2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/25

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株式、続落 最高値圏も「割高」懸念が強まる

  • 米国株式は主要3指数そろって続落
  • FRBパウエル議長が「株価はかなり高い」と発言し、利益確定売りが広がった
  • AIブームを背景に投資家のポジションは高水準だが、過熱感への警戒も強まる
  • セクター別では素材株が下落、エネルギー株が上昇

株価動向

  • S&P500:6,637.97(-0.28%)

  • ダウ平均:46,121.28(-0.37%)

  • ナスダック総合:22,497.86(-0.33%)

3指数は最高値圏にあるものの、この日は利益確定売りに押され下落しました。直近では3日連続で過去最高値を更新しており、一服感が広がっています。


割高感を巡る見方

パウエル議長の発言

FRBのパウエル議長は「資産価格はかなり高く評価されている」と指摘。これが投資家心理に冷や水を浴びせました。

アナリストの意見

  • BofAのスブラマニアン氏:20指標のうち19で「S&P500は割高」と指摘。ただし「予見性の改善でバリュエーションは正当化可能」とも述べた。

  • 野村のマケリゴット氏:AIブームで懐疑派も高値で参入しており、ポジション過多から下押しリスクが高い。

  • パイパー・サンドラーのジョンソン氏:「強気トレンドは継続中だが、短期的なリスク・リワードは悪化」

  • ネーションワイドのハケット氏:「投機的過熱ではなく、慎重な楽観が支えている」


個別・セクター動向

  • 素材株:最大の下げ。フリーポート・マクモランがインドネシア鉱山で不可抗力を宣言し、株価17%急落

  • エネルギー株:原油高を受け上昇

  • リチウム・アメリカズ:米株が約2倍に急騰。トランプ政権が最大10%取得を検討との報道

  • マイクロン:決算後に2.8%下落

  • オラクル:社債発行で150億ドル調達計画の報道を受け1.7%安。


PER(株価収益率)とは?

株価が企業利益の何倍で評価されているかを示す指標。S&P500の予想PERは23~24倍とされ、過去の平均(約15~18倍)より高め。これは「株価が利益に比べて割高」と見る一つの根拠になります。


まとめ

  • 米株は続落し、利益確定の動きが目立った

  • 最高値圏だが「割高感」への警戒が強まる

  • AIブームが投資を支えている一方、過熱リスクも存在

  • セクター別では素材株下落、エネルギー株が上昇

  • 投資家心理は「投機」ではなく「慎重な楽観」に基づく

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り上昇、オラクルの大型社債発行が影響

  • 米国債相場は下落し、利回りが小幅に上昇
  • 背景にはオラクルの180億ドル規模の社債発行など、社債供給増加
  • 10年債利回りは一時、5日以来の高水準を記録
  • 専門家は「マクロ要因よりもテクニカル要因(需給の影響)が大きい」と分析

米国債利回りの動き

米国債相場は24日に下落し、主要利回りが上昇しました。

  • 30年債利回り:4.75%(+2.9bp)

  • 10年債利回り:4.14%(+3.9bp)

  • 2年債利回り:3.60%(+1.6bp)

※bp(ベーシスポイント)とは?
1bp=0.01%。例えば3bp上昇は利回りが0.03%上がったことを意味します。


オラクルの大型社債発行

  • ソフトウエア大手 オラクル180億ドル(約2.7兆円)規模の社債 を発行

  • 今年の米投資適格債市場では2番目の規模

  • 同日、他にも複数の数十億ドル規模の社債発行が重なり、国債との需給競合が発生


専門家の見解

  • UBSのホフマン氏:「FRBの利下げサイクルは株式や金などリスク資産に追い風になる」

  • BMOのハートマン氏:「今回の利回り上昇は、経済見通しの変化というより供給要因(国債・社債の発行増)の影響が大きい」


まとめ

  • 米国債利回りは上昇、特に10年債は5日ぶりの高水準

  • オラクルの180億ドル社債発行が大きな要因

  • 投資家はマクロ経済よりも需給要因を重視する展開

  • 今後の国債・社債発行動向が利回りを左右する可能性あり

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドル全面高、円は148円90銭台に下落

  • 24日の米金融市場でドルが主要通貨に対して上昇、円は約3週間ぶりの安値に下落
  • 米新築住宅販売の急増やFRB(米連邦準備制度理事会)の慎重姿勢がドルを支える要因
  • 株式市場では主要3指数が続落し、投資家心理に慎重さが広がった

ドル高・円安が進行

ドルは全面高となり、円は一時1ドル=148円92銭まで下落しました。
背景には以下の要因があります。

  • 米新築住宅販売の急増(8月は前月比20.5%増、2022年以来の高水準)

  • FRBパウエル議長の慎重発言:「利下げを急げばインフレ再燃、遅すぎれば失業率上昇」というリスクバランスを強調

  • 四半期末のフローやショートスクイーズ(ドル売り持ちの買い戻し)

ブルームバーグ・ドル指数は0.6%上昇し、9月11日以来の高値となりました。


専門家の見方

  • ラボバンクのフォーリー氏:「住宅販売の強さは米経済が緩やかな減速にとどまっている可能性を示す」

  • MUFGの小野寺氏:「200日移動平均線を突破したが、150円を超えるトレンド転換にはならないだろう」

  • アクセル・メルク氏:「パウエル発言はタカ派的要素を含み、インフレ懸念を背景に慎重な姿勢」


今後の注目点

  • 9月26日に発表されるPCE物価指数(個人消費支出デフレーター)
    → FRBが最も注目するインフレ指標であり、次回の利下げペースを左右する可能性が高い。


まとめ

  • ドルは全面高、円は148円90銭台まで下落

  • 米新築住宅販売の急増とFRBの慎重姿勢がドルを支えた

  • 株式市場は続落し、投資家はインフレ指標を注視

  • 今後はPCE物価指数が焦点となる

原油相場、地政学リスクで大幅高 金は反落

  • 原油価格は続伸し、7月以来の大幅高
  • トランプ大統領の対ロシア強硬姿勢やウクライナ情勢が材料
  • テクニカル水準(100日移動平均)を上抜けたことも買いを誘発
  • 金相場は反落し、投資家は様子見ムード

原油市場

トランプ大統領の発言が刺激

トランプ米大統領が「NATO加盟国は領空を侵犯したロシア軍機を撃墜すべき」と強硬姿勢を示し、ウクライナ支援への前向き姿勢も打ち出しました。この発言を背景に市場では地政学リスクの高まりが意識され、原油の買いが膨らみました。

テクニカル要因も追い風

WTI原油先物価格は100日移動平均線(64.68ドル)を突破。これが買いシグナルとなり、CTA(商品投資顧問業者)が売りポジションを解消し、相場の上昇をさらに押し上げました。

  • WTI先物(11月限):前日比+1.58ドル(+2.5%)の64.99ドル

  • ブレント先物(11月限):+2.5%の69.31ドル

ロシア・ウクライナ情勢の影響

ウクライナによるドローン攻撃でロシアのパイプライン施設などが被害を受け、ディーゼル輸出制限の検討も進んでいます。専門家は「事態が続けば原油輸出にまで影響し、さらに価格を押し上げる可能性がある」と指摘しています。


金市場

様子見姿勢で下落

一方、金相場は軟調でした。米金融当局者の発言やロシア情勢の不透明感を背景に投資家は様子見に入り、利食い売りが優勢となりました。

  • 金スポット価格:1オンス=3729.15ドル(-0.9%)

  • 金先物(12月限):3768.10ドル(-1.3%)


用語補足

  • 100日移動平均線:過去100営業日の平均価格。これを上回ると「上昇トレンド入り」と見なされやすい。

  • CTA(商品投資顧問業者):機関投資家の一種で、大量の売買を行い価格変動を増幅させる傾向がある。


まとめ

  • 原油はトランプ大統領の発言やウクライナ情勢を背景に続伸

  • テクニカル要因(移動平均突破)やCTAの動きも相場を押し上げ

  • ロシアのディーゼル輸出制限検討もリスク要因に

  • 金は米金融当局の発言や地政学リスクをにらみ、反落