2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/28

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が反発、通商合意への期待と消費者信頼感の回復が追い風

  • 米国株式市場は主要株価指数が大幅反発しました。
  • EUとの貿易交渉が前進したことで、関税措置が延期され市場の安心感が高まりました。
  • 消費者信頼感指数が急回復したことで景気回復への期待感が強まりました。
  • ハイテク株、特にエヌビディアの決算発表への期待も市場の上昇を後押ししました。

米国株式市場が大幅反発、その理由とは?

米国株式市場は27日、大幅に反発しました。S&P500指数は約2%の上昇となり、ダウ平均やナスダック指数もそれぞれ1.8%、2.5%近く値上がりしました。

背景には、以下のようなポジティブな要因が挙げられます。

  • EUとの通商交渉が進展

  • 消費者信頼感が回復

  • ハイテク企業への期待

EUとの通商交渉が市場の安心材料に

トランプ米大統領は、欧州連合(EU)との貿易交渉に関し、50%の関税措置を警告していました。しかし最近のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談により交渉が加速し、関税発動期限を7月9日まで延期しました。トランプ氏自身も「前向きな動き」と評価しています。

消費者信頼感指数が急回復

米国の消費者信頼感指数が4年ぶりの大幅な上昇を記録しました。これは米中間での一時的な関税引き下げ合意を受け、景気回復期待が広がったことが要因です。

消費者信頼感指数とは?
米国消費者の景気に対する楽観度を示す指標です。この指数が高いほど消費者が積極的にお金を使う傾向にあり、経済成長につながります。

ハイテク企業の株価が市場をけん引

特に注目されたのはエヌビディアなどのハイテク企業です。エヌビディア株は約3%上昇し、アップルも長期下落トレンドを脱して値上がりしました。エヌビディアの決算発表に対する市場の期待が高まっていることも影響しています。


専門家の見解と今後の展望

専門家は今回の反発を歓迎する一方、市場の状況にはまだ不安定要素が残っていると指摘しています。

  • ロバート・ルジレロ氏(ブレイブ・イーグル・ウェルス・マネジメント)
    「EUとの交渉期限の延期は通商問題の解決に向けた重要な進展で、市場の期待を高める動きです。」

  • ジェフリー・ローチ氏(LPLファイナンシャル)
    「通商政策による市場のボラティリティ(価格の乱高下)はしばらく続く可能性があります。インフレ(物価上昇)の不安定化が長期化すれば、FRB(米連邦準備制度)は金利を引き上げるタイミングをさらに延期することになるでしょう。」


まとめ

✅ 米国株式市場はEUとの通商交渉進展により反発した。

✅ 消費者信頼感指数の急回復が景気への楽観的な見方を広げた。

✅ エヌビディアやアップルをはじめハイテク株が市場をけん引した。

✅ 専門家は市場の不安定性が継続するとみて慎重な見方を示している。

✅ 市場はエヌビディアの決算発表に注目している。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場の上昇と世界的な債券高

最近の市場動向

米国債相場が上昇しています。特に30年債の利回りが大きく低下し、一時4.93%まで下がりました。これは世界的な債券高(価格上昇・利回り低下)の流れが米国市場にも影響したためです。

主な米国債の利回り変化

  • 米30年債利回り: 4.95%(前営業日比-8.8bp)
  • 米10年債利回り: 4.44%(前営業日比-6.7bp)
  • 米2年債利回り: 3.98%(前営業日比-1.3bp)

※bp(ベーシスポイント)とは:金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します。

日本からの影響

日本の財務省が国債市場の混乱を受けて、国債発行額についてアンケートを市場参加者に送付していたことが明らかになりました。これにより日本当局が借り入れ計画の見直しを検討している可能性が市場に安心感を与えました。

日本の40年、30年国債利回りも20bp余り低下し、欧州債も値上がりしました。日本当局は超長期金利の急上昇を受けて、債務計画の見直しを検討していることを示唆しています。

専門家の見解

ペッパーストーン・グループのマイケル・ブラウン氏は「日本国債の供給減少は、長期債の買い手を米国債市場に向かわせる可能性が高い」と指摘しています。

一方、INGグループのベンジャミン・シュローダー氏は「今後数週間から数カ月に、米国債利回りが弱気なトレンドから脱却するのは特に難しい」と慎重な見方を示しています。

他国の動向

英国も需要低下を受けて長期国債の発行を控える方針を続けています。英30年債利回りは一時9bp低下し、ドイツの同年限の国債利回りも7bp低下して3%を下回りました。

今後の見通し

日本政府が国債の発行量を削減する可能性は需要に関する懸念を和らげる可能性がありますが、これは財政赤字のファイナンスを巡る世界的な懸念を完全に解消するわけではありません。今回の国債相場反発は一時的な現象にとどまる可能性があります。

米国では、ムーディーズ・レーティングスが米国の信用格付けを最上位から引き下げて以来、米国債市場に注目が集まっています。また、トランプ大統領が推進する大型の税制・歳出法案の修正案に債務上限を4兆ドル引き上げる条項が盛り込まれていることも市場の不安材料となっています。

まとめ

✅ 米国債相場が上昇し、特に30年債の利回りが大きく低下しました

✅ 日本の財務省による国債発行額のアンケートが市場に安心感を与えました

✅ 専門家は「日本国債の供給減少が米国債市場への資金流入につながる可能性がある」と指摘

✅ 一方で、財政赤字に関する世界的な懸念は解消されておらず、今回の国債相場反発は一時的な可能性も

✅ 米国の債務上限引き上げなど財政問題は今後も市場の重要な焦点となります

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル全面高、円安加速。背景には日米金利差の拡大

  • ドルが主要通貨に対して全面高となりました。
  • 日本の国債利回りが低下したことにより、円が売られドル買いが加速しました。
  • 今後の注目ポイントは、日本の40年物国債入札(28日)です。

円売りが加速した背景は?

円がドルに対して大きく売られた背景には、日本の超長期金利の急激な低下があります。

一般的に、金利が高い国の通貨が魅力的になり資金が集まります。そのため、日本の金利が低下すると日本円を売って、より金利の高い米ドルを買う動きが強まります。

【長期金利とは?】

  • 長期金利は主に10年物以上の国債の利回りを指します。金利が下がると、その国の通貨の魅力が減少し売られる傾向があります。

ドル高を後押しした要因とは?

アメリカで発表された消費者信頼感指数が予想を上回る好調さを見せ、米ドルの買いが広がりました。

【消費者信頼感指数とは?】

  • 消費者が現在や将来の経済状況についてどう感じているかを示す指標です。数値が高いと消費活動が活発化すると期待されます。

今回の指数は98.0と前月比12.3ポイントも上昇。アメリカ経済への楽観的な見方が広がりました。

今後の注目ポイントは日本の国債入札

市場関係者が特に注目しているのは、日本で28日に予定されている40年物国債入札です。

長期国債の入札が順調に進むかどうかは、日本の金利動向や為替市場に大きな影響を与える可能性があります。

また、ゴールドマン・サックスのストラテジストは、今の円安水準は円を買い戻す「ロングポジション」を構築する良いタイミングになると分析。ただし、金利の変動(ボラティリティ)が引き続き高い状態が続くと予想しています。


まとめ

✅ ドルが全面高。特に対円では144円台へと大幅上昇

✅ 円安の主因は日本の超長期金利の急低下

✅ 米消費者信頼感指数の改善がドル高を後押し

✅ 市場の次の焦点は日本の40年物国債入札(28日)

✅ ユーロは欧州の低インフレ懸念で下落

原油と金相場の最新動向

原油相場の下落

ニューヨーク原油相場が下落しました。EU(欧州連合)と米国の貿易緊張が緩和に向かう兆しが見られたものの、OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国で構成されるグループ)による大型増産への警戒感が強く影響しました。

原油相場の主な動向

  • 1月中旬から下落基調が続いている
  • OPECプラスが予想より速いペースで供給引き上げを決定
  • 世界的な貿易戦争への懸念が需要に影響
  • バレル当たり61ドル付近で相場が安定する傾向

相場変動の要因

  • ドルの反発により、ドル建て商品の投資妙味が低下
  • ロシアへの新たな制裁可能性も一時的に相場を押し上げる要因に
  • CIBCプライベート・ウェルス・グループのバビン氏は「地政学的な環境は強弱材料が混在」と指摘
  • CTAによるテクニカルな売りが下落の主因との見方も

※CTA(商品投資顧問業者):商品先物市場などで投資家に代わって資産運用を行う専門業者

取引価格

  • WTI原油7月限:60.89ドル(前営業日比64セント・1%安)
  • 北海ブレント7月限:64.09ドル(1%安)

金相場の大幅下落

ニューヨーク金相場も大幅に下落しました。ドルの反発に加えて、米国とEUの貿易緊張緩和への期待から安全資産需要が低下したことが影響しています。

金相場の主な動向

  • 日本の財務省が国債発行額調整の用意があるとの見方で、世界的に債券相場とドルが上昇
  • ドル相場の上昇により、ドル以外の通貨による金買いが割高に
  • 金連動型ETF(上場投資信託)からの資金流出が5週連続で続く
  • 年初からは25%余り高騰し、先月に過去最高値を記録

※ETF(上場投資信託):特定の指数や商品に連動する価格で取引される投資信託

市場の注目点

  • トレーダーは米財政赤字や貿易交渉、中東・ウクライナの紛争激化などのリスクを見極め中
  • 5月30日発表予定の4月PCE(個人消費支出)コア価格指数にも投資家の関心が集まる

取引価格

  • 金スポット価格:3299.42ドル(前日比44.42ドル・1.3%安)
  • COMEX金先物8月限:3328.30ドル(前営業日比66.20ドル・2%安)

まとめ

✅ 原油相場はOPECプラスの増産懸念とドル高の影響で下落しています

✅ 金相場も米欧の貿易緊張緩和期待や安全資産需要低下で大幅安となりました

✅ 両市場とも地政学的リスクと経済指標に引き続き注目が集まっています

✅ 原油はバレル当たり61ドル付近で安定し、金は年初から上昇した後に調整局面にあります

✅ 投資家は今後の政策動向や経済指標を見極める様子見姿勢が続いています