2024/12

【経済ニュースまとめ】・わかりやすく要約・2024/12/20

【経済ニュースまとめ】

 わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場、FOMCのタカ派転換を消化できず小幅安

小幅安の引け

  • S&P500種株価指数は5867.08(-0.09%)
  • ダウ工業株30種平均は42342.24(+0.04%)
  • ナスダック総合指数は19372.77(-0.10%)

FOMCのタカ派転換による影響

  • 利下げ回数見通しの引き下げとインフレ予想の引き上げが売りを誘発
  • 終盤にかけて反発も失速

経済指標

第3四半期GDP確報値

  • 年率換算で前期比3.1%増(改定値2.8%から上方修正)
  • 個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数は2.2%上昇

新規失業保険申請件数

  • 予想以上に減少

11月中古住宅販売件数

  • 6カ月ぶりに400万戸を上回る

市場関係者の見解

マット・メイリー氏(ミラー・タバク チーフ・マーケット・ストラテジスト)

  • 投資家は守りの姿勢
  • 債券市場での不安解消なしではサンタクロース相場はお預け

クリシュナ・グーハ氏(エバコアISI)

  • FOMCのタカ派転換は来年に向けて計画されていた可能性
  • 労働市場にひび割れがない限り、1月利下げは見送りと予想

まとめ

米株式市場は、FOMCのタカ派的な姿勢を受けて小幅安で引けた。経済指標は概ね良好だったものの、市場はFOMCの金利見通しに敏感に反応した。

専門家の見解は、FOMCのタカ派転換を来年に向けた計画の一環とみなしつつも、労働市場次第では利下げが見送られる可能性を示唆している。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC) 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→91.45%(%)
  • 1回→8.55%(%)
  • 2回→0

来年12まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→54.59%(%)
  • 2回→45.41%(%)
  • 3回→0

米国債市場、利回り曲線のスティープニングが進行

利回り曲線のスティープニング

  • 短期債がアウトパフォーム、長期債が売られる
  • 2-10年債利回り差が10ベーシスポイント(bp)拡大

各年限の利回り変化

  • 米30年債利回り: 4.74%(+6.5bp)
  • 米10年債利回り: 4.57%(+5.2bp)
  • 米2年債利回り: 4.31%(-4.0bp)

市場の反応と見通し

金利スワップ市場

  • 前日比でややハト派にシフト
  • 来年末までの利下げ幅を約35bp(0.35%)と予測

イールドカーブの傾斜

  • 約30カ月ぶりのきつい傾斜
  • FOMCのタカ派的金融緩和と来年の利下げ予測後退が影響

5年物インフレ連動債(TIPS)のリオープン入札

  • 不調な結果、最高落札利回りが入札前取引(WI)利回りを約7bp上回る

市場関係者の見解

イアン・リンジェン氏(BMOキャピタル 米金利戦略責任者)

  • 長期債の軟調はタカ派的なFOMCと供給不安、価格行動への消極姿勢が重なったため
  • 利回り曲線の傾斜拡大トレンドは2024年末まで余地あり

ボブ・マイケル氏(JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル債券・為替・コモディティーCIO)

  • 2025年は米国債相場が過去10年近くで最も落ち着いた動きに
  • 米金融当局が政策金利をほとんど変更しない中、米国債利回りが8年ぶりの狭いレンジで推移する可能性

まとめ

米国債市場では、FOMCのタカ派姿勢を受けて利回り曲線のスティープニングが進行。短期債がアウトパフォームする一方、長期債は売られる展開となった。市場関係者は、根強いインフレと底堅い経済を背景に、投資家が長期国債保有に消極的になっていると分析している。

金利スワップ市場は来年末までの利下げ幅を約35bpと予測しているが、一部の専門家は2025年の米国債相場が落ち着いた動きになる可能性を指摘。金融当局の政策判断次第では、米国債利回りが狭いレンジで推移するとの見方もある。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル高円安が進行、一時1ドル=157円台後半

円安ドル高が進行

  • ドル/円は一時157円81銭まで上昇し、5カ月ぶりの高値を記録
  • ブルームバーグ・ドル指数は米長期国債利回りとともに上昇

主要通貨の動き

  • ブルームバーグ・ドル指数: 1303.75(+0.21%)
  • ドル/円: ¥157.37(+1.66%)
  • ユーロ/ドル: $1.0363(+0.10%)

日銀と英中銀の金融政策

日銀

  • 現行政策の維持を決定
  • 植田総裁は「今後の賃金の動向についてもう少し情報が必要」と発言

イングランド銀行

  • 政策金利を据え置き
  • 緩和継続の方針を示す

市場関係者の見解

野村証券のストラテジスト(後藤祐二朗氏、宮入祐輔氏)

  • ドル/円相場は日本の財務省が口先介入を始め得る水準にあると指摘

カール・シャモッタ氏(コーペイ チーフ市場ストラテジスト)

  • 市場は回復しつつあるが、まだ混乱している
  • FOMCは3会合連続で利下げを決定しながらも、来年については予想よりはるかにタカ派的

バシリ・セレブリアコフ氏(UBS FXストラテジスト)

  • 中銀の決定が主な焦点で、全般的にドルを支援する内容だった
  • FRBはタカ派的な利下げ、日銀はハト派的な据え置きを発表

まとめ

外国為替市場では、FRBのタカ派姿勢を背景にドル高が進行。円は対ドルで大幅に下落し、一時は5カ月ぶりの安値を付けた。日銀は現行政策を維持する一方、イングランド銀行は政策金利を据え置きつつも緩和継続の方針を示した。

市場関係者からは、ドル/円相場が財務省による口先介入の可能性がある水準に達したとの指摘や、FOMCの予想外にタカ派的な姿勢が市場の混乱を招いているとの見方が出ている。主要中央銀行の金融政策は総じてドル支援的だったとの分析もある。

日銀会合まとめ

12月19日、日本銀行は金融政策決定会合で、現在の金融政策を維持することを決定しました。植田和男総裁は記者会見で、利上げを見送った理由として、今後の賃金動向について「もう少し情報が必要」であると述べました。また、米国をはじめとする海外経済の先行きが不透明であり、特に「米国の次期政権の経済政策を見極める必要がある」と指摘しました。

これらの発言は市場でハト派的(金融緩和的)と受け取られ、早期の追加利上げ観測が後退しました。その結果、円安が加速し、円相場は一時1ドル=157円台と、7月以来の水準まで下落しました。

一方、政策委員の田村直樹氏は、政策金利を0.5%程度に引き上げることを提案しましたが、否決されました。田村氏は委員の中で最もタカ派(金融引き締め的)とされており、物価上昇リスクが高まっていることを理由に利上げを主張しています。

エコノミストの間では、追加利上げの時期について意見が分かれています。中には「追加利上げは近い」との見方もあり、早ければ来年1月とも予想されていますが、植田総裁は「タイミングは予断を持たず判断する」と述べています。

また、日銀は今回の会合で、過去25年間の金融緩和策の効果と副作用を点検した「金融政策の多角的レビュー」の結果を公表しました。この中で、マイナス金利政策イールドカーブコントロール(長短金利操作)などの非伝統的な金融政策が経済・物価を押し上げる効果を発揮したと評価する一方で、その効果の確実性については「不確実」とし、短期金利操作の代替にはなり得ないと結論づけました。今後は、可能な限りゼロ金利制約に直面しないような政策運営が望ましいとしています。

総じて、今回の会合では現行政策の維持が決定され、市場では円安が進行しました。追加利上げの時期については不透明感が残るものの、日銀内部でも意見の分かれる状況がうかがえます。

コモディティ市場

原油価格はドル高と中国需要懸念で下落

ニューヨーク原油先物の下落

  • 1バレル=70ドルを下回る
  • ドル高によりドル建て原油の割高感が意識される

中国の需要懸念

  • シノペックグループ: 国内ガソリン需要はピークに達した可能性

市場関係者の見解

  • ジョー・デローラ氏(ラボバンク グローバル・エネルギー・ストラテジスト)
    • 石油の供給過剰が迫っている
    • 中東での供給ショックなどを警戒し、ショートポジションを取る動きは限定的
    • ブレントを60ドル台前半に落ち込ませるほどの需要減速や景気悪化は見えていない

主要な原油先物の動き

  • WTI先物1月限: 1バレル=69.91ドル(-1%)
  • 中心限月の2月限: 69.38ドル(-0.9%)
  • 北海ブレント2月限: 72.88ドル(-0.7%)

金、押し目買いで反発

金スポット相場の反発

  • 前日のFOMC会合とパウエルFRB議長の会見を受けた下落から押し目買いが入る

市場関係者の見解

  • チャル・チャナナ氏(サクソ・マーケッツ チーフ投資ストラテジスト)
    • 来年は地政学的問題や米金融当局内の見解の相違、トランプ次期大統領による混乱の可能性から不確実性が高まると予想
    • 金は資産ポートフォリオの安定化に重要な要素であり続ける

金価格の動き

  • 金スポット価格: 1オンス=2598.97ドル(+0.5%)
  • ニューヨーク商品取引所の金先物2月限: 2608.10ドル(-1.7%)

まとめ

原油市場では、ドル高と中国の需要懸念を背景にニューヨーク原油先物が下落。一方、金市場では前日のFOMC会合を受けた下落から反発する動きが見られた。

市場関係者は、石油の供給過剰が迫っている一方で、地政学的リスクを警戒してショートポジションを取ることには慎重な姿勢を示している。また、金については来年の不確実性の高まりを見据え、資産ポートフォリオの安定化に重要な役割を果たし続けるとの見方が示された。