2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場、小幅反発も上値重い展開

  • 米国株式市場は主要指数が揃って反発したが、終盤にかけて上げ幅を縮小。
  • 米連邦高裁がトランプ大統領の関税差し止めの判断を一時停止。
  • エヌビディアは好調、セールスフォースは決算後下落と、個別銘柄の動きは分かれた。

株価は上昇も勢いは限定的

米国株式市場は29日、小幅ながら主要3指数が揃って反発しました。ただし、朝方の勢いは続かず、S&P500指数は一時約1%の上昇を見せたものの、終値では0.4%高にとどまりました。

  • S&P500種株価指数:5912.17(前日比+0.40%)

  • ダウ工業株30種平均:42215.73(前日比+0.28%)

  • ナスダック総合指数:19175.87(前日比+0.39%)

関税問題が再び注目される展開に

米連邦高裁が、トランプ大統領が課した広範な関税措置を違法とした国際貿易裁判所の判断の効力を一時的に停止しました。関税措置が再び復活する可能性が浮上し、市場に不透明感が戻った形となっています。

トランプ関税とは?

米国の貿易赤字削減や国内産業保護のため、各国からの輸入品に高い関税を課した措置。貿易戦争を招き、世界経済に影響を与えました。

米経済指標に弱さが目立つ

この日発表された米経済指標は芳しくなく、市場の懸念材料となっています。

  • 第1四半期GDP(国内総生産)改定値:前期比0.2%減

  • 個人消費:2年ぶりの低い伸び

  • 失業保険継続受給者数:2021年11月以来の高水準に上昇

さらに、トランプ大統領はホワイトハウスでパウエルFRB議長と会談し、利下げを強く求めました。利下げ圧力が高まっており、市場では金融政策の先行きにも注目が集まっています。

個別銘柄:エヌビディアが上昇、セールスフォースは下落

  • エヌビディア(NVDA)は四半期決算を好感し、株価は3.2%上昇。半導体関連株を中心に市場を支えました。

  • セールスフォース(CRM)は通期見通しを引き上げたものの、売上高伸び鈍化懸念から3.3%下落しました。

今後の展望:短期的に上昇は限定的

UBSのホフマンブチャディ氏は、「米国株は今後12カ月で上昇が見込めるものの、年内の短期的な上昇余地は限られている」と指摘しています。関税問題や経済指標の悪化、金融政策を巡る不確実性があり、市場のボラティリティー(変動率)が高まると予想されています。


まとめ

✅ 米国株式市場は小幅反発も、終盤の上げ幅縮小

✅ トランプ関税差し止め判断の一時停止で市場の不透明感拡大

✅ 米経済指標は弱く、利下げ要求で金融政策にも注目

✅ 個別株ではエヌビディア好調、セールスフォースは売上伸び鈍化懸念で下落

✅ 今後の米株短期的な上昇余地は限定的、変動性が高まる見込み

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場上昇:経済弱含みと堅調な入札が追い風に

相場の上昇要因

米国債相場は上昇傾向にあります。その主な理由は以下の通りです

  • 弱い経済指標が発表されたこと
  • 7年債入札が堅調な結果となったこと
  • トランプ大統領の関税措置に対する差し止め命令

金利の動き

各年限の国債利回りは以下のように下落(債券価格は上昇)しました

国債 直近値 前営業日比 変化率
米30年債利回り 4.92% -5.5bp -1.12%
米10年債利回り 4.42% -5.7bp -1.28%
米2年債利回り 3.94% -5.4bp -1.34%

※bp(ベーシスポイント):金利の変化を表す単位で、0.01%を1bpと表します。

金融市場の予測

短期金融市場では、来年1月までに合計で55bp(0.55%)の利下げが予想されており、次の利下げは10月になるとの見方が強まっています。

国債入札の状況

7年債入札(発行額440億ドル)では

  • 最高落札利回りが4.194%と、入札前の予想4.216%を下回る好結果
  • 応札倍率も改善し、需要の強さを示した
  • 2年債、5年債も堅調な需要を集め、「米国売り」への懸念を和らげた

市場の動向

  • 関税措置の差し止め命令により、一時的にリスク選好度が高まった
  • しかし、貿易政策を巡る不確実性への懸念も再燃
  • 米国株式先物の上昇により国債利回りは一時上昇したが、その後経済指標の弱さが示されたことで再び低下

まとめ

✅ 米国債相場は経済指標の弱さや堅調な入札結果を受けて上昇しています

✅ 市場は2024年1月までに約0.55%の利下げを予想しており、次回は10月の可能性

✅ トランプ大統領の関税措置差し止めが市場心理に影響を与えています

✅ 国債入札の好調な結果は、米国債への投資需要の強さを示しています

✅ 経済の弱さと金融政策の転換期待が国債相場を支える要因となっています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル全面安、関税問題と経済指標悪化で市場に不安広がる

  • 米ドルが主要通貨に対して全面安となりました
  • 米国の経済指標が予想を下回り、景気への不安が広がっています
  • トランプ大統領が発動した関税政策をめぐる司法判断で混乱が生じています

ドル全面安の背景とは?

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨に対して全面的に下落しました。その主な原因は、米国の経済指標が弱かったことと、トランプ大統領の関税政策に関する司法判断の影響です。

経済指標の悪化がドルを圧迫

直近のGDP(国内総生産)がマイナス成長を示したことに加え、失業保険の継続受給者数が増加し、2021年以来の高水準となりました。これは米国経済の減速を示唆しており、投資家心理を悪化させました。

  • GDPとは?
    GDPは国内総生産(Gross Domestic Product)の略で、一国の経済活動の規模を表す指標です。

関税問題で不透明感が拡大

米国際貿易裁判所はトランプ大統領が実施した関税の大部分を違法と判断しましたが、その後、控訴裁判所がこの関税の効力を一時的に認める判断を下しました。司法判断が二転三転しており、市場の不透明感を増しています。

市場関係者の見解

市場関係者からは、この関税問題が経済に与える影響や投資家心理への懸念の声が聞かれています。

  • ソシエテ・ジェネラルのキット・ジャックス氏は「関税問題の不透明感がさらに高まり、投資や支出が先延ばしされる可能性がある」と指摘。

  • メシロー・カレンシー・マネジメントのウト・シノハラ氏は、「貿易政策に明確性が欠けていることが問題だ」と述べています。

  • ゴールドマン・サックスのアナリストは、「関税問題が解決する可能性は低く、さらなる混乱が続く可能性がある」としています。

各通貨の動きまとめ

ドル/円

  • 直近値:144.17円(前日比 -0.67円, -0.46%)
  • 一時、約0.6%高の143円96銭まで円高が進みました。

ユーロ/ドル

  • 直近値:1.1370ドル(前日比 +0.0078ドル, +0.69%)
  • ドル安を背景にユーロが反発しました。

今後の展望は?

トランプ政権が控訴しているため、この関税問題は長引く可能性があります。また、米国経済の指標が引き続き弱含むと、ドルのさらなる下落が懸念されます。投資家にとっては、市場の動向に慎重な姿勢が求められるでしょう。


まとめ

✅ ドルが経済指標の悪化と関税問題を背景に全面安となった

✅ GDPマイナス成長、失業保険受給者増加が米国経済の減速を示唆

✅ トランプ関税を巡る司法判断の混乱が市場の不透明感を高めている

✅ 市場関係者からは、貿易政策の不透明さを懸念する声が広がっている

✅ 今後も関税問題と経済指標の動向に注目が集まる見込み

原油下落・金上昇:貿易摩擦と供給懸念が市場を左右

原油相場の主なポイント

  • 原油相場は反落、WTI先物は1.5%安の60.94ドル
  • トランプ大統領の関税措置に司法がブレーキをかけリスクオンの動きも一時的
  • OPECプラスは31日の会合で供給引き上げを決定する見込み
  • 1月中旬から原油相場は下落基調が継続
  • 米実質GDPの下方修正も原油価格への圧力に
  • カナダのアルバータ州山林火災がカナダ原油生産の約5%に影響
  • ブレント原油7月限は1.2%安の64.15ドル
  • 専門家は「持続的な価格上昇への道は極めて狭い」と分析

金相場の主なポイント

  • 金相場は反発、スポット価格は1%高の3321ドル
  • ドル相場の下落が金価格を押し上げ
  • 貿易戦争への懸念から「米国売り」の動きが進行
  • 先行き不透明感が金などの安全資産需要を高める
  • 年初からの金価格上昇率は25%以上
  • COMEX金先物8月限は0.7%高の3343.90ドル
  • 専門家は今後数週間でCTA(商品投資顧問業者)からの買いを予測
  • 元ゴールドマン・サックス幹部は「向こう1年間、ドルの一段安以外に考えられない」と発言

まとめ

✅ 原油は貿易摩擦と供給増懸念で下落傾向が続いています

✅ 金はドル安と不確実性を背景に堅調な値動きを示しています

✅ 米国の関税政策が商品市場全体に影響を与えています

✅ OPECプラスの増産決定が原油価格のさらなる下落要因になる可能性

✅ 経済の先行き不透明感が金などの安全資産への需要を支えています