2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/24

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株、米・日・EUの通商合意期待で上昇。S&Pは史上最高値を更新

米国株式市場は、日本とEUとの通商合意に関する期待感から続伸

S&P500は過去最高値を再び更新

EUとの関税率は15%で合意に近づくとの報道あり

通常取引後にアルファベットとテスラが決算発表、結果は明暗分かれる


米国市場は通商協議の進展を好感

7月23日の米国株式市場は続伸。米国と日本が通商協議で合意したことに加え、欧州連合(EU)とも関税率15%での合意が近いとの観測が強まったことから、投資家の買いが進みました。

  • ダウ工業株30種平均:45,010.29ドル(前日比+507.85、+1.14%)

  • S&P500種株価指数:6,358.91ポイント(前日比+49.29、+0.78%)※過去最高値更新

  • ナスダック総合指数:21,020.02ポイント(前日比+127.33、+0.61%)※過去最高値更新


通商合意の影響とミーム株の復活兆候

米国はEUからの輸入品の大半に対し、関税率を15%とすることで合意に向け前進しています。日本とは既に同様の枠組みで合意に達しており、EUとの交渉にも好影響を与えると見られています。

ウエアラブルカメラメーカーのゴープロやドーナツチェーンのクリスピー・クリームが急騰したことは、市場での「ミーム株」復活の兆しを示しています。

ミーム株とは?

SNSなどで話題になり、投資家の注目を集めることで株価が急激に変動する銘柄のこと。ゲームストップ株やAMC株が有名な例。


企業決算は明暗が分かれる

通常取引終了後には、注目企業のアルファベット(グーグル親会社)とテスラが決算を発表しました。

アルファベット
  • 売上高は市場予想を上回る
  • 一方で、2025年通期の設備投資予想額が従来予想を超え、市場からは懸念材料と受け止められました
テスラ
  • 売上高・利益とも市場予想を下回る

市場関係者の見方

市場関係者は通商合意の進展に対して楽観的です。

  • ネーションワイドのマーク・ハケット氏は、交渉の進展が市場の上昇を後押ししていると指摘。

  • BMOキャピタル・マーケッツのリンジェン氏とハートマン氏は、「通商合意の進展は投資家に安心感を与えており、市場は新たな世界の貿易環境を織り込んでいる」と分析。

  • インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トレス氏も、「通商合意のニュースが市場の楽観的ムードを支えている」と述べています。


個別銘柄の動向

以下の銘柄の動きが注目されました。

GEベルノバ(再生エネルギー企業)
  • 決算が予想を上回り、株価は+14.6%の急伸で過去最高値を記録。
エヌビディア(半導体大手)
  • AIや仮想通貨関連の需要を背景に、+2.25%上昇。
テキサス・インスツルメンツ(TI)
  • 四半期見通しが予想以下となり、13%の急落。
  • 他の半導体関連株(NXPI、ADI、ON)も連れ安となりました。

市場の先行き見通し

市場参加者の間では、第2四半期(4~6月)の経済活動が好調だったこともあり、企業決算が今後も良好に推移するとの期待が広がっています。ただし一部では、企業収益の伸びに対する不安も指摘されています。


まとめ

✅ 米国株は日本・EUとの通商合意への期待から続伸。S&P500は過去最高値を更新

✅ EUとの関税合意は15%でほぼまとまりつつあり、貿易戦争回避への期待が高まっている

✅ アルファベットは設備投資額が市場予想を超え懸念視。テスラの決算も予想以下

✅ GEベルノバやエヌビディアは決算・需要好調で株価上昇。一方、半導体TIは不振で急落

✅ 今後の市場は通商合意を背景に堅調が予想されるも、企業の収益見通しには一部で不安視の声も

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

日米貿易合意で利回り上昇、20年債入札は堅調な需要

米国債の相場が下落し、利回りが上昇しました。これは、日米が貿易合意に至ったことで、投資家の不安が和らいだことが主な理由です。

利回りとは何か? 利回りとは、債券から得られる年間の収益率のことです。債券価格が下がると利回りは上がり、価格が上がると利回りは下がるという関係があります。

各年限別の利回り状況

現在の米国債利回りは以下のようになっています

  • 30年債利回り:4.94%(前日比+2.1bp)
  • 10年債利回り:4.38%(前日比+3.6bp)
  • 2年債利回り:3.88%(前日比+4.7bp)

bp(ベーシスポイント)とは? 1bp = 0.01%のことで、金利変動を表す際によく使われる単位です。

20年債入札の結果と市場への影響

入札結果の詳細

午後に実施された20年債の入札では、予想以上に堅調な需要が集まりました。

  • 追加発行額:130億ドル
  • 最高落札利回り:4.935%
  • 応札倍率:過去1年余りで最も高い水準

専門家の分析

オックスフォード・エコノミクスのアナリスト、ジョン・キャナバン氏は「入札結果は市場にとってやや強材料」と評価し、需要が「非常に強い」ことを示していると指摘しています。

日米貿易合意と世界的なリスク選好の広がり

貿易合意の内容

トランプ米大統領は22日、日本との貿易交渉で大規模な合意を締結したと発表しました。

  • 日本への関税率:15%
  • EU(欧州連合)への関税率:15%(合意の可能性)

市場への影響

この貿易合意により、世界的にリスク選好の動きが広がり、投資資金が安全資産である債券から、より収益性の高い株式へと流れました。

リスク選好とは? 投資家が安全性よりも収益性を重視する投資姿勢のことです。経済情勢が安定すると、リスクを取って高い収益を狙う傾向が強まります。

まとめ

✅ 日米貿易合意により投資家の不安が和らぎ、米国債利回りが全般的に上昇

✅ 20年債入札では予想以上に強い需要が集まり、市場の安定要因

✅ 貿易交渉の進展により世界的にリスク選好が広がり、資金が債券から株式に移動

✅ トランプ大統領が発表した日本・EU向け関税率15%の合意が市場の楽観的な見方を後押し

✅ 高金利環境の中でも長期債への投資需要は堅調に推移していることが確認

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドルが下落、円高に―日米通商合意で市場の動きは複雑化

  • 日米通商合意を受け、外国為替市場ではドルが下落し、円が上昇
  • 日本の政治的な不安がドル円相場の重しとなっている
  • 米国債は売られ、日本の利回り上昇が米国債需要の抑制要因に

ドル下落、円は堅調な動きに

23日の外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル指数が前日比0.23%下落し、1193.01となりました。ドル/円相場は一時146円11銭まで円高が進みました。これは米国と日本の通商合意が発表されたことを受け、市場が反応したためです。

ブルームバーグ・ドル指数とは?

主要な10通貨に対するドルの総合的な価値を示す指数。指数が下落するとドル安を意味します。


日米通商合意の影響と政治リスク

トランプ大統領は日本との大規模な貿易合意を発表。日本が約5500億ドル(約80兆円)をアメリカに投資し、利益の90%を米国が受け取るという内容です。

このニュース自体は市場に明るい材料でしたが、同時に石破首相の進退をめぐる政治的な不透明感が高まっており、円相場に複雑な影響を与えています。

政治的リスクとは?

国の政治が安定しないことで市場に不安を与えること。今回の場合、石破首相の退陣が噂されていることで投資家心理が悪化し、円買い(リスク回避の動き)を誘発しています。


米国債が下落、日本の利回り上昇が影響か

米国債市場は全年限で下落。シュローダーの米債券責任者リサ・ホーンビー氏は、「日本の利回りが上昇していることに注目すべきだ」と指摘しました。海外で利回りが上昇すると、米国債に対する投資家の関心が弱まる傾向があります。

他通貨の動向

  • ユーロ/ドル: 1.1772ドル(+0.15%)

  • 英ポンド/ドル: 1.3569ドル(+0.26%)

  • 豪ドル/ドル: 0.6584ドル(+0.4%、一時8カ月ぶり高値)


今後の市場展望

今回の日米貿易協定は自動車業界に有利なものの、関税引き上げリスクが完全になくなったわけではありません。

また、米欧間でも類似した貿易合意が進んでおり、今後の市場も政治動向や貿易協議の進展を注意深く見る必要があります。


まとめ

✅ 日米通商合意発表でドル下落、円高進行

✅ 政治的な不透明感が円相場の重しに

✅ 米国債は日本の利回り上昇で需要低下

✅ 米欧間でも関税交渉進行中、市場への影響継続

原油横ばい、金は4営業日ぶり反落

価格動向

  • WTI原油:65.25ドル(前日比-0.1%)
  • ブレント原油:68.51ドル(-0.1%)

主な要因

支援材料

  • 貿易交渉進展への期待
  • 米国原油在庫の減少

重石材料

  • クッシング在庫が6月以来の高水準
  • 留出油在庫の2週連続増加

クッシングとは? WTI原油の現物受け渡し拠点で、在庫動向が価格に大きく影響します。

金市場

価格動向

  • 金スポット価格:3,392.83ドル(前日比38.65ドル安)
  • 金先物:3,397.60ドル(-1.3%)

下落要因

  • 日米貿易合意の達成
  • EU交渉進展の報道
  • 安全資産需要の後退

安全資産とは? 不安定な時期に資産価値を保つとされる投資対象で、金はその代表例です。

年初来パフォーマンス

  • 上昇率:約30%
  • 要因:地政学的リスクによる逃避買い

まとめ

✅ 原油は貿易交渉期待と在庫増加が相殺し、ほぼ横ばいで推移

✅ 金は貿易合意により安全資産需要が後退し、4営業日ぶり反落

✅ 両市場とも今後の貿易交渉動向が重要な変動要因