2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/22

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株市場、一服感と米中協議の不透明感で上値重く

  • 米株市場は「買い疲れ」と「米中協議の不透明感」で上昇一服
  • ダウ平均は3MやGMの好決算で最高値更新
  • S&P500・ナスダックは高値圏での調整ムード
  • 円は対ドルで下落、金は12年ぶりの大幅安

株式市場:強弱入り混じる展開

21日の米国株式市場では、主要3指数の動きが分かれました。

  • ダウ平均株価:+0.47%上昇し、最高値を更新

  • S&P500指数:横ばい(+0.00%)

  • ナスダック総合指数:-0.16%下落

上昇をけん引したのは、利益見通しを上方修正したゼネラル・モーターズ(GM)や3M
一方、ハイテク株やマイクロチップ関連株が軟調で、ナスダックの重荷となりました。


米中貿易協議の不透明感が重し

トランプ大統領は、習近平国家主席との会談で「良い合意を期待している」と述べつつも、「会談が実現する保証はない」と発言。
これを受けて、市場はリスク回避ムードが強まり、S&P500指数は伸び悩みました。


専門家の見方:「健全な調整局面」

パイパー・サンドラーのクレイグ・ジョンソン氏は、「株式市場は数週間にわたって高値圏での調整を迎える可能性があるが、それは健全な揺り戻し」と分析。

また、Gスクエアードのビクトリア・グリーン氏は「悪材料が続く中でも市場は底堅い」と指摘し、年末にかけて「強気相場の持続」を予想しました。


ゴールドマンCEOの警鐘:地方銀行の不正に言及

ゴールドマン・サックスのソロモンCEOは、米地方銀行の一連の不正疑惑について「個別事例ではあるが、融資審査の緩みへの警鐘として受け止めるべき」と述べ、市場の過熱感に注意を促しました。


まとめ

  • ダウは好決算銘柄に支えられ最高値更新

  • S&P500とナスダックは高値圏での一服

  • 米中協議の不透明感が投資家心理を冷やす

  • ドル高・円安、金は急落で調整局面入り

  • 専門家は「調整は健全」との見方で強気継続

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが低下:政府閉鎖、利下げ観測が支えに

  • 米国債が全年限で上昇し、利回りが低下
  • 政府機関の閉鎖が続く中、安全資産としての買いが進行
  • FRBによる追加利下げ観測が市場を支える
  • イールドカーブ(利回り格差)はさらにフラット化

米国債市場は買い優勢、長期金利が4月以来の低水準に

21日の米国債市場では、全ての年限で国債価格が上昇し(=利回りは低下)、特に30年債利回りが4.54%まで下落しました。これは4月初旬以来の低水準です。
背景には以下の要因があります。

  • 米政府機関の閉鎖が続き、経済統計の発表が停止

  • 英国・カナダでも債券買いが優勢となり、世界的な金利低下の流れ

  • 投資家がリスク回避姿勢を強め、安全資産である米国債に資金を移動

この結果、長期債中心に買いが進み、イールドカーブ(長短金利差)がさらにフラット化しました。


利回り動向

年限 利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.54% -2.7 -0.60%
米10年債 3.96% -1.9 -0.48%
米2年債 3.46% 0.0 0.00%

※bp=ベーシスポイント(1bp=0.01%)


FRBの利下げ観測が強まる

BMOグローバル・アセット・マネジメントのデイビス氏によると、

  • 10月に0.25ポイントの利下げ

  • 12月には0.5ポイントの追加利下げの可能性が「劇的に高まっている」とのことです。

この見方を背景に、債券トレーダーは強気(債券価格上昇・利回り低下)姿勢を強めています。


イールドカーブのフラット化とは?

イールドカーブとは、短期から長期までの金利の差を示すグラフのことです。
通常、長期金利は短期金利より高いのが一般的ですが、**差が縮まる(フラット化)**と、景気減速や利下げ局面を示唆することが多いです。

現在、

  • 30年債と5年債の利回り差 → 約100bp(9月初旬の125bp超から縮小)

  • 10年債と2年債の利回り差 → 約50bp(数カ月前の60bp超から縮小)

と、フラット化が進行しています。


今後の注目イベント

  • 米政府機関の閉鎖が続けば、安全資産への資金流入が続く可能性

  • FRB当局者が発言を控えるブラックアウト期間に入り、市場は材料不足

  • 24日の米消費者物価指数(CPI)が次の方向性を左右する重要指標


まとめ

  • 米国債は全般的に上昇、長期金利は4月以来の水準に低下

  • 政府閉鎖や世界的な債券買いが背景

  • FRBの年内利下げ観測が金利低下を支える

  • イールドカーブは一段とフラット化

  • 市場はCPI発表を前に静かな展開

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

高市首相就任で円が下落 日銀利上げ観測は後退か

  • 円は1ドル=152円目前まで下落、1週間ぶりの安値
  • 高市早苗氏の首相就任を受け、財政拡大・金融緩和継続への思惑が円売りを誘発
  • 市場では「日銀の利上げ時期がさらに遅れる可能性」への警戒感が浮上
  • 一方で、ゴールドマン・サックスは「2026年1月に利上げ」との基本シナリオを維持

ドル買い優勢、円は主要通貨でアンダーパフォーム

21日のニューヨーク外国為替市場では、ドル買いが優勢となり、円は主要通貨の中で最も弱い動きを見せました。
ドル/円は一時152円17銭まで円安が進行し、終値は151円89銭(前日比1円14銭安)
ブルームバーグ・ドル指数も3日続伸し、ドル高の流れが鮮明でした。


高市首相の就任と記者会見発言が焦点に

高市早苗氏が自民党総裁選を経て、第104代首相に正式就任しました。
就任後初の会見では、

  • 「金融政策の手法は日銀に委ねられるべき」

  • 「政府と日銀は十分に連携を図っていく」

  • 「政府・日銀の共同声明(アコード)は当面見直さない」

と発言。これを受け、円は一時151円台半ばまで下げを戻しました。


市場の見方:利上げ観測はやや後退

ゴールドマン・サックスのエコノミストは、
「新政権の姿勢次第では、日銀の利上げが大幅に遅れる、または実現しない可能性も市場に意識されている」と指摘。

ただし同社は、基本シナリオとして「2026年1月の利上げ」を維持しています。

一方、CIBCキャピタル・マーケッツは、
「日銀は10月会合での利上げは見送る可能性が高い
12月に先送りする公算が大きい」との見方を示しました。


円安の背景:財政拡大と政策不透明感

為替市場では、「高市政権=財政出動拡大」との見方が強まり、
インフレ対応と金利政策の不透明感が円売りを誘発しています。

  • コメルツ銀行のアナリストは「高市政権が円安を支持する可能性は低いが、財政刺激と緩和政策の併用で投資家心理が不安定になっている」と分析。

  • HSBCのエコノミストは「財政緩和が軌道に乗るまで日銀が金融引き締めを遅らせる可能性がある」と述べています。


他通貨動向

  • ユーロ/ドル:1.1603ドル(前日比0.33%安)

  • ポンド/ドル:下落基調

  • ドル指数:98.921(0.31%高、6日ぶりの高値)


まとめ

  • 円は152円目前まで下落し、1週間ぶりの安値

  • 高市首相就任で「財政拡大・緩和継続」観測が強まる

  • 日銀の利上げ時期は「2025年末〜2026年初」まで後ずれの見方

  • 政治主導の経済政策が、為替相場の波乱要因となる可能性

原油・金市場の動向:SPR再補充で下支えも、全体は軟調

  • 米政府が戦略石油備蓄(SPR)再補充を発表し、原油相場は小幅反発
  • しかし、供給過剰懸念で依然として5カ月ぶりの安値圏にとどまる
  • 金相場は12年ぶりの大幅下落(最大6.3%安)
  • テクニカル的過熱感や利益確定売りが急落の背景

原油:SPR再補充で反発も、供給過剰が重し

米政府が戦略石油備蓄(SPR)を再補充する方針を打ち出したことで、買い戻しが入りました。
ニューヨーク原油(WTI)先物11月限は1バレル=57.82ドル(前日比+0.5%)で取引終了。
ロンドンのブレント原油も61.32ドル
と小幅上昇しました。

しかし、市場では依然として供給過剰懸念が根強く、全体のセンチメントは弱いままです。
ラピダン・エナジーのマクナリー氏は「供給の伸びが需要の3倍のペース」と指摘し、短期的な需給の緩みを警告しています。

🛢️ SPR(戦略石油備蓄)とは?
政府がエネルギー供給の安定を目的に備蓄している原油のこと。米国では緊急時の放出・再補充を通じて市場調整を行う。


金:12年ぶりの急落、過熱感と利益確定が重なる

金は急反落しました。
金スポット価格は一時6.3%下落し、12年ぶりの大幅安。銀も8.7%下落しました。

背景には複数の要因が重なっています。

  • 米中貿易協議の進展 → 安全資産としての金の需要が後退

  • ドル高進行 → 金価格に割高感

  • テクニカル的な過熱感 → 投資家の利益確定売り

  • インド市場の休場(ディワリ) → 流動性の低下

また、先週までの金ETFへの資金流入は80億ドルに達し、2018年以来最大。
その反動で短期的な資金流出=調整局面が起きた形です。

💡 ETF(上場投資信託)とは?
株式のように市場で取引される投資信託。金ETFは現物の金に裏付けられ、金価格の動きに連動する。

さらに、米政府機関の閉鎖で、CFTC(商品先物取引委員会)のポジションデータが発表されておらず、
トレーダーが「見えないリスク」を抱えた状態で取引を続けていることも不安材料となっています。


まとめ

  • 米政府のSPR再補充で原油は小幅反発

  • ただし供給過剰で依然として安値圏

  • 金は利益確定売り+過熱感で急落

  • ドル高・インド休場・政府閉鎖も下押し要因

  • 市場は全体的にリスク回避よりも調整局面