2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/16

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

目次

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場、S&P500が反発 ― 貿易摩擦と利下げ期待の綱引き

15日の米株式市場では、S&P500種株価指数が0.4%上昇し反発しました。米中貿易摩擦への不安がくすぶる中でも、堅調な企業決算と利下げ期待が買いを支えました。


市場全体の動き

指数 終値 前日比 変化率
S&P500種 6671.06 +26.75 +0.40%
ダウ平均 46253.31 -17.15 -0.04%
ナスダック総合 22670.08 +148.38 +0.66%

S&P500は一時1.2%高まで上昇した後に下落、その後再びプラス圏に戻るなど、不安定ながらも底堅い展開でした。


主な材料

 銀行・半導体セクターが市場を牽引

  • モルガン・スタンレー(+4.7%)とバンク・オブ・アメリカ(+4.4%)が好決算を発表し、銀行株指数は1.2%上昇。

  • ASMLホールディングがAI需要の拡大を背景に明るい見通しを示し、半導体株(フィラデルフィア半導体指数)は3%上昇。

FRB(米連邦準備制度理事会)の姿勢

マイランFRB理事は、貿易摩擦が経済見通しの不確実性を高めているとし、

「下方リスクが増しており、迅速な利下げが重要だ」

と発言。
利下げ(政策金利を引き下げること)への期待が市場を下支えしました。

米中関係の最新動向

ベッセント米財務長官は、

  • 中国のレアアース輸出規制の先送りを条件に、

  • 対中関税の適用停止を長期化する提案をしたと発表。

さらに、トランプ大統領と習近平国家主席の会談が月内に韓国で実現する可能性にも言及しました。


専門家の見方

  • ネーションワイドのハケット氏:「押し目買い(一時的な下落局面で買う投資行動)が続いており、投資家心理は依然堅調」

  • HSBCのケトナー氏:「ドル安が今後2四半期にわたり米国株の追い風となるだろう」


用語補足

  • 押し目買いとは?
     一時的に株価が下がったタイミングを“買い場”と見て購入する投資手法。

  • 利下げとは?
     中央銀行が金利を下げ、資金調達をしやすくする政策。景気を刺激する効果がある。

  • レアアースとは?
     ハイテク製品やEV(電気自動車)に欠かせない希少金属。中国が世界の供給を大きく握っている。


まとめ

  • S&P500は0.4%上昇し反発、銀行と半導体株が上昇を牽引

  • FRB理事が利下げの必要性を再強調し、金融緩和期待が高まる

  • 米中摩擦への警戒は残るが、堅調な決算が市場を支えた

  • 投資家心理は安定、ドル安も追い風に

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

【米国債市場】短期債中心に利回り上昇 利下げ観測織り込みも勢い失速

  • FRBの追加利下げ観測を背景に、米国債は短期・中期ゾーンが下落(=利回り上昇)
  • 2年債利回りは年初来の低水準に迫った後、反発
  • 利下げ観測は織り込み済みで、今後の相場は調整局面入りとの見方も

短期債の利回りが上昇、利下げ期待で一時低下後に反発

15日の米国債市場では、短期から中期の国債が下落(利回りは上昇)しました。

FRB(米連邦準備制度理事会)による今月の追加利下げ観測を受けて、2年債利回りは一時3.46%と年初来の低水準に迫りましたが、その後は反発。

最終的には3.50%(+1.7bp)で取引を終えました。

国債 利回り 前営業日比 変化率
米30年債 4.63% -0.6bp -0.13%
米10年債 4.03% ±0.0bp ±0.00%
米2年債 3.50% +1.7bp +0.48%

10年債は4.03%と横ばい。心理的節目の4%を下回る水準では買いが入りやすく、上抜けると売りが出やすい状況が続いています。


「追加利下げは織り込み済み」—市場は12月も見込む

BMOキャピタル・マーケッツは、「パウエル議長の発言を受け、今月末のFOMCで0.25%の利下げが確実視されている」と指摘しました。

さらに「市場は12月の利下げもほぼ完全に織り込んでいるが、来年1月以降は不透明」としています。


成長懸念と関税リスクが今後の焦点

ペッパーストーンのマイケル・ブラウン氏は、「FF金利が来年半ばに3%へ低下するとの見方が現在の利回り水準に反映されている」と分析。

ただし、「関税ショックが再燃しない限り、これ以上の利回り低下は限定的」としています。

また、「最も明白な上昇要因は成長懸念の再燃だ。特にトランプ氏の“100%関税”発言が現実味を帯びれば、市場は再び安全資産に逃避するだろう」とコメントしました。


専門家の見方:「重要な節目を下回れず、調整局面入り」

アクション・エコノミクスのキム・ルパート氏は、「2年債3.50%、10年債4.0%という節目を下回れず、市場は行き過ぎた反応から調整局面に入った」と指摘しました。

つまり、短期的な利回り低下は行き過ぎだった可能性があります。


「利回り」とは?

国債の利回りとは、投資した金額に対して得られる利息の割合を示します。
価格が下がると利回りは上がり、価格が上がると利回りは下がります。
(例:債券価格が上昇=人気が高まり、安全資産として買われている状態)


まとめ

  • 米国債は短期・中期ゾーン中心に下落(利回り上昇)

  • 追加利下げはほぼ織り込み済み、今後は調整局面の見方

  • 成長懸念や関税リスクが次の相場材料

  • 2年債3.5%、10年債4%が当面の節目

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場まとめ】ドル全面安、米中摩擦と利下げ観測で売り優勢に

  • ドルが主要通貨に対して全面安
  • 米中貿易摩擦の再燃で市場心理が悪化
  • パウエルFRB議長の発言で「利下げ期待」が強まる
  • ドル円は一時1ドル=150円90銭まで下落
  • FRBのベージュブックは「米経済はほぼ横ばい」と報告

ドル売り優勢、米中摩擦と利下げ観測が重しに

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%下落し、ドルは主要通貨に対してほぼ全面安となりました。
背景には、米中貿易摩擦の再燃や、パウエルFRB議長の発言を受けた利下げ期待があります。

パウエル議長は前日、「年内に2回の利下げを見込む市場の期待を否定しなかった」ことから、
市場ではFRBが追加利下げに踏み切る可能性が意識されました。


円相場:一時150円台前半へ上昇

東京時間には円が1ドル=150円90銭と1週間ぶりの高値(ドル円安値)をつけましたが、
ニューヨーク時間では151円台後半まで戻しました。

為替市場では、

  • ドル/円:151.09円(前日比-0.75円)

  • ユーロ/ドル:1.1646ドル(+0.34%)
    となっています。

「ドル・スポット指数」とは?

主要通貨(ユーロ、円、ポンドなど)に対するドルの強さを示す指数です。
数値が下がる=ドルが売られていることを意味します。


FRBベージュブック:「米経済は横ばい」

FRBが発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、
米経済活動は前回からほぼ変化がなく、雇用も安定しているとされました。

一方で、全地域で賃金の上昇が報告されており、物価への影響が注視されています。


政策関係者の発言:円相場とFRB人事

  • ベッセント米財務長官は「日銀が適切に政策運営を続ければ、円相場も適正水準に落ち着く」と発言。

  • 次期FRB議長の候補リストを12月にトランプ大統領へ提出する方針も明らかにしました。

  • 加藤勝信財務相はワシントンでベッセント長官と会談し、円安・ドル高について協議した可能性が報じられています。


市場の今後の見方

LSEG(旧Refinitiv)のデータでは、市場は次のように予想しています

  • 10月・12月のFOMCで追加利下げが実施される可能性

  • 来年も最大3回の利下げを織り込み

この見方がドル売り圧力を強めています。


まとめ

  • ドルは主要通貨に対して全面安

  • 米中摩擦の再燃でリスク回避姿勢が強まる

  • FRBの利下げ観測がドル売りを後押し

  • 円は一時150円台前半へ上昇

  • FRBベージュブックでは米経済は「ほぼ横ばい」と報告

原油が5カ月ぶり安値、供給過剰懸念が重しに 金は史上最高値を更新、安全資産として再評価

  • 原油価格は5月以来の安値を更新し、供給過剰懸念が強まる
  • 一方で金価格は史上最高値の1オンス=4200ドル超え
  • 米中貿易摩擦とFRB(米連邦準備制度)の利下げ観測が背景

原油:供給過剰懸念で続落

ニューヨーク原油(WTI)先物は続落し、1バレル=58.27ドルで取引を終えました。これは5カ月ぶりの安値で、過去5営業日で約7%の下げとなります。

背景には、OPECプラス(OPECと非加盟産油国の協調体制)が協調減産を早期に縮小する姿勢を示したことがあります。これにより、市場では「供給過剰になるのでは」という懸念が強まりました。

CIBCのレベッカ・バビン氏は「WTIは60ドル付近で上値が重く、米中関係の不透明さがリスク要因」と述べています。株式市場が堅調でも、原油市場には依然として下押し圧力がかかっています。

  • WTI先物(11月限):58.27ドル(-0.7%)

  • ブレント先物(12月限):61.91ドル(-0.8%)


「OPECプラス」とは?

石油輸出国機構(OPEC)に、ロシアなどの非加盟産油国が加わった枠組みのこと。協調減産などを通じて、原油価格の安定を図っています。


金:史上最高値を更新、安全資産として注目

一方、金相場は過去最高値の1オンス=4200ドルを突破しました。
米中の貿易摩擦が再び激化し、さらにFRBが年内に2回の追加利下げを行うとの見方が強まったことが要因です。

FRBのパウエル議長は、10月会合での0.25ポイント利下げを示唆。金利低下は「利息を生まない金にとって追い風」となります。

また、各国中央銀行の実需買いも金価格を押し上げています。トラフィギュラのサード・ラヒム氏は「中央銀行の大量購入や、債務問題への不安が金需要を支えている」と分析しています。

  • 金スポット価格:4209.95ドル(+1.6%)

  • 金先物(12月限):4201.60ドル(+0.9%)


「リスクオフ」とは?

市場が不安定になり、投資家がリスクの高い資産(株式など)を避け、安全資産(金や国債など)に資金を移す動きを指します。


まとめ

  • 原油はOPECプラスの減産縮小方針で供給懸念が拡大

  • 金は史上最高値を更新、FRBの利下げ観測とリスク回避姿勢が支え

  • 米中関係の緊張が、両市場に大きな影響を与えている