2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/2

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、政府閉鎖の影響限定で続伸

  • 米国株式市場は主要3指数が4営業日続伸
  • 政府閉鎖リスクは意識されつつも、市場への影響は限定的
  • ヘルスケア株やハイテク株が上昇を主導
  • 予想外の雇用減少にもかかわらず投資家心理は堅調

株価の動き

  • S&P500種株価指数:6711.20(+0.34%)

  • ダウ工業株30種平均:46441.10(+0.09%)

  • ナスダック総合指数:22755.16(+0.42%)

医薬品株や大型ハイテク株の上昇が全体を押し上げました。特にファイザーと政府の合意を受けた医薬品セクターへの買い、テスラやエヌビディアの堅調さが目立ちました。


政府閉鎖の影響

  • 政府閉鎖が発生しても「長期化せず、経済的影響も軽微」との見方が優勢

  • 一方で、一部のエコノミストは「職員の解雇計画が雇用に悪影響を与えるリスク」を指摘

  • 市場関係者は「本格的な影響は長期化や大規模レイオフが発生した場合」と分析

補足:政府閉鎖とは?

米国の議会が予算案に合意できないと、連邦政府の一部機関が業務停止する事態。公共サービスの一部が止まり、経済指標の発表も遅れることがあります。


経済指標の不安要素

  • ADP雇用統計(9月):民間雇用者数は3.2万人減少(予想:5万人増)

  • 2023年3月以来の大幅減少で、労働市場減速への懸念が浮上

  • それでも市場は下げ止まり、プラス圏で引け


個別企業ニュース

  • ファイザー:トランプ政権と合意、低所得層向け薬価引き下げの代わりに関税免除を3年間確保。他の製薬会社の追随も期待

  • アマゾン:低価格帯ブランドを発表、大半の商品を5ドル以下に設定

  • バイオジェン:+10.1%、サーモフィッシャー:+9.4%と医薬品株が大幅高

  • マイクロン:+8.9%、半導体指数も2%上昇

  • AES:+16.8%、ブラックロック傘下が380億ドルで買収へ

  • リチウム・アメリカズ:+23.3%、米エネルギー省が5%出資


まとめ

  • 米株は政府閉鎖リスクや雇用統計の悪化を織り込みながらも、医薬品株・ハイテク株が買われ続伸

  • 政府閉鎖の影響は限定的との見方が優勢

  • ファイザーと政権の合意がヘルスケア株の追い風に

  • 個別材料ではM&Aや新ブランド戦略が注目

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが大幅低下、年内利下げ観測が強まる

  • 米国債利回りが急低下、特に2年債は約1カ月ぶりの大幅下げ
  • 労働市場の軟化を示すADP雇用データが背景
  • 政府機関の閉鎖で公式統計の発表が遅延、先行き不透明感が拡大
  • 市場では年内に2回の追加利下げを織り込み

米国債利回りが急低下

米国債相場が買われ、利回りが大幅に低下しました。
特に政策金利に敏感な2年債利回りは3.54%まで低下し、9月5日以来の大幅下げです。

  • 米30年債利回り:4.71%(-0.48%)

  • 米10年債利回り:4.10%(-1.26%)

  • 米2年債利回り:3.53%(-2.10%)

長期債と短期債の利回り格差は拡大し、イールドカーブのスティープ化(長期金利が短期金利より相対的に高くなる現象)が進んでいます。


雇用市場の弱さと政府閉鎖の影響

今回の下落は、民間調査会社ADPの雇用統計で雇用者数が予想外に減少したことがきっかけです。
これは労働市場の弱体化を示し、景気減速への警戒が広がりました。

さらに、米政府機関の一部閉鎖で、

  • 失業保険申請件数(10月2日分)

  • 9月雇用統計(10月3日予定)

  • 9月CPI(10月15日予定)

などの重要統計の発表が延期される可能性があります。これにより、市場は不透明感を強め、民間データに依存せざるを得なくなる状況です。


利下げ観測の高まり

金利スワップ市場では、年内の利下げ幅を46bp(0.46%)織り込む動きが見られます。
これは「追加利下げが2回実施される」との観測が強まっていることを意味します。

利下げとは?
中央銀行(FRB)が政策金利を引き下げること。景気を下支えするために行われますが、インフレリスクとのバランスが重要です。


専門家の見解

  • PIMCOのエコノミストは、政府閉鎖が長引けば個人消費に悪影響が及ぶと警告。

  • Wellington Managementは、民間データへの依存が増し、予測不能な経済環境になる可能性を指摘。

  • AmeriVet Securitiesは、FRBの追加利下げ期待が強まり、金利低下が長期的に続くシナリオを後押しすると分析。


まとめ

  • 米国債利回りは大幅低下、2年債は特に急落

  • ADP雇用データが労働市場の弱さを示唆

  • 政府閉鎖で公式統計が出ない恐れ → 不透明感拡大

  • 市場は年内に2回の利下げを織り込み済み

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル下落、雇用減速で利下げ観測強まる

  • 米国の民間雇用統計(ADP)が予想外の減少を示し、労働市場の弱さが鮮明になった
  • 年内2回の追加利下げ観測が強まり、ドルは主要通貨に対して下落
  • 政府機関の一部閉鎖で公式雇用統計が発表できず、市場はADP統計に注目
  • FRBの独立性を巡る動きや次期議長人事への関心も市場に影響

ドルの動きと市場の反応

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落しました。ドル/円は一時146円59銭まで下落し、最終的には147円前後で取引を終えました。
ブルームバーグ・ドル指数も4日続落し、一時0.3%安となる場面がありました。

雇用統計の影響

  • 9月のADP民間雇用者数は3万2000人減少(予想は増加)

  • 8月分も大幅下方修正(+5.4万人 → -0.3万人)

  • 2023年3月以来最大の減少幅

この結果を受け、市場では「米労働市場は弱含み」との見方が強まりました。
短期金融市場ではFRBが年内に0.5%の追加利下げを行う可能性をほぼ織り込んでいます。


政治要因とFRBへの注目

  • 米政府機関の一部閉鎖により、公式の雇用統計が予定通り発表されず、ADP統計の注目度が上昇

  • トランプ大統領がFRB理事の解任を求めた件では、最高裁が却下 → 「FRBの独立性が守られた」と市場は評価

  • パウエル議長の任期は来年5月までで、次期議長人事もドル相場に大きく影響しそうです


専門家の見方

  • 「雇用情勢の悪化が最大のテーマ」(エリック・ブレガー氏)

  • 「FRBの独立性が守られたことはドルにとってプラス材料」(宮入祐輔氏)

  • 「政府閉鎖はドルの信頼性を損なう」(フアン・ペレス氏)


まとめ

  • 米雇用統計の悪化でドル下落、年内利下げ観測が強まった

  • 政府閉鎖により市場はADP統計を重視

  • FRBの独立性と次期議長人事が市場の新たな焦点

  • ドルの信認に揺らぎも見られる

原油価格は続落、金は最高値更新

  • 原油:OPECプラスの増産協議と米在庫増加でWTIは3日続落
  • :米政府機関の一部閉鎖を背景に安全資産として買われ、史上最高値を更新

原油:OPECプラスの動きと在庫増が重し

ニューヨーク原油先物相場(WTI)は3日続落しました。背景には以下の要因があります。

  • OPECプラスの増産観測:日量約50万バレルの増産を3カ月続ける案が議論される見通し

  • 米在庫増加:エネルギー情報局(EIA)によると、原油在庫が179万バレル増

  • 需要減退懸念:ガソリン消費が6カ月ぶり低水準に

投資銀行マッコーリーは、「深刻な過剰供給」を理由に、WTI価格が今後数四半期で1バレル=50ドル台に下落すると予想。来年の平均価格見通しも従来の約60ドルから57ドル前後に下方修正しました。

  • NY原油(WTI)11月限:61.78ドル(前日比 -0.59ドル)

  • 北海ブレント12月限:65.35ドル


金:安全資産需要で最高値更新

一方、金価格は安全資産としての需要が高まり、最高値を更新しました。

  • 米政府機関の一部閉鎖で経済指標の公表が遅れ、不透明感が強まった

  • ドルに下押し圧力がかかる可能性が意識され、金買いが進行

スポット価格は一時3895ドル超まで上昇し、過去最高水準を更新。

  • 金スポット:3865.20ドル(+6.24ドル)

  • 金先物12月限:3897.50ドル(+24.30ドル)


用語補足

  • OPECプラスとは?
     石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国(ロシアなど)を加えた枠組み。世界の原油供給量を左右する影響力を持ちます。

  • 安全資産とは?
     経済や政治が不安定なときに資金が集まりやすい資産のこと。代表例は金や米国債です。


まとめ

  • OPECプラスの増産観測と米在庫増で原油価格は続落

  • マッコーリーはWTIの来年平均を57ドルと予想

  • 米政府機関の閉鎖を背景に金は買われ、史上最高値更新

  • 市場は「供給過剰の原油」と「安全資産の金」という対照的な動きを示したv