2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/23

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国市場、ハイテク株中心に反落 米中対立懸念と決算失望で投資家心理が悪化

  • トランプ政権が「中国向けソフトウェア輸出制限」を検討し、米中摩擦懸念が再燃
  • ネットフリックスとテキサス・インスツルメンツの決算が失望を誘う
  • ハイテク株主導で下落、S&P500は0.5%安・ナスダックは0.9%安
  • 金・暗号資産など投機的資産にも売りが広がる
  • 一方で米国債は上昇、投資家は安全資産にシフト

ハイテク株に売り圧力、ナスダック主導で下落

22日の米株式市場では、ハイテク銘柄が中心に売られ、主要3指数がそろって下落しました。

  • S&P500種株価指数:6699.40(前日比 -0.53%)

  • ダウ平均:46590.41(-0.71%)

  • ナスダック総合指数:22740.40(-0.93%)

背景には、トランプ政権が中国向けのソフトウェア輸出制限を検討しているとの報道があります。対象はノートPCからジェットエンジンまで広範囲に及ぶ可能性があり、報復措置として中国がレアアース(希土類)輸出制限を強化する懸念も浮上しました。


レアアースとは?
電子部品やモーターなどに不可欠な金属資源のこと。供給の多くを中国が握っています。


企業決算はまちまち、NetflixとTIが失望を誘う

企業決算シーズンの最中ですが、好悪が分かれる結果に。

  • Netflix:決算は市場予想並みも、成長鈍化懸念から株価は10%下落

  • テキサス・インスツルメンツ(TI):業績見通しが弱く、株価5.6%安

  • テスラ:第3四半期決算が予想を下回り、時間外で下落

一方、これまで急騰していたAI関連銘柄や暗号資産、金などのモメンタム資産(勢いに乗る投資対象)も大きく売られました。

ビスポーク・インベストメントは「最も投機的な資産では音楽が止まり、パーティーが終わったようだ」と表現し、市場の熱狂が一服したと指摘しています。


米国債は上昇、安全資産へ資金移動

この日の20年債入札が堅調だったことを受け、米国債は全般的に上昇(=利回りは低下)

投資家のリスク回避姿勢が強まり、円は対ドルでほぼ横ばい、金やビットコインなどの代替資産も下落しました。


年末相場はまだ強気? 一部には上昇予想も

一方で、ファンドストラットのトーマス・リー氏は「今回の下落は一時的」とし、

  • 企業業績の堅調さ

  • FRBのハト派姿勢(=利下げを急がない緩和的方針)

  • AI関連の成長見通し

  • 年末にかけての季節的な上昇傾向

を理由に、「S&P500は年末までに7000〜7500まで上昇する可能性がある」と強気の見通しを示しました。


まとめ

  • 米中対立懸念が再燃し、ハイテク株中心に下落

  • NetflixやTIの決算が市場心理を冷やす

  • 投機的資産にも売りが広がり、リスクオフの動き

  • 米国債は上昇、安全資産志向が強まる

  • 一部では年末にかけての上昇シナリオも

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

国債利回りが4月以来の低水準に 政府閉鎖と米中対立懸念で安全資産に資金流入

  • 米国債は全年限で上昇(=利回りは低下)し、30年債・20年債ともに4月以来の低水準へ
  • 20年債入札が好調で需要の強さを確認
  • 米政府機関の閉鎖長期化と米中貿易摩擦再燃がリスク回避の動きを強めた
  • 一部では信用リスク拡大(サブプライム関連破綻)も債券買いを後押し

米国債市場、リスク回避ムードで買い優勢

22日の米国債市場では、20年債の入札が旺盛な需要を集めたことを受けて債券価格が上昇しました。
これにより、長期ゾーンを中心に利回りが低下し、30年債・20年債ともに4月以来の低水準を記録しました。

国債 直近値 前日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.53% -1.0 -0.23%
米10年債利回り 3.95% -1.3 -0.34%
米2年債利回り 3.44% -1.3 -0.37%

※1bp(ベーシスポイント)=0.01%


政府閉鎖と米中摩擦が投資家心理を冷やす

現在、米政府機関の閉鎖が22日目に突入しており、再開の見通しが立たない状況です。
これは歴代2番目の長さとなり、景気への悪影響が懸念されています。

さらに、トランプ政権が中国へのソフトウェア輸出制限を検討しているとの報道が伝わり、
米中対立の激化懸念から株式市場が下落。
投資家は安全資産である米国債に資金を移す動きを強めました。


金利低下の背景と市場の見方

ミシュラー・ファイナンシャル・グループのトニー・ファレン氏は、
「米国債には現在、正当な潜在需要が存在する」と述べています。
その理由として、

  • 政府閉鎖の長期化

  • 米中通商摩擦

  • 連邦財政赤字の改善見通し
    が挙げられました。

また、サブプライム自動車ローン業者の破綻(プライマレンド社)も報じられ、
金融不安への警戒感が一段と債券買いを促しています。


今後の焦点:CPIと政府閉鎖の行方

市場では、24日に発表予定の米9月消費者物価指数(CPI)が次の焦点となります。
インフレ鈍化が確認されれば、利下げ観測の強まりから、
債券利回りのさらなる低下につながる可能性があります。


まとめ

  • 米国債利回りは3営業日連続で低下

  • 政府閉鎖と米中対立再燃がリスク回避を促進

  • 好調な20年債入札が債券需要の強さを裏付け

  • 信用リスク(破綻報道)も安全資産需要を押し上げ

  • 次の焦点は24日の米CPI

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】CPI発表前で様子見ムード、ドルは小幅安 ポンドはCPI鈍化で下落

  • 米CPI(消費者物価指数)発表を前にドルは方向感乏しく横ばい
  • 円は一時買われるも151円台後半に戻し小動き
  • 英CPIの伸び鈍化でポンドが下落、BOE(英中銀)利下げ観測が強まる
  • 専門家は「短期的にはドル強気」予想

米CPIを前にドルは小幅安、様子見ムード広がる

ニューヨーク外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数がほぼ横ばい(1212.62、前日比−0.01%)となりました。
朝方はドル買いが優勢でしたが、24日に発表予定の9月CPI(消費者物価指数)を前に利益確定の動きが出たことで上値が重くなりました。

  • ドル/円:151.93円(前日比変わらず)

  • ユーロ/ドル:1.1610ドル(+0.09%)

市場は来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25ポイントの利下げが行われるとの見方をほぼ織り込み済みです。

しかし、CPIが予想を上回る場合、利下げペースが緩む可能性もあり、投資家は慎重な姿勢を崩していません。


専門家「短期的にはドル強気」 円ロングよりドルロングを推奨

スペクトラ・マーケッツのブレント・ドネリー社長は、「CPIが上振れるリスクや月末の資金フローを考慮すると、短期的にはドル買いが有利」との見方を示しました。
同氏は戦略として、

  • ドル/円のロング(買い)

  • 豪ドル/米ドル、ユーロ/米ドルのショート(売り)
    を推奨しています。


ポンドは下落 英CPI鈍化で利下げ観測が強まる

一方、英ポンドは主要通貨の中で下落しました。
英国の9月CPIは前年比+3.8%と、市場予想の+4.0%を下回る結果
これを受けて、BOE(イングランド銀行)の利下げ時期が前倒しされるとの見方が急速に広がりました。

  • ポンド/ドル:1.336ドル(−0.13%)

ゴールドマン・サックスのアナリストも「明確なインフレ鈍化が確認され、BOEの利下げは来年2月より前倒しされる可能性が高い」と指摘しています。


円相場:財政拡張観測で円売り続く

円は対ドルでほぼ横ばいとなりましたが、今月に入り2.5%下落
これは7月以来の大幅な月間下落率となっています。

背景には、高市新政権による大型経済対策への期待があります。
市場では「拡張的な財政政策が円安を促す」との見方が強く、円売りが続いています。

INGのアナリスト、フランチェスコ・ペソレ氏
「高市首相は当面、市場の動揺を避けたい意向が見られる」とコメントしました。


まとめ

  • 米CPI発表前でドルは小動き、円も様子見

  • 専門家は短期的にドル強気、ドル/円ロング推奨

  • 英CPI鈍化でポンド下落、BOE利下げ観測が強まる

  • 高市政権の財政拡張期待で円売り圧力続く

原油、在庫減少で続伸 過剰供給懸念がやや後退

  • 米政府統計で原油在庫が減少し、需給懸念がやや緩和
  • RSIが「売られ過ぎ」水準から反発を示唆
  • ただし専門家は「上値余地は限定的」との見方

ニューヨーク原油相場は反発し、WTI先物は1バレル=58.50ドル(前日比+2.2%)で取引を終えました。
テクニカル指標のひとつであるRSI(相対力指数)
が1週間にわたり「売られ過ぎ」領域にあったことから、短期的な買い戻しが入りました。

米エネルギー情報局(EIA)の統計では、国内原油在庫が約420万バレル減少。これは9月下旬以来の低水準で、市場の予想とほぼ一致しました。この結果、供給過剰への懸念がやや和らいだ形です。

CIBCプライベート・ウェルスのエネルギートレーダー、レベッカ・バビン氏は「在庫減少は一時的な支援材料だが、大幅な上昇を支えるほどではない」とコメントしています。

一方、北海ブレント原油も2.1%高の62.59ドルまで上昇しました。


金相場、過熱感で急落続く 「ディベースメント取引」が一服

  • 前日の6%超下落に続き、利益確定売りが継続
  • 高値圏で「割高感」広がる
  • 長期的な強気見通しは維持される見方も

ニューヨーク金相場は続落し、スポット価格は1オンス=4113.16ドル(前日比−0.3%)となりました。前日の急落(−6.3%)に続き、短期的な過熱感から売りが優勢となりました。

DWSグループのダーウェイ・クン氏は「4400ドル付近はやや割高だった」とし、「調整は自然な動きだが、長期の上昇トレンドは崩れていない」と指摘しました。

これまで金価格を押し上げていた主な要因は、

  • FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測

  • ドルや国債から資産を移す“ディベースメント取引”(通貨価値下落を見越して金に逃避する投資行動)
    でしたが、短期的にはその動きが一服しています。

シティグループは金の投資判断を「オーバーウエート(強気)」から引き下げ、今後数週間は4000ドル前後での値固めを予想しました。
ただし、中央銀行による金買いは長期的に続く可能性があり、「金を支える構造的な要因は変わっていない」との見方も根強いです。


用語補足

  • RSI(相対力指数):相場の「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断するテクニカル指標。通常30以下は売られ過ぎ、70以上は買われ過ぎとされる。

  • ディベースメント取引:インフレや財政赤字による通貨価値下落を見越して、金などの実物資産に資金を移す投資行動のこと。


まとめ

  • 原油は在庫減少で続伸し、WTIは58ドル台を回復

  • RSIが反転のサインを出すも、上値余地は限定的

  • 金は高値警戒感から続落、短期調整局面入り

  • FRB利下げ観測など長期的な金の支援材料は健在