くと見ています。

スタグフレーションとは?

「スタグフレーション」とは景気が悪化しているにも関わらず、インフレ(物価上昇)が続く状態のことです。

注目される今後の経済指標と決算

今週は米国の雇用統計の発表や、アップルやマイクロソフトなどの大型企業の決算が予定されており、関税の影響が明らかになることが期待されています。


まとめ

✅ 米国株は慎重ながらも6営業日連続で上昇、回復基調が強まる

✅ トランプ政権の関税政策は不透明だが、FRBの利下げ期待が市場を支援

✅ 一部企業は関税の影響で業績予想を撤回するなど慎重な見通しを示す

✅ 市場では最悪期を脱したとの見方が広がりつつあるが、景気後退リスクへの警戒感も根強い

✅ 今週の雇用統計や主要企業の決算発表が今後の株価動向を左右する可能性あり

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り低下続く 弱まる米経済指標と投資家の警戒感

米国債相場の上昇傾向(金利は低下)

米国債相場は上昇しており、このままいけば4カ月連続で上昇することになります。投資家はトランプ政権の関税政策により経済が減速すると見ています。

国債の直近値と変化

  • 米30年債利回り:4.65%(-3.6bp、-0.78%)
  • 米10年債利回り:4.17%(-3.9bp、-0.91%)
  • 米2年債利回り:3.65%(-4.1bp、-1.11%)

※bp(ベーシスポイント)とは:金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します。

経済指標の弱さ

4月の米消費者信頼感はほぼ5年ぶりの低水準に落ち込みました。これを受けて10年債利回りは約2bp低下しています。また、3月の求人件数は市場予想を下回り、昨年9月以来の低水準となりました。

具体的には

  • 3月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数:719万2000件(28万8000件減)
  • 4月の消費者信頼感指数:2020年5月以来の低水準

投資家の反応と今後の見通し

投資家は米経済活動の減速を警戒し、短期の米国債を選好しています。ブルームバーグ米国債指数は月間ベースで4カ月連続の上昇となる見込みです。

BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は「経済データのさらなる軟化を警戒しており、金利低下を見込むスタンスに傾いている」と述べています。

雇用市場の状況

3月の雇用市場は微妙なバランスを示しています

  • 求人件数:減少(719万2000件)
  • 解雇件数:減少(155万8000件)- 9カ月ぶり低水準
  • 失業者1人当たりの求人数:1.02件(前月1.06件から減少)

企業はパンデミック時の人材確保の困難さを経験しているため、従業員の解雇には慎重な姿勢を示しています。

まとめ

✅ 米国債相場は上昇傾向で、4カ月連続の上昇となる見込みです

✅ 4月の消費者信頼感と3月の求人件数が予想を下回り、経済減速の兆候が見られます

✅ 投資家はトランプ政権の関税政策による経済への影響を警戒しています

✅ 労働市場は求人・解雇ともに減少し、微妙なバランス状態にあります

✅ 5月2日発表の4月雇用統計が、FRBの利下げ時期判断の重要指標として注目されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル全面高、米の自動車関税軽減策が好感される

  • ドルが主要通貨に対して上昇。
  • トランプ政権が自動車業界への関税負担軽減を発表。
  • ユーロはインフレ期待の高まりで下落。
  • 円は一時142円台まで値下がり。

米政府の関税軽減策でドルが上昇

米国が自動車業界に対する追加関税の影響を緩和する措置を打ち出したことで、外国為替市場ではドルが広く買われる展開となりました。

ドル高の背景:自動車関税の緩和措置とは?

トランプ政権は米国内で生産される自動車や部品に対し、25%の追加関税による影響を和らげる目的で、新たな措置を発表しました。これにより、自動車メーカーに米国内での生産体制を整える猶予を与える方針です。

円の動きは?

円は対ドルで一時142円76銭まで下落。その後一旦は下げ幅を縮めましたが、米国の関税軽減策が報道されると再び売りが優勢となり、ドル高・円安が進みました。

ユーロ下落、インフレ期待高まる

ユーロはインフレ期待が1年ぶりの高水準に近づいているとのデータを受け、対ドルで下落しています。

インフレ期待とは? 将来的に物価がどの程度上昇すると市場が予想しているかを示す指標です。インフレ期待が高まると、その通貨の価値が下落しやすくなります。


ドルの動向:4月は大きく下落も一時的に反発

月間ベースで見るとドルは依然として弱い状態にありますが、月末のポートフォリオ調整もあって一時的にドル買いが入りました。

ドル/円とユーロ/ドルの推移

  • ドル/円:直近142.22円(前日比+0.2%)だが、月間では5%超の下落。

  • ユーロ/ドル:直近1.1395ドル(前日比-0.2%)、月間で5.3%の大幅上昇。

専門家は、「今回のドル高は月末特有の動きであり、深読みは避けるべき」と指摘しています。


今後の注目ポイントは米国経済指標

今週は米国の重要経済指標が続々と発表されます。特に注目されるのが以下の指標です。

  • 米国内総生産(GDP)

  • 米個人消費支出(PCE)価格指数

  • 米雇用統計

市場では、これらの結果が米連邦準備理事会(FRB)の今後の金利政策に影響を与える可能性が高いため、注意が必要です。

米連邦準備理事会(FRB)とは? 米国の中央銀行のことで、金融政策(金利調整など)を決定する機関です。


まとめ

✅ ドルは自動車関税緩和策により全面高

✅ 円は対ドルで一時142円台まで値下がり

✅ ユーロはインフレ期待の高まりで弱含み

✅ 月末特有の取引で一時的なドル買いの可能性あり

✅ 米経済指標に注目、FRBの今後の政策が焦点に

原油は2週間ぶり安値、金はドル高で値下がり 今後の注目点はOPEC会合

原油市場の大幅下落

原油先物相場は大幅に続落しています。経済指標が米国経済の軟化を示し、世界的な貿易戦争への懸念から需要見通しが悪化したことが要因です。

WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は約2週間ぶりの安値で取引を終えました。具体的な価格は

  • WTI原油先物6月限:60.42ドル(前日比1.63ドル・2.6%安)
  • 北海ブレント6月限:64.25ドル(2.4%安)

原油価格下落の背景

価格下落の主な要因は以下の通りです

  1. 米経済の減速懸念
    • 4月の米消費者信頼感が大幅に悪化
    • トランプ大統領の関税措置に関連する悲観的見通し
  2. 貿易問題
    • 米中間の報復関税の影響
  3. 供給増加の見通し
    • OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合)が生産引き上げを計画
    • JPモルガン・チェースのアナリストによると、サウジアラビアを含む主要OPEC加盟国が生産拡大を加速させる可能性が高まっている

また、米原油相場は月間ベースで2021年以来の大幅安になる見込みです。

金相場の動向

金相場は反落しています。トランプ大統領が自動車業界への関税負担軽減を示唆したことでドルが上昇し、安全資産である金への需要が後退しました。

  • 金スポット価格:3322.83ドル(前営業日比21.15ドル・0.6%安)
  • 金先物6月限:3333.60ドル(14.10ドル・0.4%安)

今後の見通し

原油市場については

  • 中国の製造業データが注目されています(世界最大の原油輸入国の経済状況を示す指標)
  • OPECプラスの5月5日の会合での決定が重要

金市場については

  • 今週発表される米経済指標で労働市場悪化の兆候が見られれば、6月の米利下げ観測が強まり、金価格が上昇する可能性があります

まとめ

✅ 原油相場は米経済減速懸念と貿易戦争への不安から大幅続落しています

✅ OPECプラスの増産計画も原油価格の下押し要因となっています

✅ 金相場は自動車関税緩和への期待からドル高となり反落しています

✅ 米経済指標と中国製造業データが今後の市場動向の鍵となります

✅ 5月5日のOPECプラス会合が原油価格に大きな影響を与える見込みです