2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/29

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株、ハイテク主導で最高値更新 AIが支える強気相場

  • 主要3指数がそろって最高値を更新
  • AI関連の期待でハイテク株が上昇、特にエヌビディアが急伸
  • FOMCでの利下げ見通しも投資家心理を下支え
  • 一方で「行き過ぎ」懸念や調整リスクの声も

ハイテク株が相場をけん引、AI期待が続く

28日の米株式市場は4日続伸し、S&P500・ナスダック・ダウの主要3指数がそろって過去最高値を更新しました。
相場を押し上げたのはマイクロソフト、エヌビディア、アップルなど大手ハイテク株です。

とくにエヌビディアは、米エネルギー省向けのスーパーコンピューター開発報道を受けて5%高。時価総額は史上初の5兆ドルに迫る水準となりました。

マイクロソフトはオープンAIを公益法人に転換し、引き続き27%の持ち分を保有。AI分野への積極姿勢が評価されました。
アップルも一時、時価総額が4兆ドル(約608兆円)を突破し、市場の節目を迎えています。


マグニフィセント・セブンとは?

「マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven)」とは、
米ハイテク大手7社(アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、メタ、アマゾン、テスラ)を指す言葉です。
S&P500全体の時価総額の約4分の1を占めるほどの影響力を持ち、米株市場をけん引しています。

この日は同指数が1.3%上昇。AI関連のテーマが引き続き市場の強気ムードを支えています。


投資家心理を支える「FOMC利下げ期待」

市場では、29日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定がほぼ確実視されています。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)によるバランスシート縮小(=保有資産の圧縮)をいつ停止するかにも注目が集まっています。

低金利政策は企業の資金調達コストを下げ、株式市場には追い風となるため、投資家心理を下支えしています。


過熱感と警戒感も

一方で、専門家の間では「過熱感」への警戒も出ています。

  • 「市場は再び買われすぎの領域に入っている」(ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリスト)

  • 「2025年末までに5〜10%の調整もあり得る」(ダン・ワントロブスキ氏)

  • 「株価上昇ペースが企業の実力(ファンダメンタルズ)を上回っている」(アメリプライズのサグリンビーン氏)

といった指摘もあり、今週発表されるハイテク大手の決算が相場の方向を占うカギとなりそうです。


貿易ニュースも好材料に

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、トランプ米大統領と中国・習近平国家主席が30日に会談し、対中関税引き下げの可能性を協議する見通しと報じられました。
この報道を受け、国際輸送大手UPS株は8%急伸しました。


まとめ

  • 米株3指数がそろって最高値更新、4日続伸

  • AI関連の期待でエヌビディア・マイクロソフトが上昇

  • アップルは時価総額4兆ドルを突破

  • FOMCの利下げ期待が相場を支える

  • 一方で過熱感・調整リスクの声も強まる

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが年初来低水準に接近 FOMC前で様子見ムード広がる

  • 米国債利回りが小幅に低下し、年初来の低水準に接近
  • FOMC(米連邦公開市場委員会)を前に市場は様子見姿勢
  • 政府閉鎖の影響で経済指標が減り、利下げ観測が強まる

米国債相場は上昇、利回りはほぼ横ばい〜小幅低下

28日の米国債市場では、国債価格が上昇し(利回りは低下)ました。
7年債入札は需要がやや低調だったものの、利下げ観測を背景に全体的な買い需要は維持されています。

国債種類 利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.54% -1.1 -0.25%
米10年債 3.98% -0.4 -0.10%
米2年債 3.49% -0.1 -0.02%

モルガン・スタンレーのアンドリュー・シチュロウスキ氏は、
「政府閉鎖によって経済データの発表が減り、市場は利下げ観測をより確信している」と述べています。


経済データの影響は限定的

この日発表された経済指標は全体として市場への影響が小さく、
FOMC前の様子見ムードが強まりました。

  • ADP民間雇用者数:10月11日までの4週間で平均1万4,250人増

  • 消費者信頼感指数(CB調査):94.6(6カ月ぶりの低水準)

これらの結果は雇用や消費にやや減速感を示す内容ですが、
利回りを大きく動かすほどのインパクトはありませんでした。


イールドカーブの動き

午後の取引では、

  • 10年債利回り:3.981%(前日比-1.2bp)

  • 2年債利回り:3.496%(横ばい)

となり、2年債と10年債の利回り差(逆イールド幅)は48.6bpに縮小。
一時は9月12日以来の47.6bpまで接近しました。
これは、景気減速と利下げ期待の高まりを反映しています。


【補足】

イールドカーブとは?
国債の「期間ごとの利回り」を線で結んだグラフのことです。
通常は長期金利が短期金利より高い(右上がり)形ですが、
短期金利のほうが高い「逆イールド」になると景気後退のサインとされます。


まとめ

  • 米国債利回りは年初来の低水準に接近

  • 政府閉鎖により経済データが減少し、利下げ観測が強化

  • ADP雇用や信頼感指数は弱めだが、市場への影響は限定的

  • FOMCを前に全体的に様子見ムードが強い

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】円が8営業日ぶり反発 FOMC前でドル軟調、アマゾン人員削減報道も影響

  • 円が対ドルで8営業日ぶりに上昇(0.5%高)
  • FOMC(米連邦公開市場委員会)を前にドル売り優勢
  • 日本の財政健全化への発言で円買い安心感
  • 米政府閉鎖で経済指標の発表停止 → 市場は材料難
  • アマゾンが1.4万人削減を発表し、景気への警戒感も

円が8日ぶりに反発、ドル軟調

外国為替市場では、29日の取引で円が8営業日ぶりに反発しました。ドル/円は一時152円を割り込み151円後半へ下落。ブルームバーグ・ドル指数も小幅に続落し、市場はFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策決定を前に様子見ムードが強まりました。

三菱UFJ信託銀行の横田裕矢氏は、「FOMCや日銀会合を控えた利食い(※利益確定の売り)によるドル調整」と分析。一方で、「1円下げた程度ではドルの底堅さは維持されている」とも指摘しました。


日本の政策発言で円買い安心感

円高の背景には、日本の政策当局の発言もあります。

城内実・成長戦略相が「財政規律を重視しつつ、労働市場の引き締めで潜在成長率を高める」と述べたことが、市場に安心感を与えました。

また、米財務長官ベセント氏が「健全な金融政策の重要性」を日本側に伝えたことも、日銀の利上げ観測を支援する動きとなりました。

モルガン・スタンレーのロード氏は「外国人投資家の円への見方が改善した」と述べ、円と日本国債市場の両方でセンチメント(投資家心理)が回復していると指摘しました。


FOMC・日銀・ECBの「三つ巴」イベントへ

市場では、今週予定される各国の政策会合に注目が集まっています。

  • FOMC(米国):利下げ見通しが大勢

  • 日銀:金利据え置きが予想される

  • ECB(欧州中央銀行):同じく据え置き見通し

この「三つ巴」の政策イベントを前に、各通貨の値動きは限定的になるとの見方が多くなっています。


米経済データ停止、アマゾンのニュースに注目

米政府閉鎖の影響で、主要な経済統計が発表されない状況が続いています。
そのため市場は、通常よりも民間企業ニュースに敏感になっており、アマゾンが約1万4000人のコーポレート職を削減するとの報道が話題となりました。

ING銀行のターナー氏は、「材料難の中でドルはやや軟調。アマゾンの動きが注目される」とコメントしました。


為替・主要通貨の動き(29日時点)

通貨ペア 直近値 前日比 変化率
ドル/円 ¥152.10 -¥0.78 -0.51%
ユーロ/ドル $1.1654 +$0.0009 +0.08%
ブルームバーグ・ドル指数 1210.03 -1.51 -0.12%

ユーロは対ポンドで2023年5月以来の高値を記録。
一方、英ポンドは対ドルで8月以来の安値となり、英国の生産性見通しの下方修正報道が影響しました。


まとめ

  • 円は8営業日ぶりの反発、152円台前半へ

  • FOMC・日銀・ECBを前にドルは調整売り

  • 日本の財政発言で円への信頼感が回復

  • 米政府閉鎖で経済指標が止まり、材料難に

  • アマゾンの大規模人員削減が注目を集める

原油・金市場まとめ:供給過剰とリスク低下で資源価格が続落

  • 原油・金ともに3営業日続落
  • 原油は供給過剰懸念が強まり、約2週間ぶりの大幅安
  • 金は安全資産需要の後退とETF売却で下落
  • 中央銀行の金買い増しが今後の支えとなる可能性

原油:供給過剰懸念が再燃し、WTIは60ドル台へ

ニューヨーク原油先物(WTI)は3営業日続落し、1バレル=60.15ドル(前日比-1.16ドル、-1.9%)と約2週間ぶりの大幅安となりました。

主な下落要因

  • 供給過剰の拡大:タンカーの積載量が過去最高を更新し、原油の供給が増加

  • OPECプラスの増産観測:今週末の会合で生産量引き上げが議論される見通し

  • 投機筋のポジション整理:一時的な買い戻しが終了し、再び売りやすい状況に

SEBのオレ・バルビー氏は「制裁の実効性に疑問が出ており、ロシア産原油の供給は実際に滞っていない」と指摘しています。

相場の動き

  • WTI先物12月限:60.15ドル(-1.9%)

  • ブレント先物12月限:64.40ドル(-1.9%)


金:リスク選好ムードで売りが加速、ETFも大量放出

金スポット価格も3営業日続落し、1オンス=3947.67ドル(-0.9%)
20日に過去最高値を更新したばかりでしたが、米中貿易協議の進展を受け、リスク回避需要が後退しています。

主な下落要因

  • ETFの大量売却:27日に44万8706トロイオンス(約17億9000万ドル)分を放出

  • 先物取引の活発化:下落局面でも取引量が高く、底値を探る動きが難航

  • 利下げ織り込み:FOMCでの0.25ポイント利下げが見込まれる中、金利低下は本来金の支援要因だが、短期的には利益確定売りが優勢

専門家の見方

ペッパーストーンのウェストン氏は「底入れを狙うより、下落後の反発局面で買うのが合理的」と分析しています。
一方、韓国中銀が10年以上ぶりに金購入を検討しており、中央銀行の買い増しが中長期的な支えとなる可能性もあります。


まとめ

  • 原油:供給過剰懸念でWTIは約2週間ぶりの大幅安

  • OPECプラスの増産が焦点、制裁効果への疑問も

  • 金:安全資産需要の減退で続落、ETFが大量売却

  • 中央銀行の買い増しが今後の支えとなる可能性