2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/12

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米政府閉鎖の終結期待で米株上昇 ダウは最高値を更新

  • 米政府閉鎖の早期終結への期待が広がり、S&P500は3日続伸
  • ダウ平均は過去最高値を更新、フェデックスなど景気敏感株が上昇
  • 一方で、ソフトバンクがエヌビディア株を全売却し、AI関連株は下落
  • 政府再開が経済指標発表の再開やGDPの下支えにつながるとの見方

S&P500は3日続伸、政府閉鎖終結への期待

11日の米株式市場では、S&P500種株価指数が0.21%上昇し3日続伸しました。
朝方は軟調だったものの、米史上最長となった政府閉鎖がまもなく終結するとの見方が広がり、買いが優勢となりました。

政府統計の発表が再開されれば、FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策を見極める上での重要な材料が得られるとの期待も高まりました。

  • S&P500:6,846.61(+0.21%)

  • ダウ平均:47,927.96(+1.18%)

  • ナスダック:23,468.30(-0.25%)


景気敏感株が上昇、AI株は下落

構成銘柄のうち345銘柄前後が上昇しました。
特に景気の影響を受けやすいフェデックス株は、利益改善見通しを示したことで5%超上昇

一方、ソフトバンクグループが保有していたエヌビディア株を58億ドル(約8,600億円)で全売却したとの報道を受け、
エヌビディアは3%下落しました。これによりAI関連株全体に売りが広がりました。


政府閉鎖解除が目前に

上院はつなぎ予算案を可決し、12日にも政府が再開される見通しとなりました。
法案には、農務省・退役軍人省・FDAなどへの予算が含まれており、下院可決後に大統領署名を経て発効します。

トランプ大統領は法案への支持を表明しており、閉鎖の早期解消がほぼ確実視されています。


株式市場への影響と今後の見通し

過去の政府閉鎖後の傾向

CFRAによると、過去15回の政府閉鎖後、S&P500は1カ月で平均2.3%上昇しています。
このペースでいけば、12月中旬までにS&P500は7,000ポイントに接近する可能性があります。

JPモルガンの見方

JPモルガンは「政府再開が実現すればGDP見通しが上向き、株式市場にはプラスに働く」と分析。
戦術的な強気スタンスを維持しているとしています。


市場心理は依然強気、年末に最高値更新も

ブルームバーグの分析では、企業経営者の景気懸念発言は2007年以来の低水準
景気の不透明感が残る中でも、企業は想定以上に楽観的です。

ナベリアー&アソシエーツのナベリアー氏は、
「FRBが12月に利下げを行えば、年末に株価が再び最高値を更新する可能性もある」とコメントしました。


まとめ

  • 政府閉鎖の早期終結が株式市場の安心感につながった

  • ダウは最高値更新、S&P500も上昇基調を維持

  • ソフトバンクによるエヌビディア株全売却でAI関連株に売り

  • 政府再開で統計発表が復活し、FRBの政策判断に注目が集まる

  • FRBが12月に利下げすれば、年末に株価最高値更新の可能性も

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債市場、休場中も先物上昇 ADP統計で利下げ観測が強まる

  • ベテランズデーで米国債の現物市場は休場
  • 10年国債先物は上昇、ADP統計の弱さを受けて買いが入る
  • 来月の利下げ確率は60%超に上昇
  • 専門家は「労働市場安定の見方に反する」と指摘

米国債市場は祝日で休場、先物のみが反応

11日の米国債市場はベテランズデー(退役軍人の日)の祝日により現物取引が休場でしたが、10年国債先物は上昇しました。
これは、米ADPリサーチが発表した週次の民間雇用者数が減少を示し、労働市場の鈍化を示唆したためです。


利下げ観測が一段と強まる

短期金融市場では、来月(12月)の利下げ確率が60%を超えるとの見方が広がっています。
これは、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のために続けてきた高金利政策を早期に緩和へ転じる可能性を示しています。

💡利下げとは?
中央銀行が政策金利を引き下げること。景気を刺激するために行われ、株価上昇や通貨安につながりやすい傾向があります。


専門家の見方:「労働市場の安定と矛盾」

Tロウ・プライスの米国担当チーフエコノミスト、ブレリナ・ウルチ氏はブルームバーグテレビで次のように述べています。

「ADP週次統計は、労働市場が安定してきたという見方に反する内容だった」

同氏はさらに、

「10月のデータは非常にノイズ(ばらつき)が多く、政府閉鎖の影響も大きい」
と述べ、統計の信頼性には慎重な姿勢を示しました。


まとめ

  • 米国債現物市場は祝日で休場、10年国債先物は上昇

  • 弱いADP雇用統計を受けて、利下げ観測が一段と強まる

  • 来月の利下げ確率は60%超

  • 専門家は「データにノイズが多く慎重に見る必要」とコメント

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル下落、雇用指標の悪化で利下げ観測強まる

  • ADP民間雇用統計が人員削減を示し、ドル売りが進行
  • ドル指数は約2週間ぶりの安値
  • 円とユーロが上昇、FRBの利下げ観測が67%に上昇
  • 専門家は「ドル下落基調が続く」と予測

ドルが主要通貨に対して下落

11日の外国為替市場では、ドルが主要通貨のほぼ全てに対して下落しました。
民間雇用サービスのADPが発表した週次データで、10月25日までの4週間に週平均1万1,250人の雇用削減が示され、米労働市場の弱さが意識されました。これにより「FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に利下げを行う」との観測が広がり、ドル売りが優勢となりました。


ドル指数と主要通貨の動き

通貨ペア 直近値 前日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1217.78 -0.93 -0.08%
ドル/円 ¥154.13 -¥0.02 -0.01%
ユーロ/ドル $1.1584 +$0.0027 +0.23%

ドル指数は約2週間ぶりの安値を付け、ユーロは上昇。円も一時1ドル=153円67銭まで上昇しましたが、その後は伸び悩みました。


市場関係者の見方

ソシエテ・ジェネラルのキット・ジャックス氏は、

「政府閉鎖が終われば、市場のボラティリティ(価格変動)が一段と高まる。経済指標が弱ければ、最近のドル強気ムードは反転する可能性がある」
と指摘しています。

また、「ドル・スマイル理論」で知られるユリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェンCEOは、

「ドルは反発局面にあるが、依然として下落トレンドにある」
と述べ、トランプ政権下でドル指数がさらに13.5%下落する可能性を示しました。ジェン氏は、海外経済の成長加速がドルの魅力を低下させると予測しています。


その他の市場動向

  • 英ポンド:英国の雇用データが冷え込みを示したが、その後は小幅に回復。

  • ビットコイン:2.28%下落し、10万0319ドルに。

  • FRBの利下げ観測:12月利下げの確率は67%

  • 取引量:米国の祝日(ベテランズデー)により、取引は低調でした。


まとめ

  • ADP雇用統計の悪化でドル売りが拡大

  • FRBの12月利下げ観測が高まる

  • 専門家は「ドルの下落基調が続く」と指摘

  • 円とユーロは相対的に堅調な動き

  • 市場は今後の経済指標再開と政府閉鎖解除後の動向に注目

原油と金がともに上昇】燃料価格のプレミアムと金融緩和見通しが支え

  • 原油は3日続伸し、WTIは61ドル台に回復
  • 燃料価格の上昇が相場を下支え
  • 金相場はわずかに上昇、FRBの緩和継続見通しが支援
  • OPEC・IEAの見通し発表が今後の焦点

原油:燃料価格の上昇とCTA買い観測でWTIが61ドル台へ

原油先物相場は上昇し、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)先物が1バレル=61ドルを上回りました。
背景には、ガソリンやディーゼルといった精製品の価格プレミアム(追加価値)が上昇し、相場を支えたことがあります。

CTAによる買いが相場を押し上げる可能性

コンサルティング会社エナジー・アスペクツは、CTA(商品投資顧問業者)による買いが今後の上昇要因になると指摘しています。
同社のジェームズ・テイラー氏は、「WTIが64.5ドルを超えると、CTAの大口買いが発動する水準に達する」と述べ、上昇余地があるとの見方を示しました。

供給過剰懸念とOPEC・IEAの見通し

WTIのプロンプトスプレッド(期近と期先の価格差)は縮小し、強気な構造はやや弱まりましたが、燃料価格の上昇が下支えしています。
なお、12日にはOPEC月報、13日にはIEA(国際エネルギー機関)月報の発表が予定されており、
IEAはすでに2026年に過去最大の供給過剰が発生すると予測しています。

  • WTI12月限:61.04ドル(+1.5%)

  • ブレント1月限:65.16ドル(+1.7%)


金:小幅高、金融緩和継続の見通しが支え

金スポット価格は小幅に上昇し、1オンス=4126ドル台となりました。
米政府機関の再開見通しと、弱い雇用指標が同時に意識される中で、安全資産としての需要がやや回復しています。

利益確定売りで下落も、年間では大幅高へ

金は10月に過去最高値(4380ドル超)を付けた後、投資家の利益確定で一時下落しました。
ETF(上場投資信託)では8週連続の資金流入後、3週連続の資金流出が続いています。

それでも、年間ベースでは1979年以来の上昇幅が見込まれています。
背景には、各国中央銀行による積極的な金購入などがあり、需給面では依然として支援材料が多いです。

FRBの緩和姿勢が追い風

オーバーシー・チャイニーズ銀行のウォン氏は、
「FRBが2026年にかけて金融緩和を継続し、金利低下が続く見通し」と述べ、
中期的には金価格の上昇余地があると分析しました。

  • スポット金:4126.63ドル(+0.3%)

  • 金先物12月限:4116.30ドル(-0.1%)


まとめ

  • 原油は3日続伸、WTI61ドル台を回復

  • CTA買い観測と燃料価格の上昇が支え

  • OPEC・IEAの報告が次の注目イベント

  • 金は小幅上昇も利益確定売りで上値重い

  • FRBの緩和継続見通しが金を支援