2025/10

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/10/31

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、ハイテク株主導で下落 AI投資負担が懸念材料に

  • メタがAI関連支出のため300億ドルの社債発行を発表、株価は一時13%超下落
  • S&P500、ナスダックともに下落、ハイテク株が市場全体を押し下げ
  • FRBの利下げペース鈍化も重しに
  • アマゾンは好決算で時間外取引で上昇

ハイテク株が主導した下落

31日の米国株式市場では、主要3指数がそろって下落しました。
S&P500は0.99%安の6822.34、ナスダックは1.57%安の23581.14、ダウ平均は0.23%安でした。

下落を主導したのは大型ハイテク株です。
特にメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落。AI開発関連支出をまかなうために300億ドル(約4兆6200億円)の社債発行を発表し、投資家の間で「AI投資負担への懸念」が広がりました。
この債券は今年最大規模の投資適格級発行となり、需要は1250億ドルに達しました。


AI投資競争が企業収益を圧迫

同じくハイテク大手ではマイクロソフトも2.9%下落。
7~9月期の設備投資が過去最高水準(約350億ドル)に達し、今後も増加する見通しを示したことで、投資負担の増大が意識されました。

一方、アルファベット(グーグル親会社)は好調な広告とクラウド事業を背景に2.5%上昇。
AI投資の影響が比較的軽い企業に資金が向かう動きも見られました。

AI関連投資とは?

企業がAI開発・運用に必要なデータセンターや半導体などの設備に行う支出のこと。近年は数兆円規模に膨らんでおり、利益圧迫要因になっています。


FRBの利下げペース鈍化も重し

米連邦準備制度理事会(FRB)は29日の会合で0.25%の利下げを決定。
しかしパウエル議長が「12月の追加利下げは既定路線ではない」と述べたことで、年内の利下げ期待が後退しました。
これが金利上昇懸念を誘い、株式市場全体の重しとなりました。


投資家心理と今後の見通し

市場では「AI投資バブル崩壊ではないが、短期的な調整局面に入る可能性が高い」との見方が広がっています。
特に「マグニフィセント・セブン(米主要ハイテク7社)」の指数は2.7%下落し、過熱感のある相場に警戒感が強まっています。

一方、UBSのアナリストは「AI関連銘柄が今後も相場をけん引する可能性が高い」とし、AI分野への分散投資を推奨しました。


一部銘柄は明暗分かれる

  • アマゾン・ドット・コム:クラウド事業「AWS」が3年ぶりの力強い成長を示し、時間外で9%上昇

  • アップル:中国売上の減少で一時下落も、iPhone販売見通しが好感され時間外で上昇

  • エヌビディア:前日に時価総額5兆ドルを突破した後、2%下落


まとめ

  • 米株はハイテク株の下落主導で反落

  • メタがAI関連支出で300億ドル起債、投資負担が懸念

  • FRBの利下げ期待後退も重し

  • 一方でアマゾンやアルファベットは好調

  • 短期的な調整の可能性はあるが、AI分野の成長ストーリーは継続

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇 ― メタ社の大型起債とFRBのタカ派姿勢が背景

  • 米国債相場は続落(利回り上昇)
  • メタの大型社債発行が国債売りを誘発
  • FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派的姿勢が金利上昇圧力に
  • 投資家のリスク選好が社債へ移り、国債需要が減少

米国債が続落、利回り上昇

米国債相場は続落し、主要な利回りは全て上昇しました。背景には メタ・プラットフォームズの大型社債発行 と、FRBの利下げ慎重姿勢 があります。

年限 直近利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.65% +2.9 +0.62%
米10年債 4.10% +1.9 +0.47%
米2年債 3.60% +0.6 +0.17%

メタの社債発行が市場を動かす

メタは 総額300億ドル(約4兆6200億円) の社債を発行する計画を発表しました。これは今年最大規模で、投資適格級としても異例の大きさです。
投資家からの需要は 1250億ドル に上り、2018年にCVSヘルスが起債した際の1200億ドルを上回り、過去最高 を更新しました。

社債とは?
企業が資金調達のために発行する債券。投資家にとっては国債よりリスクが高い分、利回りが高いのが特徴です。

このような大型の社債発行では、投資家が国債を売って社債を購入する動きが出るため、国債価格が下落し、利回りが上昇 します。


FRBのタカ派発言が影響

パウエルFRB議長は、「12月の利下げは既定路線ではない」と発言。これにより市場では追加利下げ期待が後退し、金利上昇圧力 が強まりました。

DWSアメリカズの債券責任者ジョージ・カトランボーン氏は次のように指摘しています。

「FRBは2022~23年に5ポイント以上利上げしたが、まだ1.5ポイントしか利下げていない。
依然として景気抑制的なスタンスだ。」

また、マスミューチュアルのコワルスキ氏は「利回りがさらに低下するには景気悪化が必要だが、現時点ではその兆候はない」と述べました。

タカ派とは?
インフレ抑制を重視し、金利を高めに維持しようとする金融政策の姿勢のこと。


まとめ

  • 米国債利回りは全年限で上昇。10年債は4.10%台へ

  • メタの300億ドル起債が市場の注目を集め、国債売りを誘発

  • FRBのタカ派発言により12月利下げ観測が後退

  • 投資家の資金が国債から社債へとシフト

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドルが3カ月ぶり高値 ドル円は154円台へ上昇―FRB・日銀の温度差が鮮明に

  • 米ドルが3カ月ぶりの高値に上昇、円は一時154円45銭まで下落
  • FRB(米連邦準備制度理事会)は「12月利下げは既定路線ではない」と発言
  • 日銀は金利を据え置き、タカ派姿勢に乏しい内容
  • 米強気・日弱気の構図でドル高・円安が加速

ドル高・円安が進行、ドル指数は8月以来の高値

外国為替市場では、ドル指数(ドルの強さを示す指標)が続伸し、一時約3カ月ぶりの高値をつけました。
背景には、米国の追加利下げ観測の後退円安の進行があります。

  • ブルームバーグ・ドル指数:1,218.60(+0.38%)

  • ドル/円:¥154.11(+0.90%)

  • ユーロ/ドル:$1.1572(-0.25%)

ドル/円は一時1ドル=154円45銭と、**2月以来の安値(円ベース)**を更新しました。


FRB:利下げは「既定路線ではない」―タカ派姿勢を維持

パウエルFRB議長は会見で、

「12月の利下げは既定路線ではない」
と述べ、市場が期待していた緩和姿勢をけん制しました。

この発言により、「FRBはインフレと雇用の両立に慎重姿勢」との見方が広がり、
ドル買いが強まりました。


日銀:政策金利を据え置き、円安を後押し

一方で日本銀行は、政策金利(無担保コール翌日物)を0.5%程度に据え置き
今回も7対2の賛成多数で現状維持を決定しました。

マーケットでは「12月利上げの可能性が後退した」と受け止められ、
円売りが加速しました。

マニュライフのスフト氏は、

「日本の新政権は経済成長を重視し、円安を容認する姿勢を示している」
と指摘しています。


政府・市場の反応:円安を「実需と関係ない動き」と指摘

片山さつき財務相は、

「今回の日銀の判断は景気情勢を勘案した合理的な判断」
と評価。

また円安については、

「実需(輸出入などの実際の取引)とは関係ない部分が大きい」
としつつ、国家の信用を保つことが重要だと述べました。


欧州勢は様子見、ユーロもやや軟調

欧州中央銀行(ECB)は中銀預金金利を2%に据え置き
これで3会合連続の現状維持となりました。

  • ユーロ/ドル:1.1572ドル(-0.25%)

ECBも追加緩和には慎重姿勢を見せており、
ドルの独歩高をやや抑える材料となっています。


まとめ

  • FRBはタカ派姿勢を維持、「12月利下げなし」の可能性

  • 日銀は据え置き決定で円安を容認する姿勢

  • ドル指数は3カ月ぶり高値、円は154円台後半まで下落

  • 政府は「円安は実需と無関係な動き」と冷静に評価

  • ユーロも弱含み、世界的にドル独歩高の展開

原油・金市場の動向:ロシア制裁と米中協議が焦点に

  • 米国によるロシア制裁が原油市場に影響、インド・中国の動向が焦点
  • パウエルFRB議長の発言で原油価格は上値が重い展開
  • 金価格は5営業日ぶりに上昇、米中協議の進展が支えに

原油:ロシア制裁の影響を見極める動き

ニューヨーク原油先物相場(WTI)は前日比0.15%高の1バレル=60.57ドルでほぼ横ばいでした。
市場では、米国によるロシア石油大手2社への制裁が供給に与える影響を慎重に見極める姿勢が強まりました。

インドの一部製油会社はロシア産燃料の購入を一時停止していますが、国営インド石油会社は購入継続の方針を示しています。
一方、仏トタルエナジーズのCEOは「市場は制裁の影響を過小評価している」と警告しました。

投資家は、ロシア産原油の主要購入国であるインドと中国の対応を注視しています。これらの国の動きが、世界の供給バランスを左右する可能性があります。

また、パウエルFRB議長が「12月の利下げは既定路線ではない」と発言したことも、原油の上値を抑える要因となりました。
米国の景気刺激効果が限定的になるとの懸念が広がったためです。

BOKファイナンシャルのキスラー氏は「FRB議長の発言が短期的な原油の下押し要因」と述べつつ、WTIが58.18ドル付近でテクニカルな下値支持を得ると指摘しました。


金:米中協議進展で買い優勢に

金スポット相場は5営業日ぶりに上昇し、1オンス=4005.51ドル(+1.9%)となりました。
米中首脳会談後、投資家心理がやや改善し、安全資産の金に買いが戻りました。

トランプ大統領は会談を「素晴らしい」と評価し、中国がレアアース輸出規制を停止、さらに米国産大豆の購入再開を表明したと述べました。
一方、習近平国家主席も「AIやエネルギー分野での協力に前向き」と発言しています。

サクソ・マーケッツのチャナナ氏は、「米中関係の信頼回復を目指す試み」としたうえで、
金市場は依然として地政学リスクを警戒している」と指摘しました。

なお、前日にはパウエル議長の発言を受けて金利上昇懸念が出ていましたが、今回は調整局面からの反発となりました。
金利が上昇すると金の魅力は薄れますが、今は緩やかな金融緩和期待が支えとなっています。

シュローダーのマリンズ氏は「今回の金の強気相場は、マネー需要の広がりが過去と比べ物にならない」と強気の見方を示しました。


まとめ

  • 原油はロシア制裁の影響を見極める展開、WTIは60ドル台で小動き

  • FRB議長の発言で短期的には上値が重い

  • 金は米中協議進展で反発、依然として地政学リスクが支え

  • 市場はインド・中国の動向、そして米金融政策の行方を注視