2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/29

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

 

米国株式市場:AI関連株反発で上昇、FOMC会合を控え市場は冷静さを取り戻す

28日の米国株式市場では、S&P500種株価指数が約1%、ナスダック総合指数が2%超の上昇を記録しました。

前日のDeepSeekショックによる急落後、AI関連銘柄やハイテク株の買い戻しが相場を押し上げました。一方で市場の注目は、今週発表予定のハイテク企業の決算とFOMC会合に向けられています。


市場の動き

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 6067.70 +55.42 +0.92%
ダウ工業株30種平均 44850.35 +136.77 +0.31%
ナスダック総合指数 19733.59 +391.76 +2.03%
  • S&P500種は約1%高。
  • ナスダック100指数は1.6%上昇。
  • ダウ平均も0.3%の上昇を記録。

AI関連銘柄の動き

  • 前日に17%安で急落したエヌビディア(NVIDIA)が8.9%上昇し、ナスダック指数を牽引。
  • マイクロソフト2.9%高、TikTok買収協議中との報道が影響。
  • アップル3.7%高。今週予定される決算発表に注目が集まっています。

一方、S&P500種構成銘柄の大半が下落する中、ハイテク関連銘柄の回復が目立ちました。


市場を動かした要因

1. DeepSeekショック後の冷静化

中国のAI企業DeepSeekが公開した低コストのAIモデルにより、AI関連株が前日に急落しましたが、この日は安値拾いの買い戻しが相場を押し上げました。

  • DeepSeekショックにより11兆ドル規模のETF市場で投資家の注目が集まり、QQQ(NASDAQ-100 ETF)には43億ドルが流入。これは2021年以来の大規模流入額です。
  • 専門家の間では「市場の過剰反応だった」との見方も。

2. ハイテク企業決算への期待

29日にはマイクロソフト、メタ、テスラが決算を発表予定であり、AI投資の収益性に注目が集まっています。

3. FOMC会合への期待感

投資家は今週のFOMC会合で金利据え置きが発表されるとの見方を維持しています。パウエル議長の発言がインフレ見通しにどのような影響を与えるかが焦点です。

4. ディフェンシブ銘柄の動向

株式市場の不安定さから、生活必需品やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄にも一部資金が流れました。


個別銘柄の注目動向

銘柄 動き コメント
エヌビディア +8.9% 前日の急落後に買い戻しが集中。
マイクロソフト +2.9% TikTok買収協議報道が影響。
アップル +3.7% 決算発表前に投資家の期待が高まる。
ボーイング +1.5% CEOが737型機生産回復に楽観的見解。
ジェットブルー航空 -26% コスト増見通しを嫌気して急落。
ロイヤル・カリビアン +12% 通期利益見通しが好感され大幅上昇。

専門家の見解

  • ソリタ・マルチェリ氏(UBSグローバル・ウェルス): 「AI関連のテーマは引き続き市場の注目を集めるだろう。今回の動向は、一極集中型の投資ではなく分散型のアプローチが必要であることを示している。」
  • ケニー・ポルカリ氏(スレートストーン・ウェルス): 「市場には買い手が豊富に存在している。ディープシークのニュースはやや不安を与えたが、パニックに陥る必要はない。」

今後の注目点

ハイテク企業の決算(29日)

テスラ、マイクロソフト、メタが発表予定。

AI投資の収益性やガイダンスが注目されます。

FOMC会合(28-29日)

パウエル議長の発言が市場のインフレ見通しにどのような影響を与えるか。

ETF市場の動向

QQQを始めとしたETF市場の資金流入が続くか。


まとめ

世界的なDeepSeekショックから一定の冷静さを取り戻した米国株式市場。ハイテク株の回復や個別企業の決算発表への期待から、S&P500種とナスダック総合指数は反発した。

一方で、FOMC会合での金利据え置き決定を見込む中、パウエルFRB議長のインフレ見通しに注目が集まっている。AIテーマの継続性や投資アプローチの重要性など、専門家の見解も市場に一定の示唆を与えている

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC)
 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→99.47%(0%)
  • 1回→0.53%(0%)

年内12月まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→1.89%(+1.89%)
  • 2回→98.11%(-1.89%)
  • 3月利下げ確率→32.53%(-0.14%)
  • 5月利下げ確率→60.98%(-2.18%)

米国債市場:長期債が一時アンダーパフォーム、7年債入札の堅調な需要で持ち直し

28日の米国債市場では、長期債が一時アンダーパフォームしましたが、7年債の入札(発行額440億ドル)が堅調な需要を集めたことが追い風となり、相場は持ち直しました。10年債利回りは前日からほぼ変わらずの水準で終了しました。


国債利回りの動き

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.78% +0.6 +0.13%
米10年債利回り 4.53% -0.2 -0.04%
米2年債利回り 4.19% -0.2 -0.05%
  • 10年債利回りは一時2.1ベーシスポイント(bp)上昇の4.549で推移。
  • 2年債利回りは1.1bp上昇し、4.207%で終了。
  • 7年債入札の最高落札利回りは4.457%で、入札前の予想を1bp下回る結果となり、需要の強さが示されました。

市場の注目点

1. 株式市場の影響

27日に急落した株式市場が安定し、特にナスダック総合指数が大幅高となったことで、リスクオンの動きが債券市場の地合いに影響を与えました。10年債や30年債利回りは一時的に反発しましたが、FOMCを控えた慎重な姿勢が見られます。

2. FOMC会合を見越した動き

29日まで開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の誘導目標が現在の4.25%-4.50%で据え置かれる見込みです。

市場は、パウエル議長が会見で慎重なトーンを打ち出し、トランプ政権の財政政策を見極めるための時間を確保する可能性が高いと見ています。

  • 金利先物市場では、今年中に0.25%の利下げが2回実施されるという見方が織り込まれており、これは前日からほぼ変わらない状況です。

3. イールドカーブの動き

米国債のイールドカーブ(利回り曲線)はわずかにスティープ化(傾きが緩やかになる動き)しました。

  • 2年債と10年債の利回り格差は前日の33bpから34bpに拡大しました。

専門家の見解

  • パウエル議長の会見に関して、投資家の間では「慎重なトーンを維持するだろう」との見方が広がっています。これにより、トランプ政権の不確実な財政政策を見極める時間を確保すると予想されています。
  • LSCGのFF金利先物市場データによれば、今年の約49bp利下げ(0.25%利下げ2回分)が依然として織り込まれています。

7年債入札の結果

  • 最高落札利回り4.457%(入札前の予想を1bp下回る)。
  • 入札の成功が市場の信頼感を支え、午後にかけて米国債市場の安定を促しました。

まとめと今後の注目点

米国債市場では、長期債がアンダーパフォームとなったものの、7年債入札の旺盛な需要を追い風に持ち直した。

株価の安定化やFOMC会合を見越した動きから、国債利回りは上昇。ただし、10年債利回りはほぼ変わらずとなった。

投資家はFOMC声明とパウエル議長の記者会見に注目しており、FF金利は現状維持となる見通し。一方、FF金利先物市場では今年中に2回の利下げを織り込んでいる。イールドカーブはわずかにスティープ化した

 

 

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場:ドルが全面高、トランプ政権の関税政策を受けた反応

28日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して全面高となりました。トランプ政権の関税発動計画を巡る報道が市場に影響を与え、投資家はドル買いのポジションを強める動きが見られました。


為替相場の動き

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1301.19 +4.35 +0.34%
ドル/円 ¥155.51 +¥1.00 +0.65%
ユーロ/ドル $1.0430 -$0.0062 -0.59%

ドル指数は一時、約0.5%上昇しました。

ドル/円はニューヨーク時間に155円76銭まで買われ、3日間続いた下落を止めました。

ユーロ/ドルは0.6%安の1.0433ドルと下落し、ドルの強さを裏付けました。


市場の背景とトランプ政権の影響

1. 関税政策がドル高を促進

トランプ大統領が、中国、カナダ、メキシコ、欧州連合(EU)などに対して関税を発動する姿勢を強めたことが市場の注目を集めました

特に、財務長官に就任したスコット・ベッセント氏が推進する「一律2.5%の関税案」が報じられ、トランプ氏が「2.5%よりも大幅に高い水準を目指す」と表明したことがドル買いを支えました。

関税政策がドル高を支える理由

トランプ政権が関税を発動すれば、輸入削減によりドルが国内に留まりやすくなり、ドル需要が高まるとの見方が広がっています。


2. 市場のドルポジション

市場では、トランプ政権下でドルが優位性を維持するとの楽観的な見方が依然として強く、投資家はドル高を見込んだポジションを構築しています。

しかし、一部のストラテジストは、これが過度なドルロング(買い持ち)に偏ることで、ボラティリティ(変動性)が急上昇する可能性を指摘しています。

みずほ証券の大森氏のコメント

市場はドル高に傾きすぎており、反対方向への急激な動きが懸念される」との警告を示しました。


3. 金利政策と通貨の影響

米連邦準備理事会(FOMC)は29日まで会合を開き、金利据え置きを決定する見通し。

欧州中央銀行(ECB)は30日の理事会で金利引き下げを発表すると予想され、これがドル高・ユーロ安の動きをさらに強めています。


今後の展望

1. 関税政策とドル高

トランプ大統領の関税発動がどの程度実行に移されるかが注目されます。特に、2月1日からのカナダとメキシコに対する25%関税の発動計画が、ドル相場を大きく動かす材料となる可能性があります。

2. ボラティリティへの警戒

ドル高に大きく偏ったポジションが今後の市場変動を引き起こすリスクが高まっており、FOMC会合やトランプ政権のさらなる政策発表が焦点です。

3. 他通貨への影響

円は一時153円台(ドル円)まで上昇したものの、米国の関税政策の不透明感から再び売られる展開となっています。また、ポンドやカナダドルも対ドルで下落しており、ドルが主要通貨に対して優位を維持しています。


まとめ

外為市場ではドルが主要通貨に対して全面高となった。トランプ大統領による関税発動の脅しを受け、投資家はドル買いで反応。

円は155円台まで売られ、ユーロや英ポンドも下落した。専門家はドル高の流れが続くとの見方を示す一方で、市場のポジションがドル高に偏っていることからボラティリティー急上昇の恐れを指摘

関税政策は物価圧力を押し上げ、米国の金利高止まりを通じてドルを下支えする可能性がある。主要中央銀行については、FRBが金利据え置き、ECBが金利引き下げをする見通し。

 

コモディティ市場

原油:関税の懸念で反発、トランプ政権の政策が影響

28日のニューヨーク原油相場は反発。トランプ米大統領がカナダやメキシコ、中国からの輸入品に対して関税を賦課する計画を再確認し、市場の懸念を高めました。特にカナダは米国への原油輸出の中心的な役割を果たしており、関税が価格に与える影響が懸念されています。


市場の動き

商品 終値 前営業日比 変化率
WTI原油先物(3月限) $73.77 +$0.60 +0.8%
北海ブレント原油(3月限) $77.49 +$0.41 +0.5%

背景と分析

カナダへの関税計画

ホワイトハウス報道官の声明によれば、カナダ、メキシコ、中国に対する関税賦課は2月1日までに実行される計画で、変更はないとのこと。この発言により、原油輸入コストが上昇するとの懸念が広がりました。

トランプ氏の広範囲な関税発言

トランプ大統領は、半導体チップや医薬品、鉄鋼製品に関税を発動する計画を示し、さらに一律関税について「2.5%より大幅に高い水準」を望むと述べました。この影響で、エネルギー市場にリスクが高まっています。

市場の反応

TP ICAPのスコット・シェルトン氏は、カナダ産原油への関税による輸入コストの上昇が懸念され、午後にかけて価格が急伸したと指摘しました。


金:不透明な情勢が買いを促進、安全資産需要が増加

金相場も反発。トランプ大統領による一律関税発言や、国際的な経済情勢の不透明さが投資家の逃避需要を押し上げました。


市場の動き

商品 終値 前営業日比 変化率
金スポット相場 $2763.95 +$23.14 +0.8%
金先物(4月限) $2794.60 +$28.40 +1.0%

背景と分析

関税政策への懸念

トランプ大統領が、2.5%以上の高い一律関税を設定したい考えを示したことで、市場の不透明感が高まりました。この発言は、特にドル高が進行する中でも、金市場を支えています。

地政学的リスク

サクソバンクのオーレ・ハンセン氏によると、「世界情勢の不透明さが金のような逃避先資産を引き続き支えている」とのことです。

ドル上昇の影響を受けない金の強さ

通常、ドル高は金価格にとって逆風となりますが、安全資産としての需要がそれを上回り、価格を押し上げました。


今後の注目ポイント

2月1日の関税発動

トランプ政権がカナダやメキシコ、中国への関税を実行するかどうかが、エネルギー市場だけでなく、広範な市場動向に大きな影響を与えると予想されます。

金市場の方向性

金は引き続き世界情勢の不透明感から支えられる見通しですが、ドル高が進行した場合、上値が重くなる可能性も考えられます。

原油価格の変動

カナダ産原油への関税が実際に発動されれば、WTI価格にさらに上昇圧力がかかる可能性があります。一方で、需要減退リスクや中国の製造業活動の鈍化も引き続き影響を与えるでしょう。


まとめ

ニューヨーク原油相場は、トランプ大統領によるカナダなどからの輸入品への関税賦課計画が変わらないとのホワイトハウスの声明を受けて反発した。米国の原油輸入の半分以上を占めるカナダからの輸入原油価格上昇懸念が背景にある。

一方、金相場もトランプ大統領の関税発言を受けて反発。不透明な世界情勢が安全資産としての金の買いを支えている。トランプ大統領は一律関税を2.5%より大幅に高く設定したい考えを示しており、市場は関税政策の行方を注視している