2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/14

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米中貿易摩擦の緩和を受け、米株市場が急伸

  • 米中の貿易摩擦が緩和し、市場に楽観ムード
  • S&P500種とナスダックが大きく上昇
  • 半導体関連銘柄が特に強く、テクノロジー株が買われる
  • ドルが下落し円高傾向、1ドル=147円台半ばまで円が上昇
  • CPI(消費者物価指数)の上昇率は予想以下でインフレ懸念後退

米中緊張緩和でテクノロジー株が上昇

13日の米国株式市場では、米中貿易摩擦の一時的な緩和を背景に主要指数が上昇しました。特にテクノロジー関連株が大きく値上がりしています。

S&P500種が2月以来の高値更新

  • S&P500種株価指数は0.72%上昇し、5886.55ポイントで終了

  • ナスダック総合指数は1.61%上昇し、19010.08ポイントと大幅に値を伸ばしました

  • 一方、ダウ平均は医療保険大手の急落で0.64%下落しました

半導体関連株が主導

今回の上昇の中心となったのは半導体関連株です。特に以下の動きが目立ちました。

  • フィラデルフィア半導体株指数は3.1%上昇

  • エヌビディアは5.6%高を記録

  • エヌビディアとAMDはサウジアラビアの巨大データセンタープロジェクト向けの供給契約を獲得しています

米中関係改善の兆しが市場心理を好転

米中が関税率引き下げで合意したことが、市場全体の楽観ムードを高めています。トランプ前大統領がサウジアラビアの1兆ドルの対米投資を示唆したことも、株価上昇の追い風になっています。

  • 米中協議後、投資家心理は一転して改善しました

  • BofA調査では、ファンドマネジャーの弱気ポジションが依然強く、痛みを伴いつつも追随買いが見込まれます


米消費者物価指数(CPI)は市場予想以下

4月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前年比2.3%にとどまり、市場予想(2.4%)を下回りました。これは企業が関税引き上げ分のコストを消費者に転嫁していないためで、インフレ懸念は後退

FRBの利下げ見通しに影響も

CPIが抑制されているため、FRB(米連邦準備理事会)は今後、雇用の改善に焦点を当てる余裕ができています。

市場では年内に0.25ポイントの利下げを2回予測していますが、主要銀行は1回への修正もあり得るとしています。


今後の見通し:弱気相場終了のシグナルか?

米中対立緩和やCPI安定を受けて、市場参加者はS&P500種が過去最高値(6144ポイント)を目指すとの見方を強めています。テクニカル的にも市場は上昇トレンド入りしており、「下落は買い」の流れが強まりそうです。

消費者物価指数(CPI)とは?

消費者が購入する一般的な商品やサービスの価格の動きを指数化したものです。物価の変動やインフレを測る指標として重要です。

半導体株指数とは?

半導体関連企業の株価動向をまとめた指標。市場のテクノロジーセクターの健康状態を見る重要な目安です。

ネットポジションとは?

投資家の買いと売りを差し引きした結果のポジション(立場)を指します。「アンダーウエート」とは、基準となる比率よりも低い投資比率を維持することを指し、弱気な姿勢を意味します。


まとめ

✅ 米中貿易摩擦緩和で市場は楽観ムードに

✅ 半導体銘柄を中心にテクノロジー株が上昇

✅ ドル安が進み円高方向へ

✅ 米消費者物価指数(CPI)の低下がインフレ懸念を和らげた

✅ 株価は上昇トレンド入りの兆候を示しており、過去最高値更新も視野

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国の消費者物価指数(CPI)に関する市場の反応と今後の金融政策の見通し

4月の米CPIについて

4月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びにとどまりました。これで3カ月連続で予想より低い伸びとなっています。衣料品や新車の価格が落ち着き、企業が関税引き上げ分のコスト転嫁を現時点では急いでいない状況が示されています。

市場関係者の見方

利下げ時期に関する見解

  • キー・プライベート・バンクのラジーブ・シャーマ氏は、利下げ再開は早くても9月という見方を維持し、7月利下げの選択肢は消えたと指摘しています。
  • トレードステーションのデービッド・ラッセル氏は、今回の統計が今夏の利下げ実施に向けた一歩になり得ると述べています。

関税の影響について

  • BMOキャピタル・マーケッツのベイル・ハートマン氏は、関税による価格上昇は避けられないものの、現在のインフレ低下傾向は好ましい出発点だと評価しています。
  • バンクレートのスティーブン・ケイツ氏は、今回の統計は関税発表後初の月次データとして重要だが、今後数カ月で企業のコスト対応が変化する可能性を指摘しています。

FRBの政策判断について

  • LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏は、貿易の不確実性によりFOMCが6月の政策調整に踏み切れない可能性を示唆しています。
  • モルガン・スタンレーのエレン・ゼントナー氏は、CPIの予想下回りは関税の影響がまだデータに表れていないだけで、FOMCは静観を続けるだろうと予測しています。

トランプ氏の主張とJPモルガンの見通し

トランプ氏はSNSで「インフレは見られない」とし、FRBは欧州や中国のように金利を引き下げるべきだと主張しました。

一方、JPモルガンは米中の暫定的な通商合意を受けて、米経済の成長見通しを引き上げ、年内のリセッション(景気後退)予想を取り下げました。リセッションリスクは依然高いものの、50%未満に低下したとしています。

債券市場の状況

米10年債の利回りはほぼ変わらず推移しています。市場では、米金融当局が関税の影響を精査する中で政策を維持するとの見方も根強い状況です。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.91% 0.4 0.08%
米10年債利回り 4.47% -0.2 -0.04%
米2年債利回り 4.00% -0.8 -0.20%

まとめ

✅ 4月の米CPIは3カ月連続で市場予想を下回り、インフレ鈍化の傾向を示しています

✅ 市場関係者は利下げ時期について、7月は難しく9月以降との見方が優勢です

✅ 関税の影響はまだCPIデータに十分反映されておらず、今後数カ月で顕在化する可能性があります

✅ JPモルガンは米中通商合意を受けて景気後退リスクを50%未満に引き下げました

✅ FRBは関税の影響を見極めるため、当面は現行の政策を維持する可能性が高いとされています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

米ドル全面安の背景は低調なCPIと利下げ期待の後退

  • 米国の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことでドルが売られ、円など他の主要通貨が買われました
  • 米中貿易関税の延期合意で、FRB(米連邦準備理事会)の利下げ時期が後ろ倒しになるとの見方が出ています
  • 日銀副総裁の利上げを示唆する発言も円買いを後押ししています

ドル全面安、背景には米CPIの低調な結果

外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して全面安となりました。その主な理由は、4月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回ったためです。

米労働省が発表した4月のCPIは前年比2.3%の上昇で、3月の2.4%より伸びが鈍化。これは2021年2月以来、約4年ぶりの低い水準となりました。

消費者物価指数(CPI)とは?
消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を測定する指標です。CPIの伸びが鈍化すると、インフレ圧力が弱まっていると判断され、金融政策の緩和(利下げなど)につながることがあります。

米中貿易合意でFRB利下げ期待が後退

米国と中国は関税引き上げの延期について合意しましたが、この延期期限が7月末のFRB会合(FOMC)の直後となっています。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のデレク・ハルペニー氏は、こうした日程から7月の利下げの可能性は低下し、利下げはさらに遅れる可能性があると指摘しています。

またアネックス・ウェルス・マネジメントのブライアン・ジェイコブセン氏は、関税がすでに物価上昇に影響していると述べつつ、今後米中関税が大幅に引き下げられればFRBが利下げを再開できるとの見解を示しました。

FOMC(連邦公開市場委員会)とは?
米国の金融政策を決定する会合です。金利を上げ下げすることで経済をコントロールします。

日銀の金融政策見直しも円高要因に

日本銀行の内田副総裁が、「今後の経済情勢次第で金利を引き上げ、金融緩和を調整する」と発言したことも、円がドルに対して買われる要因となりました。


為替市場の動き(主要通貨)

  • ドル/円:147.49円(-0.65%)

  • ユーロ/ドル:1.1184ドル(+0.87%)

  • ポンド/ドル:1.3297ドル(+0.95%)

  • ビットコイン:104,314.79ドル(+1.59%)


まとめ

✅ 米CPIが予想を下回り、ドル安が進行

✅ 米中貿易関税延期でFRBの利下げ見通しが後退

✅ 日銀副総裁の利上げ示唆も円買い材料に

✅ 市場は9月FOMCでの利下げを予測中

原油相場の上昇と金相場の動向

原油相場の続伸要因

ニューヨーク原油相場は4営業日連続で上昇しました。主な上昇要因は以下の通りです

  • トランプ大統領がイランへの制裁強化を警告
  • サウジアラビアでの演説で「イランのエネルギー輸出に最大限の圧力をかける」と発言
  • 米国務省がイラン産原油の中国輸送を支援するネットワークへの制裁を発表
  • 米インフレ指標が予想を下回ったこと
  • 米中貿易摩擦の緩和による市場の安心感

原油価格の回復

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油は年初来安値から11%以上回復
  • NYMEX(ニューヨーク商業取引所)のWTI先物6月限は1.72ドル(2.8%)高の1バレル=63.67ドルで終了
  • ロンドンICEの北海ブレント7月限は2.6%上昇し66.63ドル

専門家の見解

ストラテガス・セキュリティーズのアナリスト、ジョン・バーン氏は以下のように指摘しています

  • 「関税はまだ需要にそれほど影響を与えていない」
  • 「関税引き下げにより投資家は最悪のシナリオを織り込まなくなっている」
  • 「関税が需要に大きな影響を与えない可能性は有意に高まっている」

金相場の動向

金価格の上昇要因

金相場も上昇しており、主な要因としては

  • CPI統計(消費者物価指数)が年内利下げ観測を後押し
  • 金利低下見通しが、利息を生まない金にとって追い風に

金価格の状況

  • 金スポット価格は前日比12.58ドル(0.4%)高の1オンス=3248.97ドル
  • COMEX(ニューヨーク商品取引所)の金先物6月限は19.80ドル(0.6%)上昇し3247.80ドルで引け

専門家の見通し

サクソバンクの商品戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は:

  • 米中貿易対立の大幅緩和を受け、短期的には金は値固めモードで推移すると予想
  • 金の重要な下値支持線を1オンス=3155-3165ドルと見ている

まとめ

✅ 原油相場は4営業日連続上昇し、WTIは年初来安値から11%以上回復しました

✅ 上昇要因はトランプ大統領のイラン制裁警告や米中貿易摩擦の緩和などです

✅ 金相場も上昇しており、CPI統計による利下げ観測が追い風となっています

✅ 専門家は米中貿易対立の緩和により、短期的な原油需要への影響は限定的と見ています

✅ 今後の原油・金相場は、地政学的リスクや金融政策の動向に左右される見通しです