2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/31

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

 

米国株式市場:経済指標と関税発動リスクで揺れるも反発

30日の米国株式市場は反発。市場は企業収益拡大や個人消費の力強さを評価し、主要3指数は揃って上昇しました。しかし、トランプ大統領が予告通り2月1日にカナダ・メキシコへの関税を発動する方針を改めて示したことで、引けにかけて相場は不安定な展開となりました。


市場の動き

指数名 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 6071.17 +31.86 +0.53%
ダウ工業株30種平均 44882.13 +168.61 +0.38%
ナスダック総合指数 19681.75 +49.43 +0.25%

市場背景

経済指標と個人消費の強さ

米第4四半期のGDP成長率は年率2.3%増と市場予想の2.6%増を下回ったものの、個人消費が4.2%増と力強い伸びを記録しました。これにより、企業収益拡大への期待が高まり、株価を押し上げました。

トランプ政権による関税発動リスク

トランプ大統領は、カナダとメキシコに対する25%の関税を2月1日に発動すると再度表明しました。これが市場心理に影響を与え、引けにかけて相場は一時不安定な展開となりました。

企業決算の影響

アップルの決算は市場予想を上回る売上高を報告しましたが、中国市場での販売が低調だったことが明らかになり、反応は限定的でした。また、前日に決算を発表したマイクロソフトはクラウドサービス「Azure(アジュール)」の伸びが予想に届かず時間外取引で下落。一方、テスラやメタ・プラットフォームズは明るい見通しを示し、相場を支援しました。


専門家の見解

  • リソルツ・ウェルス・マネジメントのキャリー・コックス氏は、「強気相場は依然として続いている」と述べ、AI関連だけでなく他の人気のないセクターにもチャンスが広がっていると指摘。
  • クリアブリッジ・インベストメンツのジョシュ・ジャムナー氏は「米経済は堅調に推移しており、成長と企業収益の間には強い相関があるため、リスク資産の支えになる」と述べました。

個別銘柄の動向

上昇銘柄

クラウドサービスのF5ネットワークスは売上高が市場予想を上回ったことで11.4%上昇。

テスラ、メタ・プラットフォームズは明るい業績見通しを示しました。

下落銘柄

マイクロソフトはクラウド事業の伸びが期待を下回り、時間外取引で1.5%下落。

宅配大手UPSは、売上高見通しが予想を下回ったことを受け売られました。


今後の注目点

2月1日に予定される関税発動

トランプ政権の貿易政策が市場の不安材料となっており、特に原油・製造業関連の動向に影響を与える可能性があります。

米経済指標の発表

個人消費支出(PCE)物価指数などの重要指標が今後の市場の焦点となりそうです。

市場は引き続き経済成長や政策動向を注視しており、株価の裾野が広がることでさらなる強気相場が期待されています。

まとめ

米国株式市場は、個人消費の力強さや主要企業の明るい決算見通しに支えられ反発したものの、トランプ大統領の関税発動方針表明やFRBの金融政策を巡る不透明感から、引けにかけては不安定な展開となった。今後は経済指標や企業決算の動向、FRBの政策スタンスを注視していく必要がある

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債市場:関税リスクや経済指標を材料にほぼ横ばい

30日の米国債相場は、トランプ大統領によるカナダ・メキシコへの関税発動発言や、米経済指標、欧州中央銀行(ECB)の政策決定が影響する中、10年債利回りがほぼ変わらずの水準で取引を終えました。市場では引き続き、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策見通しを精査する動きが見られました。


国債利回り動向

種類 直近値 前営業日比 (bp) 変化率
米30年債利回り 4.76% -0.6 -0.13%
米10年債利回り 4.52% -1.2 -0.27%
米2年債利回り 4.21% -0.6 -0.15%

市場背景

新規失業保険申請件数の減少

米労働省が発表した新規失業保険申請件数は20.7万件と市場予想(22.5万件)を下回り、労働市場が引き続き堅調であることが示されました

欧州中央銀行(ECB)による利下げ

ECBは主要政策金利を0.25%引き下げ、これが欧州債券利回りを押し下げました。米国債もこの影響を受け、10年債利回りは一時4.48%まで低下しましたが、後に発表された米GDP速報値が市場を支えました。

米GDP速報値

2024年第4四半期の米GDP成長率は2.3%増と市場予想(2.6%増)を下回ったものの、個人消費が4.2%増と力強い伸びを見せました。この結果、米経済は依然として堅調との見方が広がり、利回りの下げ幅は縮小しました。


期待インフレ指標

ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)

5年物:2.518%

10年物:2.379%

期待インフレ率は安定しており、FRBの2%目標を引き続き上回る状況が続いています。


専門家の見解

ルシーニ氏(ジャニー・モンゴメリー・スコット)

FRBが政策声明でインフレ目標への進展について言及を控えたことに対し、「目標を上回るインフレが今後も続く可能性を市場に示した」と指摘。

マーケットの見通し

金利先物市場では、次回利下げが6月に行われる可能性が最も高いと見られており、年内に2回(計0.5%)の利下げが行われるとの予想が織り込まれています。

まとめ

米国債市場では、トランプ氏の関税発言やECBの金融緩和姿勢が材料視される中、10年債利回りはほぼ横ばいで推移した。

一方、FOMCは政策金利を据え置いたものの、FF金利先物市場では年内の利下げ期待が高まっている。GDP速報値は減速したが、個人消費の伸びは力強さを示した。今後も主要中央銀行の金融政策や経済指標の動向が注目される

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き(前日)

ドル単体の動き(前日)

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場:トランプ大統領の関税発言でドルが上昇、円とカナダドルに変動

30日のニューヨーク外国為替市場では、トランプ米大統領がカナダ・メキシコに対する25%の関税発動方針を改めて表明したことで、ドルが主要通貨に対して上昇しました。特にカナダドルは1%以上下落し、米ドル/カナダドルが急騰しました。


為替相場の動向

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1302.74 +0.62 +0.05%
ドル/円 ¥154.29 -¥0.93 -0.60%
ユーロ/ドル $1.0392 -$0.0029 -0.28%

市場の材料

トランプ大統領の関税発表

米国がカナダ・メキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針が市場の焦点に。これを受け、カナダドルが対米ドルで急落しました。

マネックスのヘレン・ギブン氏は、「トランプ政権の関税政策はドル買いを後押ししているが、同時に米国の経済指標が市場の利下げ期待を高めている」と指摘しました。

米経済指標

第4四半期のGDP速報値は市場予想を下回り、米経済成長がやや減速していることが示されました。これにより、早期の利下げを見込む動きが強まりました。

円の動向

日本銀行の氷見野副総裁が「経済・物価見通しが実現すれば追加利上げを進める」と発言。これにより円は一時0.9%高の153円79銭まで買われました。

オプション市場では円の強気見通しが強まり、リスクリバーサル(1カ月物)が約2カ月ぶりにマイナス1.4%と円買いが優勢になっています。

欧州中央銀行(ECB)の政策決定

ECBは政策金利を0.25%引き下げ、持続的なインフレではなく経済成長の低迷を懸念材料として挙げました。これによりユーロは一時0.4%上昇しましたが、ラガルド総裁の「全会一致」の発言で一部利益確定売りが出て反落しました。


主要通貨の動き

  • ドル/円:154.29円で終了(0.6%安)一時153円台に突入する場面も見られました。
  • ユーロ/ドル:1.0392ドルで取引を終え、ECBの利下げ発表を受けて変動しました。
  • ドル/カナダドル:トランプ発言の影響で0.55%高、1ドル=1.45カナダドル。

仮想通貨市場

  • ビットコイン:10万5138.31ドル(+1.32%)
  • イーサリアム:3241.76ドル(+3.23%)

まとめ

為替市場では、トランプ大統領の関税発言やECBの利下げ決定が材料視された。ドル指数は一時上昇したものの、米GDPの伸び悩みから早期利下げ期待が高まり、大半はマイナス圏で推移した。円は日銀副総裁の発言を受けて買われ、ユーロはECBの決定を好感して一時上昇も、その後は下落に転じた。主要中銀の金融政策の違いが為替市場に影響を与えている

コモディティ市場

原油市場:トランプ政権の関税方針を巡り不安定な展開

30日のニューヨーク原油先物相場は小幅に上昇しました。トランプ大統領がカナダ・メキシコへの関税措置発動を示唆する中、供給懸念と価格変動が市場を動かしています。


原油相場の動向

銘柄 直近値 前日比 変化率
WTI原油先物(3月限) $72.73 +$0.11 +0.15%
ブレント原油先物(3月限) $76.87 +$0.29 +0.4%

市場の注目点

トランプ大統領による関税政策

トランプ政権は、カナダおよびメキシコからの輸入品に25%の関税を2月1日発効で賦課する方針を改めて示唆しました。

関税が実施されれば、米国がカナダから輸入する日量約410万バレルの原油に影響を与える可能性があります。

ラトニック次期商務長官候補の発言

不法移民問題などに取り組めば関税回避の可能性があるとの見解が市場で好感され、カナダ産原油の米国産原油に対するディスカウント幅は縮小しました。

OPECプラスの動向

OPECプラスは2月3日に会合を開き、トランプ政権の石油増産計画を議論する予定です。


金市場:過去最高値を更新、関税リスクで安全資産需要が増加

金相場は反発し、スポット価格は一時1オンス=2798.59ドルと過去最高値を更新しました。トランプ大統領の政策を巡る不透明感とドル安が金需要を後押ししています。


金相場の動向

銘柄 直近値 前日比 変化率
金スポット価格 $2792.92 +$33.56 +1.2%
金先物(4月限) $2845.20 +$51.70 +1.85%

市場の注目点

関税を巡る不透明感

トランプ政権の関税政策は米国経済成長への影響が懸念され、投資家の間でスタグフレーション(景気停滞とインフレ同時進行)のリスクが意識されています。

安全資産である金への需要が高まり、投資家がポジションを構築しているとの見方があります。

米国債務と中央銀行の動向

膨張する米国の債務に対する懸念や、中央銀行による外貨準備の多様化が金の価格を支えています。

アナリストの見解

ブルー・ライン・フューチャーズのフィル・ストライブル氏は、「ドル安が続けば、今年も金は上昇を続けるだろう」と指摘しています。

まとめ

原油市場では、トランプ政権の関税政策を巡る不透明感から方向感に欠く展開となった。一方、金市場ではドル安と安全資産需要の高まりを背景に、スポット価格が過去最高値を更新。米国の政策や経済状況に対する懸念から、金への注目が集まっている。今後も政治的・経済的な動向が両市場に影響を与えそうだ。