2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/5

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式相場が急落、CEOらが「バリュエーション過熱」に警鐘

  • 米株式市場が過熱感への警戒から大幅下落
  • モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスのCEOが株価調整の可能性を警告
  • AI関連株やハイテク株中心に利益確定売りが拡大
  • 市場では「短期的な調整は健全」との見方も

米株式市場、6カ月連続上昇後に反落

4日の米株式市場は、主要3指数がそろって下落しました。
特にS&P500とナスダック総合指数は10月10日以来の大幅な下落率を記録しました。

背景には、ウォール街の主要CEOたちが「高すぎるバリュエーション(株価水準)」を警告したことがあります。
S&P500は過去6カ月連続で上昇しており、1950年代以降でも稀な強い上昇相場となっていました。
ただ、その上昇がAI関連など一部銘柄に集中していることから、相場のもろさ(ぜい弱性)を指摘する声も増えています。


CEOたちが語る「健全な調整」とは?

モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOやゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは、
「株式市場は調整局面に入る可能性がある」と発言。
これが投資家心理を冷やし、リスク資産からの資金逃避を誘いました。

ただし、キャピタル・グループやモルガン・スタンレーのアナリストたちは、
「短期的な調整はむしろ健全な展開」だと評価。
行き過ぎた熱狂を冷ます「値固め」の時間が必要だと述べています。


ハイテク株が主導して下落

今回の下落では、AI関連の「マグニフィセント・セブン(超大型ハイテク7銘柄)」のうち6銘柄が下落しました。

特に目立ったのは次の2社

  • パランティア・テクノロジーズ
     好調な業績見通しを発表したにもかかわらず、8%急落
     株価は過去1年で約400%上昇しており、バリュエーション懸念が噴出しました。

  • ウーバー・テクノロジーズ
     第3四半期の利益が予想を下回り、5.1%下落

また、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も4%安となり、
AIブームを牽引してきた半導体セクター全体に調整の波が広がりました。


「バリュエーション」とは?

バリュエーション(valuation)とは、企業の株価が本来の価値に対して割高か割安かを判断する指標のことです。
株価が急騰すると、利益や成長力に対して高すぎる「割高」状態になるため、投資家が利益確定売りを行うきっかけとなります。


市場の専門家たちの見方

  • マット・メイリー氏(ミラー・タバク)
     「中長期的な流れは変わらないが、短期的には意味のある調整が近い」

  • エリアス・ハダッド氏(ブラウン・ブラザーズ・ハリマン)
     「企業業績や金融政策は堅調だが、投資家心理はやや熱狂的」

  • BMOキャピタル・マーケッツ
     「株式の高バリュエーションへの懸念が、安全資産への資金逃避を促している」


まとめ

  • 米株式市場は過熱感を背景に下落

  • 大手CEOらが「調整の可能性」を示唆

  • AI・ハイテク株が中心に利益確定売り

  • 専門家の間では「短期的な調整は健全」との意見が主流

  • 今後は企業業績の実力が相場の方向を左右する局面に

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債が上昇、安全資産への逃避鮮明に

  • 株価下落を受け、安全資産の米国債が買われ利回りが低下
  • 各年限で利回りは年初来の低水準付近
  • 政府閉鎖の長期化懸念で、経済成長鈍化への警戒も
  • 雇用統計発表が見送り見通しとなり、ADP雇用報告に注目が集まる

米国債利回りが低下、安全志向強まる

4日の米国債相場は上昇しました(=利回りは低下)
株式市場が下落する中、安全資産とされる国債に資金が流入したためです。

指標 利回り 前日比 変化率
米30年債 4.67% -2.3bp -0.49%
米10年債 4.08% -2.7bp -0.66%
米2年債 3.58% -2.9bp -0.80%

利回りは複数の年限で、先月の年初来最低水準付近で推移しています。


株式の「割高感」警戒が背景に

オックスフォード・エコノミクスのアナリスト、ジョン・キャナバン氏は
「株価の下落をきっかけに、防御のため資金が米国債に流入した」と説明しました。
また、モネタ・グループのイーフィン・デビット氏は、
「ハイテク株を中心に“完璧”が織り込まれた市場では、
たとえ良い決算でも期待が高すぎて売られる状況だ」と指摘しています。


政府閉鎖が影響、雇用統計の発表見送りへ

米政府機関の一部閉鎖が過去最長に並ぶ状況となり、
経済活動の停滞が懸念されています。
この影響で、11月7日に予定されていた雇用統計の発表は見送られる見通しです。
そのため、今週発表予定のADP全米雇用報告に市場の関心が集中しています。

※「政府閉鎖」とは:予算が成立せず、一部の連邦政府機関が業務を停止する状態。
経済活動にマイナス影響を与えることが多いです。


まとめ

  • 米国債利回りは下落、10年債は4.08%台へ

  • 株価の割高感や政府閉鎖が安全資産買いを促す

  • ハイテク株中心の調整リスクが意識されている

  • 雇用統計発表見送りでADP雇用報告が注目指標に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル高続伸、円は安全資産として堅調に推移

  • ブルームバーグ・ドル指数は5日続伸し5月以来の高水準
  • 株価下落を背景にリスク回避姿勢が強まる
  • 円は安全通貨として買われ、ドル円は153円台半ば
  • FRB内の意見分裂で利下げ期待が後退(確率65%へ)
  • ビットコインは10万ドルを割り込む急落

ドル買い優勢、ユーロとポンドは軟調に

5日の外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇しました。
ブルームバーグ・ドル指数は5日連続で上昇し、5月以来の高水準(1225.95)を記録しました。背景には、米株式市場の下落をきっかけとしたリスク回避の動きがあります。

  • ドル/円:153.66円(前日比 -0.36%)

  • ユーロ/ドル:1.1480ドル(前日比 -0.35%)

  • ポンド/ドル:1.3015ドル(前日比 -0.9%)

円は安全資産として買われ、対ドルでやや上昇しましたが、それでも8カ月ぶりの安値圏にとどまっています。


FRB内の意見分裂で利下げ期待後退

米連邦準備理事会(FRB)内で利下げをめぐる意見の分裂が報じられ、年内追加利下げへの期待が後退しました。
金利先物市場によると、12月FOMCでの利下げ確率は65%と、1週間前の94%から大幅に低下しています。

この変化がドル買いを後押しし、ドル指数は8月以来となる100超え(100.17)を記録しました。


英国・欧州では通貨安の動き

イギリスではリーブス財務相が「厳しい選択を迫られる」と述べたことで、増税懸念からポンドが急落。
また、ユーロも5日続落し1.1483ドルと、8月以来の安値をつけました。

ラボバンクのジェーン・フォーリー氏は「イングランド銀行がハト派姿勢(=利下げ方向)に転じる可能性がある」とし、ポンドの下押し要因になると指摘しています。


円は安全資産として買われる動き

株価下落や債券買い(=金利低下)の流れの中、安全通貨である円とスイスフランが堅調でした。
片山さつき財務相は「為替動向を高い緊張感を持って注視している」と発言。
一部のヘッジファンドはドル買いを手じまい、152円前後で押し目買い注文を入れていると伝えられています。


ビットコインは10万ドル割れ

暗号資産市場でもリスク回避が波及。
ビットコインは7%下落し9万9679ドルと、6月以来初めて10万ドルを下回りました。


まとめ

  • 米ドルはリスク回避と利下げ期待後退で上昇

  • 円とスイスフランは安全資産として堅調

  • ユーロ・ポンドは景気懸念と政策不透明感で下落

  • FRBの方向性不一致が市場心理を冷やす

  • ビットコインも下落し、リスクオフムードが広がる

原油・金ともに下落、ドル高と政策見通しが影響

  • 原油は5営業日ぶりに反落、ドル高と供給過剰懸念が要因
  • 金も1週間ぶりの大幅安、FOMC(米連邦公開市場委員会)の政策見通しとドル高が重し
  • 市場は12月FOMCでの利下げ確率を約3分の2と見込むが、ややタカ派ムード

原油:ドル高と供給過剰懸念で反落

ニューヨーク原油先物(WTI)は1バレル=60.56ドルと前日比0.8%安で取引を終えました。
背景には以下の要因があります。

  • ドル高:ドルが約5カ月ぶりの高値をつけ、ドル建て商品である原油の割高感が強まった

  • 供給過剰懸念:OPECプラスが来年1~3月期の増産を一時停止する決定を発表。需要減退に備えた慎重な対応

アナリストのジョン・バーン氏は、「ドル資金調達へのストレスが世界の流動性や成長に影響している」と分析しています。

一方、ロンドンの北海ブレント原油も**1バレル=64.44ドル(0.7%安)**となり、世界的に原油価格が軟調に推移しました。


金:FOMC見通しとドル高が重しに

金スポット価格は1オンス=3939.15ドルと、前日比1.6%安の大幅下落。
主な要因は次の通りです。

  • ドル高:ドル指数が7月以来の連続高を記録

  • 金利政策の影響:利下げ期待が後退し、利息を生まない金投資の魅力が低下

💡 FOMCとは?
米連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略で、アメリカの金利や金融政策を決定する重要会合です。

サクソバンクのオレ・ハンセン氏は、「慎重姿勢のFOMCとドル高が金価格下落の要因」と述べています。

市場では、12月FOMCでの利下げ確率を約3分の2と見込んでおり、2週間前よりもややタカ派(利下げに慎重)な見方が強まっています。


まとめ

  • 原油はドル高と供給懸念で5営業日ぶり反落

  • OPECプラスは来年1〜3月期の増産停止を決定

  • 金はドル高とFOMC見通しが重しとなり1.6%安

  • 市場は12月利下げ確率を約66%と予想しつつも、慎重ムードが広がる