2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/19

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

目次

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株が4日続落:AI銘柄への依存がリスクに?エヌビディア決算が世界市場のカギへ

  • S&P500が4営業日続落し、8月以来の長期下落局面
  • AI銘柄への過度な依存がリスクとして意識され、エヌビディアが2.8%下落
  • マイクロソフトとエヌビディアがAnthropicへ最大150億ドル投資とのニュースも
  • 投資家心理は弱気。現金比率が低下し「売りシグナル」点灯
  • 市場の焦点は 19日のエヌビディア決算 と 20日の雇用統計

米国株式市場は4日続落:AI銘柄の調整が主因

主要指数の下落

18日の米国株は大幅安となり、主要3指数は以下の通り下落しました。

  • S&P500:-0.83%(6617.32)

  • ダウ平均:-1.07%(46091.74)

  • ナスダック:-1.21%(22432.85)

特に、S&P500は4営業日連続の下落で、8月以来の長期調整局面に入りました。


エヌビディア2.8%安、AIブームの持続に疑念

決算前に売られる半導体セクター

  • エヌビディア(NVDA):-2.8%

  • マーケットは「AI投資は巨額だが、まだ十分な利益を生んでいない」点を懸念

AIとは?
人工知能。膨大なデータを学習して判断や生成を行う技術。現在は半導体メーカーが大きな恩恵を受けている。

注目:Anthropicへ150億ドル投資

マイクロソフトとエヌビディアは、AI企業Anthropic(アンソロピック)へ最大150億ドル投資
これはOpenAIに続く大型投資で、AI覇権争いは激しさを増す状況です。


「AIバブルか?」市場関係者の見方

投資家心理は弱気に傾斜

ストラテジスト各氏は次のようにコメント

  • 「バブルかどうかより、AI投資がどこまで続くかが焦点」(カーソン・グループ)

  • 「AI銘柄はバリュエーション見直し時期に来ている」(JPモルガン)

バリュエーションとは?
株価が企業の利益・成長率に対して割高か割安かを評価する計算基準のこと。


投資家の現金比率が低下し「売りシグナル」発生

バンク・オブ・アメリカの調査では

  • 現金比率が節目を下回り、売りシグナル点灯

  • 株式保有比率は2月以来の高水準
    → 投資家がリスクを取りすぎている可能性

BofAの戦略家:
「12月利下げがなければ、株はさらに調整する」

利下げとは?
中央銀行が金利を下げること。企業や個人の借入負担が軽くなり、株価にプラスに働きやすい。


エヌビディアのウェイトが市場支配レベルに

ストラテガスの分析では、
S&P500におけるエヌビディアの比率が、エネルギー・素材・不動産の3セクター合計を上回る
日によっては公益事業セクターを含めた4セクター合計すら超えることも。

→ エヌビディア決算ひとつで市場全体が動いてしまう構造的リスク


市場の分岐点:19日のエヌビディア決算

ポイントは

  • 市場期待は非常に高い

  • ただし直近数日で株が調整 → 期待値は少し下がる

  • 多くのアナリストは「今回も好決算」と予想

  • AI製品の需要は鈍化していないとの見方も


今週の重要イベント:

米雇用統計20日に発表予定

すでに発表された関連データ

  • 新規失業保険申請:23.2万件

  • 継続受給者:195.7万人(増加)

  • ADP民間雇用:4週平均で週2500人減少

  • 住宅業況感:小幅改善も慎重姿勢強い

→ 景気はまだ弱含み、FRBがどう判断するかが焦点。


個別銘柄:ホーム・デポが6%安

ホームセンター大手ホーム・デポは、

  • 四半期利益が予想未達

  • 通期見通しも悪化
    株価は6%急落

一方で、決算シーズン全体としては「予想より好調」との声も。


市場には不安と強弱入り混じる展開

  • Amazonも4.4%安

  • S&P500は10月高値から約4%下落

  • ただし、11セクター中6セクターはプラス圏、小型株指数のラッセル2000は+0.3%

→ 一方向ではなく、セクターごとに温度差のある調整相場。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが低下、安全資産へ資金流入が加速

  • 株式市場の下落で「安全資産」の米国債に買いが集まり利回りが低下しました
  • 労働市場の弱さを示すデータが出て、12月FOMCでの利下げ期待が上昇しました
  • 債券市場の不安定さを示す「MOVE指数」も2カ月ぶり高水準へ

米国債利回りが幅広く低下

米国債相場は、株式市場の下落と労働市場の弱さを示す新たなデータを受けて買われました。その結果、利回りは幅広い年限で低下しました。

主な米国債利回りの動き

  • 2年債利回り:3.57%(▲3.8bp)
    金融政策に最も敏感で、米国の利下げ観測が反映されやすい債券です。

  • 10年債利回り:4.12%(▲2.1bp)

  • 30年債利回り:4.74%(+0.4bp)

※bp(ベーシスポイント)とは?
金利の最小単位。1bp=0.01% の変化を表します。


株式下落と雇用の弱さが背景

株式市場が下落したことで、投資家はリスクを避け、より安全とされる米国債(安全資産)へ資金をシフトしました。

さらに、発表された労働市場データが弱く、
「FRBが12月に利下げするかもしれない」
という見方が強まりました。

利下げ期待の変化

  • 12月FOMC利下げ確率:
     約40% → 45% に上昇

金利スワップ市場では、利下げ確率が50%未満まで低下しているものの、雇用データが弱かったため短期的には利下げ見方がやや強まりました。


FRBの姿勢は不透明だが、1月利下げ観測も

ジェフリーズのストラテジストであるモヒト・クマール氏は、

「市場は神経質な状態が続いており、FRBがタカ派(利上げ寄り)に傾く可能性もある」

としつつも、

12月が据え置きでも、1月に利下げが行われる可能性が高い

と見ています。

タカ派とは?

インフレ抑制を優先し、金利を引き上げる方向に積極的な姿勢のこと。


債券市場の不安定さが増す:MOVE指数が上昇

債券市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)を示す
ICE BofA MOVE指数が、17日に2カ月ぶりの高水準になりました。

MOVE指数とは?

米国債市場の“恐怖指数”とも呼ばれる指標で、金利変動の大きさを示すもの。
 上昇すると市場が不安定になっているサイン。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

円安進行と来年の為替見通し:専門家と投資家の見方が分かれる理由

  • 円は対ドル・対ユーロともに弱含み、2月以来の安値水準に下落
  • MUFGは「円は来年にかけてやや回復するが、依然弱い」と予測
  • 一方で、世界の投資家は「来年は円が最も強い通貨になる」と期待
  • 米利下げ観測や日銀の政策修正が、為替の大きな焦点

円相場の現状:対ドル・対ユーロで続く円安

現在の為替水準

  • ドル/円:155円51銭(前日比 +0.25円)

  • ユーロ/ドル:1.1584ドル(前日比 -0.0008ドル)

  • ユーロ/円:180円29銭まで下落(2月以来の安値)

円は主要通貨に対して軟調な動きを続けており、特にドル・ユーロに対して下落基調が強い状況です。


MUFGの見通し:円は「来年にはやや回復」も依然として弱い

MUFGの予測

MUFGのシニア為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏は以下のように分析しています

  • 円は来年「140円台半ば」まで回復する余地がある

  • ただし 歴史的に見れば依然として弱い水準にとどまる

  • 対ユーロは185円まで下落の可能性がある

ハードマン氏は、FRBの利下げ姿勢がドルを押し下げ、結果的にユーロが対ドルで強含むとの見解を示しています。


投資家の予想:世界のファンドマネジャーは「来年の主役は円」と回答

一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査によると

  • 約170人のファンドマネジャーのうち
    約3分の1が「来年最もリターンの高い通貨は円」と予想

今年の円は主要10通貨中で最弱のパフォーマンスですが、来年にかけては反転を期待する声が強いことが特徴的です。


背景にある要因:日米の金融政策と日本の財政懸念

日銀の利上げシグナル

  • 日銀の植田総裁は 「早ければ来月にも利上げの可能性」 を示唆。

  • 一方で、高市首相は日銀に対し、景気刺激策への協力を要請

市場では「日銀がどこまで金融正常化を進めるのか」が焦点になっています。

日本の財政懸念

市場では、日本の財政状況に対する懸念が強まり、円売りの一因となっています。


米国サイドの影響:雇用悪化と利下げ観測の後退

  • 米企業による10月のレイオフ予告は 39,000人と急増

  • 失業保険の継続受給者数は 8月以来の高水準

しかしストーンXのストラテジストは
まだ利下げを正当化する状況ではない
と指摘し、インフレが2%を上回る状況をリスク視しています。

その結果:

  • 次回FOMCの利下げ確率は約51%(先週の60%から低下)

  • ドル指数は小幅反発(99.55)


暗号資産の動き:ビットコインは上昇

  • ビットコイン:93,178ドル(+1.50%)

  • イーサリアム:3,148ドル(+4.7%)

為替市場とは対照的に、暗号資産は強い値動きを示しました。

原油と金が上昇──ロシア制裁強化の思惑と安全資産需要が背景

  • 原油価格は60ドル台へ反発。EU高官の“対ロ強硬姿勢”が材料に
  • 金価格は4営業日ぶりに上昇。市場が神経質になる中、安全資産として買われた
  • ロシア制裁の影響でエネルギー市場に不安定感が広がりつつある

原油価格が反発した理由

EUの強硬発言が材料に

EUのカラス外交安全保障上級代表が、ロシアの行動を「テロリズムと見なすべき」と発言し、対ロ制裁強化の観測が一気に強まりました

ディーゼル油市場が逼迫

ロシアは世界のディーゼル油供給に大きな影響力を持つ国です。そのため、
制裁強化 → 供給不安 → 価格上昇につながる
という見方が広がっています。

需給逼迫とは?
→ 需要に対して供給が不足している状態のこと。

ロシア産原油価格が下落中

米国がロシアの大手石油2社との取引停止期限を迫る中、ロシア産「ウラル原油」は2年半ぶりの安値に下落。
これは制裁が効き始めている証拠とも受け取られ、市場では“供給不安から価格は上がりやすい”との強気ムードが広がりました。

原油価格の動き

  • WTI(米国産原油):60.74ドル(+1.4%)

  • ブレント(欧州の代表原油):64.89ドル(+1.1%)


金価格は安全資産需要で上昇

市場不安で「逃避先」として買われる

株式市場をはじめ金融全体が神経質な動きとなる中、投資家はリスクを避けるために金を買う動きを強めています。
金は “安全資産(逃避先資産)” と呼ばれ、相場が不安定な時に買われやすくなります。

中国・中央銀行の金購入が増加

ゴールドマン・サックスによると、

  • 中国は9月に 15トン の金を準備資産として購入

  • 世界の中央銀行の金購入は 前月の3倍以上 の64トンに増加

  • 11月も買いが続いている可能性が高い

準備資産とは?
→ 各国の中央銀行が保有する外貨・金など。通貨の信用力維持に使われる資産。

こうした中央銀行の金買いは、長期的に金価格を支えやすい要因になります。

金価格の動き

  • 金スポット価格:4,077.52ドル(+0.8%)

  • 金先物(12月限):4,066.50ドル(-0.2%)

※「スポット」は即時取引、「先物」は将来の特定日に売買を約束する取引です。