2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/11

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米政府閉鎖の終結期待で株高 AI関連株が上昇を主導

  • 史上最長となった米政府閉鎖が終結に近づくとの見方で、リスク資産が買われた
  • S&P500は1.54%上昇、ナスダックは2.27%高と大幅反発
  • AI関連株(エヌビディア、パランティア、テスラ)が上昇を主導
  • 医療保険関連株はオバマケア補助金延長を巡る不透明感で下落
  • 政府再開後も「経済データの遅れ」が続く見通し

政府閉鎖終結への期待がリスク資産を押し上げ

10日の米金融市場では、史上最長となった連邦政府機関の閉鎖が近く解除されるとの期待から、株式やビットコインなどのリスク資産が上昇しました。
政府資金を回復させるための与野党の妥協案が上院で前進し、市場は「膠着打破」と受け止めました。

指数 終値 前日比
S&P500 6832.43 +1.54%
ダウ平均 47368.63 +0.81%
ナスダック 23527.17 +2.27%

S&P500は6800を上回って引け、特にハイテク株の上昇が市場全体をけん引しました。


AI関連株が相場をけん引

前週に売られていた大型ハイテク株が買い戻され、AI関連銘柄の上昇が際立ちました。

  • エヌビディア(+5.8%)

  • パランティア(+8.8%)

  • テスラ(+3.7%)

ベアード社のアナリスト、ロス・メイフィールド氏は「先週の下落後の押し目買いが入り、AIテーマの強さが改めて確認された」とコメントしています。

また、UBSのマーク・ヘーフェル氏は「金融緩和と企業利益の堅調さが株価の追い風となっており、AIのような構造的成長分野への投資を拡大すべき」と述べました。


医療保険株は下落 オバマケア補助金問題が影響

一方で、政府予算案において医療保険制度改革法(オバマケア)補助金の延長採決が12月に先送りされたことを受け、医療保険株は下落しました。

  • センティーン:-8.8%

  • ヒューマナ:-5.4%

  • エレバンス・ヘルス:-4.4%


FRB関係者は慎重姿勢を維持

連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言では、

  • ムサレム総裁(セントルイス連銀):来年の早期回復に期待しつつ、追加利下げに慎重

  • デーリー総裁(サンフランシスコ連銀)金利の高止まりリスクに警戒

  • マイラン理事:12月に3会合連続の利下げが必要との見解

FRB(連邦準備制度理事会)とは?
→ 米国の中央銀行制度を構成する組織で、日本の日本銀行に相当します。金利政策を通じて物価と雇用を安定させる役割を担っています。


今後の焦点:経済データの再開とAI銘柄の動き

政府が再開しても、これまで延期されていた経済統計の発表には数週間かかる見通しです。
その間、市場は「民間データの重要性が高まる」との見方が広がっています。
AI関連株の反発が一服するか、それとも再び上昇トレンドに戻るかが今週の焦点となりそうです。


まとめ

  • 政府閉鎖終結の期待でリスクオン(※投資家がリスク資産を積極的に買う姿勢)が広がる

  • AI関連株が反発し、ナスダック主導で株価上昇

  • 医療保険株は下落、オバマケア補助金延長問題が影響

  • FRBは慎重姿勢、12月利下げ観測も一部に

  • 政府再開後の経済統計再開とAI市場の動向に注目

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り、小幅上昇 政府閉鎖の終結期待と利下げ見通しの綱引き

  • 米政府閉鎖が終結に向かうとの期待でリスク選好が回復
  • 利回りは一時上昇も、利下げ見通しが支えとなり下げ渋る展開
  • 長期債5%近辺は機関投資家にとって魅力的な水準に
  • 「関税配当」構想など財政リスクが今後の懸念材料

米国債、売り一服で下げ渋る展開

米国債市場では、利回りが小幅に上昇しました。史上最長となった米政府機関の閉鎖が近く終結するとの見方が強まり、投資家心理が改善したためです。

  • 10年債利回り:4.12%(+0.52bp)

  • 30年債利回り:4.71%(+0.21bp)

  • 2年債利回り:3.59%(+0.88bp)

取引序盤は売りが先行しましたが、利下げ見通しが引き続き根強く、利回りの上昇は限定的となりました。


利下げ見通しは維持、債券市場を下支え

市場では、12月に3会合連続の利下げが行われる可能性は低下しましたが、今後1年間で複数回の利下げが行われるとの見方は依然として強いままです。これが債券市場の支えとなり、利回り全般の上昇を抑えました。

CIBCキャピタル・マーケッツのマイケル・クロハティー氏は、

「保険会社などの機関投資家にとって、5%近辺の長期ゼロクーポン債は魅力的なエントリーポイントになりつつある」
と述べ、今後の押し目買いの可能性を指摘しました。


財政懸念も浮上 「関税配当」構想で波乱要因に

一方、米政府の財政面では不透明感もあります。関税収入増で財政収支は改善傾向にありますが、トランプ氏が打ち出した「関税の配当」構想(国民1人あたり2000ドル支給)は、実現すれば財政赤字拡大のリスクを伴います。

MUFGのデレク・ハルペニー氏は、

「この構想が現実味を帯びれば、長期債が再び売られ、利回り曲線がスティープ化(長短金利差が拡大)する可能性がある」
と警鐘を鳴らしています。


今後の注目点

  • 米政府閉鎖の正式解除と、それに伴う経済活動の再開ペース

  • 12月FOMCでの政策金利判断(利下げペースの見直し)

  • トランプ関税や財政政策の行方

11日はベテランズデー(退役軍人の日)で債券市場は休場となりますが、先物と株式市場は取引が継続され、利回り動向が引き続き注目されます。


まとめ

  • 米国債利回りは小幅上昇、政府閉鎖終結期待でリスク回復

  • 利下げ見通しが下支えし、利回りの上昇は限定的

  • 長期債は5%近辺で機関投資家の買い意欲強まる

  • 財政面では「関税配当」構想が新たなリスク要因

  • 今後はFOMC動向と米財政政策が焦点に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【ドル円154円台に上昇】米政府閉鎖の解除期待で円が下落、日銀利上げ観測は後退

  • 米政府閉鎖が解除に向かうとの見方で「リスク選好」が回復
  • 安全資産とされる円が売られ、ドル円は154円台へ上昇
  • 日銀の年内利上げ観測が後退し、円の下落圧力に
  • 高市首相は「財政運営の新方針を来年6月に明確化」と発言

外為市場:リスク回復で円が売られる

外国為替市場では、米連邦政府の一部閉鎖が解除に向かうとの報道を受け、投資家のリスク志向が改善しました。これにより、安全資産とされる円が売られ、ドル/円は一時154円25銭まで上昇しました。

  • ドル/円:154.10円(前日比+0.44%)

  • ユーロ/ドル:1.1560ドル(同−0.05%)

  • ブルームバーグ・ドル指数:1218.69(−0.06%)

豪ドルなどの「リスク通貨」が買われる一方で、円は主要10通貨の中で最も下落が目立ちました。

💡リスクリバーサルとは?

オプション市場で「将来の為替方向」を測る指標。
ドル・円のリスクリバーサルが「ドル弱気・円強気」から離れていることは、市場が円高をあまり期待していないことを意味します。


日銀の利上げ観測が後退

複数の日銀関係者が「緩やかな金融正常化」を示唆しているにもかかわらず、市場では年内利上げへの信頼度が低下しています。
その結果、円のボラティリティ(価格変動の大きさ)は抑えられ、投機的な円買いも限定的です。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)の12月利下げ確率が約61%とされており、米金利動向が今後のドル円相場を左右する見通しです。


政府動向:高市首相、財政運営の「新目標」を6月に明確化へ

高市早苗首相は衆院予算委員会で、財政運営の新たな目標を「2026年の骨太方針に向けて来年6月ごろ明確化する」と発言しました。

主な発言内容

  • 「単年度でのプライマリーバランス黒字化ではなく、数年単位でのバランス確認を重視する」

  • 「純債務残高(=政府資産を差し引いた債務)がGDP比で緩やかに低下する財政運営を目指す」

  • 「日銀の金融政策は独立性を尊重しつつ、賃金上昇を伴う2%物価安定を期待する」


市場の見方

専門家の間では、

  • 米政府閉鎖が解除されれば市場の焦点は再び米経済指標(特に雇用統計)に戻る

  • 政府閉鎖による政治リスクが後退したことで、短期的にはドル高・円安トレンドが続く
    とする見方が優勢です。

また、11日は「退役軍人の日(Veterans Day)」で米債券市場が休場となるため、為替取引量は減少すると予想されています。


まとめ

  • 米政府閉鎖の解除期待でリスク志向が改善

  • 円は主要通貨で最も下落し、ドル円は154円台

  • 日銀の利上げ観測後退で円売りが進行

  • 高市首相は財政運営の新方針を来年6月に明確化予定

  • 市場は今後、米経済指標とFRBの利下げ観測に注目

米政府閉鎖の終結期待で、原油は反発・金は大幅上昇

  • 米政府閉鎖の終結期待が市場を支え、原油は反発。
  • 一方で、供給過剰懸念が根強く、全体では弱気ムード。
  • 金相場は2.7%上昇し、財政不安による利下げ観測が追い風に。

原油:OPEC・IEAの発表控え、反発も上値重い展開

米政府閉鎖が終結に向かうとの見方が広がり、原油先物相場は小幅に上昇しました。
ただし、供給過剰懸念(世界的に原油が余る可能性)から、全体としては依然として慎重な雰囲気です。

今週は、

  • OPEC(石油輸出国機構)の月報(11月12日発表予定)

  • IEA(国際エネルギー機関)の年次エネルギー見通し(同日発表予定)

が注目されています。両機関の報告内容次第で、原油需給の見通しが大きく変わる可能性があります。

また、CTA(商品投資顧問業者)は弱気姿勢を強めており、
ブレント・WTI両方で
ポジションの約63%を売り持ち(ショート)にしています。
さらに1%下落すれば売りを拡大する見込みです。

  • WTI原油(12月限):1バレル=60.13ドル(+0.6%)

  • ブレント原油(1月限):1バレル=64.06ドル(+0.7%)

📘 用語解説
CTA(Commodity Trading Advisor)とは、先物市場での売買を自動的に行う投資顧問業者のことです。短期的な値動きに反応しやすい特徴があります。


金:財政不安を背景に2.7%上昇、利下げ観測が追い風に

金相場は大幅に上昇しました。米議会で政府機関閉鎖の終結に向けた動きが進み、
米経済データ(雇用・インフレ)発表の再開が見込まれることで、市場では12月利下げ観測が再び強まっています。

サクソバンクのオレ・ハンセン氏は、

「政府再開によって市場の焦点は“財政赤字”などの米財政不安に戻るだろう」
「景気の強さでなく財政不安による金利上昇は、金にとってプラス材料だ」

とコメントしています。

  • スポット金価格:1オンス=4,110ドル(+2.7%)

  • 金先物(12月限):1オンス=4,122ドル(+2.8%)

📘 補足
金利と金の関係:金は利息を生まないため、金利が高いと投資妙味が下がります。
逆に、利下げが見込まれると金の魅力が高まりやすくなります。


まとめ

  • 米政府閉鎖の終結期待で、原油・金ともに上昇。

  • 原油はOPEC・IEAの発表を控え、供給過剰懸念が上値を抑制。

  • 金は財政不安と利下げ観測の高まりを背景に上昇。

  • 短期的には「金買い・原油慎重」な地合いが続く可能性。