2024/11

【経済ニュースまとめ】・わかりやすく要約・2024/11/16

【経済ニュースまとめ】

 わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場は週間ベースで大幅安、利下げペース減速の見方が広がる

S&P500種株価指数の動向

  • 終値:5870.62
  • 前営業日比:-78.55
  • 変化率:-1.32%
  • 週間では2.1%安となり、米大統領選挙後の上昇分の半分以上を失った

12月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ予想

  • 25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが五分五分よりやや高い確率
  • パウエルFRB議長が利下げを急ぐ必要はないとの見方を示した
  • 10月の米小売売上高統計で前月の数字が大きく上方修正された

トランプ氏当選後の市場の反応

  • 当選直後の陶酔感は薄れ始めている
  • 財政計画やインフレ再加速の可能性が投資家の間で認識され始めた
  • 財政赤字と債務拡大の可能性、インフレ面での犠牲への懸念

ハイテク株の動向

  • ナスダック100指数は週間で3%余り下落
  • 大型ハイテク株7銘柄(マグニフィセント・セブン)のうち、テスラを除く6銘柄が下落
  • アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズの下げは3%超

市場関係者の見解

  • バンクSYZのシャルルアンリ・モンシャウ最高投資責任者(CIO)
    • 財政赤字と債務拡大の可能性、インフレ面での犠牲を指摘
    • 代償を支払うという認識が広がり始めたと述べた
  • アストリア・ポートフォリオ・アドバイザーズの創業者ジョン・ダビ氏
    • 市場は割高になっていると指摘
    • パウエル議長のスピーチは、FOMCが利下げを急ぐ必要性を感じていないことを示唆
    • 金利上昇により、株式のリスクプレミアムは債券に有利な方向に傾くと述べた

まとめ

15日の米金融市場では、S&P500種株価指数が週間ベースで約2カ月ぶりの大幅安となり、トランプトレードは失速しました。連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げペースの減速を余儀なくされるとの見方が市場で広がり、12月会合での25ベーシスポイントの利下げは五分五分よりやや高い確率とみられています。

トランプ氏当選後の陶酔感は薄れ始め、財政赤字と債務拡大の可能性、インフレ面での犠牲への懸念が投資家の間で認識されるようになりました。ハイテク株の下落が目立ち、市場関係者からは市場の割高感や金利上昇による株式のリスクプレミアム変化への警戒感が示されています。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

今日

昨日

総合的利下げ織り込み(前日比)

今日

昨日

次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨450-475(4.50%)

2024/12/18(次回FOMC) 1回⇨0.25% 

  • 0回→41.80%(+0.71%)
  • 1回→58.20%(-0.71%)
  • 2回→0%(%)

年内利下げ確率

  • 2回→12.59%(-8.85%)
  • 3回→87.41%(+8.85%)
  • 4回→0%(%)

米国債利回りの上昇と12月利下げ見通しの後退

米国債利回りの動向

  • 米30年債利回り:4.62%(前営業日比3.4bp上昇、変化率0.75%)
  • 米10年債利回り:4.44%(前営業日比0.6bp上昇、変化率0.14%)
  • 米2年債利回り:4.30%(前営業日比4.4bp低下、変化率-1.01%)
  • 9月の米小売売上高の大幅上方修正を受け、10年債利回りは一時5月以来の4.5%超え

市場の反応

  • 大型の取引が10年債先物に入り、トレーダーが割安と判断
  • 原油価格と米株価指数の下落が債券の需要を喚起
  • 10年債利回りは約4.40%まで下げ、2年債利回りは一時4.27%付近に低下

市場関係者の見解

  • ジョーンズトレーディングのチーフマーケットストラテジスト、マイケル・オルーク氏
    • 10年債利回りの4.5%は魅力的で、米国債には健全な逃避需要がみられると述べた
  • グローバル・マクロ&マーケッツのストラテジスト、ボブ・シンチ氏
    • 米金融緩和を後押しする材料はほとんどなく、パウエル議長の発言で12月利下げの不透明感が広がったと指摘
  • ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ギー・ラバ氏
    • 12月の25bpの利下げ可能性は高いが、その先の予測は難しいと述べた
    • FOMCは利下げペースを緩め、四半期に一度の利下げになる可能性を示唆

その他の情報

  • シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレ率が2%に向けて減速を続ける限り、金利は向こう1年-1年半で「大幅に」低下するとの見方を示した
  • ブルームバーグがまとめる米国債市場のリターン指数は、今週は低下し、年初からはわずか0.6%の上昇

まとめ

米国債市場では、強い経済データを受けて12月の利下げ見通しが後退し、利回りが上昇しました。10年債利回りは一時4.5%を超える場面もありましたが、原油価格と米株価指数の下落が債券の需要を喚起し、その後は低下しました。

市場関係者からは、10年債利回りの4.5%が魅力的であるとの見方や、米金融緩和を後押しする材料は乏しいとの指摘がありました。12月の25bpの利下げ可能性は高いものの、その先のペースについては不透明感が広がっています。

為替市場(FX) 通貨強弱(前日)

通貨全体(前日)
ドル単体(前日)↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル、週間では7週連続高、円は調整?

主要通貨の動向

  • ブルームバーグ・ドル指数:1285.72(前営業日比2.71ポイント低下、変化率-0.21%)
  • ドル/円:¥154.45(前営業日比¥1.82安、変化率-1.16%)
  • ユーロ/ドル:1.0534(前営業日比0.0004高、変化率0.04%)
  • ドルは週間ベースで7週連続高となり、2月以来の長期上昇局面
  • 円は1%余り上昇し、一時は対ドル153円台

市場の反応

  • 米小売売上高統計で9月の数字が大幅に上方修正された
  • トランプ氏の政策アジェンダ(実現しようとしている計画や目標)は実行されそうであることが政権トップ人事に示唆されているとの指摘
  • 加藤勝信財務相は「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と市場をけん制

市場関係者の見解

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のストラテジスト
    • トランプ氏の政策アジェンダは実行されそうで、経済を揺さぶりかねないと指摘
  • マッコーリー(ニューヨーク)のグローバル外為・金利ストラテジスト、ティエリー・アルバート・ウィズマン氏
    • パウエル議長のタカ派的な発言にもかかわらず、ユーロが若干上昇したのは予想外
    • トランプ次期大統領の政府要職人事を踏まえ、来年は混乱が生じる可能性があるとの見方が台頭
  • バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏
    • 前日のパウエル議長の発言に市場は過剰に反応したが、米国の金利はまだ底堅いと指摘

その他の情報

  • 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.64%高の9万0545.00ドル
  • イーサリアムは2.17%安の3051.30ドル

まとめ

外国為替市場では、ドルが下落し、円が1%余り上昇しました。ドルは週間ベースでは7週連続高となり、2月以来の長期上昇局面にあります。米小売売上高統計で9月の数字が大幅に上方修正されたことや、トランプ氏の政策アジェンダに対する懸念から、ドル上昇の勢いが一部そがれました。

市場関係者からは、トランプ氏の政策が経済を揺さぶりかねないとの指摘や、来年は混乱が生じる可能性があるとの見方が示されています。一方で、パウエル議長の発言に市場が過剰に反応したとの意見もあり、米国の金利は底堅いとの見方もあります。

コモディティ市場

原油、ウクライナ和平交渉進展の可能性を受けて下落

ニューヨーク原油先物の動向

  • 4日ぶりに反落し、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は9月以来の安値で終了
  • WTI先物12月限は、前日比1.68ドル(2.4%)安の1バレル=67.02ドルで終了
  • 北海ブレント1月限は1.52ドル(2.1%)下げ、71.04ドルで引けた

地政学的要因

  • ロシアとウクライナの緊張が和らぐ兆候が示されたことが下落の要因
  • 和平交渉が進展して戦争が終結した場合、輸送コストが低下して原油価格が下落する可能性
  • 欧州がロシア産原油の受け入れを再開した場合、供給過剰が予想される
  • レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが停戦案を検討しており、リスクプレミアムの縮小につながった

市場関係者の見解

  • CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏
    • 売りやショートにするための口実を市場参加者が探していると指摘

金相場の下落と米利下げ観測の後退

金スポット相場の動向

  • 前日比ほぼ横ばいで、2カ月ぶり安値近辺での推移
  • 週間ベースでは2021年6月以来の大きさで下落し、4%を超える下げ
  • スポット価格は10月31日の日中最高値から8%ほど下落
  • ニューヨーク時間午後2時38分現在、スポット価格は前日比0.1%安の1オンス=2563.31ドル

米利下げ観測の後退

  • パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示したことを受け、12月FOMCでの利下げ見通しが後退
  • 利息の付かない金にとっては通常、金利低下がプラス材料となる

その他の要因

  • トランプ氏の大統領選勝利が明らかになった先週、ドル上昇に弾みがつき、金スポットの下げが加速

まとめ

原油先物は、ロシアとウクライナの緊張緩和の兆候や、レバノンの停戦案検討などを受けて下落しました。市場では、和平交渉の進展による輸送コストの低下や、欧州のロシア産原油受け入れ再開による供給過剰懸念から、売りやショートポジションを構築する動きが広がっています。

金スポット相場は、パウエルFRB議長の発言を受けた米利下げ観測の後退や、トランプ氏の大統領選勝利によるドル上昇を背景に、週間ベースで大幅に下落しました。金は利息が付かないため、通常は金利低下がプラス材料となりますが、今回は利下げ期待の後退が下落要因となっています。