2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/21

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

【米株大幅続伸】好調な企業決算と米中関係改善期待でリスク選好が強まる

  • S&P500、ダウ、ナスダックがそろって1%超上昇
  • 米中対立緩和への期待と企業決算の好調が追い風
  • アップルが最高値更新、半導体株も史上最高値
  • 10年債利回りは4%を割り込み、安全資産にも買い
  • 投資家心理は改善傾向、押し目買いが活発

米株市場、堅調な企業決算で続伸

20日の米国株式市場では主要3指数がそろって上昇しました。
S&P500は1.07%高の6735.13、ダウ平均は1.12%高の46706.58、ナスダックは1.37%高の22990.54で取引を終えました。

これまでに決算を発表した企業の約85%が市場予想を上回る利益を発表しており、これが株価上昇を後押ししています。S&P500の2日間の上昇率は6月以来の大きさとなりました。


米中関係の改善期待が追い風に

トランプ大統領が「11月1日までに合意がなければ関税引き上げ」と警告しつつも、習近平国家主席と来週会談予定と発表。
これにより、「対立よりも交渉再開が進む」との見方が広がり、市場心理を支えました。

中国のレアアース(希土類)輸出規制に関する懸念もいったん和らぎ、ハイテク株中心に買いが入っています。


ハイテク・金融株が上昇を主導

AI(人工知能)関連投資への期待やテクノロジー企業の好決算見通しが、相場の牽引役となりました。
中でもアップルはiPhoneの販売好調を背景に年初来最高値を更新(+3.9%)
フィラデルフィア半導体指数(SOX)は史上最高値を更新し、1.6%高で終了しました。

「マグニフィセント・セブン(米主要ハイテク7社)」関連指数も1.6%上昇。
ラッセル2000(小型株指数)は1.9%高と大型株を上回りました。


投資家心理は改善、押し目買いが継続

市場関係者のコメントからも、強気ムードが感じられます。

  • 「押し目買いが入り続けており、市場はブレイクアウト(高値更新)に向けた態勢」(ネーションワイド・ハケット氏)

  • 「第3四半期決算は高い期待値を上回る滑り出し」(ウェルズ・ファーゴ・ビース氏)

一方で、モルガン・スタンレーのウィルソン氏は「貿易摩擦や業績鈍化のリスクは残っており、短期的には慎重姿勢が続く」と指摘しています。


注目の今週の決算

今週は以下の大型企業の決算発表が控えています。AI・半導体関連や自動車業界の動向が焦点です。

  • テスラ(TSLA)

  • ネットフリックス(NFLX)

  • インテル(INTC)

  • テキサス・インスツルメンツ(TXN)

  • GM、フォード、IBMなど


まとめ

  • 米株は企業決算の好調と米中関係改善期待で上昇

  • アップル・半導体株が上げを主導

  • 米10年債利回りは4%割れ、円は小幅安

  • 投資家心理は改善も、一部では慎重姿勢も残る

  • 今週はハイテク・自動車業界の決算に注目

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り、再び4%割れ インフレ懸念後退と利下げ観測が支えに

  • 米国債は総じて上昇し、10年債利回りは再び4%を下回る
  • 原油安でインフレ懸念が後退、FOMCの追加利下げ観測が強まる
  • 年内2回の利下げを市場はほぼ完全に織り込み済み

米国債市場、長期ゾーン中心に上昇

20日の米国債市場では、長期債を中心に買いが優勢となり、利回りが低下しました。10年債利回りは再び4%を割り込んで3.98%に下落。
これは原油価格の下落によりインフレ懸念が後退したこと、そして来週のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ観測
が背景にあります。

国債 直近値 前日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.57% -3.7 -0.80%
米10年債利回り 3.98% -2.9 -0.72%
米2年債利回り 3.46% -0.2 -0.06%

市場の注目:FOMCとインフレ指標

金利スワップ市場では、年内あと2回(各0.25%)の利下げが実施される可能性を織り込んでいます。
FRBはすでに9月の会合で、政策金利(FF金利)を4〜4.25%へ引き下げました。

今後の焦点は、24日に発表される9月のCPI(消費者物価指数)です。
エコノミストの予想では前年同月比+3.1%と、2024年5月以来の高水準となる見込み。
FRBが重視するPCE価格指数
も8月に+2.7%上昇しており、物価の粘着性が続いています。


専門家の見方

モルガン・スタンレーのシチュロウスキ氏は、

「労働市場が減速し、インフレがいずれ落ち着くと考えるなら、債券には価値がある」

と述べ、今の金利水準は投資妙味があると指摘しました。

また、マーケッツ・ライブのアンドレス氏は、

「10年債利回りが今週4%を下回って終えるかは、CPI次第」

と分析しており、CPI発表までは4%近辺での攻防が続くとみています。


政府閉鎖リスクも残る

米政府機関の一部閉鎖が続く中、与野党の対立が解消されていません。
ただ、ホワイトハウスのハセット国家経済会議委員長は、

「今週中に閉鎖が終了する公算が大きい」

と述べ、政治リスクの緩和期待も相場の支えとなりました。


まとめ

  • 米国債は上昇、10年債利回りが4%を下回る

  • インフレ懸念の後退と利下げ観測が背景

  • 市場は年内2回の利下げを織り込み

  • CPI発表が今後の方向性を左右

  • 政府閉鎖リスクは残るが、早期解決の見方も

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】高市政権誕生へ、円安が進行 日銀利上げ観測と財政拡張期待が交錯

  • 高市政権誕生の見通しで、円は150円台後半に下落
  • 日銀・高田委員が「利上げの機は熟した」と発言し、利上げ観測が強まる
  • 米地方銀行リスクが後退し、ドルはやや堅調
  • 米CPI(消費者物価指数)への注目が高まる

日本の政治動向が為替市場を動かす

日本の自民党と日本維新の会は20日、連立政権の樹立で正式に合意しました。
21日の臨時国会で自民党の高市早苗総裁が首相に選出される見通しで、「高市政権」が誕生する流れです。

市場では、高市政権が財政拡張(=景気刺激のために国の支出を増やす政策)を取るとの観測が広がり、
これが円安の要因
になるとの見方が出ています。

三菱UFJ銀行のリー・ハードマン氏は「新政権の財政計画を市場は注視している」と指摘しました。


日銀・高田委員「利上げの機は熟した」

日銀の高田創審議委員は20日の講演で、
「2%の物価安定目標はおおむね達成された局面にある」と発言し、
利上げに向けて機が熟したとの見解を示しました。

この発言を受け、短期金融市場では
「2026年9月までに約0.5%(=50bp)の利上げを実施する」との見方が強まり、
先週の予想(約0.4%)から上方修正されました。

💡 bp(ベーシスポイント)とは?
金利の単位で、1bp=0.01%を意味します。50bpは0.5%の利上げです。


米国では信用不安が一服、ドルが小幅高

米国では一部の地方銀行を巡る信用不安が後退しました。
トレードネーションのモリソン氏は「破綻や不正は個別事例であり、
銀行全体に広がる問題ではない」と述べ、
市場の過度な警戒感が和らいだと分析しました。

一方で、ソシエテジェネラルのバーダー氏は、
政府閉鎖や米中通商摩擦、関税問題などがドルの上値を抑える要因になる」と指摘しています。


為替市場の動き

通貨ペア 現在値 前日比 変化率
ドル/円 150.73円 +0.12円 +0.08%
ユーロ/ドル 1.1643ドル -0.0012ドル -0.10%
ブルームバーグ・ドル指数 1209.08 +1.40 +0.12%

米CPI(消費者物価指数)の発表を前に、
市場はインフレの再加速リスクを警戒しています。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は「CPIが予想を上回る可能性がある」とし、
今後の米利下げ観測が後退するリスクを指摘。
一方でUBSは「0.25%の利下げ予想は変わらない」と冷静な見方を示しました。


今後の注目点

  • 高市政権の経済政策:財政拡張なら円安圧力が強まる

  • 日銀の展望レポート:GDP見通しの上方修正が焦点

  • 米CPIの結果:ドルの方向性を左右する可能性


まとめ

  • 高市政権発足見通しで、円は150円台後半まで下落

  • 日銀・高田委員の発言で利上げ観測が強まる

  • 米国では銀行リスク後退でドルが小幅上昇

  • 市場は今後のCPIと高市政権の財政方針に注目

原油は小反落、供給過剰懸念が再燃

  • 原油相場は小幅に下落。米中関係の改善ムードも限定的
  • タンカーの積載量が過去最高を更新、供給過剰懸念が再燃
  • RSIが「売られ過ぎ」水準に到達し、短期反発の可能性も

原油の動き

ニューヨーク原油(WTI)先物は小反落し、1バレル=57.52ドルで取引を終えました。米中関係の緊張がやや和らいだものの、供給過剰の兆しが意識され、売りがわずかに優勢となりました。

OPECプラス(石油輸出国機構+非加盟国)が増産を進める中、WTI価格は夏の高値から20%超下落。主要なエネルギー機関も来年にかけて供給過剰が続く見通しを示しています。

さらに、タンカーの積載原油量が過去最高水準に達したとの報道も、需給悪化への懸念を強めました。


RSIが「売られ過ぎ」水準に

テクニカル指標のRSI(相対力指数)は、5月以来初めて「売られ過ぎ」領域に入りました。
RSIとは、相場の過熱感を測る指標で、一般的に30を下回ると売られ過ぎ
とされ、短期的な反発の兆しと解釈されます。

BOKファイナンシャルのデニス・キスラー氏は「供給過剰懸念で原油は弱含みだが、WTIは56ドル台で下支えされている」と述べ、55ドルを割り込むと一段安リスクがあると指摘しました。


金(ゴールド)は最高値更新

「買い手しかいない」強気ムードが続く

一方、金相場は過去最高値を更新しました。ニューヨーク金スポット価格は1オンス=4,359.69ドルまで上昇。前日比2.5%高となり、安全資産としての需要が引き続き強い動きを見せています。

米中協議の再開や、米政府機関の再開観測などリスク緩和要因があるにもかかわらず、投資家の押し目買いが優勢となりました。

サクソバンクのオーレ・ハンセン氏は「一時的な下げが新たな需要を呼び込み、金市場には買い手しかいない」とコメント。TDセキュリティーズのダン・ガリ氏は、「今回の上昇は欧米勢主導のFOMO(乗り遅れ恐怖)による買い」と分析しています。


まとめ

  • 原油は供給過剰懸念で小反落、WTIは57ドル台を維持

  • RSIが「売られ過ぎ」水準入り、短期反発の可能性も

  • 金は過去最高値を更新、押し目買いとFOMOが上昇を支える

  • 市場では「供給過剰の原油」と「買い一色の金」で明暗が分かれる展開