2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/18

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場は反落、イスラエル・イランの緊張でリスクオフムード広がる

  • 米国株式市場が反落し、主要指数が下落
  • 中東情勢悪化による投資家心理の悪化が原因
  • 経済指標も弱含み、経済の脆弱性への懸念が高まる

米国株式市場、地政学リスク高まり反落

米国の株式市場は下落して終了。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、米国がこの問題に直接介入する可能性が高まったことで、投資家がリスク回避(リスクオフ)の姿勢を強めています。

各指数の動き

  • S&P500:5982.72(前日比-0.84%)

  • ダウ平均:42215.80(前日比-0.70%)

  • ナスダック:19521.09(前日比-0.91%)

地政学リスクの影響で投資家心理が悪化

トランプ米大統領が国家安全保障チームと中東情勢について協議し、イスラエルとイラン間の紛争に米軍が関与する可能性が示唆されました。このため、中東地域の緊張がさらに高まる懸念が広がっています。

経済指標も弱含み

この日発表された米経済指標も市場の懸念材料となりました。

  • 5月の米小売売上高は2カ月連続で減少

  • 5月の鉱工業生産指数も低下

  • 米住宅市場指数は2022年12月以来の低水準

米経済の勢いが弱まっている兆候が明らかとなり、今後の景気減速懸念が強まっています。

FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利動向にも注目

米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されており、市場は政策金利の据え置きを予想しています。米経済が不安定な状況にあるため、FRBは慎重な政策運営を継続すると見られています。

FOMCとは?
米国の金融政策を決定する会議。政策金利を決め、経済や市場に大きな影響を及ぼします。

今後の見通しと市場の声

プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏は、「FRBは慎重な姿勢を維持し、米国の利下げは今年の第4四半期に入ってから行われる」と予測しています。

JPモルガン・チェースのアンドルー・タイラー氏も、「今年の上昇相場は弱まっており、リスクを抑える戦略が妥当」としています。

また、U.S.バンクのテリー・サンドベン氏は、「地政学リスクに加え、関税政策や金利などの要素が市場の不確実性を高めている」と指摘しています。


主な個別銘柄の動き

  • ロッキード・マーチン(防衛関連):地政学リスクの高まりで2.6%上昇。

  • エネルギーセクター:原油価格高騰により唯一上昇。

  • イーライ・リリー(製薬大手):買収発表を受け2%下落。

  • 太陽光関連株:税制優遇の廃止提案により下落。


まとめ

✅米国株式市場はイスラエル・イラン紛争激化を背景に下落

✅米国が紛争に関与する可能性で投資家心理が悪化、VIX(恐怖指数)は上昇

✅米経済指標も低調、小売売上や鉱工業生産の弱さが景気への懸念を示唆

✅FRBは政策金利の据え置きを予想、利下げは第4四半期との見方

✅防衛関連株とエネルギー株は地政学リスクにより上昇、製薬・再生可能エネルギー関連株は下落

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場、利下げ期待と中東情勢で利回り低下

米国債相場の上昇(利回り低下)の概要

米国債市場では相場が上昇し、利回りが低下しました。これは年内に少なくとも1回の利下げが実施されるとの市場予想が維持されたことで、国債買いが優勢となったためです。

主要国債利回りの動き
  • 米30年債利回り:4.89%(前営業日比-6.3bp)
  • 米10年債利回り:4.39%(前営業日比-5.7bp)
  • 米2年債利回り:3.95%(前営業日比-2.1bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp=0.01%のことです

市場が注目する要因

金融政策への期待

短期金融市場では、年内に0.25ポイントずつ2回弱の利下げが行われるとの見方が織り込まれています。特に米金融政策の影響を最も受けやすい2年債の利回りが一時3.90%まで低下しました。

 中東情勢の影響

中東での紛争激化への懸念を背景に、以下の動きが見られました

  • 米国株が下落する中、安全資産とされる米国債への買いが増加
  • リスク回避の動きが取引終盤にかけて拡大
  • 米国とイランの緊張激化が市場の不安要因となっている

FOMC会合への注目

6月と7月のFOMC(連邦公開市場委員会)※では政策金利が据え置かれると市場で広く予想されています。今週の会合終了後には、経済と金利に関する最新予測が公表される予定です。

※FOMC:アメリカの金融政策を決定する重要な会議のこと

専門家の見解

インサイト・インベストメントの専門家は「FRB(連邦準備制度理事会)が現状維持の姿勢を続ける中、比較的高い債券利回りを確保しておくことは投資家にとって良い機会」と述べています。

まとめ

✅ 米国債相場は上昇し、利回りが全般的に低下している状況です

✅ 年内の利下げ期待と中東情勢の緊迫化が国債買いを促進しています

✅ 短期金融市場では年内に2回弱の利下げが予想されています

✅ 6月・7月のFOMC会合では政策金利据え置きが予想されています

✅ 専門家は現在の比較的高い債券利回りを投資機会と捉えています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル指数が3日連続上昇、中東緊迫化でドル買い進む

  • 中東の緊張で安全資産としてのドルが買われた
  • ドル指数は3営業日続伸し、5月以降で最も長い上昇となった
  • 米経済指標は強弱混交であり、FRB(連邦準備理事会)は金利据え置き予想

ドル買い加速の背景は中東情勢

ニューヨーク外国為替市場で、ドル指数が3営業日続伸し、1209.07ポイント(前日比0.54%上昇)となりました。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、市場参加者が安全資産としてのドルを選ぶ動きが広がっています。

中東情勢が緊迫化

イスラエルとイランの軍事衝突は5日目に入り、米国は中東地域に戦闘機を追加配備しています。トランプ大統領はイランに対し「無条件降伏」を求めるなど強硬姿勢を示しており、市場は戦争の長期化や米国の深い関与を懸念しています。

  • 米軍が中東で戦力を増強、トランプ大統領は強硬な態度を継続。

  • 原油価格はこの緊張により4%超上昇。

安全資産としてのドル復活

通常、不確実性が高まると安全資産としてドルが買われます。フォレックスライブのアダム・バトン氏は「米国の目的がイランの政権転覆に変化し、コストがかかる複雑な戦争が予想されているため、ドル買いが強まった」と指摘しています。

安全資産とは?
経済・政治的なリスクが高まったとき、資産価値が安定しやすいとされる資産(ドル、円、スイスフラン、金など)のことです。


米経済指標はまちまち、FRB動向に注目

5月の米小売売上高は前月比0.9%減と大きく落ち込みましたが、重要な指標である「コントロールグループ」は予想を上回り、輸入物価指数(インフレ指標)も高止まりしました。

  • FRBは18日までのFOMC(連邦公開市場委員会)で金利据え置きの見通し

  • 今回の焦点は今後の利上げや利下げの方針を示す「ドットチャート」

FOMCとは?
米国の金融政策を決定する会議のことで、約6週間に1度開催されます。


まとめ

✅ 中東情勢の悪化で安全資産としてドルが買われ、ドル指数は3営業日続伸

✅ 米経済指標は一部弱さが見えたが、インフレ指標は高止まり

✅ FRBの金利据え置きは予想通りで、今後の政策方針に注目が集まる

✅ 原油価格は中東リスクで大幅上昇

✅ ドルは再び安全資産としての地位を強めている

原油先物相場の急反発

原油先物相場は大幅に反発しました。WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)※先物は1バレル=74ドルを上回り、約5カ月ぶりの高値を記録しています。

※WTI:アメリカの代表的な原油の品質基準で、国際的な原油価格の指標となります

価格上昇の具体的な数値

  • ニューヨーク商業取引所(NYMEX)WTI先物7月限:1バレル=74.84ドル(前日比3.07ドル、4.3%上昇)
  • ロンドンICE北海ブレント8月限:76.45ドル(4.4%上昇)

原油価格上昇の主要因

中東情勢の緊迫化

米国がイスラエルの対イラン攻撃に加わる可能性が高まったことで、以下の懸念が拡大しています

  • 中東での原油供給混乱への警戒感の高まり
  • 世界の石油の約5分の1が通過するホルムズ海峡※での妨害行為への懸念
  • イランの原油輸出インフラへの潜在的な影響

※ホルムズ海峡:ペルシャ湾と外海を結ぶ重要な海上輸送路で、世界の石油貿易の要所です

政治的な緊張の高まり

トランプ氏がソーシャルメディアで「われわれの忍耐は限界に近づいている」と投稿し、イランに無条件降伏を迫るなど、政治的な緊張が高まっています。

専門家の見解

PVMのアナリスト、タマス・バルガ氏は次のように分析しています

  • 「緩慢ながらも不可逆的な沈静化が近く訪れる可能性はある」
  • 「しかし結果を確信をもって予測するのは到底不可能」
  • 「地政学的なサイクルの収束が数日で訪れることはないだろう」

金の複雑な動き

金スポット相場は上げ下げを繰り返す不安定な値動きを見せています。中東での地政学リスク※拡大と弱い米経済指標の両方が影響しています。

※地政学リスク:国際政治の緊張や軍事衝突などが経済や投資に与える影響のことです

金価格の動向

  • 先週:イスラエルのイラン核施設攻撃を受けて週間ベースで約4%上昇
  • 現在:スポット価格は1オンス=3390.23ドル(前日比5ドル、0.15%上昇)
  • COMEX金先物8月限:3406.90ドル(10.40ドル、0.3%下落)

金の反応に関する専門家の分析

ジュリアス・ベアの専門家は以下のように説明しています

  • 「今回の紛争での金の反応は一見すると意外に映るかもしれない」
  • 「しかし地政学的ショックが金価格を持続的に押し上げることはないという過去の傾向と一致している」

まとめ

✅ 原油先物は中東情勢緊迫化により約5カ月ぶり高値の1バレル74ドル台まで急反発しました

✅ ホルムズ海峡での供給混乱懸念が原油価格上昇の主要因となっています

✅ 金相場は地政学リスクにも関わらず、過去の傾向通り限定的な反応に留まっています

✅ 専門家は中東情勢の先行きを予測することは困難で、地政学的緊張の収束には時間がかかると分析しています