2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株、FOMC後に失速 AI銘柄が支えも、利下げペース巡る不透明感広がる

  • FRBが利下げを決定したが、パウエル議長は「12月利下げは確実ではない」と発言
  • S&P500はほぼ横ばい、ダウは反落、ナスダックはAI関連株が支え
  • エヌビディアが世界初の時価総額5兆ドル突破
  • アルファベットは好決算、マイクロソフトはクラウド成長鈍化で下落

FOMC後に株価が失速、パウエル発言が市場心理を冷やす

米国株式市場は29日、FOMC(連邦公開市場委員会)後のパウエル議長の発言を受けて上げ幅を縮小しました。
FRB(米連邦準備制度理事会)は0.25%の利下げと12月からの量的引き締め(QT)停止を発表しましたが、議長が「12月の利下げは既定路線ではない」と述べたことで、市場の楽観ムードにブレーキがかかりました。

この発言を受け、12月利下げの織り込み確率は90%から71%に低下しました。
S&P500は横ばい、ダウは小幅反落となった一方、ナスダックはAI関連株が支えとなり上昇しました。


エヌビディア、時価総額5兆ドル突破

AIブームの象徴であるエヌビディア(NVIDIA)は、時価総額が5兆ドル(約760兆円)を突破し、世界で初の企業となりました。
終値は3%高で取引を終え、CEOのジェンスン・フアン氏は新たなAI提携を発表し、「AIバブル懸念」を一蹴しました。

また、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との会談でエヌビディア製GPU「ブラックウェル」について協議する意向を示したことも、注目を集めました。


アルファベットは好決算、マイクロソフトは失望売り

  • アルファベット(グーグル親会社)
    第3四半期決算で売上高が市場予想を上回り、クラウド部門がAI需要を背景に好調でした。株価は時間外取引で約5%上昇。

  • マイクロソフト
    同期間の決算では、主力のクラウド事業「Azure(アジュール)」の成長が一部投資家の期待に届かず、株価は時間外で1%下落しました。

  • メタ・プラットフォームズ(Facebook親会社)
    時間外で8%超下落。一方で、キャタピラーは決算好調で11.6%急伸しました。


市場見通し:年末にかけては“エアポケット”のリスクも

ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリスト、ダン・ワントロブスキ氏は「市場は複数の時間軸で買われ過ぎ」と指摘。
S&P500は年内7000、来年にかけて7400を目指す可能性を示唆しつつも、
「11月は調整局面(エアポケット)になる可能性がある」と警戒感を示しました。


まとめ

  • FRBが利下げを実施も、「12月利下げは確実ではない」との発言で市場に慎重ムード

  • ナスダックはAI関連株の上昇で連日最高値更新

  • エヌビディアが時価総額5兆ドル突破、AIブーム続く

  • アルファベットは好決算、マイクロソフトは期待外れ

  • 市場は年末にかけてボラティリティ(変動性)高止まりの可能性

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

FRB、2会合連続の利下げも見解分かれる

市場は12月の追加利下げ観測を後退、国債利回りは急上昇 

  • FOMCは予想通り0.25%の利下げを決定(誘導目標レンジ:3.75〜4%)
  • パウエル議長は「12月の追加利下げは既定路線ではない」と発言
  • 2人の反対票が出るなど、FRB内の意見対立が表面化
  • 国債利回りが大幅上昇、ドルは153円台へ上昇

FOMC、2会合連続で利下げも内部に亀裂

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、29日の会合で2会合連続となる0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利(FF金利)の誘導目標を3.75〜4%に引き下げました。
投票結果は賛成10・反対2

反対票は

  • マイランFRB理事:より大幅な0.5ポイントの利下げを主張

  • シュミッド・カンザスシティー連銀総裁:金利据え置きを支持

と、政策スタンスが正反対の2人から出ました。これにより、FRB内部の見解の分裂が鮮明になりました。


パウエル議長「12月利下げは当然視すべきでない」

会見でパウエル議長は、「12月の追加利下げを当然視するのは誤りだ」と強調。
「今回の会合では、12月にどう対応すべきかを巡って強い意見の相違があった。政策はあらかじめ決められた道筋に沿って進むものではない」と述べ、市場に対して慎重姿勢を示しました。

この発言を受けて、市場が織り込む12月利下げ確率は約60%へ低下(会合前はほぼ100%)しました。


債券市場が反応、金利は急上昇

議長発言後、米国債は下落(=利回り上昇)特に短期債が敏感に反応しました。

国債 直近利回り 前日比(bp) 変化率
米2年債 3.60% +10.6 +3.04%
米10年債 4.08% +10.0 +2.52%
米30年債 4.63% +8.6 +1.90%

※bp(ベーシスポイント)=金利の最小単位。1bp=0.01%。

10年債利回りは4%を再び上回り、7月以来の大幅上昇となりました。


ドル上昇、株は横ばい

ドルは上昇し、一時1ドル=153円台まで円安が進行。
株式市場ではS&P500種指数はほぼ変わらずで取引を終えました。
市場全体では「12月の利下げ見通し後退 → 金利上昇 → ドル高」という典型的な反応となりました。


アナリストの見方

  • ルネサンス・マクロ・リサーチのニール・ダッタ氏
     「大幅利下げ派と据え置き派の対立を踏まえると、12月会合で方向性を固めるのは難しい」

  • ブランディワイン・グローバルのジャック・マッキンタイア氏
     「パウエル議長は市場の利下げ期待とFRBの見通しとの間に距離を置こうとしている」

  • JPモルガン・IMのプリヤ・ミスラ氏
     「今回の利下げは“リスク管理目的”の措置。FRB内部の意見分裂は、中立金利や労働市場への見方の違いを示している」


まとめ

  • FOMCは2会合連続の0.25%利下げを決定

  • FRB内では「さらなる利下げ」vs「据え置き」で意見が割れる

  • パウエル議長は12月利下げを否定的に発言

  • 国債利回り上昇・ドル高・株横ばいの反応

  • 今後は労働市場データと政府閉鎖の影響が焦点に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】FRBの慎重姿勢でドル上昇、円は一時153円台へ下落

  • 米FRBは2会合連続で0.25%の利下げを決定
  • しかし、12月の追加利下げは「既定路線ではない」との発言でドルが上昇
  • ドル円は一時153円台に上昇、ユーロ・ポンドも対ドルで軟調
  • 市場の12月利下げ観測は85%→62%へ低下

FRBの利下げ決定とドル高の背景

米連邦準備理事会(FRB)は10月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、前回9月に続き0.25%ポイントの利下げを決定しました。
投票は10対2
で可決され、反対票が出るなど内部の意見の割れが目立ちました。

パウエル議長は記者会見で、

「12月会合での利下げは既定路線ではない」
と述べ、追加利下げに慎重な姿勢を示しました。

この発言を受け、市場では「当面の利下げ停止もあり得る」との見方が広がり、ドル買いが強まりました。


為替市場の動き

FOMC後の為替市場では、以下のような動きが見られました。

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1214.01 +3.98 +0.33%
ドル/円 ¥152.67 +¥0.56 +0.37%
ユーロ/ドル $1.1600 -$0.0051 -0.44%

ドルは主要通貨に対して0.6%上昇し、ユーロやポンドは下落。
特に円は一時1ドル=153円06銭まで下落し、年初来安値圏に接近しました。


他国中銀の動き

  • カナダ銀行:予想通り0.25%利下げ。ただし「追加緩和に慎重」との姿勢からタカ派的利下げと受け止められ、カナダドルは一時上昇。

  • イングランド銀行:来週の会合で利下げ観測が強まり、ポンドは5月以来の安値を記録。

  • ECB・日銀:今週に政策決定会合を控え、投資家は注視している状況です。


まとめ

  • FRBは2会合連続で利下げ実施、ただし追加利下げには慎重姿勢

  • 市場の12月利下げ観測は62%に低下

  • ドル高・円安が進行、一時153円台を突破

  • カナダ・英国など主要中銀も利下げ局面入り

  • 各国で「利下げの終わり時期」を巡る見方が分かれている

原油価格、米在庫の大幅減で反発 OPECプラスの増産方針には警戒感も

  • 米原油在庫が大幅に減少し、需給改善への期待から原油価格が4営業日ぶりに上昇
  • WTIは1バレル=60.48ドル、ブレントは64.92ドルに上昇
  • OPECプラスが12月も増産を維持する見通しで、上値は限定的
  • 米中首脳会談を控え、市場は様子見ムード

米原油在庫の大幅減少で需給懸念が後退

米エネルギー情報局(EIA)の週報によると、10月24日までの1週間で米原油在庫は690万バレル減少しました。
市場予想(20万バレル減)を大幅に上回る減少で、ガソリンやディスティレート(※軽油などの中間留分)も同様に減少しました。

これにより、供給過剰懸念が一時的に後退し、原油相場は一時1バレル=61ドル台を回復しました。

ディスティレートとは?
原油を精製してできる中間製品で、主に軽油やジェット燃料などが含まれます。


OPECプラスは増産維持へ 上値の重い展開

ロイターによると、OPEC加盟国と非加盟主要産油国で構成される「OPECプラス」の有志8カ国は、12月も増産方針を維持する方向で調整しています。
次回会合は11月2日開催予定で、市場では供給増への警戒感が根強く、上昇の勢いは限定的でした。

スタンダードチャータードのアシュフォード氏は「市場は制裁による供給減少の実効性を見極めようとしている」と分析しました。


米中首脳会談への期待も支えに

米中首脳会談を翌日に控え、エネルギー需要の見通しを巡って慎重な姿勢が広がりました
米政府が韓国との貿易協議で合意したことや、中国との通商協議進展への期待が、世界の需要鈍化懸念を和らげる要因となっています。


終値まとめ

指標 終値 前日比 備考
WTI原油先物(12月限) 60.48ドル +0.33ドル 4営業日ぶり反発
北海ブレント原油(12月限) 64.92ドル +0.52ドル(+0.8%) 需給改善で上昇

金相場:FRBの慎重姿勢で続落、ただし一時反発も

FOMC前に短期的な買い戻し

金相場は前日までの急落を受けて一時的に反発。COMEXの金先物12月限は1オンス=4000.70ドルで引けました。
しかし、FOMCでの利下げ発表後、パウエル議長が「12月利下げは既定路線ではない」と発言したことで、金は再び下落。

利下げ期待が後退し、ドル高・米長期金利上昇が進む中、利息を生まない金は売られやすい展開となりました。


終値まとめ(ニューヨーク時間午後3時45分)

指標 終値 前日比 備考
金スポット 3,933.11ドル -0.5% 4営業日続落
金先物(12月限) 4,000.70ドル +17.60ドル(+0.4%) FOMC前の買い戻し

まとめ

  • 米原油在庫の予想外の大幅減少で、原油価格は反発

  • OPECプラスの増産維持見通しが上値を抑制

  • 米中首脳会談への期待が、需要減速懸念を一時的に緩和

  • 金相場はFOMCを前に一時反発も、パウエル発言で再び下落