2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/7

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

 

目次

 ファンダメンタル分析【オススメ】書籍紹介(書評)サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株が反発、S&P500種は2月以来の高値へ!雇用統計と米中協議に期待感

  • 米国株式市場は反発し、S&P500種は2月以来の高値を更新
  • 米雇用統計が市場予想をやや上回り、景気減速への懸念が和らいだ
  • 米中通商協議の日程発表で、投資家心理が改善

株式市場の動向

6月6日の米国株式市場は全面高で取引を終えました。主な株価指数の終値は以下の通りです。

  • S&P500種株価指数:6000.36(+1.03%)

  • ダウ工業株30種平均:42762.87(+1.05%)

  • ナスダック総合指数:19529.95(+1.20%)

S&P500種指数は、2月21日以来、約3カ月半ぶりに6000の大台を回復しました。景気に敏感な業種やハイテク株が特に好調で、テスラやアマゾンなど大型株が市場を牽引しました。

5月の米雇用統計の影響

米労働省が発表した5月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数の増加は13万9000人で、市場予想(13万人)をやや上回りました。失業率は4.2%で前月と変わりませんでした。

市場は、雇用が大きく悪化しないことを確認し、景気減速への過度な不安が後退しました。一方、雇用の伸び自体は緩やかな減速傾向が続いています。

非農業部門雇用者数とは?

非農業部門雇用者数とは、農業以外の民間および政府部門で働く人の数のことで、米国の雇用状況を把握する重要な指標です。

FRBの利下げ見通し

堅調な雇用統計を受けて、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がすぐには利下げを行わないとの見方が広がりました。

特に、市場関係者は以下のように分析しています。

  • FRBは今後数カ月は利下げを急がず、景気やインフレ指標を注視する。

  • 今年の利下げは9月以降になり、年末までに2回実施する見方が主流。

  • 一部専門家は、利下げ開始は2025年終盤と予測。

利下げとは?

利下げとは、中央銀行が政策金利を引き下げることで、経済活動を刺激し、景気を支えるための措置です。

米中協議の再開が市場の期待感を高める

トランプ大統領が6日午後、米中通商協議を6月9日に開催すると発表しました。これは米中間の貿易問題解決への期待を高め、市場のリスク心理を改善させました。

専門家は、「協議再開が市場の楽観論を後押しするが、実際の合意に至るかどうかが重要だ」と冷静な視点も示しています。

個別銘柄の動向

  • テスラ:前日の急落(約15%安)から反発し、3.8%高

  • アマゾン:2.7%上昇

  • アルファベット(グーグルの親会社):3.25%上昇

  • ルルレモン(スポーツ衣料品大手):関税コストの影響で利益予測引き下げ、19.8%急落

まとめ

✅ 米国株は好調な雇用統計と米中協議再開の期待で反発

✅ S&P500は約3カ月半ぶりの6000台回復

✅ FRBの利下げ開始は早くても9月以降と見られる

✅ 米中協議の進展次第で、株式市場のさらなる動きが注目される

✅ 個別銘柄ではテスラやハイテク株が牽引する一方、関税負担の企業は苦戦中

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回りが全面的に上昇

米利下げ観測が後退する中で、米国債相場は全年限で大きく下落しました。これにより、国債利回り(※金利のこと)が上昇し、特に2年債利回りは4%を超える水準となりました。

主要な米国債利回りの状況

  • 米30年債利回り: 4.96%(前営業日比+8.6bp)
  • 米10年債利回り: 4.50%(前営業日比+11.3bp)
  • 米2年債利回り: 4.03%(前営業日比+11.4bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp = 0.01%

利下げ観測が大幅に後退

金利スワップ市場(※将来の金利変動をヘッジする市場)での利下げ観測に大きな変化が見られています。

利下げ確率の変化

9月までの0.25ポイント利下げ確率
  • 現在:約70%
  • 5日時点:約90%(20ポイント低下)
年内の利下げ回数
  • 従来:2回の利下げが完全に織り込まれていた
  • 現在:2回の利下げが完全に織り込まれなくなった

雇用統計が利下げ観測後退の要因

5月米雇用統計の結果

利下げ観測が後退した主な要因は、5月の米雇用統計で以下の数値が予想を上回ったことです

  • 雇用者数の増加
  • 賃金の伸び

専門家の見解

ブラックロックのポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は次のように分析しています

  • 労働市場は鈍化しつつも依然として堅調
  • そのため債券市場が反応し、利下げ観測が後退している

まとめ

✅ 5月の米雇用統計が予想を上回り、労働市場の堅調さが確認されました

✅ 利下げ観測の後退により、米国債利回りが全年限で上昇しました

✅ 9月までの利下げ確率は90%から70%に低下しました

✅ 年内2回の利下げが完全に織り込まれない状況となりました

✅ 金融政策に敏感な2年債利回りが4%を超える水準まで上昇しました

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドルが雇用統計を受けて上昇、円はリスク選好で下落

  • 米国の雇用統計が市場予想を上回り、ドルが上昇
  • リスク選好(投資家がリスクをとってでも利益を求める姿勢)が回復し、安全資産とされる円は下落
  • FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急がないとの見方が強まり、短期的なドルの支えに

米国の雇用市場が予想以上の強さを示し、為替市場ではドルが全面的に上昇しました。

5月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が予想の13万人を上回る13万9000人増加し、失業率も4.2%で横ばいでした。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを急ぐ必要がないとの見方が市場で広がり、ドル買いにつながりました。

FRBとは?

  • FRB(米連邦準備制度理事会)とは、米国の中央銀行にあたり、米国の金融政策を決定しています。利上げや利下げを行い、経済状況に応じて市場に影響を与えます。

リスク選好の回復で円安が進行

米中の通商協議再開への期待や米国株の上昇など、投資家が積極的にリスクを取る姿勢(リスク選好)が回復しました。この結果、安全資産とされる円が売られ、円相場は一時1ドル=145円09銭と約1週間ぶりの安値となりました。

リスク選好とは?

  • リスクを取って高いリターンを追求する市場参加者の態度のこと。リスク選好が強まると、安全資産(円や債券)が売られ、株式や新興国通貨などが買われやすくなります。

今後の見通し

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のエリアス・ハダッド氏は「9月に米利下げが確定したわけではないため、短期的にドルは支えられる可能性がある。ただし、長期的なドル安基調は変わらないだろう」と指摘しています。

マネーコープのユージン・エプスタイン氏は、これまで関税政策や税制改革がドル安要因だったものの、「強い雇用統計や賃金上昇により、一時的に見方が逆転した」と述べています。

為替市場の最新の動き(直近値)

  • ドル/円:144.83円(前日比+1.30円、+0.91%)

  • ユーロ/ドル:1.1395ドル(前日比-0.0050ドル、-0.44%)

  • ブルームバーグ・ドル指数:1211.40(前日比+3.14、+0.26%)

まとめ

✅ 米国雇用統計が予想を上回りドル高に

✅ リスク選好の回復で安全資産の円は売られ、約1週間ぶりの安値に

✅ FRBがすぐに利下げをしないとの見方が短期的にドルを支える

✅ 長期的には関税政策などを背景にドル安基調が予想される

✅ 米中協議再開の期待が市場心理を改善し、円安を加速させた

原油相場は大幅続伸

ニューヨーク原油先物相場は続伸しました。米雇用統計が予想より強かったことを背景に、景気減速で原油需要が低迷するとの懸念が和らいだことが主な要因です。

原油価格の上昇要因

  • 米雇用統計が予想を上回る結果となり、景気悪化への懸念が緩和
  • アルゴリズム取引(※コンピューターによる自動売買)によるショートカバー(※売りポジションの買い戻し)
  • 景気に敏感なディーゼル先物が2週間ぶり高値を記録

専門家の見解

CIBCプライベート・ウェルス・グループのレベッカ・バビン氏のコメント

  • 取引は比較的静かで、マクロ経済要因が引き続き大きな材料
  • 雇用統計が関税を巡る不透明感による需要急減への懸念を和らげている

投資家の姿勢変化が相場を押し上げ

CTA(商品投資顧問業者)の動向

  • 好調な経済指標を受けて弱気姿勢を後退
  • WTI(※ウェスト・テキサス・インターミディエート、米国産原油の指標)のショートポジション(※売りポジション)を大きく解消

米中貿易協議への期待

  • 世界屈指の原油輸入国である米中の貿易協議に楽観的な兆し
  • リスクオン(※リスクを取る投資姿勢)のセンチメントが拡大
  • トランプ米大統領が米中通商交渉団のロンドンでの協議再開を発表

原油価格の具体的な動き

主要指標の終値

  • WTI先物7月限:1バレル=64.58ドル(前日比+1.21ドル、+1.9%)
  • 北海ブレント8月限:66.47ドル(前日比+1.13ドル、+1.7%)
  • 週間ベースでは昨年11月以来の大幅高を記録

金相場は続落

金相場は原油とは対照的に続落しました。

金価格の動向

  • COMEX金先物8月限:1オンス=3346.60ドル(前日比-28.50ドル、-0.8%)
  • 金スポット相場:3318.70ドル(-1%)

※金は通常、景気回復期待が高まると安全資産としての需要が減少する傾向があります。

まとめ

✅ 米雇用統計の好結果により原油需要減少への懸念が和らぎ、原油価格が大幅上昇しました

✅ 投資家のリスク回避姿勢が後退し、ショートカバーが原油相場を押し上げました

✅ 米中貿易協議への楽観的な見方がリスクオンのセンチメントを支えています

✅ 金相場は景気回復期待を背景に続落し、原油とは対照的な動きを見せました