2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/18

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

目次

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、3日続落:エヌビディア決算と雇用統計を前にリスク回避が強まる

  • S&P500が50日移動平均線を割り込み、3指数が一斉に調整局面入り
  • エヌビディア決算と政府閉鎖の影響で延期されていた9月雇用統計に市場の注目集中
  • AI関連株の過熱感への警戒が強まり、投資家がリスク資産を回避
  • ストラテジストの間では「健全な調整」から「来年以降の強気」まで見方が分かれる

S&P500が続落、重要テクニカルラインを割り込む

米国株式市場は3営業日連続で下落しました。
とくにS&P500は1.23%安となり、相場の方向感を示す50日移動平均線を割り込んだことが注目されています。

主要指数の終値

指数 終値 前日比 変化率
S&P500 6,651.33 -82.78 -1.23%
ダウ平均 46,504.42 -643.06 -1.36%
ナスダック総合 22,614.81 -285.78 -1.25%

50日移動平均線とは?

一定期間の平均株価をつないだ線。投資家が「上昇トレンド」か「下落トレンド」かを判断する指標。割り込みは軟化のシグナルとして意識されます。

S&P500がこの水準を割ったのは138営業日ぶりで、市場では「調整入り」の見方が強まりました。


エヌビディア決算への警戒がリスク回避を誘発

AIブームをけん引してきたエヌビディア(NVDA)は、19日の引け後に決算発表を控えています。

Eトレードのクリス・ラーキン氏は次のように指摘しています。

「通常なら雇用統計が焦点だが、今はAI関連株の軟調を踏まえ、エヌビディアの決算が市場の勢いを左右する。」

AI関連株の過熱感が意識されているため、決算内容が市場全体のセンチメントを動かす可能性があります。

個別銘柄の動き

  • エヌビディア:-1.9%

  • アルファベット:+3.1%(バークシャーが43億ドル保有と判明)

  • アップル:-1.8%(バークシャーが一部売却)

  • デル:-8.4%、HPE:-7%(MSの格下げが要因)


米雇用統計に市場が注目、FRBは慎重姿勢を強調

20日に発表される9月雇用統計は、政府閉鎖で延期されていたため注目度が一段と高まっています。

FRBのジェファーソン副議長は、

「経済のリスクバランスは変化し、雇用情勢には下振れリスクがある」
と発言しました。

雇用統計とは?

米国経済の力を示す最重要指標。雇用が弱ければ景気減速懸念、強ければ利上げ観測が高まるため、株式市場に大きな影響があります。


市場の見方:調整か、トレンド転換か?

アナリスト・ストラテジストの見解は割れています。

「すでに調整局面」との見方

パイパー・サンドラーのジョンソン氏

  • 6カ月の上昇でバリュエーション過熱

  • 技術株以外にもローテーションが進み、上昇の広がりが狭くなっている

「健全な調整でバブル崩壊ではない」との評価

インベスコのレビット氏・ジョーンズ氏

  • 下落は大型グロース株が中心

  • 大幅上昇のあとの正常な調整と位置づけ

「来年はさらに上昇」と強気派も

モルガン・スタンレーのウィルソン氏は

来年にかけてS&P500は16%上昇、2026年には7800まで到達
という強気見通しを示しました。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが小幅低下──12月利下げ観測が焦点に

  • 米国債利回りが小幅に低下し、市場は12月の追加利下げの可否に注目
  • 経済統計の発表遅延が続き、市場は方向感をつかみにくい状況
  • FRB内部でも意見が割れており、利下げ確率は直前の100%→40%まで低下

#米国債利回りが小幅に低下

米国債市場では、大半の年限で利回りが低下しました。利回りが下がるということは、債券価格が上昇している状態です。

直近の利回り(前日比)

  • 10年債:4.13%(-1.8bp)

  • 30年債:4.73%(-2bp)

  • 2年債:3.60%(-0.2bp)

※bp(ベーシスポイント)とは?
→ 金利の単位で、1bp=0.01%です。

前日までの2営業日で大きく利回りが上昇していたため、その反動での低下も入っています。


経済指標の遅延で市場は不透明感

発表が遅れている理由

米連邦政府機関の閉鎖で、雇用統計などの重要経済指標の公表が遅れているため、市場参加者は判断材料を欠いています。

専門家の見解

  • バンガードのクイグリー氏
     「今後数カ月間、データの信頼性や一貫性に疑問が生じる可能性がある」

市場は「データに基づく方向感」を求めていますが、それが得られないリスクが高い状況です。


市場が注目する12月利下げの行方

FRBのスタンス

  • パウエル議長
     「12月の利下げは既定路線ではない」と慎重姿勢。

  • FRB内部では意見が分かれ、ウォラー理事は利下げを支持

そのため市場の予想は揺れています。

利下げ織り込み確率は40%に低下

  • 10月FOMC直前:ほぼ100%が利下げを織り込む

  • 現在:40%まで後退

タカ派発言が相次ぎ、市場は利下げ期待を弱めています。


#注目の9月雇用統計:予想は「+5万人」

JPモルガンは、20日発表予定の9月雇用統計について 「+5万人増」 と予想。

  • 労働需要には改善の兆し

  • しかし「利下げ支持には十分」との控えめな見解

雇用統計はFRBの利下げ判断に直結する重要データのため、今後の市場の方向性を左右します。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

円下落、ドル円155円台へ 財政不安と米雇用統計待ちでドル高加速

  • 日本のGDP悪化と財政不安から円が急落し、対ドルで約9カ月ぶりの安値
  • 高市首相と植田日銀総裁の会談が18日に予定され、利上げ姿勢に注目
  • 米政府閉鎖の解除により、延期されていた主要指標(特に雇用統計)が発表され、ドル高が進行
  • 市場では12月のFRB利下げ確率が低下し、ドル買い圧力が強まる流れ

円が急落、対ドルで155円台へ – 2月以来の安値

17日のニューヨーク外国為替市場で円売りが大きく進み、対ドルで一時155円30銭と2月以来の安値をつけました。
また、対ユーロでは過去最安値に沈み、円安が急速に進行しています。

背景:日本のGDP悪化と財政不安</h3>

日本の2025年7-9月期GDPが6四半期ぶりにマイナス成長となり、景気後退懸念が強まりました。
市場では政府が大型補正予算(財政出動)に踏み切る可能性が意識され、財政悪化への警戒感から円売りが優勢となっています。

為替介入の観測も高まる

円は対ドルで約9カ月ぶりの安値圏を推移しており、
市場では「さすがに介入があるのでは?」という観測も強まっています。


高市首相 × 植田日銀総裁、18日に会談へ

首相官邸は、高市早苗首相が18日午後3時半から日銀の植田総裁と会談すると発表しました。

注目点:利上げ姿勢に変化はあるか

これまで政府は急激な利上げには慎重な姿勢でしたが、
「円安が止まらない現状でスタンスを変える可能性は?」
と市場の注目が集まっています。

日銀の今後の政策イベント</h3>

  • 12月19日:次回の日銀金融政策決定会合

  • エコノミストの半数:12月に利上げの可能性あり

  • 1月まで含めると「ほぼ全員が利上げ予想」


ドル全面高の流れ、背景は「雇用統計」

米政府閉鎖の影響で延期されていた経済指標の発表が再開し、
市場は20日の米雇用統計(9月分)に強い注目を寄せています。

ドル高のポイント

  • 米経済の強さを確認できるかに注目

  • 予想を下回るとドルは弱く反応しやすい(戦略家の指摘)

  • それでも現在は「ドル買いポジションが優勢」

FRBの利下げ観測が後退

  • 市場が織り込む12月の25bp利下げ確率は40%未満

  • 今月初めは60%以上 → 利下げ期待が大幅後退

  • FRBジェファーソン副議長:「利下げは慎重かつゆっくり進めるべき」

専門家コメント

メシロー・カレンシー・マネジメントのシノハラ氏は
「12月の利下げはコイントス(五分五分)」と発言。
市場の不透明感が強いことを示しています。


為替市場の主な動き

  • ドル/円:155.24円(+0.69円/+0.45%)

  • ユーロ/ドル:1.1589ドル(-0.28%)

  • ポンド/ドル:1.3150ドル(-0.19%)

  • ブルームバーグ・ドル指数:+0.30%


用語の補足

GDPとは?

国内で生み出されたモノ・サービスの総額。
経済の「成長力」を示す基本指標です。

補正予算とは?

当初の国家予算では足りない部分を追加するための予算。
景気対策として使われることが多い反面、財政悪化にもつながります。

利下げとは?

中央銀行が政策金利を引き下げること。
景気を刺激する目的で行われます。

原油は小幅安・金は続落:地政学リスクと米利下げ観測の後退が市場を揺らす

【この記事のポイント】

  • 原油はロシア港の操業再開で小幅安だが、世界各地の地政学リスクが価格を下支え

  • 金は3日続落。米利下げ観測が後退し、金利低下を期待した買いが弱まった

  • 市場は、ロシアの輸出動向や米金融政策の不透明感に注目している


原油市場:各地の地政学リスクとロシア港の再開で方向感が揺れる

ノボロシースク港の操業再開で原油は小幅安

ニューヨーク原油先物(WTI)は小幅安となりました。
ロシアの主要港「ノボロシースク」でタンカーの接岸が確認され、操業再開の兆しが出たことが下落要因です。

一方、ウクライナによる攻撃で14日に原油価格は一時2%上昇していたため、その反動もあります。

ドル高が重しに

17日はドルが上昇し、ドル建てで取引される原油は相対的に割高となるため、投資家の買い意欲が低下しました。

ドル高とは?
→ドルの価値が上がると、ドルで買う商品(原油など)は他通貨保有者にとって割高になり、需要が落ちやすい。

世界の地政学リスクが価格を支える

一方で価格を押し上げる材料も存在します。

  • ロシア港への攻撃

  • イランによるホルムズ海峡付近でのタンカー拿捕(だほ)

  • スーダンでのエネルギー施設攻撃

これらは原油供給に影響する地政学リスクで、市場に“上値圧力”を与える要因です。

OPECプラスの増産と供給過剰懸念

OPECプラスやその他産油国は増産傾向。市場では今後数カ月で供給過剰になるとの見方が強まっています。

UBSのアナリストは、ブレント原油が1バレル60~70ドルのレンジで推移していると指摘。また、市場は「ロシアの輸出が大きく落ち込む」とは見ていないようです。

主要な原油価格

  • WTI 12月限:59.91ドル(-0.3%)

  • ブレント1月限:64.20ドル(-0.3%)


金市場:米利下げ観測の後退で金は3日続落

利下げ期待が後退し、金の魅力が低下

金価格は3営業日続落しました。
米政府閉鎖が終わったものの、統計データが出そろわず、景気の先行きが読みにくい状況が続いています。

この中で、米金融当局者から
「インフレ鈍化は止まる可能性がある」
との警告が増えており、12月の追加利下げが怪しくなってきたことが背景にあります。

利下げとは?
→中央銀行(FRB)が金利を下げること。
→金利が下がると、利息を生まない金の相対的魅力は高まり、通常は金価格が上がりやすい。

今回は利下げ見通しが後退したため、金には売りが出ました。

市場の利下げ確率は「50%未満」に低下

1カ月前まで「確実視」されていた利下げですが、
金利スワップ市場では50%未満まで後退。

「FRBの道筋が見えない」という不透明感が重しになっています。

主要な金価格

  • スポット金:1オンス=4027.67ドル(-1.4%)

  • COMEX金先物12月限:4074.50ドル(-0.5%)