2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/1

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場は反発、アマゾン決算が強気相場を後押し

  • 米主要3指数はそろって上昇。S&P500は6カ月連続高を記録
  • アマゾンの好決算が市場を押し上げ、アップルは中国減速で軟調
  • FRBの慎重姿勢で「利下げ期待」はやや後退
  • 「強気相場は続く」との見方が多数派だが、上昇の裾野の狭さに懸念も

米株は再び上昇、強気ムード継続

10月31日の米株式市場は反発

S&P500種株価指数は 0.26%高の6840.20、ナスダック総合指数は 0.61%高の23724.96、ダウ平均は 0.09%高の47562.87 で取引を終えました

上昇の主因はアマゾンの好決算による投資家心理の改善です。


アマゾン決算が市場を牽引、アップルは一時下落

アマゾン・ドット・コムの株価は 9.6%高
第4四半期の売上高見通しが市場予想(2081億ドル)を上回ったことで、AI関連のバブル懸念を和らげました。

一方、アップルは 0.4%安。売上高と利益は予想を上回ったものの、中国での販売減やiPhone供給制約が懸念材料となりました。


投資家心理:利下げ期待と慎重なFRB発言

この日はFRB(米連邦準備制度理事会)当局者の発言が相次ぎました。
アトランタ連銀のボスティック総裁は「12月の利下げは確定ではない」と発言。
クリーブランド連銀のハマック総裁も「インフレは依然高い」として、直近の利下げに反対していたことを明かしました。

これを受け、市場が織り込む12月利下げ確率は65%(前日72.8%)に低下
追加利下げへの過度な期待がやや修正されました。


強気相場の持続を裏付ける動き

S&P500は4月の急落以降、約40%上昇
月間では6カ月連続の上昇となり、2021年以来の長期上昇です。
ナスダック100は7カ月連続高で、8年ぶりの記録となりました。

「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型ハイテク7銘柄は 1.2%上昇
AI関連銘柄やクラウド企業が引き続き市場をけん引しています。


市場の課題:「裾野の狭さ」と押し目買い戦略

上昇を主導する銘柄が限られていることから、専門家の間では「裾野の狭さ」への懸念も。
パイパー・サンドラーのジョンソン氏は「多くの銘柄は下げているが、押し目買いの好機」と指摘。
ファンドストラットのリー氏も「第4四半期は季節的に強く、AI以外でも利益成長が続いている」と述べました。


用語補足

・利下げとは?
中央銀行(FRB)が政策金利を引き下げること。企業の借入コストが下がり、景気や株価の押し上げ要因になります。

・マグニフィセント・セブンとは?
米国の大型ハイテク7社(アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタ、エヌビディア、テスラ)を指す言葉です。


まとめ

  • 米株はアマゾン決算を好感して反発

  • FRBの慎重発言で利下げ期待はやや後退

  • ハイテク中心の上昇が続くも、銘柄の偏りに注意

  • 年末にかけて押し目買いの好機との見方も

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

【米国債市場】利下げ観測が後退、金利は小幅低下も週単位では上昇

  • FRBパウエル議長のタカ派発言(利下げに慎重な姿勢)で、市場の利下げ期待が後退
  • 米国債利回りは日次で小幅低下したが、週単位では上昇
  • 12月利下げ確率は90% → 65%に低下
  • 政府機関の一部閉鎖で経済データの発表が遅れ、政策判断が難しくなっている

米国債利回りの動き

31日の米国債市場では、20年以下の国債利回りが小幅に低下しました。
主な指標の終値は以下の通りです。

期間 利回り 前日比 変化率
米30年債 4.65% ±0.0bp 0.00%
米10年債 4.08% -2.0bp -0.48%
米2年債 3.58% -3.3bp -0.90%

ただし週ベースでは利回りが上昇しており、これはFRBによる12月の追加利下げ観測が後退したことが背景です。


背景:パウエル議長の発言と市場の反応

FRBは10月末のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを決定しました。
これは9月に続き2会合連続の利下げとなりましたが、パウエル議長は会見で

「今回が今年最後の利下げとなる可能性がある」
と発言。

このコメントが市場では「タカ派的(利下げに慎重)」と受け止められ、
12月の追加利下げ観測が大きく後退しました。


利下げ観測の後退

市場で取引される金利スワップや、CMEフェドウォッチによる確率は以下のように変化しました。

  • FOMC前:12月利下げ確率 約90%

  • 現在: 12月利下げ確率 約65%

また、アメリベット・セキュリティーズのグレゴリー・ファラネロ氏は
「利下げ期待の“フロス(泡)”が取り除かれた」と述べ、
「今後さらに金利を下げるには景気減速が必要」と分析しています。


経済指標の遅れとFRBの難しい判断

一方、米連邦政府の一部閉鎖が続いており、
一部の経済指標の発表が滞っています。
FRBは「景気の現状を正確につかめない中での政策運営」を強いられており、
次回12月の判断も不透明感が増しています。


現在の利回り差(イールドカーブ)

  • 2年債と10年債の利回り差:+48.7bp(=0.487%)

この差がプラスになっているのは、長期金利が短期金利を上回る正常な状態を示します。
(以前は逆転しており「逆イールド」と呼ばれる不況シグナルが続いていました)


まとめ

  • FRBのタカ派姿勢で、12月の利下げ観測が65%に低下

  • 米国債利回りは日次で下落、週次で上昇

  • 政府機関の閉鎖で経済指標の発表遅れ → FRBの判断が難航

  • 長短金利差がプラス転換し、景気見通しにも変化の兆し

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市況】ドル指数が3日続伸、月間で今年2番目の上昇幅-円は154円前半で横ばい

  • ドル指数が3日続伸、月間でも大幅高(7月以来の上昇率)
  • 円は1ドル=154円台前半で推移、月間で4.2%下落
  • FRB内では「利下げ見送り」支持の声が拡大
  • ECB・英中銀はともに金利据え置き
  • 円の先行きについては「いずれ正常化で上昇」との見方も

ドル指数が堅調、世界的な不透明感でドル買い優勢

外国為替市場では、ドル指数(主要6通貨に対するドルの総合指標)が3日続伸し、月間では今年2番目に大きな上昇幅となりました。
米経済に関する主要統計の発表が少なく、市場の関心が海外情勢に向かった結果、リスク回避的なドル買いが優勢となりました。

TDセキュリティーズのバラドワジ氏は「ドルの上昇はまだ続く可能性がある」と述べ、フランス・日本・英国の政治・財政不安がドルを支えていると指摘しました。


FRBの利下げ観測が後退、ドルを下支え

FRB(米連邦準備制度理事会)は10月のFOMCで0.25%の利下げを決定しましたが、パウエル議長は「今年の追加利下げはない可能性」を示唆。

その後、複数の連銀総裁が「今は利下げに慎重であるべき」と発言し、12月の利下げ確率は63%に低下(前週は93%)しました。

これにより、ドルの金利優位が意識され、ドル買いが継続しています。


円は横ばい、しかし月間では大幅安に

円は1ドル=154円前半でほぼ横ばいでしたが、月間では4.2%下落と7月以来の大幅安となりました。

背景には

  • 日銀による追加利上げ観測の後退

  • FRBの利下げペース鈍化
    が重なったことがあります。

日銀の植田総裁は、次の政策判断の鍵として「来年春闘(労使交渉)での賃上げ動向」を挙げ、当面は様子見姿勢を示しました。

一方、ステート・ストリートのディクソン氏は「日銀は最終的に1%程度まで政策金利を正常化せざるを得ない」として、中長期的には円高方向を予想しています。


欧州通貨は軟調、ECBと英中銀は据え置き

  • ユーロ/ドルは1.15ドル台前半と、8月以来の安値。
    ECB(欧州中央銀行)は3会合連続で金利据え置きとし、「現行政策は適切」との姿勢を維持しました。

  • 英ポンド/ドルも下落し、4月以来の安値。
    英政権の財政運営に対する不安や、来週のイングランド銀行会合でも据え置き見通しが重しとなりました。


ビットコインは反発、10万ドル台を維持

暗号資産のビットコインは1.3%高の10万8972ドル
為替市場のリスク回避ムードの中でも、代替資産としての需要が下支えとなっています。


まとめ

  • ドル指数は3日続伸し、月間で7月以来の大幅上昇

  • 円は154円前半で横ばいも、月間で4.2%下落

  • FRBの利下げ見送り姿勢がドルを支える

  • 日銀は春闘の賃上げ動向を注視し、円は様子見ムード

  • ユーロ・ポンドともに金利据え置きで軟調推移

原油と金の動向:地政学リスクと米金融政策の影響

  • 原油は3日続伸、OPECプラス会合と米・ベネズエラ情勢が焦点
  • 金は2週連続下落、米中休戦と利下げ後退が重し
  • 投資家心理は「地政学リスク」と「金融政策見通し」のはざまで揺れる

原油:米国とベネズエラの緊張、OPECプラス会合に注目

ニューヨーク原油先物(WTI)は1バレル=60.98ドルと前日比0.7%上昇し、3営業日続伸しました。
背景には以下の2つの要因があります。

  1. 米国によるベネズエラ攻撃の可能性報道
    米国がベネズエラの軍事施設を標的とする可能性が伝えられ、一時的に原油価格が急騰しました。
    しかし、トランプ大統領が「攻撃は検討していない」と否定し、上昇は限定的

  2. OPECプラス会合への期待
    今週末に開かれるOPECプラス会合では、3カ月連続で日量13万7000バレルの増産が基本シナリオと見られています。
    これは市場予想と一致しており、原油需給のバランスに対する安心感が広がりました。

※OPECプラスとは?
「石油輸出国機構(OPEC)」に非加盟の産油国(ロシアなど)を加えた枠組み。世界の原油供給量を調整する役割を持ちます。

ロンドン市場の北海ブレント先物も1バレル=64.77ドルと0.6%上昇しました。


金:米中休戦と利下げ後退で2週連続の下落

金スポット相場は1オンス=4003.36ドルと前日比0.5%安。2週連続で下落しました。

要因は次の通りです。

  • 米中貿易休戦への安心感:安全資産としての金需要がやや後退。

  • 米追加利下げ観測の後退:パウエルFRB議長が「12月の追加利下げは既定路線ではない」と発言。金利が下がりにくい環境では金の魅力が低下します。

  • 金ETFからの資金流出:6日連続で保有残高が減少し、需給面での重しに。

一方で、中国・習近平主席が「サプライチェーン分断に警告」を発したことで、長期的な米中対立懸念が残り、下値は限定的でした。

ウェストパック銀行のレニー氏は、「タカ派的利下げ(※)や金ETFの売却により、金価格は3750ドル近辺まで下落する可能性がある」と予想しています。

※タカ派的利下げとは?
一時的な経済支援目的での利下げであり、継続的な金融緩和の意志を示さない姿勢。結果として、市場にとっては引き締め寄りに感じられることがあります。


まとめ

  • 原油:米・ベネズエラ情勢とOPECプラス会合を背景に3日続伸

  • OPECプラスは3カ月連続の小幅増産が見込まれる

  • 金:米中休戦と利下げ後退で下落、2週連続安

  • ETFからの資金流出が続く一方、地政学リスクで下値は限定的