2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/20

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、最高値更新

  • 米主要3指数が揃って上昇し、S&P500とナスダックは過去最高値を更新
  • FOMCの利下げ実施と追加利下げ期待が市場を押し上げ
  • AI関連やテクノロジー株が上昇を主導
  • 強気ムードの一方で、調整局面入りの可能性も指摘されている

株価の動き

  • S&P500種株価指数:6664.36(+0.49%)

  • ダウ平均:46315.27(+0.37%)

  • ナスダック総合:22631.48(+0.72%)

S&P500は4月安値からの上昇で時価総額が約15兆ドル増加。AI関連や大型テクノロジー株の強さが市場をけん引しました。


背景:FOMCの利下げ

FOMC(米連邦公開市場委員会)が金融緩和を再開したことで、投資家はリスク資産に前向きになっています。FRB(米連邦準備制度理事会)関係者も「年内に2回の追加利下げ」を示唆しました。

👉 FOMCとは?
米国の金融政策を決める会合。金利の上下を決定し、世界市場に大きな影響を与えます。


アナリストの見方

  • UBS:「AIや企業収益に支えられ、さらなる上昇余地あり」

  • パイパー・サンドラー:「利下げは株に強気のリズムを与えた」

  • ネーションワイド:「予想利益の22倍で推移。調整はむしろ健全」

UBSはS&P500の目標値を2026年6月までに6800と予想、強気シナリオでは7500到達の可能性も示しました。


注目の個別銘柄

  • フェデックス:好決算で+2.1%

  • アップル:JPモルガンの目標株価引き上げで+3.2%

  • パランティア、オラクル:買い優勢

  • レナー:業績下方修正で-4.2%

  • パラマウント・スカイダンス:買収報道で+5.9%


市場の特殊要因

この日はトリプルウィッチング(株価指数先物・オプションなど複数の金融派生商品の満期日が重なる日)で取引量が急増。ただ、ボラティリティは低く大きな値動きは限定的でした。

👉 トリプルウィッチングとは?
株式関連デリバティブの満期日が同時に訪れる四半期ごとのイベント。取引量が急増しやすい。


まとめ

  • 米国株は利下げ期待を追い風に最高値を更新

  • テクノロジー株とAI関連が上昇を主導

  • UBSはS&P500のさらなる上昇を予想

  • 調整リスクもあるが、市場は強気が優勢

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇、FOMC後の利下げ期待が後退

  • 米国債は下落し、利回りはほぼ全ての年限で上昇
  • FOMCで0.25%の利下げが決定されたが、FRBは追加利下げに慎重姿勢
  • 市場は依然として年内2回の利下げを織り込む
  • 10年債利回りは3日連続の上昇で、5週間ぶりの週間上昇へ

国債市場の動き

19日の米国債市場では、2年債から30年債までの利回りが1〜4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇しました。

  • 10年債利回り:4.14%(+3.7bp)で3日連続上昇

  • 2年債利回り:3.58%(+1.6bp)

  • 30年債利回り:4.76%(+3.9bp)

週間ベースでも利回りは上昇し、特に10年債は5週間ぶりの上昇となりました。


背景:FOMC後の市場心理

17日のFOMCで予想通り0.25%の利下げが行われましたが、パウエルFRB議長は「今後の利下げは会合ごとに判断する」と慎重な姿勢を示しました。
これにより「積極的な利下げペース」への期待が後退し、利回り上昇につながりました。

市場の織り込み

  • 金利スワップ市場:年内2回の追加利下げを織り込み

  • LSEGのデータ:

    • 10月FOMCでの利下げ確率は91.9%

    • 年末までに合計50bp(0.5%)の利下げを見込む


専門家の見方

ハートフォード・ファンズのレガンティ氏は、
「FOMC前の市場は楽観的すぎた。確かに利下げは進むだろうが、市場が期待するスピードをFRBが追認したわけではない」と指摘しています。


インフレ期待の動き

物価連動国債(TIPS)と通常国債の利回り差で測るブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は以下の通りです。

  • 5年物:2.465%

  • 10年物:2.391%

これは投資家が今後のインフレを年率2.4%前後と見込んでいることを示しています。


まとめ

  • 米国債利回りはFOMC後に上昇へ転じた

  • FRBは追加利下げに慎重姿勢を示し、市場の過度な期待を修正

  • 市場は依然として年内2回の利下げを見込むが、スピード感には不透明感

  • インフレ期待は安定的に推移

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場、ドル堅調も円は横ばい推移

  • 円は一時上昇するも結局横ばい
  • ドル指数は小幅高で3日続伸
  • FOMCは追加利下げ方針を示すも、想定より「タカ派的」
  • 日銀は政策を現状維持、ETF売却姿勢が注目点

円の動き

外国為替市場では、円は対ドルでほぼ横ばいの147.98円。東京時間には日銀の政策決定を受けて一時0.5%上昇しましたが、その後伸び悩み、ニューヨーク時間にはマイナスに転じる場面もありました。

日銀は金融政策を据え置きましたが、審議委員2人が反対したことやETF売却方針が「タカ派的」と受け止められました。ただし植田総裁の会見は方向性に乏しく、市場では追加対応が年内に先送りされるとの見方も出ています。


ドルの動き

ブルームバーグ・ドル指数は0.2%上昇し、3日続伸。週間ベースでは横ばいでしたが、オプション市場からは「長期的なドルの弱さ」を懸念する投資家心理がうかがえます。

FOMCは市場予想通り0.25%(25bp)の利下げを実施しましたが、年内にさらに0.5%程度の利下げを見込む一方、利下げペースは想定より緩やかで「ハト派(金融緩和重視)」に傾きすぎていないとの評価が出ています。これを受け、ドルには反発余地があるとの見方もあります。


その他の通貨・資産動向

  • ユーロ/ドル:1.1742ドル(0.39%安)

  • ポンド/ドル:1.3468ドル(0.6%安、英中銀が政策金利据え置き)

  • NZドル:0.4%安(GDPが予想以上のマイナス成長)

  • ビットコイン:2%安の11万5379ドル


用語補足

  • 利下げ:中央銀行が金利を引き下げること。企業や個人がお金を借りやすくなり、景気刺激を狙う政策。

  • タカ派/ハト派:金融政策に積極的か慎重かを示す言葉。タカ派=インフレ抑制を優先(利上げ寄り)、ハト派=景気刺激を優先(利下げ寄り)。


まとめ

  • 円は日銀会合後に一時上昇も最終的に横ばい

  • ドル指数は小幅高、FOMCは「想定ほどハト派的でない」

  • ポンドは英中銀のQT緩和で下落、NZドルはGDP悪化で売られる

  • ビットコインもリスクオフで下落

原油・金

  • 原油は3日続落:米中首脳会談の合意で、ロシア産原油への追加制裁懸念が後退。
  • 金は反発:FRBの利下げ期待を背景に高値圏で推移。

原油

米中関係と制裁リスク

  • ニューヨーク原油(WTI)は3営業日続落、10月限は1バレル=62.68ドル。

  • トランプ米大統領と習近平国家主席が電話会談し、来月末に直接会談を行うことで合意。

  • これにより、中国に対するロシア産原油の「二次制裁(間接的な追加制裁)」への懸念が薄れた。

背景となる要因

  • 1週間前は、米国が中国・インドに対しロシア産原油に最大100%の関税を課すようG7に提案するとの報道があった。

  • しかし今回の会談では具体的な制裁言及はなく、警戒感が後退。

供給と需給の見方

  • ロシアの石油インフラへの攻撃や制裁要求 → 価格の支援材料

  • しかし、今後数カ月で供給過剰に傾く懸念が根強く、上値は抑制。

  • 結果として、WTIは1カ月半にわたり約5ドルのレンジ相場が続いている。


FRBの政策が焦点

  • 金は反発し、スポット価格は1オンス=3683.40ドル(+1.1%)。

  • 直近で史上最高値を更新したが、パウエル議長が「会合ごとに判断」と発言 → 利下げ加速への期待がやや後退

市場の評価

  • 金は3700ドル手前で上値の勢いが鈍化。

  • ただし資金流入は依然「買い」優勢で、調整後も高値圏を維持。

  • 年内にあと2回の利下げが織り込まれており、金は今年に入り39%急騰


まとめ

  • 原油:米中会談で追加制裁リスク後退 → 下落基調。ただし供給過剰懸念が根強い。

  • 金:FRB利下げ期待で高値圏を維持 → 直近の最高値突破は一服感。

  • 両市場とも「政治リスク」と「金融政策」が価格形成の大きな材料。