2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/19

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場は横ばい、好材料と関税懸念が交錯

  • 米国株式市場は小幅な値動きで終了、好調な消費関連指標が支えに
  • トランプ政権によるEUへの関税計画が市場の重荷に
  • 決算発表は好調な企業も株価は軟調

米株市場の概況

米国株式市場は18日、S&P500種株価指数やナスダック総合指数がほぼ横ばいで取引を終えました。午前中にはS&P500が取引時間中の史上最高値を更新しましたが、その後は利益確定売りなどで小幅安となりました。

株価指数の終値(18日)

  • S&P500種株価指数:6296.79(前日比 -0.01%)

  • ダウ工業株30種平均:44342.19(前日比 -0.32%)

  • ナスダック総合指数:20895.66(前日比 +0.05%)


消費指標の改善で個人消費への懸念が後退

7月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は61.8と、5カ月ぶりの高水準を記録しました。また17日に発表された6月の小売売上高も好調であり、米国の個人消費の底堅さを示しました。

ミシガン大消費者マインド指数とは?

消費者の経済状況への信頼感を示す指数で、数値が高いほど個人消費が活発になると期待されます。


トランプ政権の関税計画が市場心理を圧迫

一方、トランプ政権がEUとの貿易交渉で15~20%の最低関税を課す方針と報じられ、欧州との貿易摩擦への懸念が再燃しました。これにより、相場の一時的な下落圧力となっています。

主な関税方針の内容

  • EU製品への最低関税15~20%を検討。

  • 自動車への25%関税計画を維持。

市場関係者からは「関税ニュースや交渉期限を材料に取引を繰り返すことに疲れている」との声もあり、投資家心理が慎重になっています。


企業決算は好調も株価反応は鈍い

第2四半期の企業決算では、アメリカン・エキスプレスやネットフリックスなどが市場予想を上回る利益を発表しました。しかし、利益確定売りや先行きへの懸念から株価は下落しています。

注目企業の株価動向

  • アメリカン・エキスプレス:-2.3%

  • ネットフリックス:-5.1%

  • エクソンモービル:-3.5%(シェブロンとの油田権益争いで後退)


今後の市場見通し

ネーションワイドのマーク・ハケット氏は、次のようにコメントしています。

「米消費支出の堅調さや決算への前向きな反応を考えると、相場は引き続き上昇する可能性が高い。ただし、決算シーズン後半が相場の試金石になるだろう」

投資家は引き続き経済指標や決算内容、貿易摩擦の進展を注視する必要がありそうです。


まとめ

✅ 米国株式市場は横ばいで終了。消費指標が好調で市場心理を支えた。

✅ トランプ政権のEUへの関税計画が一時的に株価を圧迫。

✅ 好決算企業も、期待値の高さや利益確定売りにより株価は軟調に推移。

✅ 市場は決算シーズン後半の内容に注目。さらなる上昇も期待。

✅ 投資家は関税問題や経済指標の動向を引き続き注視する必要あり。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

ウォラー理事の利下げ発言で米国債上昇、インフレ期待低下も追い風

米国債相場は上昇しました。特に短中期債(2年債や10年債)を中心に利回りが低下し、投資家の関心を集めました。

利回りの変化は以下の通りです

  • 2年債利回り:3.87%(前日比-3.8bp低下)
  • 10年債利回り:4.42%(前日比-3.6bp低下)
  • 30年債利回り:4.99%(前日比-1.8bp低下)

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%の金利単位

相場上昇の主な要因

ウォラー理事の発言が材料視

ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が、今月のFOMC会合で利下げを主張したことが大きな材料となりました。

  • 労働市場が「瀬戸際」にあるとの認識
  • 25ベーシスポイント(0.25%)の利下げが理にかなっているとの見解
  • 他のメンバーが金利据え置きを支持しても反対票を投じると示唆

※FOMC(連邦公開市場委員会):アメリカの金融政策を決定する会議

インフレ期待の低下

ミシガン大学の調査で、インフレ期待が改善したことも買い材料となりました

  • 1年先のインフレ期待:4.4%(前月の5%から低下)
  • 5カ月ぶりの低水準を記録
  • 投資家にとって歓迎すべきニュース

市場の見方と今後の展望

7月の利下げ可能性

短期金融市場では、7月30日の次回FOMC会合での利下げ可能性をほぼゼロと予想しています。しかし、ウォラー理事の発言を受けて

  • 7月の利下げ確率:4.7%(数日前の約3%から上昇)
  • 9月の利下げ確率:61%(前日の50%から上昇)

年末までの利下げ予想

年末までの予想利下げ幅は縮小傾向にあります

  • 月初:65bp超(0.65%)
  • 現在:45bp程度(0.45%)

まとめ

✅ 18日の米国債相場は上昇し、短中期債を中心に利回りが低下しました

✅ ウォラー理事の利下げ支持発言と、ミシガン大学調査でのインフレ期待低下が主な要因です

✅ 7月のFOMC会合での利下げ可能性は依然として低いものの、9月の利下げ確率は上昇しています

✅ 労働市場の悪化懸念と、インフレ期待の改善が金融政策の方向性に影響を与えています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル指数が低下、FRB利下げ観測が再燃-円は参院選控え軟調推移

  • ドル指数が低下、FRB理事の利下げを示唆する発言が影響
  • 円は参院選の不透明感で軟調。連立与党が過半数を失うとさらなる円安リスク
  • 米経済はインフレ上昇、労働市場に弱体化の兆し。利下げは年内に2回予想

ドルが下落、FRBの利下げ観測が強まる

ニューヨーク外国為替市場で、ドル指数が低下しました。背景には、FRB(米連邦準備理事会)のウォラー理事が「関税によるインフレ(物価上昇)は一時的で、利下げが必要」と発言したことがあります。

ドル指数とは?
  • ドル指数は、米ドルの価値を他の主要通貨(ユーロ、円、ポンドなど)と比較して数値化した指標です。数字が下がるとドルが他通貨に対して弱くなっていることを示します。

先週までドル指数は2週間連続で上昇し、今年最大の上昇幅を記録していましたが、この日は利下げ観測が再燃し、一転して下落しました。


円は参院選を前に弱含みの展開に

ドル/円相場は1ドル=148円台で推移しました。円は参院選の投開票(20日)を控え、他の主要通貨に対しても軟調(弱い動き)でした。

なぜ参院選が円安要因?
  • 自民党・公明党の連立与党が議席を失えば、政治の不安定さが増し、日本経済の先行き懸念から円売り(円安)につながると考えられています。

三菱UFJのストラテジストは、「与党が過半数を割り込めば円は約3%下落する」と予測しています。


米国の経済指標はインフレ上昇、労働市場に懸念も

米国の最新経済指標では、

  • 6月の消費者物価指数(CPI)が前年比で2.7%上昇。

  • 卸売物価指数(PPI)は前年比2.3%の上昇。

物価は上昇していますが、労働市場には不安要素もあります。解雇件数は低いですが、新規の採用が低調で、労働市場が弱くなりつつある兆候があるとのことです。

消費者物価指数(CPI)とは?
  • 物価がどの程度上昇しているかを示す指標。数値が高いほど物価が高騰していることを示します。

FRB、年内に2回の利下げ予測が市場で織り込まれる

金利先物市場では年内に2回(0.25%幅ずつ)の利下げが予想されており、最初の利下げは9月になる可能性が高いと見られています。

FRBのパウエル議長も、関税の影響による夏場のインフレ上昇を認めつつ、労働市場の弱体化を懸念しています。


暗号資産(ビットコイン)に新規制法案成立

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、この日は1.51%下落し、11万7680ドルとなりました。トランプ大統領がステーブルコイン(価格変動の少ない暗号資産)の規制を目的とした新法「ジーニアス法」に署名しました。

ステーブルコインとは?
  • 価格が米ドルなどの法定通貨と連動し、大きく変動しないように設計された仮想通貨です。

まとめ

✅ドル指数が低下し、FRBの利下げ期待が再び高まった

✅円は参院選の影響で弱く、与党敗北ならさらなる円安リスクあり

✅米経済は物価上昇と労働市場の弱体化が並行し、利下げ観測が強まった

✅年内に2回の利下げが予想され、最初は9月との見方

✅トランプ政権が仮想通貨の規制法案を成立させたことが話題に

原油小幅安、金反発 – EU制裁とFRB理事発言が影響

価格動向

ニューヨーク原油相場は小幅安で終了しました。

  • WTI原油:67.34ドル(0.3%安)
  • ブレント原油:69.28ドル(0.3%安)

下落要因

EUがロシアに対する新たな制裁を承認したことが材料となりました。

制裁内容
  • 石油価格上限の引き下げ
  • 新たな銀行規制
  • インドの大規模製油所も制裁対象
  • シャドーフリート※の取り締まり強化

※シャドーフリート:制裁回避のために使われる所有者不明の船舶群

価格動向

ニューヨーク金相場は反発しました。

  • 金スポット価格:3,351.46ドル(0.4%高)
  • 金先物:3,358.30ドル(0.4%高)

上昇要因

FRBのウォラー理事が今月のFOMC※で利下げを主張したことが材料となりました。

影響
  • 米国債利回りとドルが低下
  • 金利低下は金投資の追い風
  • 年初から25%超の上昇継続

※FOMC:アメリカの金融政策を決定する会議

まとめ

✅ 原油はEUのロシア制裁強化で小幅安、ディーゼル市場への懸念が拡大しています

✅ 金はウォラー理事の利下げ支持発言で反発、米長期金利低下が追い風となりました

✅ 両市場とも地政学的リスクと金融政策の不透明感が価格形成の主要因となっています