2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/23

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株続伸、AI投資報道が相場を押し上げ

  • エヌビディアがOpenAIに最大1000億ドル投資との報道で、AI関連への期待が高まり株価が上昇
  • S&P500は今年28回目の最高値を更新、主要3指数が3日連続で最高値
  • FRB当局者は利下げに慎重な姿勢を示しつつも市場は強気基調
  • 一方で、バリュエーション(株価の割高感)や調整局面への警戒感も強まっている

株式市場の動き

22日の米株式市場は続伸

  • S&P500種株価指数:6693.75(+0.44%)

  • ダウ平均株価:46381.54(+0.14%)

  • ナスダック総合指数:22788.98(+0.70%)

特にテクノロジー株が相場をけん引し、S&P500は年初来で13.8%の上昇。9月としては歴史的に珍しい強い相場展開となっています。


エヌビディアとAI関連の期待

  • エヌビディア株は一時 +4.5%上昇

  • 同社はChatGPTを展開するOpenAIに最大1000億ドル(約14.8兆円)投資すると報じられました

  • AI向けデータセンター構築が進むとの期待から、半導体やテクノロジー全体に買いが広がりました

また、アップル(+4.3%)、テスラ(+1.9%)も上昇し、指数全体を押し上げました


FRB当局者の発言

この日はFRB関係者が相次いで発言

  • ムサレム総裁(セントルイス連銀):「インフレ高止まりで追加利下げ余地は限られる」

  • ハマック総裁(クリーブランド連銀):利下げは慎重にすべきと強調

  • ミラン理事:0.5%利下げが正当化されるとの見方を表明

➡ 市場には「インフレ抑制が優先」という慎重論と、「景気支援のため追加利下げが必要」という意見が混在しています。


市場関係者の見方

  • ゴールドマン・サックス:「巨大ハイテク株の勢いは強い。強気姿勢が妥当」

  • モルガン・スタンレー:2026年にはFRBのインフレ容認度に注目が移る可能性

  • UBS:「高値圏にあるため調整局面に注意」

  • RGAインベストメンツ:「強い企業業績と利下げ期待で9月の株価は堅調」


まとめ

  • 米株は AI関連の期待で主要指数が揃って最高値更新

  • エヌビディアのOpenAI投資が市場の注目材料

  • FRBの利下げスタンスは割れており、今後の金利動向が焦点

  • 強気相場の一方で、バリュエーションの高さや調整リスクを警戒する声も増加

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り上昇、短期ゾーン中心に下落

  • 米国債利回りは上昇、特に2年債など短期ゾーンが売られた
  • 週内に2年・5年・7年債の大型入札を控え、社債発行も重なった
  • PCEコア価格指数は伸び鈍化の予想だが、前年比では依然高止まり
  • FRBは9月FOMCで利下げ再開、次回以降の追加利下げは慎重姿勢

米国債市場の動き

22日の米国債相場は下落し、利回りが上昇しました。特に短期ゾーンが中心で、2年債利回りは3.60%まで上昇し、3週間ぶりの高水準となりました。

  • 10年債利回り:4.15%(+1.9bp)

  • 2年債利回り:3.60%(+2.9bp)

  • 30年債利回り:4.76%(+1.9bp)

利回りが上がる=価格が下がるという関係があり、入札や社債発行の増加で需給が悪化したことが背景です。

イールドカーブ(利回り格差)

2年債と10年債の利回り格差は 54bp(0.54%) に縮小しました。これは景気減速懸念がやや和らいでいることを示します。


PCEコア価格指数に注目

26日に発表される8月PCEコア価格指数(FRBが重視するインフレ指標)は、

  • 前月比 +0.2%(7月は+0.3%)

  • 前年比 +2.9%

と予想されています。
インフレはやや鈍化する一方で、サービス分野の価格は弱まる可能性が高いと指摘されています。

👉 PCEコア価格指数とは?
「個人消費支出の物価動向」を示す指標で、FRBの政策判断に大きな影響を与える指標です。CPIよりも幅広い消費データを反映する点が特徴です。


FRBの政策と市場の見方

  • 先週のFOMCでFRBは9カ月ぶりに利下げを再開しました(▲25bp)

  • ただし、今後の追加利下げには慎重な姿勢を示したため、長期金利は上昇に転じました

  • 市場は、10月会合での利下げ確率を90% と見込み、年内合計で 約44bpの利下げ を織り込んでいます

一方、FRB内でも意見が分かれており、ミラン理事は「現行の金融政策は引き締め過ぎ」として50bpの利下げを主張しました。


今週の注目材料

  • 米財務省が2年債(690億ドル)、5年債(700億ドル)、7年債(440億ドル)の大型入札を予定

  • 8月PCEコア価格指数(26日発表)

  • 10月FOMCでの追加利下げの可能性


まとめ

  • 米国債利回りは短期債中心に上昇

  • FRBは利下げを再開したが、追加利下げには慎重姿勢

  • PCEコア価格指数は鈍化見込みも、インフレは依然根強い

  • 2年・5年・7年債の大型入札が相場に影響を与える見通し

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル反落、円は上昇へ 為替市場の焦点はFRB発言とPCE指標

  • ドル指数は反落し、主要通貨に対して軟調
  • 円は対ドルで上昇、一時147円66銭まで円高に
  • FRB内では「積極的利下げ」派と「追加利下げ余地は限られる」派で意見が分かれる
  • UBSは年末のドル円を143円、ドイツ銀は140円割れを予想
  • 市場は今後のPCE価格指数(26日発表)とパウエル議長講演に注目

ドル指数が下落

外国為替市場では、ドル指数が0.2%下落しました。週内に米個人消費支出(PCE)価格指数の発表や、パウエルFRB議長を含む当局者の発言を控えて、投資家は様子見姿勢を強めています。


円高の背景

  • 円は対ドルで一時0.2%高の147円66銭を記録

  • UBSは年末のドル円予想を143円へ引き上げ(従来130円から)

  • ドイツ銀行は、年末までに140円を割る可能性を指摘

円については「割安な水準から始まっているため、政治的な不透明感が解消されれば上昇余地が大きい」との見方が広がっています。


FRB内の温度差

FRB(米連邦準備制度理事会)の当局者の発言は真逆の色合いを見せています

  • ミラン理事:「労働市場を守るため、今後数カ月で積極的な利下げが必要」

  • ムサレム総裁:「インフレ率は目標超え。追加利下げ余地は限られる」

  • 複数の総裁(ボスティック、ハマックなど):タカ派寄りの発言を継続

市場はFRBの引き締め姿勢に懐疑的で、すでに4〜5回の利下げを織り込んでいる状況です。


主要通貨の動き

  • ユーロ/ドル:1.1802ドル(0.48%高)

  • スイスフラン:0.792フラン(0.38%ドル安)

  • 英ポンド:1.3516ドル(0.37%高)

  • 豪ドル:0.6599ドル(0.12%高)

  • カナダドル:主要通貨中で最も下落


今後の注目イベント

  • 9月23日:パウエルFRB議長の講演
  • 9月26日:米PCE価格指数(インフレの主要指標)
  • 10月4日:自民党総裁選(日本政治の不透明感が円相場に影響)

まとめ

  • ドルは3営業日続いた上昇が一服し反落

  • 円は割安感と政治リスクを背景に上昇余地があるとの見方

  • FRB内の見解が割れる中、市場は利下げを強く織り込み

  • 年末にかけてドル円は140円割れの可能性も

原油と金

  • 原油:EUの追加制裁を巡る思惑で横ばい推移
  • :米利下げ観測や安全資産需要で過去最高値を更新

原油市場

EUによる追加制裁の影響

  • EUは、ロシア産エネルギーをめぐり第三国の石油関連企業も制裁対象に含める方針

  • 中国やインド企業も影響を受ける見通し

  • トランプ米大統領は欧州各国にロシア原油の購入停止を呼びかけ

  • 一方でマクロン仏大統領は「EUのロシア産エネルギー輸入はごくわずか」と発言

原油価格の推移

  • 8月以降、1バレルあたり5ドルの狭いレンジで膠着

  • 地政学リスクと供給過剰懸念が拮抗

  • 専門家は「制裁をロシアだけでなく、購入国にも広げないと価格は大きく動かない」と指摘

終値(9月22日)

  • WTI原油10月限:62.64ドル(-0.04ドル)

  • WTI原油11月限:62.28ドル(-0.2%)

  • 北海ブレント11月限:66.57ドル(-0.2%)


金市場

金価格の上昇要因

  • 米利下げが続くとの観測

  • 各国中銀による金購入

  • 地政学リスクを背景に安全資産需要が高まる

  • ETF(上場投資信託)への資金流入は3年ぶり高水準

金価格の見通し

  • 強気派:テクニカル指標が上昇を示し、さらなる値上がりを予想

  • 慎重派:直近5週間で10%以上上昇しており「買われ過ぎ」で調整の可能性も

終値(9月22日)

  • 金スポット:3746.60ドル(+1.7%)

  • 金先物12月限:3775.10ドル(+1.9%)


用語補足

  • WTI原油:アメリカ産の代表的な原油の指標価格

  • ブレント原油:北海産の代表的な原油の指標価格

  • ETF(上場投資信託):株のように取引所で売買できる投資信託。金ETFは金価格に連動


まとめ

  • 原油はEUの追加制裁への思惑と供給過剰懸念がせめぎ合い、価格は横ばい

  • 金は米利下げ観測や安全資産需要を背景に過去最高値を更新

  • 金市場では「さらなる上昇期待」と「過熱感による調整懸念」が並存している