2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場、ハイテク株売られ反落

  • 米国株は主要3指数がそろって下落、特にハイテク株に売りが集中
  • デル・テクノロジーズやエヌビディアなどAI関連株が大幅安
  • 7月の米PCE統計では個人消費が堅調で、インフレ圧力も続く
  • 市場は9月のFOMCでの利下げを依然有力視

株式市場の動き

  • S&P500種株価指数:6460.26(前日比 -0.64%)

  • ダウ平均:45544.88(同 -0.20%)

  • ナスダック総合指数:21455.55(同 -1.15%)

特にハイテク比率が高いナスダックの下げが目立ちました。S&P500は前日に史上最高値を更新していましたが、利益確定売りに押されています。


ハイテク株の下落要因

  • デル・テクノロジーズ:決算でAI向けサーバー販売が予想を下回り、約9%急落

  • エヌビディア:3日続落、3.4%下落

  • マーベル・テクノロジー:データセンター需要懸念で19%安

AIインフラへの期待は高いものの、製造コストや競争激化が利益率を圧迫しているとの見方が広がりました。


経済指標と金融政策

PCE統計とは?

PCE(個人消費支出)は米国の物価動向を見る重要指標。FRB(米連邦準備制度理事会)が特に注目するインフレ指標です。

  • 7月PCE統計:個人消費は4カ月で最大の伸び

  • コアPCE(食品・エネルギー除く):前年同月比 +2.9%(2月以来の大きな伸び)

これは「消費は堅調」「インフレ圧力は根強い」という両面を示す内容でした。


利下げ観測

  • FRB当局者の間ではハト派(利下げに前向き)の発言が増加

  • 市場は「9月FOMCで利下げが有力」との見方が優勢

  • ただし、今後の焦点は9月5日発表の雇用統計に移っており、労働市場の弱さが確認されれば利下げの可能性は一段と高まります


投資家の見方

  • 押し目買い(相場下落時に買う戦略)がこれまで有効だったが、今後は注意が必要との声

  • AI関連株への「過剰投資懸念」も再び浮上

  • 一方でアリババの株はクラウド事業好調で13%急騰するなど、個別株には明暗が分かれています。


まとめ

  • 米株はハイテク株主導で下落、AI関連に売りが集中

  • PCE統計ではインフレ圧力が続きつつも消費は底堅い

  • 市場は依然9月利下げを有力視、今後の注目は雇用統計

  • 投資家は「押し目買い継続か慎重姿勢か」で判断が分かれる

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りまちまち、9月利下げ観測は強まる

  • 短期国債(2年債)の利回りは低下、中長期国債(10年・30年債)は上昇
  • PCE価格指数(米インフレ指標)は想定内で、9月利下げ観測は強まる
  • 市場は9月FOMCでの0.25%利下げを約8~9割織り込み
  • 雇用統計が弱ければ、0.5%利下げの議論も浮上する可能性

国債市場の動き

8月末の米国債市場は「短期金利低下、長期金利上昇」という形でまちまちの動きとなりました。

  • 米2年債利回り:3.62%(前日比 -1.0bp)

  • 米10年債利回り:4.23%(前日比 +2.5bp)

  • 米30年債利回り:4.93%(前日比 +5.1bp)

特に金利に敏感な2年債利回りは1年ぶりの大幅な月間低下(▲33bp)となり、FRBの利下げ観測を強く反映しています。


利下げ観測の背景

PCE価格指数とは?

PCE(個人消費支出)価格指数は米国で最も重要なインフレ指標の一つで、FRBが政策判断で重視しています。

  • 今回のPCEは「落ち着いた内容」で、インフレ鈍化が確認されました。

  • 依然2%の目標を上回ってはいるものの、労働市場の減速懸念もあり、金融緩和への地ならしが進んでいます。

市場では以下のシナリオが有力と見られています

  • 9月FOMCで0.25%利下げ → 織り込み確率80~89%

  • 年末までに合計 約0.55%の利下げ


今後の注目点

  • 9月5日発表の米雇用統計
    弱い結果なら、0.5%の利下げが議論される可能性があります。

  • FRBの独立性への懸念
    トランプ大統領による「クックFRB理事解任要求」が市場心理を揺らし、短期債利回り低下の一因となっています。

  • 長短金利差(2年債-10年債)
    60bpに拡大し、逆イールド(短期>長期)はなお続いています。これは景気減速懸念を反映しています。


まとめ

  • 米国債市場は短期金利が大幅低下、長期金利は上昇し、利回りはまちまち。

  • 市場は9月FOMCでの利下げをほぼ織り込み済み。

  • 雇用統計が弱ければ、利下げ幅拡大の可能性も浮上。

  • 長短金利差の拡大は景気後退リスクを示唆している。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル安続く、政策不透明感が重しに

  • ドルは主要通貨に対して軟調。ブルームバーグ・ドル指数は月間で1.7%下落
  • 米経済減速の兆しと利下げ観測の高まりが背景
  • トランプ大統領によるFRB・経済統計への干渉懸念で、ドルの信頼性に疑問
  • 投資家は雇用統計(9月5日発表予定)を前に様子見姿勢

ドル相場の動き

外国為替市場ではドルが上げを消し、対主要通貨で軟調に推移しました。

  • ドル指数:1200.86(前日比▲0.03%、月間▲1.7%)

  • ドル/円:147.01円付近(小動き、月間▲2.5%)

  • ユーロ/ドル:1.1695ドル(前日比+0.10%、月間+2%超)

  • 対スイスフラン:0.7997フラン(前日比▲0.26%、月間▲1.3%)

背景にある要因

  • 利下げ観測の高まり
    7月のPCE価格指数は前年比+2.6%で予想通りでした。インフレ鈍化が見られずとも、労働市場の減速懸念から市場は9月FOMCでの利下げ確率を87%と見込んでいます(1カ月前は63%)

  • 政策への不信感
    トランプ大統領がFRBや統計機関への干渉を強めており、市場では「ドルの信頼性低下」が意識されています。クックFRB理事の解任をめぐる訴訟も不透明感を高めました。

  • 投資家の動き
    モルガン・スタンレーは「米金融市場の規模・流動性は依然強いが、為替ヘッジ比率を高める動きがドルの重しになる」と指摘。シティも「9月5日の雇用統計を見極めるまで、外為市場はレンジ内推移」と予想しました。


まとめ

  • ドルは主要通貨に対して軟調、月間で下落基調

  • 利下げ観測(9月FOMCで87%の確率)がドル安要因

  • 政権によるFRB干渉懸念がドル信頼性を低下させている

  • 投資家は9月5日の米雇用統計を注目

 

原油・金市場の最新動向まとめ

  • 原油は供給過剰懸念とウクライナ情勢の影響で反落。年初来で11%下落。
  • はFRB独立性を巡る不透明感や利下げ期待で続伸。安全資産需要が強まっている。

原油相場:供給過剰と地政学リスクで下落

供給過剰懸念

  • OPECプラス(OPEC加盟国+非加盟の産油国)が増産姿勢を見せており、世界の供給は需要を上回る見通し。

  • ダンスケ銀行ストラテジストは「米経済減速懸念の中でも供給は潤沢」と指摘。

地政学要因

  • ウクライナ戦争を巡る米国主導の和平交渉が市場材料に。

  • 米国はロシア産原油を輸入しているインドに対し関税を50%引き上げ、供給フローへの影響が注目されている。

原油価格の推移

  • WTI原油10月限:64.01ドル(-0.9%)

  • ブレント原油11月限:67.48ドル(-0.7%)

  • 年初来では11%下落


金相場:FRB独立性懸念と利下げ期待で上昇

背景

  • トランプ大統領によるクックFRB理事の解任問題が裁判に発展。

  • FRBの独立性が揺らぐことで市場の不安感が高まり、安全資産の金に資金流入。

インフレと利下げ期待

  • 発表されたPCEコア価格指数は依然として高水準=インフレが根強い。

  • それでも市場は「9月に利下げ実施の可能性が高い」と予想。

  • 金は金利が低下する局面で有利(利息がつかないため、相対的に投資魅力が高まる)。

金価格の推移

  • スポット金:3443.14ドル(+0.8%)

  • COMEX金先物12月限:3516.10ドル(+1.2%)


用語

  • OPECプラスとは?
    石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国の協力体制。原油価格の安定を目的に協調生産を行う。


まとめ

  • 原油は供給過剰懸念とウクライナ情勢で反落、年初来で11%安。

  • 金はFRB独立性リスクや利下げ期待を背景に安全資産需要が高まり続伸。

  • OPECプラスの増産姿勢とトランプ政権の貿易戦争が、エネルギー需要を抑える懸念材料。

  • 今後の焦点はFRBの政策動向と地政学リスク