2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/9

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

【米株式市場】S&P500とナスダックが最高値更新 AI熱再燃で押し目買いが活発に

  • S&P500とナスダックが最高値を更新
  • AI(人工知能)関連銘柄に再び資金流入
  • 米利下げ再開期待が株高を後押し
  • 一方で、一部では過熱感への警戒も

S&P500が反発、ナスダックはAI銘柄主導で上昇

8日の米株式市場では、S&P500種株価指数が0.58%高の6,753.72と反発しました。前日にいったん上昇が一服しましたが、「押し目買い(値下がり時の買い)」が再び活発化しました。
ナスダック総合指数は1.12%高の23,043.38と過去最高値を更新。ハイテク株が引き続き相場をけん引しています。


AIブーム再燃、エヌビディアが市場を主導

AI需要の再加速を受けて、半導体大手エヌビディアが上昇。CEOのジェンスン・フアン氏が「ブラックウェル(最新GPU)への需要は非常に強い」と語ったことが好感されました。
AI関連株への懸念がいったん後退し、投資家の強気姿勢が鮮明です。


「まだバブルではない」— ゴールドマンとUBSの見方

  • UBSのマーク・ヘーフェル氏は、「テクノロジー大手のPER(株価収益率)は、2000年代初頭のドットコム・バブル時よりも低水準」と指摘。
     → PERとは、株価を1株あたり利益で割ったもので、株価が割高かどうかを示す指標です。

  • ゴールドマン・サックスのオッペンハイマー氏も、「ハイテク株の上昇は利益成長に支えられており、投機的なバブルとは異なる」との見方。
     ただし、「特定銘柄への集中やAI競争激化には注意」と分散投資を推奨しました。


投資家心理は強気も、一部に警戒感

パイパー・サンドラーのジョンソン氏は「AI関連銘柄と良好なマクロ環境が相場を支えているが、政府機関の閉鎖や過熱銘柄には注意が必要」と警告。
また、バンク・オブ・アメリカによると、機関投資家は4週連続で米国株を売り越しており、短期的な利益確定売りの動きも出ています。


セクター別の動き

  • 半導体株:大幅上昇(AMDが11%高、週初から43%上昇)

  • エネルギー・消費財・住宅建設:下落

  • 金鉱株:金価格上昇を受けてニューモントなど上昇


FRB議事要旨で利下げ示唆、注目は決算シーズンへ

米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月FOMC議事要旨では、
「雇用市場の下振れリスクが高まっており、利下げが正当化される」との認識が多数派でした。
一方で、インフレリスクが残るとの指摘もあり、市場は来週から始まる企業決算シーズンに注目しています。


まとめ

  • S&P500とナスダックはAIブームを背景に最高値更新

  • エヌビディアやAMDなど半導体株が相場を主導

  • UBSやゴールドマンは「まだバブルではない」との見方

  • 一方で過熱銘柄や政府閉鎖リスクには警戒が必要

  • FRB議事要旨は利下げ再開を示唆、次の焦点は企業決算

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債、10年債入札不調で利回り上昇 政府閉鎖解除後の指標再開に注目集まる

  • 米国債相場は下落(=利回り上昇)10年債入札がやや不調。
  • 政府閉鎖で主要経済指標が発表延期、相場は方向感を失う。
  • 閉鎖が解消されれば、CPIや雇用統計で相場が大きく動く可能性。
  • 債券市場ではヘッジ需要が拡大し、ボラティリティ(変動率)上昇リスク。

10年債入札、需要低調で利回り上昇

8日に実施された390億ドル規模の10年国債入札は、需要が市場予想を下回りました。

これを受けて米国債相場は総じて下落し(=価格下落・利回り上昇)10年債利回りは4.13%2年債利回りは3.58%に上昇しました

一方で、30年債利回りは4.71%とわずかに低下

※利回りとは?
国債を保有したときに得られる収益の割合。
価格と反対に動くため、国債が売られると利回りは上昇します。


政府閉鎖が相場の「停滞要因」に

米国では政府閉鎖の影響で、雇用統計やCPI(消費者物価指数)などの重要経済指標の発表が延期されています。
このため、投資家はFRB(米連邦準備制度理事会)の次の政策判断を見極められず、
国債市場は方向感を欠く展開が続いています。

ブランディワイン・グローバルのマッキンタイア氏は、
「閉鎖がさらに1週間続けば、10月の経済データの信頼性が損なわれる」と指摘。
FRBにとっても実体経済を正確に把握することが難しくなるとの懸念を示しました。


政府閉鎖解除後に「波乱」も

アメリベット・セキュリティーズのファラネロ氏は、
「もし16日までに閉鎖が解消されれば、CPIや雇用統計が再開される見通し
予想外の結果となれば、相場が上下どちらにも大きく振れる可能性がある」と述べています。

オプション市場ではすでに、こうした事態に備えたヘッジ需要(リスク回避のための保険的取引)が拡大しています。

※ヘッジとは?
相場変動による損失を抑えるために行う保険的な投資行動のことです。


まとめ

  • 10年債入札が不調で、米国債利回りが小幅上昇。

  • 政府閉鎖の影響で主要指標が発表できず、市場は様子見。

  • 閉鎖解除後、CPIや雇用統計の結果次第で相場が急変する可能性。

  • 投資家はリスク回避の姿勢を強め、ヘッジ取引が増加中。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

円安進行、2月以来の安値水準に 高市新総裁の財政拡張路線への警戒強まる

  • 円は5日連続で下落し、対ドルで2月中旬以来の安値を更新
  • 背景には「高市新総裁の積極財政(=財政拡張)への懸念」
  • ユーロもフランスの政局混乱で下落
  • 米政府機関の一部閉鎖が続く中でもドルは堅調

円安の背景:高市政権の財政拡張姿勢に市場が反応

外国為替市場では、円が1ドル=152.9円近辺まで下落し、2月中旬以来の安値を記録しました。
自民党の高市早苗新総裁が掲げる「積極財政」路線が、日本の財政健全性(財政赤字が拡大しないか)への懸念を呼び、投資家の間で円売りが進んでいます。

💡 積極財政とは?
政府が景気刺激のために支出を増やす政策のこと。短期的には経済を押し上げますが、財政赤字や金利上昇への懸念を招くこともあります。

一方で、米経済は堅調と見られており、ドルが相対的に「安全資産」として選ばれている状況です。
ソシエテ・ジェネラルのジャックス氏は「日本の政策が明確になるまで、円は弱含む可能性が高い」と指摘しています。


米FRBは利下げを検討中、それでもドルは強い

米連邦準備理事会(FRB)は、9月の会合で利下げの正当性を議論しており、市場は10月中に0.25%の利下げが行われるとの見方を強めています。
それにもかかわらず、他国の不安要素(日本の財政懸念、フランスの政治混迷)が目立ち、結果的にドルが買われています。

💡 利下げとは?
政策金利を引き下げること。通常は通貨安要因ですが、今回は他国のリスクが強く、ドルがむしろ買われています。


ユーロ・NZドルも下落 仏政局とNZ利下げが影響

ユーロは1ユーロ=1.16ドル台まで下落し、8月末以来の安値をつけました。
フランスではマクロン大統領が新首相を指名する見通しですが、政局の混乱が続き、投資家心理が悪化しています。

また、ニュージーランド準備銀行は政策金利を0.5%引き下げて2.5%に。この発表を受け、NZドルも4月以来の安値に下落しました。


市場の見方:介入ライン探りとボラティリティ上昇

円は153円に迫り、2024年に政府が為替介入を行った水準(157~161円台)に近づきつつあります。
市場では「介入があるかどうか」を探る動きが強まっていますが、政府は特定の水準ではなく、変動のスピード(ボラティリティ)を重視しているとみられます。

💡 為替介入とは?
政府や中央銀行が自国通貨を売買して、為替レートを安定させる行為。

為替オプション市場では、円高を見込む投資家が減少し、円安リスクに備える動きが強まっていることも確認されています。


まとめ

  • 円は高市新総裁の積極財政観を背景に5日連続の下落

  • 米利下げ観測がある中でも、相対的にドルが強い展開

  • ユーロは仏政局不安で下落、NZドルは利下げで安値更新

  • 市場は日本の為替介入ラインを警戒

  • 円安トレンドは当面続く可能性が高い

金が史上初の4000ドル突破】安全資産としての存在感が一段と強まる

  • 金価格が史上初めて1オンス=4000ドルを突破
  • 米政府閉鎖や経済不安が「逃避資金」を金へ向かわせた
  • 中央銀行の買い増しとETF・個人投資家の参入が上昇を後押し
  • 一方、原油も4日続伸するも供給過剰懸念で上値は限定的

金:2年で価格が倍に、上昇の背景は「恐怖」だけでない

金(ゴールド)相場が4日続伸し、史上初めて1オンス=4000ドル台を突破しました。ニューヨーク時間には一時4059.31ドルまで上昇し、終値でも4044.09ドルと節目を維持しました。

わずか2年前には2000ドルを下回っていたため、2年間で価格が約2倍となった計算です。今年に入ってからの上昇率は54%超に達しています。

上昇の主な背景

  • 米経済の先行き不安(政府閉鎖や財政不安)

  • FRB(米連邦準備制度理事会)の独立性への懸念

  • 地政学的リスクの高まり(紛争・政治リスク)

  • 中央銀行による金購入の継続

  • 実質金利の低下(=金を持つ機会コストの減少)

💡実質金利とは?
名目金利からインフレ率を差し引いたもので、低下すると金など「利息を生まない資産」が有利になります。

サクソバンクのストラテジスト、チャル・チャナナ氏は「金の上昇は単なる恐怖心理ではなく、資産の再配分が起きている」と指摘。
AI株の過熱や利下げ観測のなか、個人投資家やETFが新たな上昇をけん引していると分析しています。


原油:在庫減で反発も、供給過剰が重しに

原油相場も4日続伸しました。WTI先物(米国産原油)は1バレル=62.55ドルで取引を終え、1週間ぶりの高値を記録しました。

米エネルギー情報局(EIA)によると、オクラホマ州クッシングの在庫が76万3000バレル減少。特に暖房油などに使われる留出油の在庫減少が顕著で、買いが強まりました。

ただし、世界的な供給過剰懸念が上値を抑えています。

  • OPECプラスが増産を継続

  • 米国の生産量が過去最高水準に接近

  • ロシアの輸出も16カ月ぶりの高水準

オイリティクスのケシャブ・ロヒヤ氏は「実需の弱さと先物価格の乖離が続いている」と述べ、65~70ドルレンジの相場が定着しつつあるとの見方を示しています。


まとめ

  • 金は史上初の4000ドル突破、安全資産として再評価が進む

  • 米経済・地政学リスクが金買いを加速

  • 中央銀行・ETF・個人投資家が上昇をけん引

  • 原油は在庫減少で反発も、供給過剰で上値は限定的

  • 金と原油の動きが「景気減速とインフレの綱引き」を象徴