2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/13

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場、ダウ最高値更新 政府閉鎖解除への期待とAI投資が追い風に

  • 米政府閉鎖が間もなく解除されるとの期待でダウ平均は過去最高値を更新
  • 一方でハイテク株は利益確定売りが出て下落
  • AIインフラ投資や堅調な企業業績見通しが株価を下支え

ダウ続伸、S&P500は小幅高 ハイテク株に調整

12日の米株式市場はまちまちの展開でした。
S&P500種株価指数は0.06%上昇の6850.92
ダウ工業株30種平均は0.68%高の48,254.82と4日続伸し、過去最高値を更新しました。
一方で、ナスダック総合指数は0.26%下落し、ハイテク株には調整が入りました。

市場では、過去最長となった政府機関閉鎖がまもなく解除されるとの期待が広がり、安心感が買いを支えました。
ジョンソン下院議長は「つなぎ予算案が迅速に可決される」と述べ、トランプ大統領も同法案に署名する意向を示しています。


政府閉鎖解除への期待がセンチメントを改善

米政府の一部閉鎖は航空システムや経済データの発表に影響しており、市場の不透明要因となっていました。
USバンク・ウェルス・マネジメントのノーシー氏は
「政府機関が正常に機能することは実体経済の安定にとって極めて重要」とコメント。
閉鎖解除への動きは市場心理の改善(センチメント改善)につながっています。


ハイテク株は下落、AI関連への資金シフトも

大型ハイテク株で構成される「マグニフィセント・セブン指数」は約1.2%下落しました。
アマゾン、テスラ、パランティアなどが売られ、
一方で半導体大手AMDは1000億ドル規模のデータセンター売上目標を発表し上昇しました。

マッコーリー・グループのウィズマン氏は
「AIインフラ投資の拡大が景気見通しを下支えしている」と指摘。
AI関連銘柄やインフラ投資に資金が向かう構図が見られます。


専門家の見方:S&P500は年内7000超えの可能性も

ヤルデニ・リサーチは、S&P500について「好調な企業収益を背景に年内7000台到達の可能性がある」と予測。
UBSのヘーフェル氏も「来年6月までに7300まで上昇する」と見ています。

同氏は、投資家に対して「AI・エネルギー・長寿関連など革新分野への投資拡大が有効」と助言しました。


企業ニュース:AI・自動車業界が活発

  • AIスタートアップ「Anthropic」:米国内にデータセンターを建設へ、総額500億ドル(約7.7兆円)投資

  • トヨタ自動車:今後5年間で最大100億ドル(約1.55兆円)を米国に投資へ

  • グーグル(アルファベット):EUがニュース表示順位をめぐり新たな調査を開始

  • プーチン大統領:シティグループのロシア事業売却を承認

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが一段安:12月利下げ観測強まる

  • 米国債相場が上昇(=利回り低下)し、10年債は4.06%へ下落
  • FOMC(米連邦公開市場委員会)の12月利下げ観測が拡大
  • 政府機関閉鎖の影響で雇用統計・CPIの発表見送りも視野に
  • 投資家の「米国債強気(ロング)」ポジションが急増

米国債が上昇、利回りは全体的に低下

米国債市場では、長短すべての年限で利回りが下落しました。背景には、FOMCが12月会合で金利を引き下げるとの見方が広がったことがあります。
特に10年債利回りは4.06%と前日比5.2bp(ベーシスポイント)低下し、10月中旬以来の4%割れが再び意識される展開となりました。

国債 利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.66% -4.7 -0.99%
米10年債 4.06% -5.2 -1.28%
米2年債 3.56% -2.7 -0.75%

利下げ観測の背景:「データ欠如」と「景気減速懸念」

ホワイトハウスのレビット報道官は、政府機関の閉鎖により10月分の雇用統計とCPIが発表されない可能性を指摘しました。
経済指標が欠けることで、FRB(米連邦準備制度理事会)が次の政策判断を行う材料が減り、市場では慎重な姿勢から利下げ方向へ傾くとの見方が強まっています。


市場の声:「より正常な金利環境へ」

アメリベット・セキュリティーズのグレゴリー・ファラネロ氏は、

「インフレも雇用も足踏み状態だ。自分が政策当局者なら、慎重な姿勢を保ちながらも利下げ方向に傾くだろう」

とコメント。10年債利回りが再び4%を割り込む可能性もあると述べました。


投資家のポジションも強気に

JPモルガン・チェースの調査では、投資家によるネットロング(買い持ち)ポジションが4月以来の高水準に達しています。
これは、市場が米国債の上昇(利回り低下)を見込む強気シナリオに傾いていることを示しています。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル円が155円台に上昇、9カ月ぶりの高値 日銀利上げ観測後退とドル高が背景

  • 円が対ドルで一時155円04銭と9カ月ぶりの円安水準に下落
  • 日銀の利上げ先送り観測が強まり、円売りが進行
  • 政府当局は「過度な変動に高い緊張感」と警戒コメント
  • 米政府閉鎖の解除期待でドルは一時上昇も、最終的には横ばい

円相場が一時155円超え、円売り加速

12日のニューヨーク外国為替市場では円が下落し、対ドルで一時 1ドル=155円04銭 をつけ、2月以来およそ9カ月ぶりの安値となりました。
日中には日本当局が「過度な変動に対し緊張感を持って注視している」と警告を出しましたが、市場の円売りの勢いは衰えませんでした。

背景には、日銀の12月利上げ観測が後退 していることがあります。高市政権が金融政策の正常化をけん制しているとの見方が広がり、円の買い戻し材料が乏しくなっているのです。


政府・日銀への圧力、強まる市場の警戒

高市早苗首相は同日、経済財政諮問会議で「政府・日銀が一体となり、国民経済の発展に取り組む」と述べました。これが市場では「日銀へのソフトな圧力」と受け止められ、利上げ先送り観測が強まりました。

片山さつき財務相も「円安にはプラスとマイナスがあるが、マイナス面が目立ってきた」としながらも、「為替介入は現時点で逼迫していない」と発言。口先介入の限界が意識されました。


市場関係者の見方

  • ラボバンクのフォーリー氏:「日銀が12月に利上げを行うリスクは排除できないが、155円近辺では市場が神経質になっている」

  • 三井住友信託銀行の山本氏:「円売り地合いは根強く、155円を超えると次の焦点は1月の安値158円87銭」

  • ダンスケバンクのアルサラフ氏:「円を支えるには実弾介入が必要で、今後数カ月で実施される可能性がある」

  • ユニクレディトのミアリッチ氏:「155円が防衛ラインとなる可能性があり、日銀への圧力が高まっている」


ドルは堅調、政府閉鎖解除期待で一時上昇

米議会下院では、過去最長となった政府機関の閉鎖を終わらせるための採決が行われ、ドル買いが一時優勢となりました。
しかし、発表が延期されていた 雇用統計やCPI(消費者物価指数) が公表されない可能性が示されたため、ドル指数は最終的に前日比ほぼ横ばい(+0.04%)に落ち着きました。

【原油急落・金急騰】OPECの供給見通し転換と米金利低下

  • OPECが「原油供給不足」から「供給過剰」見通しへ転換
  • WTI原油は7月以来の大幅下落、コンタンゴ(順ざや)発生
  • 金価格は4200ドル台を回復、米金利低下で上昇

原油:OPECの見通し転換で急落

原油先物相場が急落しました。代表的な指標であるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油は、前日比4.2%安の1バレル=58.49ドルまで下落。7月以来の大幅安です。

背景には、OPEC(石油輸出国機構)が2025年第3四半期(7~9月)の市場見通しを「供給不足」から「供給過剰」へと修正したことがあります。これにより、市場では供給過多懸念が一気に広がりました。

また、期近と期先の価格差(タイムスプレッド)が一時「コンタンゴ(順ざや)」に転じました。

💡 コンタンゴとは?
将来の原油価格(期先)が現在の価格(期近)より高くなる状態のこと。一般に、供給過剰や需要減退のサインとされます。

さらに、トレンドフォロー型の投資ファンドが買いポジション(ロング)を手じまいしており、下落を加速させる要因となりました。TDセキュリティーズのダン・ガリ氏は「WTIが58.50ドルを下回り続けると、売り圧力がさらに強まる可能性がある」と警戒を示しています。

  • WTI(12月限):58.49ドル(前日比−2.55ドル、−4.2%)

  • ブレント原油(1月限):62.71ドル(前日比−2.45ドル、−3.8%)


金:米金利低下を背景に急騰

一方で金相場は急上昇しました。スポット価格は1オンス=4208.84ドル(+2%)と、4200ドル台を回復しています。

上昇の背景には、米政府機関の再開見通し米金利の低下があります。米10年債利回りは一時6ベーシスポイント(0.06%)低下し、金利を生まない金の相対的な魅力が増した形です。

💡 金利低下が金価格を押し上げる理由
金は利息を生まないため、金利が高いと投資妙味が薄れます。逆に金利が下がると、「持っていても損しにくい資産」として需要が高まります。

また、政府再開により滞っていた経済指標の発表が再開される見込みです。最近の雇用統計では労働市場の弱さが示されており、市場では追加利下げ観測も強まっています。

  • 金スポット価格:4208.84ドル(前日比+81.99ドル、+2%)

  • 金先物(12月限):4213.60ドル(前日比+97.30ドル、+2.4%)