2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/14

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株が急落:政府再開後の売り再開とFRBタカ派発言でリスク資産が全面安に

  • 米政府再開の安心感が一巡し、株式市場は改めてバリュエーション懸念へ
  • FRB高官がタカ派姿勢を強め、12月利下げ観測が「五分五分」に後退
  • ハイテク株・仮想通貨が大幅安、資金はディフェンシブ株へローテーション
  • 最新データ不足で「センチメント(市場心理)」が相場を支配
  • 個別企業でもテスラ、ディズニーなど注目ニュースが相次ぐ

米国株式市場が大幅下落、リスク資産に売り

13日の米株式市場は 主要3指数が約1カ月ぶりの大幅安 となりました。

  • S&P500:-1.66%

  • ダウ:-1.65%

  • ナスダック:-2.29%
    → 特にハイテク株が大きく売られました。

ビットコインも 10万ドル割れ とリスク資産全体に売りが広がりました。

なぜ下落したのか?

  • 政府閉鎖が終わった安心感が一巡

  • ハイテク株の「割高感(バリュエーション懸念)」が再燃

  • FRB(米連邦準備制度)のタカ派発言が相次ぎ、利下げ期待が後退

  • 経済データの発表遅延により、市場心理が悪化


政府再開による楽観は短命に

トランプ大統領が政府再開に署名し、43日続いた閉鎖が終了しました。
しかし、政府機関の完全復旧には時間がかかる見通しです。

NEC(国家経済会議)のハセット委員長は、
「10月雇用統計は失業率なしで発表される」 とコメント。

→ データ不足が続き、市場の不透明感はむしろ高まっています。


FRB高官がタカ派姿勢を強め、利下げ観測が後退

12月の利下げ確率は「ほぼ五分五分」に低下

パウエル議長は以前から
「利下げは既定路線ではない」 と慎重姿勢を維持しており、
さらに今回の政府閉鎖で重要データが揃わないため、利下げの根拠は弱まっています。

FRB高官の主な発言

  • ハマック総裁(クリーブランド)
    「インフレ抑制のため金利据え置きが望ましい」

  • デーリー総裁(サンフランシスコ)
    「12月利下げ判断は時期尚早」

  • ムサレム総裁(セントルイス)
    「インフレ率が2%を上回る現状では追加利下げに慎重」

→タカ派(利下げに慎重)発言が相次ぎ、ハイテク株中心に売りへ。


ハイテク株からディフェンシブ株へ資金移動(ローテーション)

大型ハイテク株の下落が目立つ

  • エヌビディア:-3.6%

  • テスラ:-6.6%

  • ブロードコム:-4.3%

マグニフィセント・セブン指数:-2.7%
(ハイテク7銘柄の指数)

ナスダック100も -2.1% と大幅安。

ローテーションとは?

ローテーション=投資資金があるセクターから別のセクターへ移動すること

今回は
ハイテク(成長株) → バリュー(割安株)/ディフェンシブ(安定株)
への移動が発生。

資金が向かったセクター

  • 工業株

  • 金融

  • エネルギー

  • 医療ケア(ディフェンシブ)

  • 景気循環株(クオリティ銘柄)

専門家は、この動きを
「健全な調整」
「AIブームに隠れていたセクターの再発見」
と前向きに評価する声もあります。


市場心理が相場を動かす局面へ

データ発表が遅れる中、専門家は
「センチメントが価格を左右しやすい」
と指摘。

センチメントとは?

市場参加者の感情・心理のこと。
投資ではポジティブ/ネガティブの方向性に影響する。

主な理由:

  • データ不足 → 予測困難

  • ハイテク株の「割高感」

  • 内部者売り(インサイダー売り)増加
    → 投資家が警戒を強めるきっかけに


個別企業ニュース

ブラックストーン

シニア向け貸付戦略ファンドの第2シリーズ資金調達に向け、投資家へ働きかけ開始。

テスラ

アップルの「CarPlay」対応を進めているとの報道。

ベライゾン

全社的な人員削減を検討、来週にも発表の可能性。

スターバックス

組合バリスタが大規模ストライキ開始。過去最大規模になる可能性。

ウォルト・ディズニー

7–9月期決算が市場予想を下回る。
10–12月期は新作映画のコスト圧迫が懸念され、株価は**-7.8%**。

シスコシステムズ

通期見通しを上方修正し +4.6% と堅調。

メモリ関連銘柄

キオクシアの減収減益を受け、
シーゲート・サンディスクなどが 大幅安(最大-14%)

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り上昇:政府閉鎖の終了と利下げ期待後退で市場に再び不安感

  • 米国債利回りが軒並み上昇し、債券価格は下落しました。
  • 政府機関の閉鎖が終了したことで、12月利下げへの期待が後退しました。
  • FRB高官のタカ派発言やデータ再開でボラティリティ(価格変動)が上昇しています。
  • 30年債入札が弱く、長期債が特に売られました。

米国債利回りが上昇、利下げ期待が後退

米国債市場では、政府閉鎖が終了したことFRB高官のタカ派姿勢を受け、利下げ観測が弱まりました。それにより、国債利回りは全面的に上昇(=価格は下落)しました。

主な国債の動き

  • 30年債利回り:4.71%(+5bp)

  • 10年債利回り:4.12%(+5bp)

  • 2年債利回り:3.59%(+2.5bp)

利回り上昇=債券価格が下落
※債券は「利回り」と「価格」が逆に動きます。


FRB高官のタカ派発言で市場心理が変化

利下げ織り込みが50%割れ

短期金利デリバティブ市場では、
「12月に0.25%利下げがある」確率が50%以下に低下しました。

コリンズ総裁の発言(ボストン連銀)

  • 景気は依然として堅調

  • インフレ鈍化が遅れるリスクあり

  • 当面は金利据え置きが適切

→ 市場には「まだ利下げは早い」というメッセージが伝わりました。


30年債入札が低調、長期債が特に売られる

弱い需要が明らかに

  • 30年債の入札で 最高落札利回りが4.694%

  • 事前水準より高く、「需要が弱い」ことを示唆

これにより、長期債が大きく売られ、利回りの上昇をさらに押し上げました。


ボラティリティ(変動性)が急上昇

「MOVE指数」とは?

債券市場のボラティリティを示す指標。
株式市場でいう「VIX指数」の債券版です。

  • MOVE指数が1カ月ぶりの高水準に急上昇

  • 直前まで4年ぶり低水準に落ちていたため、変動が急反転

INGのストラテジストは、
政府閉鎖終了により経済指標が再開 → 債券市場は荒れやすい状況
と指摘しています。


FOMCまで利回りは限定的な動きか

BMOのリンジェン氏は、
「12月10日のFOMCの方向性が定まるまでは利回りは狭いレンジ」
との見方。

民間データが強弱まちまちで、
市場は“雇用の弱さ”を最も懸念している状況です。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

外為市場】政府閉鎖の終了でドル安へ:円・ユーロが上昇

  • 米政府機関の閉鎖が終わり、市場は再び経済指標と利下げ確率に注目
  • ドルは主要通貨に対して下落、円は一時154円13銭まで上昇
  • FRBの12月利下げ確率は50%を下回り、金融政策の先行きは不透明
  • 経済データの発表が再開されるが、信頼性やタイミングに不確実性
  • 市場全体でボラティリティ(価格変動)が高まる可能性

全体像

米政府機関の閉鎖が43日ぶりに終了したことを受け、ドルは株式市場・米国債と歩調を合わせて下落。市場は今後の米経済の強さや、12月に利下げがあるかどうかに視線を移しています。

ブルームバーグ・ドル指数は7営業日中6日で下落し、10月末以来の低水準となりました。


円とユーロが上昇した背景

円の動き

  • ドル/円は154.55円(前日比 -0.24円)

  • 一時154円13銭まで上昇

  • 前日には155円台をつけ、9か月ぶりの高値だったが反落

ポイント
円高になった背景には、ドル売り(ドルロングの手じまい)が進んだことが大きいとみられています。

※ロングポジションとは?
買いから入る取引で「値上がりを狙う」ポジションのことです。

日銀の利上げ観測

日銀は12月に利上げする可能性が一部で意識されているものの、利上げ確率は24%とまだ低い状況です。


ユーロも上昇:1999年導入以来の対円高値

ユーロ/ドルは1.1634ドル(+0.35%)と10月末以来の高値を更新。
対円でも1999年にユーロが導入されて以来の高値をつけています。


市場が注目する「米経済指標の再開」

政府閉鎖が終わったことで、今後は米経済指標の発表が再開されます。
しかしながら…

  • どのタイミングで発表されるか不透明

  • 閉鎖期間中のデータの信頼性が担保されるか不明

  • 9〜10月の重要データがどれだけ正確なのか読みづらい

このため、市場は「積極的な取引を控える」ムードが広がっています。

マネックスUSAのフアン・ペレス氏も、経済指標の正常化には時間がかかる可能性を指摘しました。


 FRB政策:12月利下げ確率は50%割れ

FRB当局者のタカ派寄りの発言が相次いだことで、
12月利下げの確率は50%未満に低下しました。

※タカ派とは?
利上げを重視し、インフレ抑制を優先する姿勢のことです。

市場では「FRBがどんな政策判断をするのかはまだ読みにくい」という雰囲気が強まっています。


ドル指数とビットコインの動き

  • 主要6通貨に対するドル指数:99.14(-0.35%)

  • ビットコイン:98,752ドル(-3.07%)

リスク資産であるビットコインも下落し、為替以外の市場でも投資家の慎重姿勢が見られています。

原油と金市場:供給過剰と利下げ観測がカギに

  • 原油は「供給過剰懸念」が続く中で小反発
  • IEAは来年の供給過剰を“過去最大”へと上方修正
  • ロシア制裁が供給リスクを高め、相場の不安材料に
  • 金は利下げ観測後退で下落に転じる

原油市場:供給過剰懸念が続く中で小幅反発

原油が反発した背景

原油価格は前日の大幅下落から反発しました。依然として「供給過剰」の懸念は強いものの、米トランプ政権によるロシア制裁強化が供給リスクを生み、相場を下支えしました。

IEAが見通しを6カ月連続で上方修正

国際エネルギー機関(IEA)は最新の月報で、
「来年の世界の石油供給過剰は1日400万バレル超」
と過去最大規模になるとの見方を示しました。

供給過剰とは?
需要より供給の方が多い状態。価格が下がりやすくなる。

OPECも“供給不足”の見方を転換

OPEC(石油輸出国機構)は、第3四半期の市場見通しを「供給不足 → 供給過剰」へ修正しました。
OPECプラスの増産に加え、非加盟国の生産拡大が影響しています。

シェブロンCEOの見解

シェブロンのワースCEOは
「OPECプラスの供給が大量に戻っている」
「需要が吸収できない局面が続く」
とコメント。

市場では「当面は原油安基調が続く」という見方が優勢です。

一方でロシア制裁が供給リスクに

トランプ政権はウクライナ戦争をめぐりロシアへの圧力を強化。
ロスネフチルクオイルという大手2社を制裁対象に追加しました。

制裁発効を控え、ルクオイル傘下の取引会社では人員整理が始まっています。

IEAボソニ氏は
「今回の制裁は影響が大きく、供給リスクが生じている」
と指摘。

供給過剰 vs 制裁による供給リスク
という異なる要因が相場を揺らしています。

原油価格(直近)

  • WTI(12月限):58.69ドル(+0.3%)

  • ブレント(1月限):63.01ドル(+0.5%)


金市場:利下げ期待後退で下落

金価格が反落した理由

金はアジア時間には上昇していましたが、
「12月利下げはないかもしれない」
という見方が強まり、反落しました。

利下げ観測が下がった理由

金利スワップ市場では、12月の利下げ確率が
60%超 → 約50% へ低下。

金利が上昇すると金価格が下がりやすい理由

  • 金は利息がつかない資産

  • 金利が上がる → 金を持つメリットが低下する

金価格(直近)

  • スポット金:4157.73ドル(−0.9%)

  • 金先物(12月限):4194.50ドル(−0.45%)