2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/8

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

目次

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

S&P500反落、AIブーム一服 ― 買い疲れと利益確定売りが広がる

  • S&P500は反落し、過去最高値更新が一服
  • AI関連株の高騰による“買われ過ぎ警戒”が広がる
  • テスラの廉価版「モデルY」発表も株価は軟調
  • アナリストは「一時的な調整」と見る声が多い

市場の動き:高値圏で反落

8日の米株式市場では、S&P500種株価指数が0.38%安の6714.59で取引を終えました
ダウ平均は0.20%安、ナスダックは0.67%安とそろって下落しています。

AIブームを背景に過去最高値の更新が続いていたS&P500ですが、
「買い疲れ」と「利益確定売り」が広がり、上昇一服となりました。


AIブームの加熱に警戒感

AI(人工知能)関連銘柄が牽引してきた米株市場では、
4月以降、S&P500の時価総額が約16兆ドル(約2430兆円)も増加しています。
しかしその急上昇ぶりから、「過熱気味」との見方が浮上しています。

また、オラクルのクラウド事業の利益率が市場予想を下回ったとの報道も、
テクノロジー株全体の重しとなりました。


テスラは廉価版「モデルY」発表も株価は軟調

テスラはSUV「モデルY」の廉価版(価格を引き下げた新モデル)を発表しました。
EV(電気自動車)向け税額控除の廃止を受け、販売を下支えする狙いです。
しかし、株価は冴えず、投資家の反応は限定的でした。


専門家の見方:「一時的な調整」との声

  • UBSのホフマン氏
     →「これまでの急上昇の反動による一時的な調整だが、
       ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は堅固」と強気を維持。

  • シティのモンタギュー氏
     →「利益確定の動きが強まり、特にナスダックは上値が重くなる可能性がある」と指摘。

  • パイパー・サンドラーのジョンソン氏
     →「マクロ経済の追い風は続いているが、
       短期的に過熱している銘柄には注意が必要」と警鐘を鳴らしました。


まとめ

  • S&P500は過去最高値圏で反落、AIブームに一服感

  • オラクルやテスラなど主要銘柄が重しに

  • アナリストは「調整は自然な流れ」と冷静な見方

  • 今後は、AI関連株の利益確定売り動向が焦点となりそうです

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り低下、3年債入札に堅調な需要

米国債相場は上昇し、主要な利回りがそろって低下しました。背景には、堅調な3年債入札と、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測の継続があります。


3年債入札が好調、利回り低下を後押し

米財務省が実施した580億ドル規模の3年債入札は、市場予想を上回る需要を集めました。
最高落札利回りは3.576%で、入札前の水準3.584%を下回りました。これは、入札時に国債が「割安」とみられ、投資家の買い意欲が高まったことを意味します。

ウェルズ・ファーゴのマノラトス氏は、「労働市場がやや弱含む中でも利回りが上昇していたため、割安感が出て需要を押し上げた」と分析しています。


FRB内で意見分かれるも、利下げ継続観測強まる

FRB当局者の発言も市場に影響しました。

  • マイランFRB理事:「物価と雇用の二重目標の間に大きなジレンマはない」と述べ、利下げ継続の余地があるとの見解を示しました。
     また、トランプ政権の関税政策によるインフレへの影響は限定的とし、今後の物価上昇を楽観視しています。

  • カシュカリ総裁(ミネアポリス連銀):一方で、「大幅な利下げは再び高インフレを招く」と警戒感を示しました。

このようにFRB内部でも温度差はあるものの、市場では今月のFOMC(連邦公開市場委員会)で追加利下げが決定されるとの観測が引き続き優勢です。


主な利回りの動き(米東部時間16時41分)

国債種類 利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.73% -2.2 -0.45%
米10年債 4.12% -2.7 -0.65%
米2年債 3.57% -2.3 -0.63%
2年債-10年債利回り格差 約55.5bp

補足:「利回り低下」とは?

国債利回りは、債券価格が上がると下がる関係にあります。
つまり、投資家が国債を買うほど価格が上昇し、利回りは低下します。今回のように入札需要が強い=債券人気が高いことを意味します。


まとめ

  • 米国債は3年債入札の堅調な結果で上昇、主要利回りが低下

  • FRB理事は利下げ継続を支持、一方で一部当局者はインフレ再燃を懸念

  • 市場では「今月の追加利下げ観測」が引き続き優勢

  • 2年債と10年債の利回り差は約55bpと、依然「逆イールド(短期金利が長期金利を上回る)」状態が続く

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

円が7カ月ぶりの安値 高市新政権で円売り強まる

  • 円は対ドルで7カ月超ぶりの安値を更新(1ドル=152円台)
  • 高市新総裁の「積極財政」姿勢が円売りを誘発
  • 日銀の年内利上げは12月以降との見方が強まる
  • ユーロはフランス政局不安で下落
  • ビットコインは急落し12万ドル割れ

円安が進行、キャリートレード再燃

外国為替市場では円の下落が続き、ドル/円は一時1ドル=152円04銭と2月以来の安値を記録しました。
高市早苗氏が自民党総裁に選出された後、「高市トレード(円安・株高・金利上昇)」が広がっています。

高市氏は積極的な財政出動を掲げ、日銀の利上げに慎重な姿勢を示しており、円を調達通貨としたキャリートレード(低金利通貨で資金を借り、高金利通貨に投資する取引)が再び活発化しています。


市場の見方:「日銀は年内に利上げの可能性」

ダンスケ銀行のアルサラフ氏は、「日銀は10月会合では据え置くだろうが、12月に利上げを実施する可能性がある」と指摘。
一方で、依然としてインフレが高止まりしていることから、年内の追加利上げの余地も残っていると述べました。


政府は為替変動を警戒

加藤勝信財務相は、「為替市場での過度な変動や無秩序な動きについて注視していく」と発言。
当局が口先介入(発言による市場けん制)で円安を抑えようとする姿勢を示しました。


アナリスト予想:ドル円155円へ

BoFA証券の山田修輔氏は、高市氏の勝利を受けて2025年末のドル円予想を153円→155円に上方修正しました。
ただし、米国の景気後退や政府機関の閉鎖が長期化すれば、ドルの下落要因になると警戒しています。


欧州ではユーロ下落、ビットコインも反落

ユーロはフランスでルコルニュ内閣が総辞職したことで、政治的不透明感が増大し0.4%下落(1ユーロ=1.165ドル)

また、ビットコインは前日比3.5%安の12万0860ドルと、6日に付けた新高値(12万6223ドル)から急落しました。


まとめ

  • 円は高市新政権誕生後に急落し、152円台を突破

  • キャリートレード再活発化で円売り圧力が強まる

  • 日銀の利上げ時期は12月以降との見方

  • 政府は為替の急変動を警戒

  • ユーロはフランス政局不安で軟調、ビットコインも下落

金価格が初の4000ドル突破、原油は小幅続伸

  • 金先物価格が史上初の1オンス=4000ドルを突破
  • 背景には米政府機関閉鎖フランス政治危機などの不安要因
  • OPECプラスの小幅増産決定で原油は小動き
  • ゴールドマン・サックスは金価格見通しを4900ドルに上方修正

原油:OPECプラスの小幅増産で方向感に欠ける

ニューヨーク原油先物(WTI)は1バレル=61.73ドルと小幅高で3日続伸しました。
OPECプラスは11月に日量13万7000バレルの増産を実施することで合意しましたが、これはごくわずかな規模にとどまります。

サウジアラビアはアジア向けの販売価格を据え置き、市場が期待していた値上げを見送りました。慎重姿勢が示された格好です。
市場では、「在庫増加の兆候を見極めようとする様子見ムード」が強まっています。

WTI先物11月限:61.73ドル(前日比+0.1%)
ブレント12月限:65.45ドル(前日比-0.03%)


金:史上初の1オンス=4000ドル突破

金相場は続伸し、史上最高値を更新しました。
ニューヨーク金先物(12月限)は1オンス=4004.40ドルで取引を終え、初めて4000ドルを上回りました。

背景には次の要因があります。

  • 米政府機関の閉鎖により経済指標の発表が停止

  • フランスの政治混乱(首相辞任・財政協議難航)

  • 日本の財政拡大型政策への期待(高市新総裁)

これらの要因が「財政悪化懸念=通貨価値低下」につながり、金の安全資産としての魅力を高めています。

また、中国人民銀行が11カ月連続で金を買い増しており、中央銀行の需要も価格を支えています。

さらに、ゴールドマン・サックスは2026年末の金価格見通しを**4900ドル(従来4300ドル)**に引き上げました。


金とは?

金(ゴールド)は「安全資産」と呼ばれ、景気後退や金融不安時に買われやすい資産です。
金利が下がる(=利下げ)局面では、金利を生まない金の相対的な価値が高まります。


まとめ

  • 原油はOPECプラスのわずかな増産を受け、動意薄

  • サウジは価格据え置きで慎重姿勢を維持

  • 金は政治不安と利下げ期待を背景に史上最高値を更新

  • 中国・欧州・日本の個人・機関投資家が買いを強める

  • ゴールドマン・サックスは将来の金価格を4900ドルに上方修正