2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/12

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株、主要指数が史上最高値更新 利下げ観測強まる

  • 米CPI(消費者物価指数)は依然高水準ながら制御不能ではなく、市場は安心感
  • 新規失業保険申請件数が約4年ぶりの高水準で、労働市場の減速が鮮明に
  • FOMCが来週0.25%の利下げに動くとの見方が強まり、年内さらに追加利下げの可能性
  • 株式市場ではテスラやマイクロンが急伸し、主要3指数がそろって最高値更新

CPIと雇用統計のサイン

米労働省が発表した 8月CPIは前年比+2.9% と、1月以来の大きな伸びでした。インフレ率はFRB目標の2%を上回りますが、過熱とまでは言えない水準です。


一方で 新規失業保険申請件数は26.3万件(約4年ぶりの高水準)となり、労働市場の減速が鮮明となりました。

CPIとは?

消費者物価指数(CPI)は、物価の上昇率=インフレを測る指標。FRBは「年2%程度」を理想的と考えています。


専門家の見方

  • リーガン・キャピタル:0.25%利下げが来週実施され、年内さらに2回追加利下げの可能性

  • モルガン・スタンレー:インフレよりも労働市場の弱さがFRBの焦点。利下げは続く見通し

  • PIMCO:25bp利下げが基本線だが、50bp利下げも議論される可能性

  • プリンシパルAM:失業保険統計がFRBの判断に緊急性を与える

  • ムーディーズ:スタグフレーション的状況に近い。年末までに計0.5%の利下げを予想


株式市場の反応

主要3指数(S&P500、ナスダック、ダウ)が揃って 終値ベースで最高値を更新
主な動きは以下の通りです。

  • テスラ:+6%、指数をけん引

  • マイクロン:シティの目標株価引き上げで+7.6%

  • フィラデルフィア半導体指数:最高値更新

  • ワーナー・ブラザース:買収観測で+29%急伸

  • JPモルガン、ゴールドマン:金融株も+1%超上昇

  • オラクル:前日急騰の反動で-6.2%

  • デルタ航空:通期見通し据え置きで-1.5%


まとめ

  • CPIは2.9%上昇でインフレは高止まりだが過熱感はなし

  • 新規失業保険申請件数の急増が利下げ観測を強めた

  • 来週のFOMCでは0.25%利下げが有力、年内追加利下げの余地

  • 株価は利下げ期待と企業ニュースで全面高、主要指数が最高値を更新

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り5カ月ぶり低水準、利下げ観測強まる

  • 米国債相場が上昇し、10年債利回りは一時4%割れで5カ月ぶり低水準
  • 新規失業保険申請件数が増加し、労働市場の軟化が意識された
  • インフレ率は依然高めだが市場は利下げ継続を織り込み、年内3回の利下げ観測も
  • 中長期債の入札は総じて堅調で、国債需要は底堅さを示した

米国債市場の動き

11日の米国債市場では、利下げ観測を背景に国債利回りが大きく低下しました。特に10年債利回りは一時4%を割り込み、4月以来の低水準となりました。

  • 30年債利回り:4.66%(前日比 -4bp)

  • 10年債利回り:4.02%(前日比 -2.3bp)

  • 2年債利回り:3.54%(前日比 -0.2bp)

利下げ観測が強まる背景

  • 失業保険統計が4年ぶり高水準となり、労働市場の減速が鮮明に

  • インフレ指標(CPI、PPI)は依然FRBの目標を上回るが、急激な上昇ではなく、市場は「利下げ余地あり」と判断

  • 来週のFOMCでは0.25%利下げが確実視され、年内3回連続の利下げ観測も一時的に完全織り込み

👉 利下げとは?
中央銀行(ここではFRB)が政策金利を引き下げること。企業や個人の借入コストを下げ、景気を下支えする狙いがあります。

債券入札の動向

今週行われた3年債・10年債の入札はいずれも強い需要を示し、利回りが低下する中でも投資家の買い意欲が確認されました。30年債はやや弱めだったものの、全体的に国債需要は底堅さを維持しています。

市場関係者の見方

  • PGIMのロバート・ティップ氏:「FRBは雇用に一段と注目している。来年までに計100bpの利下げは合理的なシナリオ」

  • BNPパリバのグニート・ディングラ氏:「失業保険統計は季節要因もあるが、労働市場の弱さを示す兆候は市場に大きな影響を与えやすい」


まとめ

  • 米10年国債利回りは一時4%割れ、5カ月ぶり低水準

  • 失業保険統計で労働市場の軟化が意識され、利下げ観測が強まる

  • 年内に複数回の利下げが織り込まれつつある

  • 中長期債の入札では需要の底堅さが確認された

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル安進行、失業保険申請急増で利下げ観測が強まる

  • 米CPI(消費者物価指数)はおおむね予想通りで、前年比2.9%上昇とインフレ加速
  • 新規失業保険申請件数が4年ぶりの高水準に急増し、労働市場の減速を示唆
  • FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まり、ドル売り優勢に
  • ECB(欧州中央銀行)は金利据え置きで、ユーロは対ドル・対円ともに上昇

為替市場の動き

ドル売りが優勢に

米国のCPIが予想通りで過度なインフレ懸念が後退したことに加え、失業保険申請件数が急増。これにより、FRBが来週の会合で利下げに踏み切るとの見方が強まりました。ドルは主要通貨に対して下落しました。

  • ドル/円:一時148円台まで下落後、買い戻しが入り147円前後へ

  • ユーロ/ドル:ECBが金利据え置きを決定し、追加利下げ観測が後退したことでユーロ買いが進行

  • ブルームバーグ・ドル指数:1197.58(前日比 -0.28%)


経済指標のポイント

CPI(消費者物価指数)とは?

消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指標で、インフレ率の代表的な目安。今回のCPIは前年比 2.9%上昇 と、1月以来の大きな伸びとなりました。

失業保険申請件数とは?

失業者が新たに給付を申請した人数。労働市場の強さを示す重要なデータです。今回は 26万3000件 と、約4年ぶりの高水準。労働市場の減速が鮮明になっています。


市場の見方

  • FRB利下げ確率

    • 0.25%利下げ → 91%

    • 0.50%利下げ → 9%

  • 専門家コメント

    • 「CPIよりも失業保険申請の増加が市場を動かした」(クリアブリッジ・インベストメンツ)

    • 「FRBは最大雇用の責務に注目する可能性」(同氏)


まとめ

  • 米CPIは予想通り、インフレは加速傾向

  • 失業保険申請が急増し、労働市場の減速が鮮明に

  • FRB利下げ観測強まり、ドル安・ユーロ高が進行

  • ECBは金利据え置きでユーロの支援材料に

 

原油と金

  • 原油価格は下落:供給過剰見通しが地政学リスク懸念を打ち消した
  • IEAとEIAが警鐘:2026年にかけて供給余剰が拡大する見込み
  • 金価格は下げ縮小:米利下げ観測が強まり、依然として高水準を維持
  • 金は年初来40%上昇:ETF資金流入で需要が堅調

原油相場:供給過剰懸念で下落

背景

  • ニューヨーク原油(WTI)は 4日ぶりに下落、1バレル=62.37ドル。

  • ロンドンの北海ブレントも 1.7%安の66.37ドル

  • 8月以降、相場は62〜67ドルのレンジで推移。

下落要因

  • IEA(国際エネルギー機関):2026年には記録的な供給余剰がさらに拡大すると予測。

  • OPECプラス増産に加え、非加盟産油国も生産拡大。

  • EIA(米エネルギー情報局):第3四半期に在庫が膨らむと予測。

  • 米失業保険申請件数の増加で 景気減速懸念も追い打ち。

👉「余剰(供給過剰)」とは?
需要に対して供給が多すぎる状態で、価格下落につながりやすい。


金相場:利下げ期待で下げ幅縮小

現状

  • 金スポット価格:1オンス= 3633.31ドル(0.2%安)

  • COMEX金先物(12月限): 3673.60ドル(0.2%安)

背景

  • 米CPI(消費者物価指数)と失業保険申請件数の増加を受け、
    FOMCが来週利下げに動くとの観測が強まった。

  • 金は「利下げ=ドル安」の局面で投資資金が流入しやすい。

金の強さ

  • 年初来で 40%近く上昇

  • 金連動ETFへの資金流入が価格を押し上げ。

  • 信頼資産(安全資産)として、1980年のインフレ調整後ピークを超える水準に。

👉「ETF」とは?
上場投資信託。株のように取引でき、金価格に連動して投資できる。


まとめ

  • 原油は 供給余剰拡大予測で下落、景気減速懸念も重荷。

  • 金は 利下げ観測で投資需要が高まり、依然として高水準。

  • 原油はレンジ相場(62〜67ドル)、金は歴史的高値圏を維持中。

  • 今後の焦点は FOMCの利下げ判断と需給動向