2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/18

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場が続伸、S&P500は過去最高値を更新

  • 米国の株式市場は小売売上高や雇用指標の改善を受けて上昇
  • S&P500種株価指数とナスダック指数が過去最高値を更新
  • 半導体などのハイテク企業の好調な決算が相場をけん引

株価上昇の背景は「堅調な経済指標」

17日の米株式市場は続伸しました。代表的な指数の終値は以下の通りです。

指数名 終値 前日比 上昇率
S&P500種株価指数 6297.36 +33.66 +0.54%
ダウ工業株30種平均 44484.49 +229.71 +0.52%
ナスダック総合指数 20884.27 +153.78 +0.74%

小型株を中心に構成されるラッセル2000指数も1.2%上昇しました。


経済指標が示す堅調な景気

この日の株価上昇を支えたのは主に2つの経済指標です。

  • 小売売上高(消費活動の強さを表す指標)が前月比0.6%増と好調

  • 新規失業保険申請件数(失業者の動向を示す指標)が5週連続で減少し、4月半ば以来の低水準に改善

これらが景気の底堅さを示し、投資家の心理を後押ししています。


小売売上高とは?

個人や家庭が消費した商品やサービスの売上高を集計した経済指標。個人消費の強さや景気の動向を測る重要な指標です。

新規失業保険申請件数とは?

新たに失業保険の申請を行った人数を示す経済指標で、労働市場の動向や景気の強さを測る材料として使われます。


ハイテク企業の好決算が相場をけん引

特にハイテク企業が市場をリードしました。主な企業の動きは次の通りです。

  • 台湾積体電路製造(TSMC)
    半導体の需要拡大を背景に、過去最高益を更新。米国市場でも株価が3.4%上昇しました。

  • ネットフリックス
    人気ドラマ『イカゲーム』最終シーズンのヒットにより、通常取引終了後の決算で予想を上回る好業績を発表。株価も1.9%上昇しました。

  • ペプシコ
    食品や飲料の需要が堅調で売上・利益ともに市場予想を上回り、7.5%も上昇しました。


ハイテク株とは?

コンピューターや半導体、通信、インターネットなど、最新技術を活用した製品やサービスを提供する企業の株式のことを指します。


今後の注目点はFRBの動向

今後の注目点は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ状況を見ながら9月以降の利下げを開始するかどうかです。現在の経済状況が良好なため、利下げに踏み切る条件が整うかどうかは今後の経済指標次第と見られています。


まとめ

✅ 米株式市場は堅調な小売売上高と雇用指標の改善で上昇

✅ S&P500とナスダック指数が再び過去最高値を更新

✅ ハイテク企業の好決算が相場を支えた

✅ FRBの利下げ動向が今後の市場の焦点

✅ 経済の底堅さが続けば、さらなる株価上昇も期待できる

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場:強い経済指標で利下げ期待後退、短期債利回りが上昇

米国債市場では、短期債券が売られる一方で、長期債券の価格にはほぼ変化がありませんでした。債券価格が下落すると利回りが上昇するため、短期債の利回りが上昇したことを意味します。

現在の主要な米国債利回りは以下の通りです

  • 30年債:5.01%(前日比-0.4bp)
  • 10年債:4.45%(前日比-0.4bp)
  • 2年債:3.90%(前日比+1.3bp)

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%

FRB関係者の発言と市場への影響

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、年内に2回の利下げを行うことは合理的だと述べました。一方、FRBのクーグラー理事は、関税によるインフレ圧力を理由に、当面の金利据え置きが適切との見解を示しました。

このような相反する意見により、市場では利下げの時期と回数について慎重な見方が広がっています。

経済データが示す米経済の強さ

この日発表された重要な経済指標

  • 小売売上高:前月比0.6%増(予想を上回る回復)
  • 新規失業保険申請件数:22万1000件(3カ月ぶりの低水準)

これらのデータは米経済の底堅さを示しており、FRBが急いで利下げを行う必要性が低いことを示唆しています。

市場の利下げ予想の変化

フェデラルファンド金利先物市場(金融機関同士の超短期資金取引の金利を予想する市場)では、年内の利下げ幅予想が縮小しました

  • 16日時点:約47bp(約0.47%)の利下げを予想
  • 17日時点:43bp(0.43%)の利下げを予想

市場は9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ再開確率を五分五分と見ています。

今後の見通し

強い経済指標と関税によるインフレ懸念により、FRBは利下げに慎重な姿勢を取る可能性が高まっています。特に長期債の利回りは過去1カ月で大幅に上昇しており、市場は利下げペースの鈍化を織り込んでいます。

まとめ

✅ 米国債市場では短期債が下落し、特に2年債利回りが上昇しました

✅ 強い経済指標(小売売上高の回復、失業保険申請件数の減少)により、FRBの利下げ期待が後退しています

✅ 市場の年内利下げ予想は2回未満に縮小し、9月の利下げ確率は五分五分とみられています

✅ 関税によるインフレ圧力への懸念から、FRBは当面慎重な金融政策を継続する可能性が高いです

✅ 10年債利回りは過去1カ月で23.1bp上昇するなど、長期金利の上昇傾向が続いています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドルが全面高、円安も進行

  • 米国の小売売上高が予想以上に伸び、新規失業保険申請件数も減少したため、ドル買いが強まりました
  • 米国の関税政策や政治情勢への懸念は残っていますが、現時点では経済指標の強さが優勢となっています
  • 円は対ドルで一時149円台まで下落。日本の参議院選挙や米国との通商協議の不透明感も円安要因です

ドル指数が上昇、堅調な米経済指標が支えに

外国為替市場ではドル指数(複数の主要通貨に対するドルの強さを示す指数)が上昇しました。米国の景気指標が市場予想を上回ったことで、ドルが広く買われました。

ドル指数とは?

  • 複数の主要通貨(ユーロ、円、ポンドなど)に対する米ドルの価値を指数化したものです。指数が上昇するとドルが強くなったことを意味します。

実際に、ブルームバーグ・ドル指数は前日比0.29%上昇の1207.58となっています。


米経済指標が市場予想を上回る結果に

注目された米国の経済指標は以下の通り、非常に良好な内容となりました。

  • 6月小売売上高
    前月比:+0.6%(市場予想:+0.1%)

  • 新規失業保険申請件数
    22万1000件(前週比7,000件減・3カ月ぶりの低水準)

これらの指標は米国経済が依然として堅調に推移していることを示しています。


円安が進行、ドル/円は一時149円台に

ドルに対して円は一時1ドル=149円09銭まで下落しました。その後、148円台で推移しています。

円安が進んだ背景には以下の要因があります。

  • 米経済指標の良好さからドル買いが活発化

  • 日本国内では、参議院選挙の結果が不透明で政治的な安定性に懸念

  • 米国との貿易交渉が進まず、関税引き上げリスクが継続


市場の今後の注目点は?

市場関係者の間では、短期的なドル高が続く一方、以下の不安材料にも注目が集まっています。

  • トランプ大統領の関税政策の米経済への影響

  • 米連邦準備理事会(FRB)の独立性をめぐる不透明感

  • 米国の財政と債務情勢の悪化リスク

こうした材料からドルの方向感に不透明さもあり、今後の値動きには注意が必要です。


ビットコインは小幅下落

一方、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.22%安の11万9676ドルとなっています。米ドルの強さが仮想通貨市場にも若干の影響を与えているようです。


まとめ

✅ 米経済指標の好調でドル指数が上昇、ドル買い優勢

✅ 円は対ドルで149円台を記録、政治と貿易不透明感が円安要因

✅ 米関税政策やFRBをめぐる政治的不透明さで市場の値動きは引き続き荒い展開

原油価格反発・金価格下落:供給不安と経済指標が市場を動かす

価格上昇の要因

原油相場が反発しました。主な理由は以下の通りです

  • 米株式相場の上昇:強い経済統計を受けて市場全体が堅調
  • 供給不安の拡大
    • 米国の原油在庫が減少
    • イラク北部油田がドローン攻撃で日量20万バレルの生産停止
    • 米最大油田で生産が頭打ちに

価格推移

  • WTI原油先物:67.54ドル(前日比1.75%上昇)
  • 北海ブレント原油:69.52ドル(前日比1.5%上昇)

※WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産原油の指標価格

市場の見方

ゴールドマン・サックスの専門家は、米国の在庫は依然として低水準であり、市場の関心は「供給の下向きリスク」(供給不足への懸念)に移ったと指摘しています。

ただし、イラクがクルド人自治区の石油輸出再開を許可したことで、上昇は一部抑制されました。

金相場の動向

価格下落の背景

金相場は反落しました

  • 経済の底堅さ:強い経済データで安全資産としての金の需要が減少
  • FRB議長進退問題:パウエル議長の解任報道があったものの、その後可能性は低いとの見方

価格推移

  • 金スポット価格:3337.84ドル(前日比0.3%下落)
  • 金先物価格:3345.30ドル(前日比0.4%下落)

※1オンス = 約31.1グラム

今後の注目点

市場の関心は米政府の貿易政策に向けられています。トランプ大統領が150カ国余りに10-15%の関税率を通知すると述べており、これが今後の相場に影響する可能性があります。

まとめ

✅ 原油相場は供給不安と強い米経済統計を受けて1.5-1.75%上昇しました

✅ イラクでのドローン攻撃や米国の在庫減少が供給面の懸念材料となっています

✅ 金相場は経済の底堅さを示すデータを受けて0.3-0.4%下落しました

✅ 市場の関心は米政府の貿易政策とFRB議長の進退に向けられています