2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/30

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次 [表示]

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

 

米国株式市場:FOMC声明受けて反落も、パウエル議長の発言で下げ幅を縮小

29日の米国株式市場は主要3指数がそろって下落しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)が政策金利据え置きを決定し、声明文から「インフレ進展」の表現が削除されたことを受けて、インフレ警戒感が広がりました。しかし、パウエル議長の冷静な発言により市場の動揺は和らぎ、引けにかけて下げ幅を縮小しました。


市場の動き

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 6039.31 -28.39 -0.47%
ダウ工業株30種平均 44713.52 -136.83 -0.31%
ナスダック総合指数 19632.32 -101.27 -0.51%

FOMCの声明と市場反応

政策金利据え置き

FOMCは市場予想通り、政策金利を4.25%~4.50%の範囲で据え置くことを決定しました。

政策声明では、「インフレが進展している」という文言が削除され、代わりに「物価上昇率は幾分高止まりしている」と指摘されました。

パウエル議長の発言

パウエル議長は声明文の変更について「単に文章を簡潔にするためであり、シグナルを送るものではない」と説明しました。

金融政策に関して「調整を急ぐ必要はない」と述べ、今後もデータに基づいた慎重なスタンスを維持する姿勢を示しました。

市場の動向

一時S&P500種指数は1%近く下げましたが、パウエル氏の発言を受けて反発。最終的には0.5%安で取引を終えました。

ハイテク株は軟調で、特に決算を控えるマイクロソフトやエヌビディアなどが下落しました。


個別銘柄の動き

マイクロソフト(MSFT)

時間外取引で5.5%下落。クラウドサービス「Azure」の収入が市場予想に届かなかったことが嫌気されました。

F5(FFIV)

クラウドサービス関連の好調な決算を発表し、通常取引で11.4%上昇しました。

テスラ(TSLA)・メタ(META)

引け後の決算発表では一時的に売られましたが、その後持ち直しました。


市場の課題と見通し

インフレと金利動向

ゴールドマン・サックスのストラテジストは、今週の株価下落はリセッション(景気後退)によるものではなく、一時的な調整に過ぎないと指摘しています。

一方、BofAのハートネット氏は「S&P500種指数は一部のハイテク株に過度に依存しており、この集中度は2000年のITバブル以来の高水準にある」と警鐘を鳴らしています。

投資家心理の変化

市場では、ハイテク株の不安定さが投資家心理に影響を与えており、さらなる経済データや企業決算に注目が集まっています。

今後の注目点

3月のFOMC会合では、インフレデータの進展次第で利下げの再開が議論される可能性があります。また、トランプ政権の関税政策や経済政策も市場の注目を集めています。


まとめ

FOMCの政策金利据え置きを受けて、米国株式市場は下落したものの、パウエル議長の経済に関する発言が安心感を与え、下げ幅を縮小して取引を終えた

市場関係者からは、FRBがインフレデータの進展を慎重に見極めていると受け止められた。一方で、S&P500種における一部銘柄への集中リスクが指摘されており、ハイテク株の動向が市場の焦点となっている。今後は、インフレ指標の推移と、FRBの金融政策の行方が注目される

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債市場:FOMC声明を受けて長期債がアウトパフォーム、利下げ観測は後退

29日の米国債相場は長期債がアウトパフォームしました。FOMC(米連邦公開市場委員会)声明で「インフレ進展」の文言が削除されたことが注目され、投資家は利下げ時期やインフレ動向についての情報を精査しています。


市場の動き

債券 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.77% -0.6 -0.13%
米10年債利回り 4.53% -0.2 -0.04%
米2年債利回り 4.21% 1.9 0.44%

FOMC声明のポイント

  1. 政策金利据え置き
    • FOMCは政策金利(FF金利)を4.25%~4.50%に据え置くことを全会一致で決定しました。
    • インフレについて「進展」の表現を削除し、物価上昇率が高止まりしているとの見方を示しました。
  2. パウエル議長の発言
    • パウエル議長は声明文の変更に対して、「市場に特別なシグナルを送るものではない」と説明しました。
    • 金融政策に関しては「利下げを急ぐ必要はない」とし、インフレ抑制のためにデータを注視する方針を維持しました。
  3. 利下げ観測の後退
    • 金利スワップ市場は、年内に合計約46bp(ベーシスポイント)の利下げを予想。声明発表前の48bpからやや縮小しました。
    • これは、年央までに25bpの利下げを2回行うとの観測が後退したことを反映しています。

投資家の見解

  • アクション・エコノミクスのキム・ルパート氏
    「パウエル議長の発言は、声明文の変更に対する市場の不安をある程度和らげた」
  • ジュピター・アセット・マネジメントのマシュー・モーガン氏
    「米経済の力強さとインフレの粘着性を考慮すると、政策金利が長期間高水準に留まる可能性が高い。投資家は今後もボラティリティーの継続に備える必要がある」
  • ジャニー・モンゴメリー・スコットのマーク・ルシーニ氏
    「インフレは依然として目標を上回っており、横ばいで推移するリスクがある」

債券市場の動向

  • 短期債(2年債)利回りは、一時5bp上昇して4.26%を付けました。これはFOMC声明を受けた市場の再調整によるものです。
  • 長期債(10年債・30年債)はアウトパフォームし、利回りが小幅低下しました。
  • 2年債と10年債の利回り格差は33.6bpと、前日の33bpからわずかに拡大しています。

まとめ

FOMCの政策金利据え置き決定後、米国債市場では長期債がアウトパフォームした。声明文からインフレ抑制の進展に関する文言が削除されたことを受けて、短期債利回りは一時上昇したが、パウエル議長が利下げを急がない姿勢を示したことで下げ幅を縮小した。

市場関係者からは、FRBがインフレと経済の底堅さに懸念を強めているとの見方が示された。今後は、FRBの金融政策の行方と、それが経済に与える影響が注目される。

 

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き(前日)

ドル単体の動き(前日)

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場:パウエル議長の慎重姿勢でドル安定、円が主要通貨をアウトパフォーム

29日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)が金利据え置きを決定したものの、追加利下げに関する手掛かりがなく、ドル指数はほぼ横ばいで推移しました。一方、円は他の主要通貨をアウトパフォームし、対ドルで155円台前半に持ち直しました。


市場の動き

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1302.12 0.93 0.07%
ドル/円 ¥155.25 -¥0.29 -0.19%
ユーロ/ドル $1.0422 -$0.0008 -0.08%

FOMC声明の影響

パウエル議長の発言

パウエル議長は「利下げを急ぐ必要はない」とし、今後の利下げ時期について慎重な姿勢を示しました。

インフレ目標である2%を引き続き重視する一方で、トランプ大統領の政策の影響について判断するのは時期尚早と述べました。

ドル指数は小幅上昇

声明発表後、ブルームバーグ・ドル指数は一時0.2%超上昇しましたが、その後は安定。市場ではFRBのデータ依存型アプローチに理解を示す声が多く、ドルの大幅な動きは見られませんでした。

円の動き

円は声明発表後に一時155円60銭台まで売られましたが、その後155円台前半まで回復しました。

日本の加藤財務相が米国のベッセント財務長官と為替政策について協議を行ったことも、円の堅調さを支える一因となりました


他通貨の動き

カナダドル

カナダ中央銀行は政策金利を0.25ポイント引き下げ、成長率見通しを引き下げました。

カナダドルは対米ドルで0.16%下落し、1ドル=1.44カナダドルとなりました。

スイスフラン

安全資産とされるスイスフランはドルに対して0.35%安の0.907フラン。

ユーロ

ユーロは対ドルで0.17%下落し、1.0422ドルとなりました。欧州中央銀行(ECB)が近く追加利下げを実施するとの見通しが影響しています。


市場関係者の見解

マネックスUSのフアン・ペレス氏

「FRBが利下げは不要と考えていることは納得できる。パウエル議長が慎重な姿勢を示したため、為替市場は安定している」

マネックスのヘレン・ギブン氏

「米国の金利および貿易政策を巡る不確実性が、世界中で為替市場の不安材料となっている」


まとめ

FOMCの政策金利据え置き決定後、ドル指数はほぼ変わらずの動きとなった。パウエル議長が利下げを急ぐ必要はないとの見解を示したことで、ドルは主要通貨に対して堅調に推移した。

一方、円は他の主要通貨に対してアウトパフォームし、ドル/円は小幅に下落した。カナダ・ドルは、カナダ中銀の追加利下げとガイダンス撤回を受けて対米ドルで下げを縮小した。今後は、FRBの金融政策の行方と、米国の貿易政策が為替市場に与える影響が注目される

コモディティ市場

原油市場:カナダ関税の懸念緩和で反落、OPECプラス会合に注目集まる

29日のニューヨーク原油相場は反落しました。米国次期商務長官候補のハワード・ラトニック氏が、カナダとメキシコへの関税措置が回避される可能性に言及したことが影響しました。


市場の動き

商品名 直近値 前営業日比 変化率
WTI原油先物(3月限) $72.62 -$1.15 -1.6%
ブレント原油(3月限) $76.58 -$0.94 -1.2%

市場背景

関税措置に関する発言

ラトニック次期商務長官候補は、不法移民問題や合成麻薬フェンタニルの取引対策が進めば、カナダとメキシコへの関税発動を回避できる可能性があると示唆しました。これにより、原油市場では関税による供給制約の懸念が和らぎ、売りが優勢となりました。

OPECプラスの動き

OPECプラスは2月3日に会合を開き、トランプ米大統領が進める石油増産計画について議論すると報じられています。カザフスタンのエネルギー相によれば、今後の市場動向に影響を与える重要な会合となりそうです。

専門家の見解

サクソバンクのオレ・ハンセン氏は、「原油価格はトランプ政権による関税政策に振り回されている」とし、特に2月1日に予定されるカナダへの関税発動が焦点であると述べました。


金市場:FOMC声明を受けて下落、金利据え置きが影響

金相場は、FRBが政策金利の据え置きを決定し、パウエル議長が利下げを急ぐ必要はないと述べたことを受けて下落しました。


市場の動き

商品名 直近値 前営業日比 変化率
金スポット価格 $2754.18 -$9.33 -0.3%
金先物(4月限) $2793.50 -$1.10 -0.04%

市場背景

パウエル議長の発言

パウエル議長はFOMC後の記者会見で「金融政策スタンスの急な変更は必要ない」と発言。これにより、インフレ鈍化の進展を見守るため、短期的な利下げが遠のいたと市場は受け取りました。

金利と金の関係

通常、利子を生まない金は低金利環境で投資妙味が増すため、金利据え置きや利下げ期待の後退が金価格の下落要因となりました。

専門家の見解

商品戦略責任者オーレ・ハンセン氏は、「金は市場の不安定要素が支えとなっているが、ドルの安定と株価の回復が逆風となっている」と述べました。


まとめ

原油市場では、次期米商務長官候補の発言を受けて、カナダとメキシコへの関税措置発動が回避可能との観測が広がり、ニューヨーク原油相場が反落した。市場関係者からは、原油価格がトランプ大統領の関税政策に振り回されているとの見方が示された。

一方、金市場では、パウエルFRB議長が利下げを急ぐ必要がないと発言したことを受けて、金相場が下落した。今後は、米国の貿易政策と金融政策の行方が、原油・金市場に与える影響が注目される