2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/1

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、9月は好調も政府閉鎖リスクで不透明感

  • 米株式市場は9月最終日に小幅高で終了し、S&P500は15年ぶりの好調な9月を記録
  • 四半期ベースでは主要3指数がいずれも2期連続で上昇
  • 政府閉鎖リスクで雇用統計などの経済指標発表が遅れる可能性
  • FRB当局者は利下げの可能性を示唆しつつ、インフレへの警戒も維持
  • 個別株ではファイザーが大幅高、航空株は下落

株式市場の動き

米国株式市場は、政府機関閉鎖の懸念を背景に軟調に推移しましたが、終盤に持ち直して主要3指数は小幅高で引けました。

  • S&P500:6688.46(+0.41%)

  • ダウ平均:46397.89(+0.18%)

  • ナスダック:22660.01(+0.30%)

9月のS&P500の上昇率は3.53%と、2010年以来の好調ぶり。四半期ベースでも7.79%の上昇となり、AI関連株や金融緩和期待が追い風となりました。


政府閉鎖リスクと市場への影響

政府閉鎖が現実となれば、

  • 雇用統計など重要な経済データの発表が延期

  • FRB(米連邦準備理事会)の政策判断に不透明感

といった影響が懸念されています。

特に10月3日に予定されている雇用統計が発表されなければ、投資家は労働市場やインフレ動向を把握しにくくなります。

補足:政府閉鎖とは?
米議会で予算が成立しない場合、政府機関が一部業務を停止する事態を指します。過去にも起きていますが、市場への影響は限定的だったケースが多いです。


FRB当局者の発言

  • コリンズ・ボストン連銀総裁:労働市場の軟化を受け、年内の追加利下げの可能性を示唆

  • ジェファーソンFRB副議長:インフレ圧力は上向き、雇用は下向きとし、政策判断の難しさを強調

補足:ドットプロットとは?
FOMCメンバーの金利見通しを点で示した図表。市場の利下げ・利上げ観測に影響します。


個別企業の動き

ファイザー:6.8%高

  • 低所得者向けに薬価引き下げで合意

コアウィーブ:メタに最大142億ドル分のAI向けクラウド提供契約

航空株(ユナイテッド・サウスウエストなど):政府閉鎖で運航遅延懸念 → 下落

エクソンモービル:2000人規模の人員削減を発表

ベライゾン:衛星通信会社エコスターの周波数帯取得を交渉中

 


まとめ

  • 米株は政府閉鎖リスクを警戒しつつも月間・四半期で大幅上昇

  • FRBは利下げ観測が残る一方、インフレリスクを警戒

  • 政府閉鎖が長期化すれば市場の不透明感は一段と強まる可能性

  • 個別株では医薬品やAI関連が堅調、航空株は軟調

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債、政府閉鎖懸念で小幅高

  • 米国債は小幅高で終了。政府閉鎖リスクを背景に「安全資産」として買いが入った
  • 10年債利回りは4.15%と横ばい、2年債は低下。利下げ観測の影響も
  • 四半期ベースで国債は3期連続上昇、2020年以来の好調ペース
  • 政府閉鎖が長引けば経済成長が鈍化し、債券市場には追い風になる可能性

米国債の値動き

米国債相場は小幅に上昇しました。直近の利回りは以下の通りです。

  • 30年債利回り:4.73%(上昇)

  • 10年債利回り:4.15%(ほぼ横ばい)

  • 2年債利回り:3.61%(低下)

特に2年債の低下は、市場が今後の利下げを意識していることを反映しています。


背景:政府閉鎖リスク

  • 米政府機関は10月1日から閉鎖の可能性が迫っており、景気の減速懸念が強まっています。

  • 政府が閉鎖されると、雇用統計など主要経済指標の発表が遅延し、市場は先行き不透明になります。

  • 過去の長期閉鎖時には、長期債相場が上昇した例があります。


投資家心理と市場の見方

専門家によれば、今回の国債買いは「小規模な質への逃避」(安全資産へのシフト)との見方があります。

  • FRBの次の一手:利下げ観測が高まり、10月会合で0.25%利下げの確率は約80%。12月にも追加利下げの可能性あり。

  • 労働市場:求人は横ばい、採用は低調。労働需要は徐々に減退している兆し。


不確実性と政治リスク

  • 経済データ収集の遅れは市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)を高める要因となります。

  • トランプ政権が政府閉鎖を利用して職員解雇を進める可能性も指摘され、政治的不安要素が追加されています。


まとめ

  • 米国債は政府閉鎖リスクと利下げ観測を背景に小幅高

  • 10年債利回りは横ばい、2年債は低下し利下げを織り込み

  • 政府閉鎖が長引けば、景気にはマイナスだが国債市場にはプラス要因

  • データ発表遅延による市場の不確実性とボラティリティ上昇に注意が必要

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル安進行、米政府閉鎖懸念で円は続伸

  • ドル指数は3日続落し、1週間ぶりの低水準
  • ドル/円は一時147円65銭まで円高が進行
  • 米政府閉鎖リスクが高まり、雇用統計の発表遅延も懸念
  • 短期閉鎖なら影響軽微、長期化ならFRBの利下げ圧力に

ドル安・円高の背景

30日の外国為替市場では、ドル指数が1週間ぶりの安値を付けました。
円は対ドルで3日続伸し、一時147円65銭まで上昇。その後は148円前後に戻しました。

背景には以下の要因があります。

  • 米経済指標の弱さ:労働需要の低下や消費者信頼感の落ち込み

  • 米政府閉鎖リスク:閉鎖となれば10月3日予定の雇用統計が延期の可能性

  • 利下げ観測:市場では年内45bp(0.45%)の利下げを織り込み、10月にも開始するとの見方


アナリストの見方

  • シティグループ:「閉鎖直前・直後はドル安、その後はレンジ相場、解消後はドル高に戻りやすい」

  • DZバンク:「閉鎖は現実味を帯びており、ドル下落に備えるべき」

  • ブラウン・ブラザーズ・ハリマン:「短期閉鎖なら影響は軽微だが、2週間以上続けばFRBの緩和姿勢強まり景気リスク拡大」

  • ING:「閉鎖となればドル売り・円買いが進む可能性大」


他通貨の動き

  • ユーロ/ドル:1.1734ドルと小幅高、ただし四半期では0.4%下落

  • 英ポンド/ドル:1.3450ドルと小幅高、四半期では2%下落し昨年10月以来最悪のパフォーマンス


まとめ

  • ドル指数は3日続落し、円は147円台後半へ続伸

  • 米政府閉鎖リスクが意識され、雇用統計の発表延期懸念も

  • 市場は年内利下げを強く織り込み済み

  • 閉鎖が長期化すれば景気下振れとFRBの緩和強化につながる可能性

原油と金:OPECプラスと米政府閉鎖懸念が影響

  • 原油価格は続落:OPECプラスが増産協議へ、米国の原油生産も過去最高を更新
  • 供給過剰懸念が拡大:フランス・トタルやINGが2026年まで続く供給超過を予測
  • 金価格は史上最高値更新:米政府機関閉鎖の懸念で安全資産としての需要が増加

原油市場:供給過剰への懸念が強まる

ニューヨーク原油先物(WTI)は 1バレル=62.37ドル(前日比-1.7%) と続落しました。背景には以下の要因があります。

  • OPECプラスが増産加速を検討
    10月5日の会合で、月あたり日量50万バレル規模の供給増を協議。

  • 米国の原油生産が過去最高
    7月に日量1360万バレルを突破(EIA発表)。

  • 需給見通しの悪化

    • トタル:2025年第1四半期に大幅な供給過剰を予測

    • ING:供給超過は2026年まで続くと指摘

ブレント原油も 67ドル台 まで下落し、世界的に原油相場は弱含みとなっています。


金市場:安全資産としての需要増加

一方で金価格は上昇を続けています。

  • スポット価格:1オンス=3850.46ドル(+0.4%)

  • 先物(12月限):3873.20ドル(+0.5%)、史上最高値を更新

背景には、米政府機関閉鎖のリスクがあり、投資家が安全資産である金へ資金を移しています。月間では 10.16%上昇 と大幅高となりました。


用語補足

  • OPECプラスとは?
    石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国が加わった枠組み。世界の原油供給を大きく左右する。

  • 供給過剰とは?
    市場に出回る原油が需要より多い状態。価格下落を招く。

  • 安全資産(逃避先資産)とは?
    不安定な経済環境で価値が下がりにくい資産のこと。金や国債が代表例。


まとめ

  • OPECプラスの増産検討と米国の増産で、原油市場は供給過剰懸念が強まり下落

  • トタルやINGの予測では、供給超過は長期化する可能性が高い

  • 一方で、米政府閉鎖リスクを背景に、金価格は史上最高値を更新し安全資産需要が拡大