2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/24

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株反発、米中首脳会談見通しで安心感広がる

  • トランプ大統領が習近平主席と30日に会談予定と発表
  • 米中関係の緊張緩和が株高を後押し
  • ロシア石油企業制裁で原油急騰、インフレ懸念再燃
  • 米CPI発表を前に市場はFRBの利下げに注目

米株式市場はハイテク主導で反発

23日の米株式市場は、米中通商協議の緊張が緩和するとの見方から主要株価指数が上昇しました。
S&P500は0.58%高の6738.44、ナスダック総合は0.89%高の22941.80。テクノロジー株やエネルギー株が相場を牽引しました。

特に、前日に冴えない決算で売られたテスラが2.3%高と反発。さらに、米政権が量子コンピューター分野への資金支援を検討しているとの報道を受け、量子コンピューター関連銘柄が7〜13%高と急伸しました。

また、インテルが引け後に強気の売上高見通しを示し、時間外で株価が上昇しています。


米中首脳会談の発表で市場心理が改善

ホワイトハウスは、トランプ大統領が30日に韓国で開かれるAPEC首脳会議の際に中国の習近平国家主席と会談すると発表しました。
これにより、「貿易摩擦激化への懸念が和らいだ」として投資家心理が改善しています。

ホライゾン・インベストメンツのザカリー・ヒル氏は、

「米中首脳会談の発表は市場にとって明確なポジティブ材料。企業決算も概ね良好で、市場を支える要因になっている」
とコメントしています。


原油高でインフレ懸念、国債下落・円安進行

トランプ政権がロシアの石油大手2社に制裁を科すと発表したことで、原油価格が約4カ月ぶりの大幅上昇となりました。
この影響で、インフレ加速への警戒から米国債は下落し、10年債利回りは4.00%に上昇。
一方、来週の日銀会合での利上げ観測が後退し、円は対ドルで152円台まで下落しました。


市場の注目は9月CPIとFRBの利下げ判断

市場は24日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)に注目しています。
エコノミスト予想では、コアCPI(食品・エネルギー除く)が前月比0.3%上昇前年比3.1%増と見込まれています。

ただし、FRBは依然として雇用市場の弱さを重視しており、
来週のFOMCでは今年2回目の利下げの可能性が高い」(市場関係者)との見方が強まっています。

JPモルガンは「CPI発表後、S&P500が上昇する確率は65%」と予測し、
「インフレ懸念は残るが、追加利下げ観測が相殺している」と分析しています。


まとめ

  • 米株はハイテク中心に反発、S&P500が最高値圏に接近

  • 米中首脳会談発表で市場心理が改善

  • 原油高でインフレ懸念、米国債下落・円安進行

  • 9月CPIを前に、FRBの利下げ判断が焦点

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇:原油高がインフレ懸念を再燃

  • 原油価格の急騰を受けて、米国債利回りが上昇
  • 10年債は心理的節目の「4%」に到達
  • 市場では年内にFRBが2回の利下げを実施するとの見方も

原油高が米国債相場を押し下げ

23日の米国債市場では国債価格が下落(=利回り上昇)しました。背景には、米政府がロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科したことで原油価格が急騰し、インフレ再燃への懸念が強まったことがあります。

  • 30年債利回り:4.58%(+4.9bp)

  • 10年債利回り:4.00%(+5.2bp)

  • 2年債利回り:3.49%(+4.2bp)

※bp(ベーシスポイント)=0.01%を意味します。


「4%」は市場心理の分岐点

ブルームバーグ・ストラテジストのアリス・アンドレス氏は、

「10年債利回りの4%は心理的な節目。これを上回ると“インフレや景気の強さへの懸念”を示し、下回る場合は“景気減速や利下げ期待”を反映する」
と述べています。

実際にこの日は、10年債利回りが一時4%をわずかに上回りました。これは投資家が短期~中期的にインフレ率上昇を意識し始めていることを示しています。


FRB利下げ見通しは依然として残る

一方、金利スワップ市場では依然として年内2回の0.25ポイント利下げが予想されています。さらに、2026年末までに追加で3回の利下げが織り込まれています。
つまり、短期的なインフレ懸念が高まっても、中期的には利下げサイクル入りを見込む投資家が多い状況です。


ブレークイーブン・インフレ率とは?

「ブレークイーブン・インフレ率」とは、将来10年間の平均インフレ率を市場がどの程度見込んでいるかを示す指標です。
この日は2.31%と、1週間ぶりの高水準に上昇しました。


まとめ

  • 米国債利回りは原油高を受けて上昇

  • 10年債利回りが心理的節目の4%に到達

  • インフレ懸念が再燃する一方、年内の利下げ観測も残る

  • ブレークイーブン・インフレ率は2.31%に上昇し、物価期待が再び上向き

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】CPI発表前でドルは小動き、円は152円台後半へ下落

  • 米CPI(消費者物価指数)発表を前に、ドル相場は全体的に小動き
  • 円は主要10通貨の中で最も下落し、152円台後半まで売られる
  • 原油高で豪ドル・ノルウェークローネなど資源国通貨が上昇
  • 日銀の10月利上げ予想はわずか10%に低下
  • 市場の関心はFRBの「インフレ→雇用」への焦点移行にも注目

ドルは横ばい、円は売られる

ニューヨーク外国為替市場では、24日に予定される米CPI(消費者物価指数)の発表を前に、投資家が様子見姿勢を強めました。
ドル全体の動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数
は小幅高(+0.01%)で推移。終盤はほぼ横ばいとなりました。

一方で、円は対ドルで売られ、一時1ドル=152円80銭まで下落。
取引終盤も152円台半ばで推移し、主要通貨の中で最も弱い動きとなりました。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ドル/円 ¥152.58 ¥0.60 +0.39%
ユーロ/ドル $1.1619 +0.0008 +0.07%
ブルームバーグ・ドル指数 1212.77 +0.15 +0.01%

原油高で資源国通貨が上昇

米政府がロシアの石油大手「ロスネフチ」と「ルクオイル」に制裁を発表したことで、原油価格が約5%上昇しました。
これを背景に、豪ドルやノルウェークローネなど資源国通貨が買われる展開となりました。

  • ドル/ノルウェークローネ:9.97クローネ(約2週間ぶりに10クローネを下回る)

  • ユーロ/ノルウェークローネ:11.56クローネ(約1カ月ぶりの安値)


日銀利上げ観測は後退

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、
日銀が10月会合で利上げを行うと予想する割合は10%と、前回(9月)の36%から大幅に低下しました。

多くの市場関係者は政策維持(現状維持)を見込んでおり、円売り圧力の一因となっています。


FRBの焦点は「インフレ」から「雇用」へ

マネックス・ヨーロッパのニック・リース氏は、
「FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレから労働市場への関心を移しているが、CPIは依然として消費者支出や成長の手がかりになる」と指摘しました。
つまり、今回のCPIは“方向性を占う材料”として重視されています。


BofAは「ドルやや過大評価」と指摘

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト陣は、
「ドル安トレンドは続く見込みだが、現時点でドルはやや過大評価されている」と分析。
また、ユーロに対して強気スタンスを維持しており、
円やドル、スイスフラン、NZドル、カナダドルに対してユーロの上昇を予想しています。


まとめ

  • 米CPI発表を前にドルは横ばい、円は152円台後半まで下落

  • 原油高で資源国通貨(豪ドル・クローネ)が上昇

  • 日銀の10月利上げ観測は10%まで低下し円売り圧力

  • FRBは物価よりも雇用市場に注目シフト

  • BofAは「ドルは過大評価、ユーロ強気」との見方

原油、3日続伸で約4カ月ぶりの大幅高

  • 米国がロシア大手石油企業「ロスネフチ」「ルクオイル」に制裁を発表
  • インドの石油調達がほぼゼロに、供給逼迫懸念で原油買いが加速
  • WTI先物は5.6%高の61.79ドル、約4カ月ぶりの大幅上昇

制裁が原油市場を直撃

ニューヨーク原油相場(WTI)は3日続伸し、6月中旬以来最大の上げ幅となりました。
背景には、米国がロシアの主要石油企業2社に制裁を科したことがあります。
これにより、世界有数の原油輸入国であるインドの調達量がほぼゼロになる見通しです。

ロシアは世界有数の産油国であるため、供給網の混乱が懸念され、買いが一気に膨らみました。

WTI先物12月限:61.79ドル(+5.6%)
ブレント原油12月限:65.99ドル(+5.4%)


地政学リスクとOPECプラスの動き

今回の制裁は、OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国)が増産を進めている中で行われました。
需要が鈍化しているタイミングでの制裁により、市場では供給不安が一気に高まっています。

今後の焦点は、中国がロシア産原油の輸入を増やして穴を埋めるかどうかです。

リスタッド・エナジーのホルヘ・レオン氏は次のようにコメントしています。

「今回の制裁は、対ロシア政策における前例のないエスカレーションであり、
ロシアの生産や輸出が強制停止に追い込まれるリスクが高まっている。」


金は反発、テクニカル要因で上昇

  • 2営業日で6%下落した後の反発
  • ETFの保有金が5カ月ぶりの大幅減少
  • テクニカルな戻りとみられ、地政学リスクへの注目は続く

金の調整と反発

金相場は今週の下落から反発局面に入りました。
市場では、米中通商合意への期待から地政学リスクがやや和らぎ、高値警戒感が広がっていました。

ブルームバーグのデータによると、22日の金ETF保有量が5カ月ぶりの大幅減少となり、投資資金が一部流出しました。

バンテージ・グローバル・プライムのアナリスト、ヘベ・チェン氏は次のように分析しています。

「行き過ぎた上昇の後、金は“引き伸ばされた輪ゴム”のように戻っている。
4000ドル超えはテクニカルな反発に過ぎず、
安全資産としての需要は依然として強い。」

金スポット価格:4139.35ドル(+1.0%)
金先物12月限:4145.60ドル(+2.0%)


まとめ

  • 原油は米国のロシア制裁で供給懸念が再燃、WTIは5.6%上昇

  • インドの輸入停止見通しで、今後は中国の動向が焦点

  • 金は一時4000ドル超えのテクニカル反発、ETF資金流出も確認

  • 市場は地政学リスクと景気減速懸念の綱引きが続く見通しです