2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/15

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場、利下げ観測後退で続落 AI関連は反発も勢い弱く──エヌビディア決算が“試金石”に

  • FRBの12月利下げ観測が50%割れし、株式市場のムードが悪化
  • S&P500は小幅続落、ハイテクは反発も不安定
  • エヌビディア決算(19日発表)がAIブームの山場に
  • 投資家はリスク回避に傾き、ビットコインも急落
  • セクターローテが進み、ヘルスケア・生活必需品が底打ちの兆し

米株式市場は“慎重モード”に突入

S&P500は小幅続落、ハイテクは一時上昇も勢い弱く

14日の米株式市場は、12月の利下げ後退を受けて全体的に弱い動きとなりました。

主要指数の動き

  • S&P500:-0.05%(6734.11)

  • ダウ:-0.65%(47147.48)

  • ナスダック:+0.13%(22900.59)

ハイテク株には買い戻しが入りましたが、大量の経済指標発表を前に積極的な買いは入りづらい状況でした。


利下げ観測が急減速──市場を覆う“金利不透明感”

12月利下げ確率は50%割れへ

利下げ期待が後退した背景には、FRB高官が相次いで「利下げに慎重」な発言をしたことがあります。

  • FF金利先物の利下げ確率:50%未満
    (先週は67% → 一気に低下)

FF金利とは?
→ 米国の銀行同士が短期で資金を貸し借りする際の金利。FRBの政策金利の指標となる。

この変化で市場のボラティリティ(価格変動)は上昇し、株・暗号資産ともに警戒ムードが強まりました。


エヌビディア決算はAI相場の“試金石”に

決算後に株価6%動くとの観測も

AIブームを牽引するエヌビディアは、19日に四半期決算を発表します。

  • オプション市場では株価が上下6.2%動くシナリオを織り込み

  • 投資家は「AIバリュエーション(株の割高度)」を最重要視

アナリストの見方は分かれています。

  • 期待派:「好決算ならAI相場に再び追い風」

  • 慎重派:「失望ならAI銘柄全体が再び売られる可能性」

マグニフィセント・セブン指数は4日ぶりに上昇しましたが、相場全体の不安定さは残ったままです。


消費関連・小売企業にも注目が集まる

ウォルマートなどの決算は“個人消費の健康診断”

来週はウォルマート、ターゲットなど小売大手が決算発表を予定。

消費が堅調かどうかは、
米経済の先行きを左右する重要指標
として市場が注視しています。

CEO交代などのニュースも株価材料になっています。


暗号資産市場はさらに下落──資金流出が加速

ビットコインは95,000ドル割れ

株式市場同様、仮想通貨でもリスクオフが強まりました。

  • ビットコインは95,000ドルを一時割り込む

  • 関連ファンドから約9億ドル流出

  • 10月10日の19兆円規模の大清算以降、時価総額は1兆ドル以上消失

不透明な金利環境の中、投機的資産には逆風が続いています。


セクターの動き──ヘルスケア・生活必需品が底打ち感

ディフェンシブ銘柄へ資金移動が進行

今週はヘルスケア、生活必需品などディフェンシブ銘柄に資金が流れました。

  • S&P500の11セクター中7セクターが下落

  • 素材:-1.18%

  • 金融:-0.97%

  • ユナイテッドヘルス:-3.2%

  • ビザ:-1.8%

AI関連に集中してきた投資家からは、「ミニ弱気相場のような動き
との声も出ています。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債相場:利下げ観測が後退、利回りが上昇

  • 米国債利回りが全ての年限で上昇しました
  • 背景には「利下げ観測の後退」と「株式市場のリスク回避後退」があります
  • 政府閉鎖明けの経済指標ラッシュが控えており、債券市場のボラティリティ上昇が予想されています
  • 労働市場の弱さが今後のFRB判断の焦点に

米国債利回りが上昇した理由

米国債市場では、12月FOMCでの利下げ観測が後退したことを背景に、利回りが全体的に上昇しました。株式市場への買い戻しも進み、安全資産である国債は売られやすい展開となりました。

主な利回りの動き(前日比)

  • 10年債利回り:4.15%(+2.9bp)

  • 2年債利回り:3.61%(+1.5bp)

  • 30年債利回り:4.75%(+3.5bp)

※bp(ベーシスポイント)とは?
→ 金利の最小単位。1bp=0.01%


利下げ観測の後退

政府閉鎖は終了したものの、延期されていた雇用統計や賃金データが11月20〜21日に集中して発表されます。

FRBはすでに9〜10月に利下げを実施したものの、

  • インフレは依然として高止まり

  • 労働市場は弱いが「壊滅的ではない」

という状況です。

FRB当局者の発言

  • シュミッド総裁(カンザスシティ連銀)
    「追加利下げは高インフレを固定化するリスクが大きい」

  • ローガン総裁(ダラス連銀)
    → 12月利下げに否定的姿勢

→ 市場の利下げ織り込みは今月初め:90% → 現在:約40%まで低下


労働市場データが最大の焦点

コロンビア・スレッドニードルのアルフセイニ氏は、
「市場は労働市場の弱さをすでに織り込み済み」と指摘。

今後発表されるデータによって、

  • 利下げの正当性が強まる

  • もしくは利下げが遠のく

という二極化が進む可能性があります。


株式市場の動きと債券市場の反応

ここ数日の株安で強まっていたリスク回避姿勢が後退し、
リスク資産(株)へ資金 → 国債売り → 利回り上昇
という流れが発生。

また、10年債利回りが4%を下回るとみるオプション取引も増加しており、
近い将来のボラティリティ上昇が意識されています。

※オプション取引とは?
→ 将来の金利や価格を予測して売買する金融商品。投資家の市場の期待を反映しやすい。


今後の注目ポイント

来週の経済指標ラッシュ

  • 11/20:雇用統計(9月分)

  • 11/21:実質賃金のデータ

ここが市場全体の方向性を左右します。

FOMCはどう動く?

もし利下げが見送られた場合

  • リスク資産(株)が売られる

  • 米国債には逆に「安全資産買い」が入る可能性

アルフセイニ氏は
「利下げがなければ、リスク市場が巻き戻される」
と警告しています。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドルは方向感薄い展開 ― 経済指標の再開で来週はボラティリティ上昇の可能性

  • ドル指数は小動きで、円・ユーロも方向感に欠ける展開でした
  • 米政府機関の閉鎖が終了し、来週から大量の経済指標が発表予定
  • 市場はFRB(米連邦準備制度理事会)の政策見通しに注目
  • FXボラティリティ指標は上昇傾向で、来週は動意づく可能性

ドル相場は小動き、方向感のない展開

主要通貨の値動き

  • ブルームバーグ・ドル指数は前日比ほぼ横ばいの1216.28

  • ドル円は154円台前半でほぼ動かず

  • ユーロドルはやや下落して1.1620ドル

円は一時153円台後半まで買われましたが、結局上昇を維持できず失速しました。

ドル指数とは?
主要通貨に対してのドルの総合的な強さを示す指標です。


ドル安方向のリスクは残るが、積極的な売りには慎重

モルガン・スタンレーの見解

モルガン・スタンレーは、

  • ドルは弱含みリスクが続く

  • ただし、政府機関閉鎖で遅れていた経済指標が出揃うまではドル売りを増やしにくい
    と指摘しています。

一方で、「リスク通貨(豪ドル・NZドルなど)ロングは維持すべき」との見方を示しました。

リスク通貨とは?
景気が良いと買われ、悪いと売られやすい「高金利・資源国通貨」のこと。


市場の不安定さを示すボラティリティ指数が上昇

JPモルガンのFXボラティリティ指数が10月以来の高水準に上昇。
理由としては、

  • 米政府閉鎖による経済データの停滞

  • FRB当局者の発言に市場が敏感に反応している
    ことが挙げられています。

DRWトレーディングのストラテジストは、
「データ不足で市場の動きがちぐはぐになっており、データ再開でボラティリティが急上昇する可能性」を指摘しています。


米政府閉鎖が終了、来週から大量の経済指標が発表へ

トランプ大統領がつなぎ予算案に署名したことで、
政府機関の一部閉鎖が解消。

これにより、

  • 公表が滞っていた大量の経済指標が来週から順次発表
    されます。

市場は、

  • FRBの金融政策への影響

  • 金利差を背景とした為替のボラティリティ再上昇
    に注目しています。


英国ではポンド急落、ビットコインも下落

英ポンドの急落要因

英国のリーブス財務相が、予算案で所得税引き上げ方針は示さない
との報道を受け、ポンドは下落。

  • 対ドルで0.24%安

  • 対ユーロでは2023年4月以来の安値

ビットコインは5月以来の安値

ビットコインは、3.41%安の9万5433ドルと大きく値を下げました。

原油と金価格の動向:中東・欧州の地政学リスクで原油続伸、利下げ観測後退で金は続落

  • 原油価格はウクライナの攻撃とイランのタンカー拿捕を受けて続伸
  • 金価格は米利下げ観測の後退を背景に下落
  • 年末にかけてエネルギー需給と金融政策の不透明感が市場を揺らす

原油価格は地政学リスクで続伸

ロシア主要石油港ノボロシースクが攻撃を受ける

ウクライナがロシアの黒海沿岸の主要港 ノボロシースク を攻撃し、石油貯蔵施設や船舶が損傷しました。
この港はロシア産原油を日量約70万バレル輸出する重要拠点で、近隣ターミナルではカザフスタン産原油も日量150万バレル超扱われています。

供給不安が広がり、原油市場に買いが入りました。

イランがホルムズ海峡付近でタンカーを拿捕

イラン軍は、世界の原油の約2割が通過する重要ルート「ホルムズ海峡」でタンカーを拿捕(だほ)しました。
燃料密輸容疑とされていますが、この海域での緊張はいつも市場に大きな影響を与えます。

ホルムズ海峡とは?

世界最大級の原油輸送路。ここが混乱すると石油価格が急騰しやすい。

年末需要もあり下落時の下支えに

JTDエナジー・サービスのジョン・ドリスコル氏は、
「地政学リスクと年末需要が重なっており、原油価格は下落しにくい」とコメントしました。

原油価格の終値

  • WTI(12月限):60.09ドル(+2.4%)

  • ブレント(1月限):64.39ドル(+2.2%)


金は続落:米利下げ観測の後退が重し

政府機関閉鎖を経て米経済指標が不透明

米政府機関の閉鎖が終了したものの、経済指標がまだ公表されず、
12月利下げへの信頼が揺らいでいることが金売りにつながっています。

利下げに慎重なFRB当局者の発言が増加

コメルツ銀行のトゥ・ラン・グエン氏は、
「信頼できるデータが揃わない中で、追加利下げに慎重な当局者が目立つ」と指摘。

→利下げ期待が後退すると、利息を生まない金の魅力が低下します。

利下げとは?

中央銀行が金利を引き下げること。
利下げ期待が高い時は金が買われやすい。

ディベースメント取引の巻き戻しが進行

TDセキュリティーズによると、
今の金の弱さは「ディベースメント取引(通貨価値切り下げトレード)」の巻き戻しが進んでいる兆候。

ディベースメント取引とは?

財政悪化などで通貨が弱くなると予想して、
通貨 → 金・資源に逃がす動きのこと。

米国債の方がより安全資産として買われる局面

今回のリスク回避局面では、
「金より米国債のパフォーマンスが良い」とも指摘されました。

金価格の終値

  • スポット金:4095.85ドル(-1.8%)

  • 金先物(12月限):4094.20ドル(-2.4%)