2025/12

経済ニュースまとめ 週始めの重要ニュース 2025/12/1

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トランプ氏、年末までにFRB次期議長指名の可能性―ハセット氏が最有力候補

  • トランプ大統領が年末までにFRB次期議長を指名する可能性
  • ハセットNEC委員長が最有力候補と報じられる
  • 市場は次期議長指名の報道に好反応
  • クリスマス前の発表の可能性も示唆

ハセット氏、次期FRB議長の最有力候補に

米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は30日、トランプ大統領が年末までに米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長を指名する可能性があるとの報道を受け、市場が前向きに反応したと強調しました。

ハセット氏はCBSの番組で、自身を最有力候補と考えているかどうかの言及は控えました。ブルームバーグ・ニュースは先週、パウエル現FRB議長の後任候補として同氏が最有力視されていると報じています。ハセット氏は同報道について「うわさ」だと述べました。

FRBとは?
米連邦準備制度理事会の略称。米国の中央銀行制度で、金利政策を通じて物価の安定と雇用の最大化を目指します。

NEC(国家経済会議)とは?
大統領に経済政策について助言する組織。米国の経済政策立案において重要な役割を果たします。

市場は報道に好反応

ハセット氏は、トランプ氏による指名が近いとのニュースに市場は好反応を示したと指摘しました。投資家が自身を大統領に近過ぎると見なす可能性への懸念を、やや意識した発言とも受け取れます。

ハセット氏はCBSで以下のように述べています。

「米国債の入札は好調で、金利も低下した。米国民は、トランプ大統領が自動車ローンをより安くし、低金利で住宅ローンを利用しやすくする人物を選ぶと期待していいと思う。私に関するうわさへの市場の反応として、まさにそれが見られた」

国債入札とは?
政府が国債を発行する際、投資家から購入希望を募る手続き。入札が好調だと需要が高いことを意味し、金利低下につながります。

クリスマス前の発表の可能性

次期議長の選考プロセスを統括するベッセント財務長官は先週、トランプ氏が12月25日のクリスマス前に候補者を発表する可能性があると話しました。

FRB議長は金融政策の最高責任者として、米国経済だけでなく世界経済にも大きな影響を与える重要なポストです。トランプ大統領がハセット氏のような政権に近い人物を選ぶことで、より政権の意向を反映した金融政策が実施される可能性があります。

ただし、FRBの独立性は重要な原則とされており、次期議長の人選は市場や専門家から注視されています。年末までの指名発表が実現すれば、2025年の金融政策の方向性がより明確になる見通しです。

ユーロ圏インフレ、2%近辺で安定―ECBは12月据え置きの公算

  • ユーロ圏11月のインフレ率は2.1%と前月から変わらずの見込み
  • ECBは12月会合で金利据え置きの公算大
  • 次の金利変更の方向性には明確なコンセンサスなし
  • 米国では雇用情勢を焦点に3会合連続利下げが議論される

ユーロ圏インフレ、2%近辺で安定的に推移

12月2日に発表されるユーロ圏の11月インフレ率は2%近辺にとどまる見通しです。これにより、12月の会合で金利を調整する必要はないとの安心感を欧州中央銀行(ECB)に与えそうです。

ブルームバーグが調査したエコノミスト29人の予測中央値によると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇と見込まれます。エネルギーなど変動の大きい品目を除いたコアインフレ率は2.4%の見込みで、いずれも前月から変わらずとなります。

ECB(欧州中央銀行)とは?
ユーロ圏19カ国の金融政策を担う中央銀行。物価の安定を主な目標としています。

コアインフレ率とは?
価格変動の大きいエネルギーや食品を除いた物価上昇率。基調的なインフレ圧力を測る指標として重視されます。

12月会合は据え置きが確実に

11月のCPIが予想通りの内容であれば、12月18日の金利決定に向けてECBの据え置き姿勢は確固たるものになり、当局は四半期経済予測に専念できるでしょう。最新の予測は2028年までの見通しを含みます。

ECB当局者は現時点で様子見の姿勢を強めており、次の金利変更の方向性について明確なコンセンサスはありません。28日に発表された各国のデータは、当局の姿勢をさらに曖昧にするものでした。

  • ドイツとスペイン:インフレ率が予想を上回る
  • フランスとイタリア:インフレ率が予想を下回る

ECB内で見解が分かれる

政策委員会内にどちらかの方向へのバイアスがあるとすれば、現時点では物価上昇圧力を示す材料を探す方向に傾いているもようです。デギンドス副総裁は26日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「私の見方では、下振れリスクは限定的だ」と述べました。

一方、エコノミストの見方はまちまちです。ブルームバーグ・エコノミクスは今後数カ月でインフレが減速し、利下げの根拠が強まると予測しています。

これに対し、BNPパリバのホリングスワース氏は「2026年入りが近づくに伴い、ECBは現在の想定を上回る成長とインフレを見込むようになる」とし、「次の一手は利上げとみている」という異なる見解を示しました。

米国では3会合連続利下げが焦点

米国では、12月9-10日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、雇用情勢を焦点に3会合連続の利下げを実施すべきかどうかが議論されます。投資家は利下げが実施される確率が高いとみています。

FOMC(連邦公開市場委員会)とは?
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を決定する会合で、年8回開催されます。

直近の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想以上に増加したものの、その増加はごく一部の産業に偏っていました。失業率はほぼ4年ぶりの高水準に上昇し、企業からは人員削減のニュースが相次いでいます。

米商務省は12月5日に、遅れていた9月の個人所得・支出統計を公表します。発表内容には、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数が含まれます。エコノミストはコア指数が3カ月連続で0.2%上昇すると予測しており、インフレ圧力が安定しつつも粘着性があり、FRBの目標を上回る状態が続いていることが示される見込みです。

OPECプラス、増産一時停止を維持―供給過剰の懸念で

  • OPECプラスが2026年1-3月の増産一時停止を維持
  • 世界の原油市場で供給余剰の兆しが強まる
  • 原油先物は今年15%下落、1バレル=63ドル付近
  • 2027年の生産割り当て設定に向けた見直しを承認

OPECプラス、増産一時停止を維持

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは、2026年1-3月(第1四半期)の増産一時停止計画を維持することを決定しました。世界の原油市場で供給余剰の兆しが強まっていることが背景にあります。

サウジアラビアが率いる主要加盟国は30日のオンライン会合で、今月初めに発表された3カ月間の供給停止方針を確認しました。OPECプラスは声明で、今回の決定は季節的に市場環境が弱含むとの見通しを反映したものだと改めて強調しています。

OPECとは?
石油輸出国機構の略称。サウジアラビアなど主要産油国で構成され、原油の生産量調整を通じて価格の安定を図ります。

OPECプラスとは?
OPECにロシアなどの非加盟産油国を加えた枠組み。世界の原油生産の約40%を占めます。

2027年に向けた生産能力見直しを承認

OPECプラスは、来年のグループ全体の生産枠を据え置くことでも合意し、各国の原油生産能力を見直すための枠組みも承認しました。この見直しは、2027年の生産割り当て設定に向けて活用される見通しです。

年初に原油生産を急速に再開した後、OPECプラスが一定の慎重姿勢を示したことが今回の停止措置からはうかがわれます。

原油価格は15%下落

ロンドン市場の原油先物は今年15%下落し、1バレル=63ドル付近で推移しています。OPECプラスの増産と米州での供給拡大が需要の伸びを上回っていることが背景にあります。

世界市場は2026年初めに大幅な供給過剰へ向かう見通しで、価格への下押し圧力がさらに強まる可能性が高い状況です。

供給過剰とは?
需要に対して供給量が多すぎる状態。原油の場合、供給過剰になると価格が下落する傾向があります。

市場環境の悪化に対応

OPECプラスの慎重な姿勢は、原油市場を取り巻く厳しい環境を反映しています。

主な要因は以下の通りです。

  • 季節的に市場環境が弱含む見通し
  • OPECプラスの増産による供給増加
  • 米州での原油生産拡大
  • 需要の伸びが供給拡大に追いつかない状況

今回の増産一時停止により、OPECプラスは価格の安定を図る姿勢を示していますが、2026年初めの供給過剰懸念は依然として残っており、原油価格の先行きには不透明感が漂っています。

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